言の葉紡ぎの日常   作:惰眠貪り隊

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筆が進まないのはどう考えても地球温暖化が悪い!

はい、スイマセンデシタ。お願いですからパソコンor携帯の画面を割らないでッ

こんなに更新遅いのに読んで頂いている事実に(おのの)き戦慄しながらも感謝いたします。

まぁ、そんなこんなで十六話をおおくりします。



什碌ノ葉 緑の嘆息、紫紺の独白

 

 

 

 

 

 

 

 

~ □ ☽ □ ~

 

 

 

 

 

暁が現れて、オレはヤマト隊長に指示を出された。暁の方はヤマト隊長とサクラちゃんが。もう一つ、こちらを窺っているヤツにはオレとサイのヤツが。そういわれて予感がしていた。その窺っているヤツがリョクだってコト。なんとなくだけどサスケの傍にいたのも、あの声も気のせいじゃない気がした。

やっと会った友達は冷たい目をして忍刀を振るう。その度にサイの刀と澄んだ音を立ててぶつかって火花を散らした。隙を見ては千本やクナイを飛ばしてオレを狙っているのはわかったし、それぐらいならば避けられる。・・・でも、リョクがオレを殺そうとしているのは信じたくなかったんだってばよ。

最初にオレを一人ぼっちから救ってくれたのがリョクだった。一緒に遊んでくれた。沢山話してくれた。だから、友達に殺されるはずが無いって思いたかったんだ。

 

 

「守られてばかり。君は何も変わってないんじゃありませんか」

 

「っ!」

 

 

リョクの目が、この目が唯一の好きな色だと笑っていたその目が氷のような冷たさでオレを睨む。いつも温かい光を宿していた色が別のモノのように見えるぐらいに。

リョクは、友達だってばよ。

だから、だから・・・。

 

 

「ナルト君!」

 

 

サイがオレを呼ぶ。クナイが飛んで行った。動けない。

 

 

「はは。君はまた見殺しにするんですね」

 

 

リョクが嗤う。嘲笑う声が響く。動けない。

 

 

『なさけねぇツラだ』

 

 

腹の中で声がする。動けない。

 

――――動きたくない。

 

イヤだ。友達を『―――ス』なんてイヤだ。イヤダ。

 

 

「――――ぁぁあぁあ」

 

 

プツン、と何かが切れる音がしたのと同時に、オレの意識は暗転した。

 

 

 

 

 

~ ■ ☆ ■ ~

 

 

 

 

 

『――――ぉォォぉおオぉおォォおオおオオオ!!!』

 

 

轟、と音が鳴る。・・・やっとですか。そう思いながら地面に倒れたまま自分の指先を見つめます。見つめたくて見つめている訳ではなくて、ただ動かせないだけです。あー、口の中が鉄の味(まみ)れです。簡単に言えば、サイくんに止め刺そうとしてナルトくんに吹っ飛ばされたというだけの話。

コプ、と喉の奥から溢れ出てくる血の量からしても内臓一つ二つぐらいはやられているでしょう。咳き込みながら慣れない医療忍術を使い、無理矢理身体を動かしました。

いきなり尾が四つ。理性は追い詰めたせいで微塵もありません。サイくんは離脱済み。つまりナルトくんと私は一対一です。・・・これは詰みですかね。歪んだ視界の中で近づいてくるナルトくんの肌はペリペリと剥げていく所。つまり理性どころか九尾を開放しかけです。

相手は九尾の人柱力、私は死にかけ。使いたくない奥の手を使うぐらいしか生き残る術が無い気がします。

 

 

「・・・ナルトくん、聞こえてますか」

 

『グゥルゥぅ・・・』

 

「ゲホッ、聞こえてないみたい、ですね」

 

『グおォオおッ!!』

 

 

そう雄叫びを上げて私へと突っ込んできます。はぁ、もう使いたくないんですけどっ!

医療忍術を使いながら横へ飛べば腕が間一髪で通り過ぎました。急いで逃げないと腕の一本や二本じゃ済みませんから急いで避けることだけに専念します。危なっ。

掠っただけで大量出血なんですから必死にもなります。しかも枝分かれしてバッコンバッコンと小規模のクレーターを作り上げていきました。流石、といいたい所ですが自分の生死が関わっているのでそんな軽口もいってられません。えぇ。奥の手を使うまでの時間稼ぎで死にましたなんて笑えませんからね。

・・・準備がやっとできました。その間に周りの木々は薙ぎ倒されて更地になってました。でも、これで動きは封ずることが出来るはず。ナルトくんもすぐ治ります。

 

 

「さぁて、鬼ごっこも終わり。いっしょに来てもらうよ、ナルトくん」

 

