星空の刃 作:鮫牙社長
アニメから入り、原作を読み始めて、鬼滅の刃の世界観にどっぷりハマってしまいました。
そしていつしか『二次創作が書きたいな』と思うようになり、この度、筆を取りました。
何分初心者かつ文才が乏しいので、設定との矛盾及びその他失敗が多々あると思いますが、その際は指摘して頂けると幸いです。
それでもいいよ、という方は、どうぞこのまま先に進んでください。
そして、楽しみながら読んでいただけると嬉しいです。
序章
「……君ならなれるよっ、鬼殺隊に。」
なんだ? これは。
「そうかな……」
「もちろんだよ、だってこんなに強くなったじゃない。」
ああそうだ……これは……。
……――
「……んっ」
襖から除く朝日の光と、私のいる小屋の屋根にいる雀の鳴き声で目が覚める。はぁ、と溜息を一つついた後、立ち上がり勢いよく襖を開ける。そして朝日を今度は直に浴び、重い眼を回復させる。
「……懐かしい夢を見ちゃったな。」
私はパンパンと頬を叩き、気持ちを整える。そして、クルっと振り返る、そして師匠から託された"刀"を手に取り、外へと駆け出し、長らくお世話になった小屋を後にする。……そう、今日は"鬼殺隊"の最終選別が、藤襲山にて行われる。その試練に生き残ることが出来たなら、晴れて鬼殺隊となれる。
「師匠、私、頑張ります。」
腰につけられた日輪刀……これは、私の師匠が死ぬ間際に託した物、本当は卒業時に譲り受ける物だったのだけれど……。
野を走る、単なる移動時間だ、でもこの一時、この瞬間、ありとあらゆる行動全てが、懐かしく思える。私は師匠の元で修行をする前、非常に軟弱であった。
親が謎の死を遂げ、途方に暮れていた時に、私は人生で初めて、鬼という存在を知った。深き森の奥で、私は鬼に身体を掴まれ、喰われそうになっていた。
その時の事は、今でも時々夢に見る。恐怖以外の何物でもなかった、目の前に広がる大きな口、そこから
その時、初めて私は家族が鬼に食われ、死んだのだと知った。なぜなら、
私は生まれつき、眼がよかった。だから、普段見ることのできない物も見える。それが、私の唯一の取り柄だった。
その温もりを感じながら、鬼に食われる時を待っていた時に助けてくれたのが、師匠だった。今は私の腰につけている日輪刀で、その鬼の頸を切り裂いた。それも一瞬であり、私の眼でさえ、追うことはできなかった。
それからと言うものの、私は師匠に付き纏った。師匠は、私の存在に当然気づいてはいた物の、嫌な顔は一つもしなかった。むしろ、照れている様な感じがした。
そして私は、師匠に『強くなりたい』と申し出た。師匠は笑い、その申し出を受けた。それが、私と師匠の関係が生まれた瞬間だった。
「……着いた。」
数々の希望者と思われる者達が、ここ藤襲山に集結していた。ここで行われる最終選別……それを突破する事が出来れば、晴れて鬼殺隊となれる。
「よし。」
私は腰の日輪刀の柄を強く握りしめ、藤襲山の中へと入っていった。
――……
静かな山の中だ、先程まで咲き誇っていた藤花の臭いは、完全に拭いさっていた。
――この鬼殺隊士が生け捕りにした鬼が蔓延っている藤襲山で7日間生き延びる。
これが、この最終選別の試練だった。なるほど、確かに鬼殺隊らしい試練だ。
「確か鬼は陽の光に弱い……。まずはこの夜を乗り切らないと。……でも、簡単には乗り切らせてくれないみたいだ。」
私は眼を研ぎ澄ませる、辺りで聞こえる悲鳴と鋼と"何か"がぶつかり合う音。それらの方向に向かって眼を向ける、鋭く……そして、あらゆる先を見透す眼を。
「……見えた。」
青き袴と狐のお面をつけた少年……それは私のいる場所よりやや北東の位置、そこで鬼2体と交戦。そして、私よりやや南西の位置で、黄色の髪色をした少年の悲鳴……そして。
「……私の後ろ。」
私はガバッと前に回転し、素早く振り向く。後一秒程遅れていたら、完全に頭をやられていた所だろう。
「ヴェへへへ……!! 女だ、女の肉だ!! 女は男より上手いんだ……!!」
「……鬼にも
「ヴェへへへ……へァ!!」
飛びかかる、師匠より遅い。師匠より遅ければ、なんてことは無い。『敵の攻撃を避けるためには、相手の"位置" "視点" "攻撃の軌道" それらを先読みすればいい。』師匠はそういってくれた、確かに……避けるのは簡単だ、でも……。
「へァ!!」
「うわっ……」
私は力が弱い、一発鬼の攻撃を刀で受ければ、確実に私が押し負ける。鬼は力が強い……最悪、あの鬼は私の力の2倍以上は持っているのかもしれない。
「ヴェへへへ……さぁて、そろそろ餌になってもらうぞ!!」
師匠は言った。『力が弱くても関係ないよ。先に頸を斬った方が勝つんだから。力がダメなら……"速さ"で勝て』と。
でもどうしたらいいのか……そんな時、師匠は
しかし、結局は"速さ"だ。いくら呼吸を使えた所で、頸を斬れなきゃ意味が無い。だから私は、"速さ"だけを磨いた。あの憧れた、師匠の持つ"斬る速さ"を目指して。
そしてこれが、その修行の成果だ。
「師匠……ありがとうございました。この呼吸は……私と、師匠二人で編み出した呼吸です。」
――全集中……
――
――壱ノ型……
「……"彗星"」
一閃。気がつくと私は、鬼の頸を斬っていた。綺麗に輝く彗星の如く駆け出し、その"速さ"で頸を斬ったのだ。
「グェ……ェ……」
やがて、鬼の頸は地面に落ち、身体共々塵となり、消え去った。
夜空を光速の速さで駆け走る彗星、そして夜空を輝く星々の光のように鋭く鬼の頸を斬る剣技の呼吸。
――それが、星の呼吸だ。