この調子で投稿できたらね‥‥(遠い目)
今回は急いで書き上げたので、誤字脱字があるかもしれません。
申し訳ないですが、見つけたら報告していただけると幸いです。
「ありがとうございました‥‥」ズ-ン
「‥‥‥‥‥‥‥」ズ-ン
「‥‥‥‥‥‥‥」ズ-ン
善逸君が来ての初めての訓練が終了した。
結局あの後、数十回皆が僕とカナヲに挑み、結果は惨敗。
また皆ずぶ濡れで訓練を終えるのであった。
あれほどやる気があった善逸君も見る影が無く、気が落ちているようだ。
それにしても、善逸君はともかく炭治郎君と伊之助君の成長が全然見られない。
体も動いてきた頃だろうし、そろそろ全集中・常中について教えた方がいいだろうか。
教えても良いのだが、これを自分で見つけられることが出来たら、教えられてやるよりもさらに成長できるかもしれない。
でも、いつまでも気づくことができなければ意味がない。やはり教えるべきであろうか。
僕がそう考えていると、ふと思いついた。
カナヲはどう思っているのだろうか。
もしかしたらカナヲから何か有益な事を教えてもらえるかもしれない。
そう思い、僕はカナヲに聞いた。
「ねえ、カナヲ。あの三人をどう思う?」
カナヲはきょとんとした顔でこちらを見た。
「‥‥‥分かりません」
わ、分からないか‥‥。
まあ、カナヲがそう思うのなら仕方がないけど。
うーん、カナヲも特に何もないのならどうしたものか‥‥。
僕は頭を回転させ、何かないか考える。
そうすると、一つある事を思いついた。
「そうだ。カナヲ、その銅貨貸してくれない?」
「‥‥‥‥?分かりました」パッ
「ありがとう。‥‥ふふっ、どうしてって顔してるね。まあ、ただの占いみたいなものだよ」
ピンッ!
僕は勢いよく銅貨を上に弾く。
部屋の中であるため、あまり上に飛ばすことはできないが、それでも天井すれすれにまで飛ばした。
さて、どうしようかな。
‥‥よし、それじゃあ表が出たら炭治郎君達に常中の事を伝えよう。裏が出たら伝えないでおく、これにしよう。
僕はそう考えながら空中に浮遊する薄茶色の銅貨を見上げる。
その時間は長く感じ、まるで鳥のように空に滞在しているように感じた。
しかし、銅貨が空に滞在する訳もなく、落下し始める。
パシッ!
手の甲に銅貨が着地した。
左手で抑えられた銅貨はどちらの面を向いているだろうか。
僕はドキドキしながらも、好奇心と期待感が混ざる中で左手を退かした。
「裏の文字‥‥裏か」
そこには裏の文字があった。
そう、結果は裏だった。ということは常中のことは伝えないでおくという事になる。
「あの‥‥どうして銅貨を‥‥」
何故銅貨を投げたのか不思議に思ったのか、カナヲが僕に問いかけてきた。
「いやね、炭治郎君達に常中の事を伝えようか迷っていたんだ。だからこれを使って決めたの」
「そうですか‥‥」
「そういえば‥‥最近良く炭治郎君の事をじっと見ている時があるようだけれどどうかしたの?」
「‥‥‥‥?」
「あ、あー、あの耳飾りをつけた子だよ。額に大きな傷がある子」
「っ‥‥いえ、特に何も」
「そう?」
その割には何か最初の言葉が詰まってたような気がしたのだけど。
まあ、特にないと言ってるのだからいいだろう。
「まあ、特に何もないなら大丈夫だね。あ、それと、あの三人の名前くらい覚えようね」アハハ
「‥‥‥‥はい」
○
訓練開始から一週間。
ここでまさかの事態に陥るとは思いもしなかった。
「はい?訓練に参加しに来たのは炭治郎君だけですか?」
「はい‥‥すいません」
なんと、あの二人が訓練に参加しなくなってしまったのだ。
「はあ、そうですか‥‥分かりました。あの二人が訓練に参加する気が無いなら仕方ありません」
「本当にすいません‥‥」
「何も炭治郎君が謝る必要なんてありませんよ。それでは訓練を始めましょうか」
