我が呼ばれたき名は   作:油揚げ

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第一部完結まで書き終わったので投稿しました。
うしおととらの白面の転生ものになります。



第一話 新しき名

 

「……、…、………」

 

 両目が潰れ、全身に無数の傷とひび割れが広がる体を僅かに揺らし、それは最後の言葉を口にする。いや、満足に動かぬその口角からは僅かな吐息が漏れるだけだった。

 故にその言葉を耳にしたものはいなかったかもしれない。だが、誰よりも孤高で傲慢で残酷なそれの最後の言葉は聞かせるというより、最後の最後にまで隠したそれの願いだった。

 

 

 誰か…名付けよ……我が名を… 断末魔の叫びからでも、哀惜の慟哭からでもなく、静かなる言葉で… 誰か、我が名を呼んでくれ… 我が名は白面にあらじ 我が 呼ばれたき名は……

 

 

 儚き末期の呟き、それが日本を一日足らずで壊滅寸前にまで追い込んだ大妖怪の最後の言葉だった。

 

 そして赤ん坊が母に抱かれる幻影が波紋のように揺らめき消えていく……。

 

 

 

 

「懐かしい夢だ……」

 

 そう呟くと少女は体を起こした。ガラス越しに車の音や電車の音が響く、外は薄暗いがそれは紛れもなく早朝の喧騒だった。

 少女は背の中ほどまで伸びた栗色の髪に手櫛を通していく、起き抜けたばかりだというのにその髪は一切の抵抗は無いほどに艶やかで癖が無い美しい髪だった。

 

「ふぁ……」

 

 少女の名は葛葉白(くずはしろ)。十九歳の大学生の少女である。容姿は優しさと穏やかさが合わさったものとなっており、前述の背の中ほどまで伸びた髪によりお淑やかな印象を周りに与えていた。

 とはいえ、それはあくまで外見であり容姿に限ったものである。その中身は外見とは全く異なり、どこか尊大で王者の様な口調と態度を持つアンバランスな少女であった。

 しかしながら、それは白の生い立ちからすればしかたなき事でもあった。

 白は所謂、前世の記憶とやらを持って生まれてきた。それだけでも珍獣ばりに眉唾だが、よりによって白の持つ前世の記憶というのが、前世が大妖怪、白面の者だったというのが大問題だった。

 

(ふむ、業腹な記憶だが、あやつらにうち滅ぼされて、今の私があるというのならそれほど忌むべき記憶という訳でもないか)

 

 起き抜けの頭で白はそう考えるとベッドから這い出てて洗面台へと向かう。

 

「冷たっ」

 

 水道から出る水は身を切るように冷たい。12月も中旬ならそれも当たり前である。

 かつてはミサイルの直撃でさえ痛痒を感じなかった白の体だが、転生したことでその身は人のそれと同じものへとなっていた。

 人並みに暑がり、寒がり、そして怪我をする。今の白の体ならば自転車が突っ込んできただけで下手をすれば骨折、打ち所が悪ければ死んでしまうだろう。

 しかし、白はそんな体に喜んでさえいた。

 かつて世界がまだ形作られる前、世界は混沌した気で満たされていた。そして、その気が徐々に澄んだ気と濁った気に分かたれて、澄んだ気が人に、濁った気が白面の者となったのだ。生まれながらに邪悪であり、自分以外の全てを踏みにじる特大、特級の悪の化け物。

 だが、その最初にして最後の願いは人に、赤子になることだった。そう白面の者は自分でも知らず知らずのうちに人を羨んでいたのだ。ナゼ、ジブンハニゴッテイルのかと。

 そんな白面の者だったが、潮ととらという一人と一体の人間と妖怪とそして彼らと自分が刻んだ恩讐の果てに滅ぼされる事になるのだが、それはもう終わった話だ。

 

「しかし、何故、この顔なのか……皮肉が効いてはいるが」

 

