言の葉紡ぎの日常   作:惰眠貪り隊

12 / 21
雪に埋もれています。大変です。

皆様は大丈夫でしょうか?

そんな中でお送りします。ではリョク君が主役の第什壱話、どうぞ!


什壱ノ葉 忍び寄るは緑と蛇

 

 

 

 

「・・・なぁ、アンタ、何時までフードに仮面のマンマなんだよ? そろそろ顔見せてくれてもいいだろ?」

 

「この任務中にでも外しますよ。そんなに急がなくてもいいでしょう」

 

「何喋ってんだよこのクソヤロー。顔がどんなんだろうとゲスには変わりがねえだろ」

 

「おい、多由也(たゆや)。あまり女がそう言う言葉遣いをするんじゃない。(えにし)を見習え」

 

「うっせえよ、クソデブ。縁と比べんじゃねえ!」

 

「そろそろ、動こうぜよ・・・」

 

 

・・・はい、縁ことリョクです。こんな四人――――いや、五人組みと一緒に木ノ葉に来てます。最近シイロさんが訪れていたのでどうなっているやら。札は回収不可能だから、解析も出来なくて警戒してるでしょうねー。でも、そのお蔭で潜り込み易かったです。

まあ、とりあえずサスケくんお迎え組、音の四人衆の紹介をしましょう。

一番目と二番目。西門の右近&左近兄弟。この二人は仲悪いんだか良いんだかわかんないです。いつも兄の右近は寝てますが、切れると面倒な人たちだと思います。

三番目に私のことを罵倒してきた北門の多由也さん。口は悪いですが案外いい人です。まあ、負けず嫌いでよく突っかかってきます。女じゃないって言ってるのに・・・。

四番目に食いしん坊の・・・じゃなかった、南門の次郎坊です。一番弱いといわれていますが、ただの食いしん坊です。ぶっちゃけチャクラまで食べるのであんまり戦いたくない相手といえます。

最後に冷静だけどゲーム好きな東門の鬼童丸さん。この人は戦う時にテンション高くなる人なので、こう言う時にありがたいです。

ダンゾウ殺しの犯人はシイロさんに決まってるんで、里の中より外で出会わないようにするのが大変でした。毎回みんな私の幻術頼りにするんですから辛い。まったく、怠けてるんじゃありませんよ・・・。

と、言う私の愚痴は兎も角、まずはサスケくんの説得と言うか、勧誘をしましょう。あ、私はしませんよ? 私は付き添い兼保険ですから。

 

 

「・・・さて、私は人払いをしてきます。サスケくんの方をよろしくおねがいしますね」

 

「はいはい。じゃ、いってきますか~!」

 

「リーダー面すんじゃねえ、このビチクソ野郎」

 

「・・・あ゛?」

 

「さっさと行くぞ」

 

「ホント、置いてくぜよ?」

 

 

大丈夫かなこの人たち。まあいいや。失敗しようと私がやるから。

私は印を切るとその場に溶けるように消える。気配も何もかも消した上で術を発動させた。

 

 

「・・・隠遁・木ノ葉隠しの術」

 

 

ふわり、と辺りに木ノ葉が舞う。チャクラの気配も何も無い。よし、成功ですね。

木ノ葉隠しの術は隠蔽に使う術。この術で覆った中の出来事を悟らせないようにするための物。広範囲に及ぶ物なので、こう言う時に役立ちます。

あとは見守るだけ。私は待機です。まあ、術の範囲内に入った哀れな人は全部記憶改竄させてもらいますけど。

 

 

 

 

 

・・・はい。終わったようなので結界解いて一緒に里から出ました。これで選ぶのはサスケくん次第です。ついでに彼が望んで里を出たと言う事実が出来ます。それと同時にサスケくんの心に“もう、アイツらとは会うことは出来ない”という一種の暗示が出来るので一石二鳥です。

 

 

「・・・来ましたか」

 

「サスケ様のお出ましだ」

 

 

ゆっくりとやって来たサスケくんに少しだけ寂しさを憶えた。そっか。君はコッチ側になる事になったんだね・・・。うちはの血は、まだまだ生きてるってことか。

一人だけ違う服装の私にサスケくんが眉を(ひそ)める。私は笑いながら仮面に手をかけた。するりと仮面を外してフードを取れば、サスケくんが息を呑んだ。まあ、死んだと思ってたんだから当たり前ですよね。私でもそうなると思いますから。しかも、顔に切り傷が出来ていれば驚きますよね。斜めに大きく切られていれば、ね。

これは四人全員で切りかかられた時に出来たんです。仮面は辛うじて落ちなかったとは言え、酷いですよね。普通一人ずつだと思うんですけど。

 

