カイラはヤミゲドウとの戦いの際、命を落とす。
そして、幾年も経て人間に転生した
俺はいつもこんな夢を見る。
◾️◇◾️◇
場所は、建物が多くなりコンクリートジャングルとなった現代と違い、まるでファンタジーの小説にでてくるような森。そこは空気が澄んでいて、ところどころに可愛らしいモンスターがいる。小さい頃は分からなかったが、大きなくなった今では、それが本当のモンスターであったことが分かり驚いた。
このモンスターは、我が世界で一大ブームであるカードゲーム『バディファイト』にでてくるモンスター達である。バディ契約をすれば、どこでもバディモンスターと会話をしたりして生活できるが、バディモンスターを得る確率はそこまで高くなくみんなが持っているわけではない。
その森では、派閥争いなどがある現代と違い、のほほんと暮らしていた。王様?まとめ役みたいなやつはいるが、そのまとめ役もモンスターに混じって和気藹々としている。
「王よ、和気藹々とするのもいいですが、ある程度威厳を…」
「いいのですよ、カイラ。威厳があってもすることないですし…」
「まあ、それもそうなんですが…ミセリア様。でもだからといって威厳がないのは違います!舐められたらどうするんですか!!」
「その時はあなたが守ってくれるのでしょう、カイラ」
ノータイムでそう言われる、と強く言えない。卑怯な主人である。
場面は巡り巡り、数年が経ったぐらいだと感じる。
主と、他7体のモンスターがでかいムカデのモンスターと戦っている。どうやら、このムカデみたいなモンスターは今まで色々な世界を食ってきたようで、かなり危険らしい。
そんな中、
『グギャァァァァ!』
ムカデみたいなモンスターが尾を刺すようにミセリア様に向けて放つ。攻撃の準備をしており避けられそうにない。万事休すかと思いきや、
グサッ
「……カイラ?」
俺は脊髄反射のように主人をタックルでおし、代わりに攻撃を受けていた。主人や、主人と共に戦っているものたちと違い、俺の体はそこまで頑丈じゃない。
「カイラ?カイラ?大丈夫ですか、カイラ!!今すぐ回復の呪文を…」
「いいんですよ、ミセリア様。今はあなたの役目を…あれを倒すか封印しなきゃ、あいつが俺たちのワールドにも…」
「でも……」
「そんな泣きそうな顔しないでください。言ったでしょう。貴方を守る、って」
ああ、ダメな従者だ。主人にこんな顔させて…だけど、もうダメみたいです。身体に力は入らないし、もう視界もぼやけてきた。もはや、主人の顔すら視界に写してくれない。
ああ、願うことなら、もっとミセリア様ともっと語り合いたかったな…
ミセリア様、どうかご武運を…
「カイラーーーーー!!!!」
◾️◇◾️◇
ここで眼を覚ます。
さっきまで寝ていたベッドを見れば、汗でビショビショだ。
とりあえず、このままでは学校にもいけないため、朝シャワーを浴びてスッキリし、パジャマから外着へ着替える。
その後、昨日の夕飯の残り物で簡単に朝食を済ませ、登校用の鞄を持ち玄関へと向かう。いつもなら、ここで走り出すのだが、妙にリアリティのあるこの夢を見るとそんな気分になれない。
あの夢が、僕と関係があるとは到底思えないのに、いつもこの夢を見たら切なくなるのはなぜだろう。
学校に着くといつも通り騒ついていた。他の学校は知らないが、子供は騒ぐのがオートスキルというか、なんというか、まあ子供らしいとのことだろう。
「おーい、戒。サッカーやろうぜ!」
「いいけど、すぐ先生くるからあまりできないけど」
「あー、本当だ!ったく、戒待ってたら、こんな時間になってた」
「ごめんごめん、気分が優れなくてさ。昼休みとかどう?」
「今日の昼休みにグラウンド使えるの、別の学年だぞー」
「まじで!?それは悪いことをしたなー。じゃ、昼休みはバディファイト?」
「ああ、デッキ持ってきたんだろうな?」
「もちのろん」
「じゃ、それで決まりだな!」
昼休みの予定があっという間に決まったところで担任が入ってくる。
「おーい、座れ。今日は重大なお知らせがあるからな」
「なにー、先生、結婚?」
「え、まじ?結婚?」
「んなわけないだろうが。それだったら尚良かったけど!!」
血涙を流しそうな表情はやめてほしい。反応に困る。
「転校生だ。入ってこい」
教室に入ってきたのは、水色の髪をして片目が隠れていておっとりとした雰囲気を纏わせている少年。
「両親の都合で転校してきました。氷竜キリです。よろしくお願いします」
突然の転校生という存在に戸惑うクラス。このクラスで過ごす一年間の半ばにも差し掛かり、ある程度グループや序列関係ができている小さな子供社会の中に、転校生という異物。新しい仲間というのは喜ばしい。しかし、どう扱っていいか、わからない。