 顔を洗ってしげしげと自分の顔を鏡で眺めながら白はそう呟く。鏡には見る者が見たら卒倒するような顔が写りこんでいる。何も白面のままの顔であったり、斗和子顔であったりするわけではない。

 白がじっと見つめる鏡には、自分を封ずる一族の末裔であり、最後のお役目様である少女、井上真由子と瓜二つな顔が写っている。優しげでぱっちりとした瞳、整った鼻梁、薄く形の良い唇、そして亜麻色の澄んだ髪、細部まで似通った姿は数千年生きた白面の者をして驚きしか出ない。

 とはいえ、真由子に似ているというよりは日崎御角(ひざきみかど)の若い頃とそっくりとも言えた。お役目の中でも彼女の在任期間は長い方であったし、白面の者の対抗機関である光覇明宗(こうはめいしゅう)の設立など、何かと彼女の記憶に残っているためかもしれない。

 

「ふむ」

 

 手櫛で髪を軽く梳くと僅かに乱れていた髪が流るる清流のごとく整った。

 白は満足すると着替えをするために部屋へと足を向ける。彼女の朝の準備はこれで終了である。化粧はほぼしない。かつての名残か嗅覚をはじめとした感覚が非常に優れている為、香料やファンデーションの類が異様に気になるためだ。

 洗面所を出たところで、白の顔に影がかかる。

 白が顔を上げると、そこにはバスローブを羽織り、顔をパックで覆った大男が突っ立っていた。

 

「おはようママ(・・)

「おぅ、おはよ」

 

 白の口から信じられない単語が飛び出るが、二人の間にそれを気にした様子はない。

 白とは入れ違いでママと呼ばれた人物が洗面所に入っていった。

 

 

 

「ふむ、サラダと……パン、スクランブルエッグ、ウィンナー、まぁこんなもんか」

 

 着替えを終えた白は朝食の準備する。白面の者が朝食の準備をする。もはや何がなんだが分からない事態だが、人間として転生して十九年。白からすれば特段、異常な事は無い。

 料理自体も白面の者時代に人として化けていたこともあって、したことがないわけではない。

 分身の様な存在の十和子も子供を育てたこともあるし。

 

「今日はパンか、いつも悪いな」

「気にしなくていい。家事くらい任せてくれ」

 

 ママの言葉に薄く微笑むと白は定位置である椅子に腰かける。そして、その対面にママが座った。

 

「「いただきます」」

 

 同時に手を合わせて二人の朝食は始まった。

 

 

 白面の者が転生したというだけでも異常極まる事態だが、この目の前のママと呼ばれる男性の異常さも大概であろう。この男性は白の伯父であった。

 転生したということもあり、白には無論両親が居る。というか居た。

 うしおととらに敗れ、死した白面が消えたはずの意識が浮き上がるように目覚めると、それはまさに母の胎内から取り上げられた瞬間だった。

 想像すらしていなかった事態に、白面の者は思わず暴れ、声を上げてしまった。

 

「オギャアアアアア!!」

 

 その声を産声だと思った周りの大人たちはほっと安心した様子を見せると柔らかな毛布で白を包み、一人の女性の元へ白を運ぶ。

 女性は優しく、しかし力強く白を抱きしめる。

 困惑しか抱いていなかった白だったが、女性から溢れる慈しみから自然とその女性が自身の母だと自覚した。

 そして、気づけばその意識は緩やかに落ちていった。

 

 それからは幸せな日々の連続だった。

 自身の顔立ちに良く似た母、そしてそんな母にふさわしい優しくそして頼りがいのある父。

 前世の記憶があるせいで、意識的に子供っぽく振るわなければならないのは、申し訳なかったが、それでも白は幸せだった。

 二人が交通事故で亡くなるまでは。

 

 

(……散々、人と妖を殺した私に言えた事ではないが、不幸とはかくも心を穿つものなのだな。しかし……)

 

 かつての記憶に思いを馳せ、そして目の前の人物へと視線を送る。

 