 

「・・・リョク」

 

(えにし)と呼んで下さい、サスケくん。・・・まあ、私も生きて会えるとは思ってませんでしたが」

 

 

 

私は無表情にそう言います。笑おうとすると引き()れて痛いんですよね。なぜか多由也さんが不服そうで、左近さんはニヤニヤ笑ってて、次郎坊さんはちょっと眉を動かしただけで、鬼童丸さんは口笛吹いてます。なんでですか。可笑しいですよ反応が。

ぐるっと全員と視線を合わせて見れば皆黙ってくれました。うんうん。わかればよろしいんです。

サスケくんが音の四人衆のトップになる事をさっくり伝えてもう一度仮面を被ります。もう一仕事あるんで、今のうちにね。

 

 

「では、いきましょうか。大蛇丸サマのところに」

 

「・・・ああ。始まりだ」

 

 

彼にとっての始まり・・・。つまり、彼の復讐が始まる、と言う意味か。私にはサスケくんを止める資格は無い。私に親は居ないし、兄弟も居ないから。彼の気持ちを理解できないですからね。

サスケくんの後ろに続いて私たちは進みます。さて、日の出までに距離を稼ぎましょうか。

 

 

 

 

 

~ ■ ☆ ■ ~

 

 

 

 

 

はい、サスケくんが桶に入りました~。なんか、状態2になるには一度醒心丸(せいしんがん)と言う薬を飲んで死ななきゃいけないみたいです。それを仮死状態まで和らげるために封印をしなきゃいけないらしいです。私は自力でなったんでよくわかりません。傍観した後、近くに木ノ葉の上忍四人がいるのに気が付きました。・・・一人は医療忍者ですね。

・・・やかましいのがいるのでさっさと伝えておきます。

 

 

「・・・あ、上忍二人来ます」

 

「何!?」

 

「誰が相手する?」

 

「皆でやった方がいいんじゃありませんか? そもそも私の存在がばれると色々ヤバいんで」

 

 

ギャーギャー言い合いをした結果、やっぱり皆(私はばれるんで除外らしいです)でやることになりました。なんか仲間外れな感じで悲しいです。まあ、どうせサスケくん入りの桶持ってなきゃいけないんですけど。

・・・と、上忍さん登場。まあ、なんと言うことでしょう。並足ライドウ上忍と不知火ゲンマ上忍ではありませんか! 私は戦わないので声を変えて情報提供することにします。低めにして、と。

 

 

「・・・バンダナの咥え千本に注意だ。連携させるな」

 

「おう、了解!」

 

「上忍相手じゃあ・・・これぐらいぜよ?」

 

 

戦闘モード(状態1)になった四人を眺めながら私は結界を張ります。だって、余波で壊れたら困りますし。この調子だともう少しで終わりそうだなーと眺めて数分、致命傷を与えて四人が帰ってきました。さて、ナルトくんたちが追いついちゃいますし行きますか。

・・・でも、疲れているのに私から桶を奪ったのはなんででしょうか? それは私がよわっちそうと喧嘩売ってるんでしょうか? ・・・どうも喧嘩腰になってしまいますね。私の悪い癖です。まあ、気遣ってくれたんでしょう。そう言う事にしておきます。

もうちょっと先で休憩することになりました。なので、お手製の兵糧丸を用意しておきます。

 

 

「はい、兵糧丸です。疲労回復、チャクラ回復にも効果があるお手製。ちなみに非売品です」

 

「・・・一応貰っとくわ」

 

「ウチも」

 

「オレもぜよ」

 

「・・・」

 

「はいはい、次郎坊にはお握りがありますよ~。お茶もどうぞ」

 

 

・・・笹の葉に包まれたお握りとお茶を差し出したらめっちゃ喜ばれました。なんかほのぼのするなぁ。なんか左近に『オマエのマントの中どうなってんだ』って目で見られたけど華麗にスルー。だって面倒だしね~。空間忍術のネタバレなんてしたくないし。

次郎坊さんが全部食べ終わった時、鬼童丸さんの蜘蛛の糸センサーに引っかかったのはサスケくんを追って来た人たち・・・つまりナルトくんたちです。とは言え、先に感知センサーも引っかかってますけど。

え~とシカマルくんにキバくん、チョウジくん、ナルトくん、ネジさんの小隊ですか。厄介なメンバーですね、もうまったく。でも白眼でも見難くする札をマントに貼ったので私の正体はわかりません。匂いも消してあるので誰かもわかりません。はい、完全に不審人物です。仕方ないんですけどね。