「よし、戒。おまえに、氷竜を任せるぞ」
「はい?なんでですか?」
「気分だ!というのは嘘でお前ならなんとかしてくれるだろ」
だから、結婚できないんだよ。
戒は心の中でそう思ったが、口には出さなかった。
◾️◇◾️◇
それからしばらく経った。キリはある程度クラスに馴染めていたものの、気弱な性格に、究極レアという珍しいカードを持っていたため、いじめグループの標的になっていた。
「おい、やめろ」
「止めんな、戒。俺はあいつの身の丈に合わないカードをもらってやろう、と」
「ふざけるな。聞けば、あのカードは前の学校の友達とのやつらしいじゃねぇか」
魔狼フェンリル。キリが使うレジェンドワールドデッキの切り札。彼はそのカードを、転校する前の学校、相棒学園の友の助言によりデッキに入れたそうだ。その時のことを、懐かしくも嬉しそうにも語っていた。
「チッ、行くぞ」
僕の眼光に押されたのか、いじめグループは逃げていった。
「大丈夫か?」
「あ、うん。大丈夫だよ。ありがとう」
キリはそう礼を言う。大ごとになる前に済んで良かった、良かった。
「ねぇ、もしかして君は…」
「ん?どうかしたか?」
「いや、なんでもないよ。ほら、授業始まるよ」
「げ、本当だ。早く行こーぜ」
「うん」
しかし何を言いかけたんだろうな、キリのやつ
◇◇キリ視点◇◇
前みたいに忘れられるのが怖くて怖くて牙王くんたちに何も言えないまま、転校した。
そこで僕は戒という少年に出会った。
彼は担任の先生によって転校生である僕のお目付役になった。本当はいやなんだろうけど、懇切丁寧に学校のことだったり勉強の進度について教えてくれだ。この学校でもバディファイトが流行っているらしく、クラスのみんなとファイトするようになった。戒ともファイトし、楽しい日々を送れた。しかし、戒くんとは初めて会ったような気がしないのは気のせいだろうか。
だけど、やっぱり僕はダメだった。
この学校のいじめグループに目をつけられた。
いつも通り、いじめグループにいじめられていて、あともう少しで授業が始まるというときに、
「おい、やめろ」
戒くんは助けてくれた。
見て見ぬ振りをすればいいのに。けど、嬉しかった。それと同時に
ーーーー言ったじゃないですか。俺が守る、ってーーーー
頭によぎる彼の声。
もしかして、戒くんは彼なんじゃないだろうか。ヤミゲドウとの戦いの際、僕のために身を呈して犠牲になった彼。
そう考えるとストンと胸に落ちた。
また、守られてしまうのか。
怖かった。また、守られて彼が消えていくのではないか、と。守られてはいけない、逆に守らないと。そのためには手段も選ばない。
ちょうど、ダビデとかいう人からダークコアデッキケースとか言うのを渡されそうになっていた。渡りに船だ。力を得ることができるなら、どこまでも身を落としてやる。
あー、カイラ、今度はちゃんと守るからね。だから、君は頑張らなくていいんだよ。僕がぜーんぶ、やってあげるから。
待っててね、僕だけの騎士。
ちなみにこのまま続くと、
無印
とくに無し。原作通り進む。たまにキリの回想で登場。
100
裏外道衆として参戦。
この世界軸での外道衆
・禍津 ジン
バディ:裏一角獣王カゲジウン
・天野鈴 鈴羽
バディ:裏二角魔王デスアスモダイ
・戒
バディ:裏三角水王ダークミセリア
・轟鬼 ゲンマ
バディ:裏四角炎王ヴェノム・ノヴァ
・オカダさん
バディ:裏五角竜王轟天武
・虎堂 ノボル
バディ:裏五角竜王獄炎のドラム
・ソフィア・サハロフ
裏六角嵐王カタストロフ・コード
・裏七角土王トワイライト・カウント
・山崎 ダビデ
バディ:裏八角神王デビルガデス
この後、ミセリアとバディ契約を結ぶ。さらにダークミセリアともバディ契約を結ぶ。
DDD
WPMには参加
バッツ
逆天の水王ミセリアをバディにして参戦
その後、ミセリアとダークミセリアのダブルバディ(オリカ)を使う。
神バディファイト時では、牙王と同様に世界を放浪。牙王が世界ランク1位だとすると、大体7位くらいの位置にいる。
ちなみに作者のバディは、タイラントヒーラーです。今度、グリッドマンデッキ作ります…ゴッドクロックは知らん
一応
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外道衆編も書く
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続かない
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全部書け