「はい‥‥」
そうして、この日からあの二人が訓練に参加することはなくなった。
「‥‥お疲れ様でした」ビショビショ
そして、訓練終了後には、毎回炭治郎君がずぶ濡れで帰って行く姿だけが映るのであった。
それは来る日も来る日もーー
「‥‥‥‥れ様でした」ビショビショ
だが、ここから炭治郎君が急激に成長するとは、まだ誰も知らなかった。
○三日後
いつもの様に訓練が終了し、全身びしょ濡れで帰って行く炭治郎君だが、最近、炭治郎君の基礎体力がどんどん上がってきたように感じる。いや、これは確実に上がってきているのだろう。
それもそのはず、炭治郎君は訓練が終わった後も自分でコツコツと努力しているからだ。
それと、後から聞いたのだが、きよちゃん達が炭治郎君に全集中・常中のことを伝えたらしい。
僕は伝えない気でいたのだが、まあ結果的にに良しとしよう。
そしてさらに二日後。
ここで炭治郎君の成長ぶりを僕は実感することになるのであった。
全身訓練での鬼ごっこで、遂にカナヲの腕をつかむことができたのだ。
炭治郎君がカナヲに追いつけるようになってきた。これを確立させた出来事はこれだけではない。
反射訓練でもそれは起きた。
以前まで追いつけていなかったカナヲの速さに対応しているのだ。
目まぐるしく動く手が成長していると実感させた。
ついには反射訓練でカナヲに勝ったのだから。
これにより、炭治郎君の全集中・常中の会得が近づいているということを感じさせた。
僕は素直に嬉しかった。
こんなに努力している人を見るのは初めてだから。善逸君達が居なくても自分で努力し続けるこの姿勢が僕はとてもすごいと思ったし、とても応援したくなった。
だから、素直に炭治郎君の成長が嬉しかった。
「炭治郎君、君の努力は素晴らしいです。それはみんながみんな出来るわけではない。例え善逸君達が居なくても努力する姿勢、僕はとても好ましく思います。その努力は必ず実るでしょう」ニコッ
「はい!ありがとうございます!俺も優月さんの様に強くなりたいので!ですが、俺はまだまだです。これからもっと努力していくつもりです!」
「‥‥ふふっ、そうですか。頑張ってくださいね」
炭治郎君の努力する姿を見ると、不思議と笑みが溢れてくる。
その笑みはきっと僕の本心から出てくるもの。綺麗な努力が僕を笑顔にさせたのだ。
人を笑顔にさせる力‥‥これを持っている人はもう一人、僕の身近に居た。
そう、カナエ姉さんだ。
姉さんもいつも明るく、笑顔を絶やさず前向きでいる。
その明るさが故、周りも不思議と笑顔が溢れる。
姉さんも人を笑顔にさせる力を持っていた。
僕はその力が凄いと思ったし、同時に僕も欲しいと思った。
周りで悲しんでいる人や泣いている人を笑顔にさせる力。この力があればどんなに人を救えるだろうか。
それ故、姉さんの様になりたいと思った。
多分、こんなふうに思ったのは僕だけじゃない。しのぶ姉さんもだろう。
でも、僕達はカナエ姉さんじゃない。
カナエ姉さんのようにはなれない。僕はそう思っていた。
それなら、せめて姉さんの夢を引き継ぎたい。そう思ったのだ。
いつか皆が幸せに暮らせる様な世界に、それを姉さんと目指して歩んでいる。
だが、僕のその気持ちに雲がかかるような不安要素がある。
しのぶ姉さんの言葉。あの時の事がずっと心に引っかかっている。
言葉の中に姉さんが含まれていないのはただの言葉の綾かもしれない。
それでも、僕を不安にさせる何かがあった。
まだその不安が確信したわけではない。
しかし、その不安を確信させる出来事がこの後起こるなど、僕はまだ知らない。
○
ある夜、僕はまた外で月を眺めようと思い、縁側に出ようとしたその時。話し声が聞こえた。
僕は咄嗟に襖の後ろは隠れた。
どうやら話している人は炭治郎君と姉さんのようだ。
