言の葉紡ぎの日常   作:惰眠貪り隊

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布団から出ねばならなくなったので

(・Д・)ノ{サラバダー
(  )
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と言う訳で三話目。お送りします。


参ノ葉 闇が巣食う森の中で

やぁ、ただ今“死の森”の中に居るこはくだよ。大きなムカデ君と仲良くなったりしたけど、あとは何もないかな。砂には大きな動物や虫が居ないからつまらないんだよね。本当、居たら退屈じゃなかったかもしれないのに・・・。残念だと思う。

今はぼくとリョク君とツーマンセルを組んで死傷者を減らそうと努力中。まぁ、死んだら死んだだけど。体力の無いぼくらは休憩しながらの移動となる。下忍君たちには負けないけれど、上忍さんたちからすると短い移動時間のように感じるかもしれない。まあ、無傷だからどっこいどっこいか。今もリタイアした下忍君を抱えて移動中。移動しながら治療してたら「・・・凄いですね。そんな繊細なチャクラコントロールを移動中にできるなんて」ってリョク君に感心されたよ。

褒められる事にはなれてないから、ちょっと転びそうになっちゃった。危ない危ない。我愛羅やテマリさんやカンクロウさんになんて言われるかわかんないよ。怪我すると三人とも心配するからなぁ・・・・。気を引き締めなおしてゲートに運ぶ。それにしてもこの子、赤い髪がキレイだなぁ。うずまき一族の子かなぁ? 精神的な疲れによる気絶だったから、大きな切り傷とか擦り傷とかをキレイにするだけして置いたけど、早く目を醒ますと良いね。っと、やっとゲートに到着。もう門番さんたちは気が付いて開けてくれてる。

 

 

「この受験者さん、よろしくお願いします」

 

「・・・はい、確認取れました。中央に連絡を」

 

「承りました。では」

 

 

カリカリっと門番さんが手元の紙に書き込むのを待ってから受験者さんを渡す。

短い返答の後にゲートから離れ、その場を去った。まあ、事務的な会話ってこんなものだよね。連絡も面倒だけどしょうがないや。必要なことだし。受験者さんの番号を書いて連絡用にと自分で作った術式を使う。紙を鳥に変えるだけの物だ。だけど使い勝手はいいから愛用している。鳥の絵が描かれた長方形の紙を振ればポンっと煙が出て、小型の鷹が現れる。中央まで、と呟きながら脱落者の書かれた紙をくくり付ければ、空高く飛んでいった。ふう、と息を付いてリョク君の方を見る。

「・・・他に、弱ってる人は居ません。一段落付きましたね」と疲れた笑みを浮かべた。ぼくはそれに「やっとまともな休憩が取れるね。お疲れ様」と返して伸びをする。よく考えていたらぼく、ずっと働き通しだったんだ・・・。足が重くて肩が凝っているのも納得。とりあえずここら辺に居たらトビヒルとかに襲われてしまうので中央の塔に行く事にした。ふと、気になった事をリョク君に言う。

 

 

「ねえ、リョク君」

 

「なんですか?」

 

「下忍君じゃない気配・・・・と言っても大蛇丸さんの気配があるんだけど、行って見る?」

 

「・・・確かにそうですね。しかも、私の班員もそこにいるようです」

 

「あぁ、ここでお別れかぁ。君の筋書き(シナリオ)にはそう書いてあるものね」

 

「ですね。では、行きましょうか」

 

 

なんでもないような会話をして少し寂しげな笑顔を浮かべる。リョク君の筋書きとはここで大蛇丸さんに攫われる、と言う物だ。“記録図書館(ログ・ライブラリ)”は何故か未来の記録(ログ)をみせることがある。とある場所に行くとどうなる、とかそういう事を指示するかのような映像でしか無いが、必ずと言っていいほどその通りになる。と言うか、意図しなくてもそうなる。だから今のうちに手を打っておいたらしい。だから、解剖とかはされないよ。多分だけど。ぼんやりと考えながら枝を蹴っていけば・・・居た。

途中から気配を消しながら行く。必要とあらば一撃入れられるようにね。リョク君の気配が隣から一瞬にして遥か先へと消えていった。読み込み(インストール)の影響で今さっきまでリョク君がいた所には足型が付いていた。・・・一応班員だからね。思うこともあるだろう。ぼくだってそうするし。ドン!と凄まじい音が前方で聞こえる。遠目に大きなヘビが現れたのが見えた。

口寄せは・・・出来ないからなぁ、ぼくら。術は作れるのに口寄せだけはできないんだよ。なんか口寄せ動物に嫌われてるらしい。口寄せ動物以外なら仲よくできるんだけど、なんか変な特性だよねぇ。まぁ、それはどうでもいいとして、戦況確認する。