「ん、どうした白」

「いや、ママと暮らすようになって、来年はもう二十歳なんだと思うと早いもんだなと思ってね」

「あぁ、そういやそうか、引き取ったときは、こんなガキだったのによ、しかしホントにあいつに良く似てるわ」

 

 しみじみとママはそう呟く。アイツとはちなみに白の母の事でママからすれば妹、二人は兄妹であり、白からすればママは伯父ということになる。ややこしい。

 両親を失った白はそのままでは施設に入れられるところであった。親戚、縁戚はほとんどなく。いたとしても、会ったこともないという始末。

 当初、白を引き取るつもりがなかったママも流石にそれはと白を引き取ったのだ。

 

(まさか暴力団員だったとは思いもしなかったがな)

 

 そう、ママはかつては暴力団に属するヤクザと言われる男だったのだ。白を引き取るに当たって組を抜けたのだが、世間の目は厳しい。食いつないでいくためにママが選んだのが、オカマバーを開くという道だった。

 

(どうしてそうなったのかは、疑問が尽きん)

 

 変貌と言っていい様子に思わず唖然とした当時の白だったが、それが自分を養うためだと思うと頭が上がらなかった。普通の子供なら泣くなり拒否するところをすんなりと受け入れた。

 あまりにも年齢とそぐわない白の行動だったが、両親をいっぺんに失い、そしてほぼ見ず知らずの男に引き取られれば普通とは言い難いだろうとママが受け取ったのが白には幸いだったと言えた。

 

「今日は昼間は授業だから遅めのシフトで入る」

「分かったよ。まぁ何度も言ってるけどあまり無理だけはしなさんな」

「こっちのセリフだよ」

 

 そう言って朝食を終えた白はお気に入りの真っ白なコートを羽織ると家を出た。

 白は現在、大学に通っていた。そしてママが経営するオカマバーでバイトもしている。ちなみに大学では科学技術を主に学んでいる。

 白面が白へと転生し十九年。最初はただの転生かと思っていたが、壊滅寸前まで追いやったはずの日本は無傷。はるか未来に転生したかと思えば時代は大して変わりは無い。一人で出歩けるようになって書物をあれこれと読み耽っても金毛九尾白面の名は伝承という形でしか伝わっていない。

 妖怪を封じ、滅する役目を持つ光覇明宗なぞ影も形も無い。表の顔は一、仏教宗派にも関わらずだ。

 ある程度の情報が集まり、白は結論を出した。

 ここは前世とは違う別世界であると。かつての世界と同じだったなら、償いをなんらかの形でしなければと思っていた白にこれはある種の救いとなった。確かに前世の行いは唾棄すべきものだと常々、彼女の重しになっていたのだ。とはいえ、償う相手も居ないければそれも無駄になってしまう。そこで、大学で勉強し、人類の発展に貢献しようと考えたのだ。あいかわらずなスケールの大きさである。

 白面の者が科学技術を専攻し、オカマバーでバイトをする。何を言ってるか分からないだろうが、字面以上の情報は無い。

 

 

 

 

 

「……驚いたな」

 

 間接照明が妖しく照らす室内のカウンター内で白は一人呟く。滞りなく注文の料理をこなしながら、白は意識の端をずっと一人の少女へと向けていた。

 

(何をやっているんだあいつは……?)

 

 そして、その少女の傍らにいる少年を見てため息を漏らした。

 白の視線の先には小汚い格好をした少女と、そして線の細い少年がなにやら話し込んでいた。が、少年の方が立ち上がりカウンターへと歩いてくる。

 

「白ねぇ、ウーロン茶となんかツマミ!」

「少し待ってろ」

 

 少年の名は藤井八雲。

 こんな場末のオカマバーで働いているが年齢は驚きの十六歳、高校二年生である。

 数年前に親が失踪し、生活が立ち行かなくなったのを見かねたママの計らいで働いている少年である。ちなみにオカマではない。

 白とは同僚であり、同じマンションの隣人同士であり、そして幼馴染みでもある。

 八雲が六歳のころから付き合いであり十年近い親交がある。

 