こんな夜に一体何を話しているのだろうかと疑問に思い、僕は話に耳を傾ける。
「炭治郎君、君には‥‥私の夢を託そうと思って」
「えっ‥‥‥っ!」バッ
僕はその言葉に驚き、つい声を出してしまい、思わず口を押さえた。
隠れていることがバレてしまっただろうか。
僕の心臓の鼓動は騒がしいほどに鳴り響く。
「夢ですか‥‥?」
「‥‥‥そう。鬼と仲良くする夢です。きっと君ならできますから」
‥‥良かった。
どうやら気づかれていないようだ。
でも、何故姉さんは炭治郎君に自分の、いや、カナエ姉さんの夢を託そうとしたのだろうか。僕はただただそれを疑問に思った。
「‥‥怒ってますか?」
「っ‥‥!」
炭治郎君のいきなりの言葉に僕は驚いた。
姉さんも同様に驚いたのか、息を飲んだような音が聞こえた。
「何だかいつも起こっている匂いがしていて‥‥いっつも笑顔なのに‥‥」
‥‥‥炭治郎君がいきなりそう口にしたのはそういう事だったのか。
炭治郎君は姉さんが偽りの笑顔を取り繕っている事を遠回しに気づいたようなものだ。
炭治郎君の鼻はよほど効くのだろう。
姉さんが怒っていることがわかるなど、普通の人なら気づかない。
そんな中、姉さんは淡々と言葉を告げる。
「そうですね‥‥私はいつも怒っているのかもしれない。最愛の姉を惨殺された時から」
「‥‥鬼に大切な人を奪われた人々の涙を見る度に、絶望の叫びを聞く度に、私の中には怒りが蓄積され続け膨らんでいく」
「体の一番深いところにどうしようもない嫌悪感がある。他の柱達もきっと似たようなものです」
「‥‥私の姉も君のように優しい人だった。親に同情していた。自分が死ぬ間際でさえ鬼を哀れんでいました。でも、私はそんな風に思えなかった。人を殺しておいて可哀想?そんな馬鹿な話はないです。現に、姉は殺され、弟も殺されかけました。もし、優月も死んでいたら、私はより一層鬼に対して強い恨みを持ったでしょう。それも、我を忘れるくらいに」
「‥‥でも、それが姉の想いだったなら、私が引き継がなければ‥‥哀れな鬼を斬らなくて済む方法があるなら、考え続けなければいけない。姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やすことなく‥‥」
「だけど少し‥‥疲れまして。だから貴方に、私の夢を託そうと思ったのです」
「‥‥それはしのぶさん自身が叶えなくて良いんですか?」
「私はきっと、その夢を叶えることが出来ません。でも、優月やカナヲ、優しい君ならきっと叶えられます。頑張って下さいね」ヒュン
「あっ‥‥行ってしまった‥‥(でも、分かりました、しのぶさん‥‥俺、頑張ります!)」グッ
「‥‥‥‥‥‥‥」
僕はただ、今の姉さんの言葉を聞いて俯いていた。
先程の姉さんの言葉を否定は出来ない。
僕だって鬼には強い恨みがある。それも計り知れないほどに。
だけど、その恨みだけでは動いては行けないという、カナエ姉さんの想いがあったからこそ僕は今進み続けられる。
ただ、しのぶ姉さんはどうなのか僕は知らない。姉さんはカナエ姉さんの夢をどう思っているのか。それは今の言葉を聞くに、完全に許容できてはいないだろう。
だから、その夢を炭治郎君に託したのかもしれない。
でも、本当にそれだけなのだろうか‥‥。
何故か僕にはとてつもない不安感が募っている。まるで、姉さんが居なくなるような、そんな不安が僕を襲っている。
姉さんが居なくなる‥‥そんな事は絶対に嫌だ。家族を失う絶望感は痛いほど知った。
もう味わいたくない。絶対に。
だからこそ、僕はもっと強くならなくてはいけない。あの鬼を、鬼舞辻無惨を倒せるくらいに。
そして、カナエ姉さんの夢を実現させる為に‥‥。
誰1人失わず、姉さんと一緒に、平和な世界を目指していくのだ。
だって、