十分近づいた所で起爆札付きクナイを投げつけます。私がチャクラを消しているために適任だったんです。大爆発の後、シカマルくんとネジさんが転がり出てきました。話し合いに来た、と言うシカマルくんの前にナルトくんたちが引っ張り出されました。まぁ、トークで時間を稼ぐのは定石ですよね。私だってやりますし。

そんな中、キバくんが煙玉を投げつけてきました。うわ、ケムい。でもコレも作戦のうちですよね。多分、視界を奪うついでに影真似の術やってくるでしょうし。

と言う事で、テマリさんが測った距離+三メートルぐらい余分に離れます。三メートルは保険です。だって、桶の近くに居た私が逃げなくてどうするんですか。

 

 

「!? なんだ? 身体が・・・」

 

「・・・っち、すまねえ。一人取りこぼした!」

 

「大丈夫だってばよ! 一人ぐらい・・・」

 

 

って、ナルトくん、その油断が駄目なんですよ~。左近さんがニヤっと笑います。その背中に右近さんが居ないってことはどこかしらに行ってるんですか。やっぱアレって便利ですよね。・・・まあ、他人の身体に入ると言う事はしたくありませんが。

右近さんが投げた手裏剣によって影真似は解かれました。元々準備をしていた次郎坊さんの土遁結界・土牢堂無が発動します。本当は力任せにでも解けるんですけど、力の温存は必要ですから。まだ食べ足り無いらしい次郎坊さんは置いてきぼりにして私たちはちゃっちゃと進むことにしました。チャクラって美味しいんですかね? 今度聞いてみたいです。今度があったらですけど。

どんどん進んでいくとナルトくんたちが動き出しました。どうやらチョウジくんが残ったみたいです。チャクラが異様に膨れ上がっているので薬でも使ったんでしょう。秋道一族の秘薬と言えば『ホウレン丸』『カレー丸』『トンガラシ丸』と言う丸薬。なんか食べるとチャクラが飛躍的に上がるのと同時に激痛が走る危険な丸薬です。と言うかすごいと思います。だって食べると痛いとか、どれだけ効果があるんですか!?

って叫んでる人がいました。私のテンションそんなに高くないです。

・・・はあ、次郎坊さんやられたし、追いつかれそうだし。疲れることばかりですね。

 

 

「・・・もう少しで追いつかれます。誰が残りますか?」

 

「ハァ!? 何やってんだあのクソデブ!」

 

「やっぱ最弱を残したのは間違いだったな・・・」

 

「じゃ、オレが行くぜよ。丁度遊びたかったんでな」

 

「ではでは、戯れはほどほどに。侮るのもほどほどにした方がよさそうですよ」

 

 

なんかデジャウがするんですけど、私の勘が良過ぎるんですかね? このまま鬼童丸さんも帰らぬ人となりそうです。どうせ忠告なんて死ぬ間際に思い出すんです。もう面倒だと思う反面、忠告しちゃうのは私のサガなんでしょう。そう思いましたけど心のうちに留めて枝を蹴ります。どうせあの大蛇丸さんの様子じゃ間に合いませんけど、それでも『急ぎました!』っていう格好だけはした方がいいでしょうからね~。そう、格好だけって言うのがミソなんですよ。上手く内心を隠してサボるコツ。

「スピード上げますよ~」と他の二人に言って力強く枝を蹴ります。あ、今足がビキッって嫌な音した。痛い。でも、スピード上げるって言って減速とかキレられるパターンなんでそのままです。医療忍術が苦手な私としては早く帰って寝たいです。

・・・また一人残りました。残ったのはネジさんです。相性はいいですね。で、追ってくる人たち。本当、仲間思いでよろしいことです。

私が忘れられている気がしますが、今はサスケくんですよね。わかりますとも。そう言えば死んだと思われてたような気がしますが、しかたがありません。なんて言ったって私ですもの。言霊って嫌われていた孤児の私ですもの。

怨んでも、憎んでも居ません。あと、僻みでもありません。モテモテだなって思っただけです。

 

 

「あ、また一人残って追いかけてきます。じゃ、宜しくお願いします。私は先行くんで」

 

「・・・ゲーム廃人が!!」

 

「任せとけ、オレ一人でも殲滅してきてやるからよ!」

 

「あ゛?」

 

「あぁ?」

 

「二人とも、仲良くお願いしますー。侮っちゃ駄目ですよ?」

 

 

またデジャウ。この二人、息合ってるんだか合ってないんだかわかりませんな~。喧嘩はしないでほしい。二人のチャクラがみえなくなってから草原で一息付きました。いや、薬呑み忘れただけなんだけど・・・。