「ほら、持ってけ。ところで八雲、あんな子、どこで拾ってきたんだ?」

 

 とん、とウーロン茶と炙った鮭とばをカウンターに置きながら白は訝し気に八雲を睨む。

 ナンパをするなとは言わないが、連れてくる先がオカマバーとは良識が有る様には見えない。

 

「ひったくりから助けたんだけど、荷物の一部が盗られてね。ママに相談しようと思ってさ」

「ふむ、それならいいか」

「いいって何さ」

「いや、てっきりナンパでもしたのかと思って」

 

 八雲の疑いが晴れると白は口角をいやらしく歪めてにやにやと笑いだす。他者を貶める様な事は今世ではしていないが、性根なのか人をからかうのは嫌いではない白だった。

 八雲は白の言葉にあたふたと慌てだす。

 

「ち、ちげぇよ!何言ってんだよ白ねぇ!?」

 

 大きい声で周囲から注目を集めてしまった八雲は、悔しそうに白を睨むとそそくさと女の子の元へと去っていった。

 

(ひったくりの時に転ばされたのか?随分と汚れているな)

 

 オカマバーには似つかわしくない可愛らしい容姿だが、少女の見た目は小汚い。転ばされたにしても服の端はほつれ、昨日今日で損傷したようには見えない。なにやら事情が有る可能性は高そうだ。

 その後、少女は本物のようにしか見えない頭蓋骨を取り出したりと姦しくしていたが、客の相手をするのは白の仕事ではない。

 カクテルやツマミをせっせと作りながら白は労働に勤しんでいた。

 

「白、ちょっと良いかい?」

 

 合間で食器を洗っていた白にママが声を掛ける。

 普段でもごつく化粧が濃いオカマの顔が間接照明メインの薄暗い中だとより強烈だ。

 しかし、白も慣れたもの普段の生活とかつての妖怪たちからすればママもまだまだ?だ。

 

「ん、ちょっと待ってくれ」

 

 蛇口を締め、水を切りながら白はそう問うた。

 

「む……」

 

 仕事の話だろうかと振り向いた白は珍しく困惑したかのような声を上げた。

 ママの脇には先程まで八雲と会話していた少女の姿があった。

 髪はごわごわで頬も汚れが付いている。服も何があったか分からないがボロボロだ。何ヶ月山に籠もったんだと言いたいくらいに擦り切れている。

 

「ちょっと、流石にね。使ってない衣装も有るし、おめかしでもしてやってくれないか?」

「……やれやれ、その間、カウンターを頼むよ」

 

 一瞬、顔を顰めた白だったが、エプロンを外して少女を言われた通りに連れていく。ママが世話好きなのは今に始まったことじゃない。白自体もそれに助けられた故に少女の世話をすることに決めたようだった。

 

 

 

 

 

 

「さて、えっと名前がまだだったな。私は葛葉白という。白とでも呼んでくれ」

「分カタ。白ネ。私ハパイ、ヨロシクネ白!」

 

 白の自己紹介に満面の笑みと挙手でパイは答えた。警戒心や邪気を一切感じさせないその様子は白をして驚きに値するものだった。

 

「あぁ、よろしく。さぁまずはシャワーを浴びるぞ」

 

 オカマバーの店員の多くは派手な格好をしている。そんな派手格好で出勤してくるスタッフは流石に少数派だ。故に更衣室というものが、この店には存在している。

 そして、店の規模とは反して女性用の更衣室というものが何故か存在していた。女性従業員が白しかいないのにだ。無論、開店当初は存在していなかったのだが、白がバイトをしたいと言い出して過保護なママが店の拡張に合わせてついでに女性用のスタッフ室を増築したのだ。

 

「エ、しゃわー?」

「まぁ、面倒くさいな。一緒に入るか」

「チョ、白?」

 

 困惑するパイとともに白はシャワー室へと突っ込んでいく。

 さすがにいきなり服を脱がすのはあれかと思った白は自らがまず服を脱ぐと、ぼーっと様子を見ているパイの服を脱がしにかかる。

 