まずはリョク君の班員。春野サクラさんは論外、サスケ君は・・・もう倒れてるや。で、うずまきナルト君は二人を守ろうと立ちはだかって・・・あ、リョク君が間に入った。うん、“言霊”使ったな。血を吐いたし、確定だね。ここら辺でぼくも援護することにする。だってリョク君がここに居る説明が出来なくなると困るからさ。

それは兎も角、大蛇丸さんに顔を知られては後々困るので砂避けマントのフードを被って、砂の暗部の仮面を被ればスタンバイオーケーである。

 

 

「・・・やっと手に入れられそうねぇ。(いにしえ)の一族、言霊の子!」

 

「リョクを放せ、蛇野郎ぉ~~~!!!」

 

 

と、こんな声が聞こえた。一つは大蛇丸さん、もう一つはうずまきナルト君――――九尾の人柱力である少年の声だ。禍々しいチャクラがビシビシ当たる。ぼくがスタンバイしている間に(シメ)られてぐったりしたリョク君を抱えた大蛇丸さんに、バカの一つ覚えみたいに特攻したナルト君が弾き飛ばされた。簡単に弾き飛ばされたものだから大木に激突しそうである。まったく、世話の焼ける問題児だ。我愛羅とは大違いだよ、本当に。そう思いながら大木に激突する前に受け止めて、くるりと近くの枝へと降り立つ。

何がなんだか、と言う顔をしたナルト君を枝に降ろして興味深そうにこちらを見る大蛇丸さんの方を向いた。あまり手の内を見せたくないので、いつもは使わない忍刀を引きずり出して口を開く。ちょっと低めの声にして、と。

 

 

「・・・ちょっと、彼を返して頂けませんか。伝説の三忍、大蛇丸さん」

 

「嫌よ。だってやっと手に入れた言霊だもの」

 

「そう言うと思いました!」

 

 

そしてぼくは飛び掛る。あんまり本気は出さないようにしながら、だけど。でも、大蛇丸さんに飛び掛るほどバカではないので・・・口寄せのヘビにだ。小さく印を切って、雷遁を発動させる。カカシさんの雷切もしくは千鳥とまでは行かないけれど、拡散するように組み込んでる。

とはいえ手から相手へ伝わせればこっちにも痺れが残ったりするので、忍刀に通すだけだ。大蛇へと刺し雷遁を送り込めば、肉の焦げる匂いと共に断末魔が響き渡る。うん。まぁ、マックスでやったからね。そもそも雷遁の手加減はニガテなんだよ。ボフンって音がして大蛇が消える。ちなみに大蛇丸さんはとっくの昔に大木の枝へと移っている。やっぱり巻き添えにはなってくれなかった。ちょっと興味を引いてしまったようだ。凄い視線を感じる。

 

 

「・・・ちょっとはやるじゃない?」

 

「将を居るならばまず馬からってことですよ。では、次はあ「どりゃぁあぁああ!!」・・・はぁ」

 

 

・・・バカがまだ居た。強敵が居て、援軍来たら仲間連れて逃げろよ・・・・。リョク君が捕らえられるぐらいしか見えてないんだけど! 君死んだらぼく困るんだけど! 簡単に大蛇丸さんに捕まったナルト君だが、よく考えながら見ると普段と様子が違った。瞳孔は縦に裂けてるし、目が赤いし。・・・あれ? 九尾のチャクラ漏れ出してる感じ? それに大蛇丸さんも気が付いたみたいで、ひょいっと服を捲り上げた。お腹に九尾を封印した術式が浮かび上がっていた。うわぁ、複雑で丁寧な出来だなぁ・・・。流石はうずまき一族の技。まぁ、それを施した四代目火影さんが凄いんだけれども。

大蛇丸さんはぼくから興味が移ったみたいで、ぼくの攻撃を避けながらも封印式を組み上げている。流石伝説の三忍だね! 力を五分の一しか出してないぼくじゃ敵わないや! と、そんな時、腹に封印をぶち込まれたナルト君はペイっと投げられてしまった。意識は既に無い。やべっと思いながら枝を蹴れば背後で大蛇丸さんの気配が。

 

 

「後ろに気を付けないと・・・死んじゃうわよ」

 

 

だそうだ。と、言うことでぼくは風遁らしき術で背中をどやされた。ちなみにナルト君をキャッチしてたから反応できなかっただけだけどね。ごめん、この怪我は不可抗力だから許してね、我愛羅にテマリさんにカンクローさん。・・・それにしても痛い。なんか凄く痛い。木の枝に着地し損ねるぐらいには痛い。それでまた背中打って激痛が走った。マジで動けない。大蛇丸さんは死んだと思ったのか笑いながら去っていった。