 

両手を組んで、そのときを待つ。タイミングを間違えば私が死ぬ。それだけのことだし、()として記録(ログ)に記録されるというだけなんでしょうけど・・・。そうしたらナルトくんは悲しむから、私はミスを許されないのです。

タイミングを計る。グングンと迫るナルトくん。

 

 

 

 

・・・そして、私の前に立ちはだかるように、桜色の髪が揺れる。

 

 

 

 

「もういいから! やめて、ナルトっ」

 

「サクラさ、っ!」

 

 

迫る九尾の爪。私の行動は唯一つだった。

サクラさんの腕を引いて、反動で位置を反転サクラさんを庇う。それだけしか短い間で出来なかった。

吹っ飛ばされる。地面を転がりながらトびそうな意識を繋ぎ止めた。混濁してグチャグチャな意識の中で、震える両の掌を組み、術の名を掠れた声で呟く。

 

 

「も、木、遁・・・(れん)()眠々(みんみん)

 

 

次いでサクラさんを狙ったナルトくんのその腕を、蓮の花のような木々が受け止めて彼を包み込む。・・・あぁ、誤算だった。コレ、絶対大蛇丸サンからなんか言われるもんだよコレ。

燃えるような熱さが背中を中心に広がる。受身を取ると言われてもそんな余裕が無かった上に出血多量である。こりゃ死んだかも。

 

 

「――――ク、リョク!」

 

「っ、あ・・・ゲホッ」

 

 

ぼーっとし始めたこの意識を一気に覚醒させる。気合なんてものじゃない。ただ、今さっきの術で九尾のチャクラを自分のチャクラに変換したお蔭で治癒に回せたのですよ。余裕が出てくると同時に自分の状態がわかった。

骨折、打撲、内臓破裂に捻挫、裂傷、切り傷、擦り傷、ミンチ。よく生きてたなと言うぐらい。なんで生きているんですか、と言われても答えようがないですね。

そこら中が焼けるように熱いです。それと同時に体の芯が氷のように冷たくて、死ぬ寸前なんだなと再確認しました。

 

 

『・・・仕方ないですね』

 

 

頭の中で声が響いて、次には勝手に動かなかったはずの口が動く。

 

 

『元通リ』

 

 

ベキリとかベキョリとかボギャンとか、そういう人体からしてはいけない音がして悲鳴すらも出ない凄まじい激痛が私を襲いました。目から火花が飛びそう、とはこのことなんですかね。げぼっと血を吐き出してひと心地付きます。・・・あまり調子がいいとは言えませんが、致命傷は完治です。

と、サクラさんの顔が目に入りました。驚きと唖然となんでしょうか、色々ぐちゃぐちゃになった顔です。まぁ、死にかけの顔見知りがいきなり聞いていて気持ちの悪くなる音を出しながら完治したら驚くしどうなってるんだかわからないという顔にもなるでしょうね。

その顔を見ないようにしながらふぅ、と溜息を付きました。自分の割り切れない気持ちと、演技の下手さ、そして・・・慢心していた自分の甘さに反吐が出そうになりますよ。本当に全く。

 

 

「・・・まだまだ、ですね。私も」

 

「ど、どうなってるの・・・?」

 

「簡単ですよ。アナタの敵に戻った。それだけです」

 

 

ぐったりとしたまま木で出来た蓮の花に包まれているナルトくんの元へと飛びます。貧血でよろけながらナルトくんを抱え、印を結びます。その瞬間、殺気と共に巻きつくように先端が尖った角材のような木が現れました。・・・だが、その攻撃は私に利かないんです。()には、ね。

にっと笑って術の名を紡ぐ。

 

 

「渡術・木霊伝い」

 

 

その木が触れるより先に身体が下へと滑り込みます。途中で盛大な舌打ちとか、「しまった!」という声を聞きながら向こう側で私は崩れ落ちるように着地しました。チャクラも体力も限界に近い。しかもチャクラが足りなくて遠くに飛べませんでした。どうにか場所を察知されないためにナルトくんへ貰ったチャクラ封じの札を貼り、周りを確認すると・・・とある人のチャクラが近くにあるのがわかります。ついでにその周りには私の上司のチャクラも。

助かりました。これで任せて帰れますね。上司には会いたくないですけど。会ったら死にます。と、言う事でよろよろとナルトくんを担いで、相手の感知範囲へと向かうことにしました。

あぁ、まだ死にたくないですねぇ。これで生き残れたら、自分に術でも何でもかけて演技に臨むことにしましょう。

 

 

 

 

 

~ ■ ☆ ■ ~

 

 

 

 

 