「一体何をどうしたんだ?随分と汚れてるな。どこから来た?日本じゃないんだろ?」

 

 パイの名前を聞いた時からなんとなく白の中で予想がついていたが、パイは白が考える通り日本の出身ではない。中国からわざわざ八雲に会いに来たのだ。

 

「ウン、ワアアアア!?オ、オ湯ガ!」

 

 シャワー室に入り、質問もそこそこに白はパイに容赦無くシャワーを浴びせる。勢いは情け容赦ない最大だ。髪と言い肌と言い汚れが割とえげつない。

 

「わ、目、沁ミル!」

「静かにしてろ!こら、逃げるな!」

 

 まるで猫の風呂だと思いながら逃げるパイをとっ捕まえて体の汚れを着実に白は落としていく。最初は暴れていたパイも徐々に綺麗になる自身の様子にようやく気付いたのか、最後の方はおとなしくされるがままにされていたのは白にとっては非常に助かった。

 

 

 

 

 

「さぁて、こんなもんだろ」

 

 普段ではあまり見せないドヤ顔を鏡に映しながら白は自身の前に座るパイを眺める。

 汚れた肌はこれでもかと綺麗に磨かれ、ぼさぼさだった髪は天使の輪が出来る程に撫で付けられ、おしゃれに編み込みまで施されている。

 そして、そんな磨かれた少女を飾る装いもそれ相応の物になっていた。

 大胆に肩と背中を出し、そしてほんのりの女を見せるために谷間が覗く、首元には銀の装飾品が輝いていた。

 しかし、その輝きも本来の美しさを放つパイには遠く及ばないものだった。

 

「ママがせっかくだからと買ってくれたものだったが、サイズが合って良かった」

「ウゥ……」

「……どうしたパイ?」

 

 一度、鏡を凝視して以来、俯くパイに恐る恐る白は声を掛ける。

 他者の恐怖や畏怖といった感情を見極めるのは誰にも負けない自信が有る白だが、女性の機微といった感情には疎い。いくら人の女性へと生まれ変わりそれなりに生きたとしてもそれの何百倍も妖怪として生きたためだ。

 

「ナンデモナイ」

「ふぅん。まぁいいか……じゃあ、八雲んとこに行くぞ」

「……分カタ」

 

 恥ずかしがるパイの様子をいまいち理解しきれていない白だったが、バイトとは関係無いことをこれ以上するつもりはない。パイを促すと手を繋いでホールへと戻るのだった。

 

 

パイの変身ぶりに八雲があたふたとするのを横目に白はてきぱきと自分の仕事を片付けていた。

 

 

「はい。レモンハイ、カシスオレンジお待ち」

「白ちゃん。ありがと」

 

 裏声を出しながらオカマの店員がメニューを運んでいく。ママが厳ついオカマだが、他の店員も同様というわけではない。中にはどう見ても女性にしか見えない人もおり、そのおかげで白を男性だと勘違いする客も居たりする。

 

「唐揚げとポテト、ポテトサラダ、焼きおにぎり、シーザーサラダね」

 

 どうやら大勢の客が一度に入ってきたようで白の前にずらりとメニューが並ぶ。厨房自体は本格的なそれと比較するとどうしても見劣りするため、注文が多く入ると捌く手間もひとしおだ。

 

 涼しい顔をしながら白は料理を次々に熟していく。簡単なメニューなれど少なくないアレンジや手間を加えることを忘れない。売れっ子の人気で客を取る店という関係上、売れっ子が居なくなればそれだけで売上に響いてしまう。ならばせめて他のバーよりも料理にこだわれば、多少なりとも店に貢献できるだろうというのが白の考えだ。 そうして料理をするうちに白の意識は八雲から離れてしまう。 

 しかし、それは致し方ない事だった。まさか、これが彼の、そして白の運命すらも決定づける、まさに運命の日となることなど、人の身となった彼女には予見できぬことだったのだから。

 

 




これは女体化なのか?元の性別が分からないので不明。
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