悪役笑いが似合いすぎてて凄いなぁと思う。あぁ、くだらない事を考えていないと気が持ちそうにない。「大丈夫ですか!!」と言うサクラさんの声が、近くで聞こえた。ピクリともしてなかったから心配かけちゃったかも。

 

 

「・・・・いやぁ、大丈夫じゃないけどな、一応生きてますよー」

 

「・・・よ、よかった、死んじゃったかと」

 

「ははは、一応医療忍術も心得てるから大丈夫、と言いたいねぇ」

 

 

伸びてるナルト君を腹の上から下ろしてマントを脱いで仮面も取る。もうマントは血塗れだし、両方邪魔だし。自分の傷を治すのはとてもめんどくさいが、血を流して倒れるなんてことはしたくない。だからさっさと治す。サクラさんも心配してるしね。治す間に会話をした。

 

 

「いやね、今回リョク君とはツーマンセルだったんだけど、まさかのまさかだったね」

 

「ね、ねえ、リョク君って暗部なの?」

 

 

・・・ん? なんで暗部になるの? あぁ、ぼくがお面被ってたからそう思ったのか。

 

 

「違うよ。ただの特別処置。ほら、リョク君って体弱いだろ? だから火影様と担当上忍さんが取り計らってぼくと組むことになったんだって。ぼくも暗部ではないよ。屋台で売ってた仮面つけただけだから」

 

「・・・声が今さっきと全然違うけど、どうして?」

 

「あぁ、ぼくの特技でね。声の高さをかえられるんだよ。S級犯罪者に下忍ごときがかかっても足止めぐらいしかならないからさ、暗部と思わせて警戒させてみようと思ったんだよ」

 

 

へらっと笑えばサクラさんは納得してないようだったけど、それでも追求するのは止めてくれた。結構喋るのしんどかったのでありがたい。それでも同世代の女の子と話すのは久しぶりなので楽しかった。まあ、警戒されてて全然気さくには話してもらえなかったけど、当たり前か。

増血丸を飲んで置き、気絶してる少年二人を抱える。怪我していた人に無理はさせられない、とサクラさんが言ってきたが、彼女も消耗しているのでお相子だと思う。ぼくはさっさと安静に出来そうな所へと二人を運び、熱が酷いことになってるサスケ君を介抱することにした。まぁ、ナルト君はぶっちゃければ掠り傷ぐらいだもん。後回し後回し。中央へ連絡を入れて、ぼくは休むことにした。実はもう体力がほとんど無いんだよね。と言うよりも“記録図書館”が中央の塔で、一人寝ている未来を見せてきたのでそれに従う。

 

 

「さて、ぼくはもう行かないと」

 

「えっ・・・」

 

「確かに大蛇丸の来襲は予定外。だけど中止になるかなんて決まってないからね。部外者であるぼくはもうここに居てはいけない」

 

「そう、ですか」

 

「でもね、サクラさん。くじけたらそこで終わりだ。まだ、試験は終わっていないし、二人も諦めることを望んでいないはず。ぼくは応援しか出来ることは無いけど――――頑張って」

 

「――――はいっ!!」

 

 

 

・・・うん。サクラさんは元気な方がいい。じゃあ、と挨拶してぼくは地面を蹴った。ちょっとよろめいたけどそれはご愛嬌。仕方が無い。頑張ってぼくは中央の塔を目指すのだった。

 

 

 

 

 

~ ■ * ■ ~

 

 

 

 

 

「言霊リョクが・・・大蛇丸に・・・・」

 

「ぼくの力量では敵わず、下忍であるうずまきナルト、うちはサスケ、春野サクラを守ることしかできませんでした。しかもうちはサスケは呪印を付けられた後でしたので、報告にここへと向かっていたのですが・・・」

 

 

・・・はい、報告中です。視線が痛くて辛いが、義務だからね。なぜか森の中に居たアンコ特別上忍の移動を手伝って、やっと塔の中だよ。アンコ特別上忍の肩口辺りにサスケ君と同じ呪印があったことから、大蛇丸さんと遭遇したことがわかる。お弟子さんだからねぇ、思うこともあっただろう。あ、ヤバイ。眩暈が酷い。限界だと思われる。

ここでアンコ特別上忍が「もう、下がっていいわ・・・」と言うお許しを得たのでふらふらと立ち去ることにしたら・・・。

 

 

「ち、ちょっと! アンタ背中酷い事になってるじゃない!?」

 