用事の終わったシイロだ。ちょいとリョクの様子がヤバめなんでね、見に来たんだよ。

黒衣に身を包んだ傀儡が転がる戦いの痕。全ての傀儡が砕け散ったり、両断されている。そんな中央部で両足両腕の砕けた赤い髪の傀儡ことサソリが憎々しげな顔をして目の前の男、大蛇丸へと吐き捨てるような口調で言っているのがみえる。

 

 

「ま、さか・・・テメェに負けるとは、な」

 

「経験の違いよ・・・。アナタも、中々だったけれどね」

 

 

・・・そうだ。今がチャンス。サソリはプライドも高いが・・・前の(・・)“テーレ”のヤツと仲良かったッぽいんで、説得はしやすそうである。俺たちの味方は小数精鋭でいい。その基準をサソリは満たしている。なら、引き込むのも手だな。うん。

オレが簡単に思考を纏めた時、サソリに止めを刺そうと大蛇丸が草薙の剣を振り上げた。その勝利に緩んだココロの隙を俺の術が滑り込む。印を組むだけで視覚の情報を弄れる術。オリジナルの札遊び・影潜りだ。気付かれないのを第一に考えた術で、あらかじめチャクラを込めた札を用意しておけば気が付かれないよう術を使うことができる。

そんな札を使いながら、サソリとクレイがサソリの傀儡に触発されて作った模倣作と換えてその場を離れた。まずは人型から作って、次に鳥のモチーフに仕上げて行くらしい。その大元を貰ったのだ。ぱっと見ではそんなに変わらないし、核も精密に形作られているため、わからないだろう。

まぁ、そんなコトはさて置き、俺は幻術が得意だ。だから、自分がいた痕跡なんて残さない。証拠隠滅も得意なんでな。伝説の三忍とは言え、驕りぐらいはある。そんな隙を突くのがポイントだ。

死を覚悟していたのに俺に助けられたことに驚いているサソリの疑問は後で答えてやるとして、まずはリョクだ。バトンタッチしなきゃあいけねぇし。

気配を完全に殺しつつ、リョクの方へと走る。その間周りに敵影は無いかと探った。あまり感知は得意じゃーねぇんだけどなぁ・・・。

と、思いつつも到着。うわぁ、ヒドいなこれは・・・。

 

 

「おいおい、血塗れじゃねえか。早く応援呼べっつーの」

 

「あ、ははは・・・。そんな暇が無かったのですよー」

 

「わかるけどよ。まぁ、どっちも収穫あったからいいってことだ。おら、この札で帰れ。あと・・・この人頼んだ」

 

「了解、です」

 

 

とりあえずコイツは送還と言う事にして、俺はナルトとやらに医療忍術をかけて治す。治りが遅いが仕方があるまい。よいしょ、と立ち上がったリョクの横でサソリが何か言いたげな顔をしたが、その前にリョクが拾い上げて去っていった。リョクとサソリはコレでよし。こはくが何とかしてくれんだろ。

・・・しっかし、コイツ(ナルト)どうしよ。俺と相性はいいが・・・そもそも腹から『とっとと出せ!』と上から目線のキツネの声が聞こえる。とりあえず「ナルトの事、実は認めてんじゃあなかったのか? コイツ、いい奴なのに・・・。お前のことも受け止めてくれるかもしれねえから保留な」と言って後の聞くに堪えない(ののし)り声と罵詈雑言はシャットアウトだ。自分も客観的にみれないヤツの言葉なんて聴かないぜ。

俺? 俺は感情型寄りの理論派で、そんでもって守銭奴。ココ重要だな。あと、ちょいお節介。まぁ自己分析はどうでもいいとして、チャクラ探知する。・・・どうやら大蛇丸の後を付けているようだ。リョクのヤツは大蛇丸の部下だし、妥当な判断だな。わからない以上は迅速に選択肢を潰してくしかないんだし。

さて、ナルトはアジトへ運んで合流させっか。その前に起きるだろうからちょいと話をして、サスケとやらに会わせて帰ろ。んで金数えて寝よう。

くあ、と欠伸をしながら速く、そして静かに大蛇丸の後を追う。俺はアジトの場所知らねぇし、カチ会ってもめんどくさい。地道にせっせと後をつけるしかないだろう。

 

 

「あーあ、さっさと平和な世の中になんねぇかね」

 

 

それこそ、このチカラがいらないくらいの争いの無い世界に。ココロの中でそう呟いて、大きな溜息を付いた。

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。シイロおとん!


オリジナル忍術

木遁・蓮華(れんか)眠々(みんみん)

蓮の花弁のような木々が対象のチャクラを吸い取り、意識を奪う。封印術の一種であり、暴走した尾獣たちに有効。
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