うわ、喉どころか食道まで痛いし。最悪な気分です。血を吐き捨ててから薬を流し込んでいると・・・なんと君麻呂さんの気配が! と言うかチャクラが! あ、君麻呂さんというのは元音の五人衆の一人でとても丁寧ないい人で本当の孤独を知っている人です。だから、大蛇丸さんを狂信しています。最初に孤独から開放してくれた人らしいですからね。

本当いい人なんですけどね・・・。大蛇丸さんの話になると私まで『大蛇丸様最高! 神様!』とか叫びだしそうなぐらい話してきますから。あまりその話はしたくないです。いや、切実に。

・・・あれ? 桶は?

 

 

「よっしゃあ! 取った!」

 

「・・・アレ?」

 

「! 今の声・・・」

 

 

・・・ゲフンゲフン。ヤバい。今度は現実がヤバい。気が付いたらキバくんに棺桶取られてて、ナルトくんに地声聞かれたとか本当に危険じゃないですか。でも、君麻呂さんが来たから誤魔化し効きますかね? 効いて欲しいんですけど。

 

 

「・・・何をしているんです? キミが付いていながら」

 

「済まない。少し、事情があってな」

 

「・・・ゲッ、もう一人!?」

 

 

キバくんがナルトくん(影分身)にパスした棺桶は君麻呂さんに取られました。私もひとっ飛びで君麻呂さんのところに行って桶を貰いました。ついでに、君麻呂さんは私の身体の弱さを知っていて、だから薬で症状を抑えている事について言わずとも事情(・・・・)と言えばわかってくれるのです。任務をやるならやっぱりこの人とがいいですね。

ボフンとキバくんが消えます。悔しそうな顔をしているのは一人残ったナルトくんです。キバくんとシカマルくんは左近さんと多由也さんを足止めするために残ったのでしょう。でも、もう一人ぐらい居た方がよかったですね。人数的にも力の差的にも厳しいですから。

 

 

「・・・まあ、仕方が無い。それより、他の四人・・・。おめおめと帰って来たなら――――」

 

「私が許可を取っておくから、きみの好きなようにするがいい」

 

 

流石はO☆BA☆KAの名前を欲しいままにしているナルトくんです。私が声を変えれば気の所為だったかと思い直したみたいでした。今は凄くありがたいですけどね。

私はこの場を君麻呂さんに任せて進みます。安定した場所で戦うのはいいんですけど、私のスタイルと草原は合わないんです。どうせなら森の中とかでしたいんですけど、方向が違いますから仕方が無いですよね。

私は近づいてくるチャクラを感じながら呟きます。「ここで私を逃がしたら任務失敗。だが、ここで足止めしないと成功率は0に等しい・・・。さあ、きみはどっちを取るんだ?」と呟いてから後ろのナルトくんを笑いました。もちろん内心ですよ? 今の私には表情筋は必要ないですから。

・・・っと、もう少しでサスケくんが起きそうです。今やっと国境の川にたどり着いた所ですし丁度いいでしょう。無駄にデカイ彫刻を軽々渡って棺桶を置いて退散します。爆発したら痛いじゃないですか。

バキャン!と大きな音を立てて割れる棺桶を眺めながら、私は彫刻鑑賞をします。誰が彫ったんでしょうね? 術にしても凄い繊細にやらないと出来ないと思うんですけど。

棺桶から登場したサスケくんは状態2から戻って笑い始めました。おーいサスケくーん、きみはクール笑いの方が似合ってるよー。きみ、高笑いキャラじゃないでしょー。大蛇丸さんならしそうだけど。

 

 

「サスケェ!」

 

「・・・ナルトか」

 

 

・・・ナルトくんが登場。チャクラからするに、リーさんが来てくれたんでしょう。ちなみに影分身は全部消されたみたいですね。ああよかった。

と言うか私空気なんで、大蛇丸さんに連絡して観客になる事にします。サスケくん、手を出したら怒るでしょうし。それはそれで面倒ですし。

こはくさんも来てるし・・・ああ、面倒です。早く決着つけてくれませんかね~。

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。

月曜日が不安です・・・。

あとついでにアンケートやってます。活動報告にお願いします。


 ~ オリジナル忍術 ~


隠遁・木ノ葉隠しの術

発動と同時に木ノ葉が辺りを隠す。チャクラの動きからその術の範囲の騒音、轟音、風景の変化までをオールカバーする。
進入した敵は昏倒し、数十分は起き上がれない。その間に記憶の改竄をしなければならないため、人気の多いところでやるのはオススメできない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。