「え? ああ、大丈夫です。治すんで」

 

「顔色も酷いわよ!?」

 

 

・・・もう、下がっていいんじゃなかったっけ? 「本当に大丈夫です。なんなら目の前でやりますんで」と言ったら本当にやれとの事なのでやった。出血が多かったのか、逆に冷静である。熱血の人は血を減らしたらいいと思う。ちょっと目が虚ろになりかけではあるが気力で持たせた。キレイに治った所でぼくは退室できた。仮眠室に直行して寝た。時間が素晴しいぐらいに飛んだけど、余裕がなかったから仕方が無い。起きたらもう、試験が始まっていた。まぁ、予選なんだけどね。ぼくは医療忍者なので裏でスタンバってる。

服はもう駄目だったので捨てた。胸当ては血を拭けば使えたのでそのままだ。

今は医療班の服を借りているのだが、ブカブカなので何回も折っている。もう、それだけでぼくだとわかってしまうぐらいに。まぁ、今回は仕方が無い。替えの服なんて置いてきちゃったし。・・・で、始まった予選だが、最初はサスケ君VSアカドウヨロイさん。会場裏に設置してあるモニター越しではあるがサスケ君を応援することにした。ぼくが応急処置したので余裕で勝っていた。やっぱり流石は期待のルーキーである。会場に出てきたぼくに、サクラさんが小さく、ナルトは大きく手を振ってくれたのでぼくは微笑み返しておいた。うん、やっぱり子供は笑顔の方がいいと思うんだよね。・・・あ、ぼくもまだ子供か。テマリさんとカンクロウさんと我愛羅の方へと目を向けると、やっぱり我愛羅とは距離が開いていた。うーん、この頃一尾が暴れてるみたいだからね~。しょうがないか。

次は油女一族のシノ君VSザクアブミさん。見てないけどね。カカシさんに呼ばれてたんだ。先輩医療忍者の薬箱(ヤクバコ)先輩に「カカシ上忍が呼んでいたよ」と言われて指定の場所に行ってみれば・・・サスケ君もいたよ。絶対呪印のことだろうけど、しらばっくれてみる。

 

 

「・・・・なんでしょうか、カカシ上忍」

 

「いやぁ~ね、サクラに君がサスケの応急処置をしたって聞いて」

 

「あぁ、ぼくは受験者回収をしていたので・・・。伝説の三忍と名高いあの方が現れたとあっては試験と言って見逃す訳にも行かなかったんです」

 

「いや、こはく君を責めてる訳じゃないよ。むしろいい判断だ。でも、君も怪我をしたって聞いたけど」

 

「ぼくも医療忍者を代表して来た訳でして、自分の怪我ぐらいは自分で治します」

 

 

・・・・へらへら笑みを浮かべているのに目が笑ってないカカシ上忍と、ニッコリ笑うけど目に光が宿ってないぼく。見事な腹の探り合いである。あぁ、今体力が無いから精神的に疲れるのは嫌なんだけど・・・。砂の里に帰りたい。そんな会話の後に、カカシ上忍が笑うのを止めた。目も真剣な光を帯びる。

 

 

「・・・で、このサスケの呪印、君の術で封印してあるんだけど・・・オレ、これ見たことないんだよねぇ」

 

 

やっぱり。その封印の事だよね・・・。はぁ、自分で作ったって言えば怪しまれるだろうから、ヤシャマルさんに教わったって事にして置こう。一応医療忍術の基礎を教わった師匠ですからね~。「師匠に教わりました」と言えば当然の如く「誰に?」と聞かれた。まぁ、誰か知りたいよね。だって、自分の知らない術だもんね。

 

 

「ヤシャマルさんです。もう死にましたけれど・・・」

 

「! それは申し訳ないこと聞いちゃったね・・・」

 

「いえ。もう過ぎたことですので」

 

 

表情を変えないようにそっけなく返す。そうしないと悲しい顔しちゃうから。・・・もうここに居たくないのと、大蛇丸さんのチャクラが近づいてきたのがあるので「その封印の上からでも術は掛けられます。注意点はサスケ君の意思の持ちようによって封印術が変質しちゃうことですかね」と一気に言ってその場を去った。サスケ君が何か言いたそうだったけど、黙殺。今はぼく、余裕無いんでね。・・・はぁ、この試験、やっぱり疲れるよ。ぼくは精神的な疲れを感じながら最高速度でその場を後にするのだった。テマリさんや我愛羅に会いたいなぁ。あ、カンクロウさんは癒しじゃないから除外。

 

 

 

 

 




初登場で攫われるピーチ・・・ではなくリョク君。

この後彼はどうなるのか!?

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