「うちの商品を買ってください!お願いします!お願いします!買ってくれないなら更新頻度は不定期更新、つまり今のままですが、もし、もし!買っていただけるのなら!なんと!更新頻度を週1にします!だから買ってください!お願いします!」
と書いている夢を見ました。
買わなければ今の更新頻度、38÷35・・・約1.09日に1話更新、買ったら7日に1度更新、ああ、皆さんが買ったら更新速度落とします、ってことですね。
商品が売れると自分の仕事が増えるから。
夢の中でも仕事を減らそうと頑張ってて笑いました。
では続きをどうぞ。
「随分、平然としているな」
ん? 今キリトさん、自分に話しかけてました?
「何がだ?」
「いや、いつものお前らしくないと思ってな」
自分らしさ? 何でしょう? 正義感溢れる好少年って感じですかね?
「いつものお前なら、24人も死んだことに大して、もっと後悔とやるせなさを感じていないといけないんじゃないのか? それなのに、他人を盤上の駒のような目で見ているなんて、随分とヒャッカらしくないな」
……うっわ、めっちゃ見られてるやん。
完全に気が抜けてました。
ちょうどヒースクリフさんとの間にいたから、たまたま目に入ってしまったということでしょうか。
「後悔ならしてるさ、死にたいほどな」
マジで後悔してます。
あとちょっとなのに、こんなところで気を抜いて全てがご破算とか、笑い事にもなりませんからね。
さあキリトさん! 自分のことはどうでもいいんで! ヒースクリフさんをズバッとやっちゃってください!
「なら、さっきボス戦で、ただ見守っていただけなのは何でだ? たとえサツキさんに止められていたとしても、いつものお前なら、多数の死者が出てる状態で黙って見ているなんてありえない、振り切ってでも戦闘に参加していたはずだ」
い、いや、別に何人死んだって今更関係ありませんし、キリトさんさえ生きてれば別にいっかなーって。
なんて言えませんよねぇ、どうしましょうか?
「キリトさん、ヒー君を悪くいうのはやめていただけますか?」
「いや、そんなつもりはないさ、ただ、もう演技は飽きたのかって思ってな、ヒャッカ…………いや、茅場晶彦!」
……え? ん? ふぁ?
カヤバ、アキヒコ? ダレネ? ワタシ、カヤバ、チガウネ。
茅場さんは自分の後ろにいらっしゃいますよー?
ヒースクリフさーん、呼ばれてますよー?
「何を、言っているのですか?」
「そ、そうだよキリト君! ヒャッカ君が茅場晶彦だなんて」
「証拠ならある」
え、えええええ!?!? 自分、茅場晶彦だったの!?!? そんないつの間に!!? 知らないですよ自分!?!?
って、キリトさんなんて勘違いしてるんじゃぁぁぁぁ!!!! ぶぁあああああかなのかなぁぁぁぁあああ!?????!?
何をどう勘違いしたらこの場面で自分を茅場だと思うんじゃい!
え、え、待って、ねぇ、待って、これ、終わったのでは? 完全に、完膚なきまでにクリア不可能を突きつけられたのでは?
だって例えここで上手く言い逃れが出来たとしても、その後でキリトさんが、ヒースクリフは茅場だ! って言って斬りかかったりはしないでしょ? どう考えても。
あれれれれー? 終わったのではー?
「ふざけないでください、ヒー君が茅場晶彦? 言っていい冗談と、悪い冗談が」
「冗談でこんなことは言わないさ、俺には、確信がある」
何でそんな確信を持たれてるんですかねぇ?
ほんといつの間に?
ワケわかめ、ワケわかがしら、ワケわかな。
ヒャッカ。
「なら、その確信とやらを聞かせてくれ」
分からないなら、聞いてみましょう。
また次回に活かすためにもね。
「ヒー君! こんなことにまともに取り合う必要はありません!」
「いや、こう言った誤解は早めに解いておくべきだ、だからキリト、その証拠とやらを教えてくれ」
「いいぜ、まず俺が最初に引っかかったのは、お前の名前だよ」
「名前?」
ヒャッカ? ヒャッカに何か茅場要素があると? 茅場のファンじゃないんですから、そんなの知らないですって。
「ああ、Obakahyakkaii、初めてお前の名前を見たとき、俺はほんの少し違和感を感じたんだ」
……ああ、お馬鹿百階位、うん、そうですね、自分お馬鹿百階位でした。
べ、別に、忘れていたワケじゃないんですよ? 本当ですよ!?
ただ今回は適当につけた名前ですし、みんなヒャッカヒャッカ呼ぶから、普通に忘れていましたすみません!
「初めは分からなかった、だが、しばらくしてから気づいた、お前の名前は、茅場晶彦のアナグラムになってたんだ!」
……アナグラム? 確か、文字を並び替えて別の言葉にするってやつですよね?
おばかひゃっかいい。
かやばあきひこ。
全然違うじゃないですか!?
まず文字数から違うっていうね。
どう考えても間違ってます。
「あ、ホントだ! Obakahyakkaiiを並び替えると、Kayabaakihikoになる!」
「うぉ!? マジじゃねぇか!?」
「そ、そんなの、単なる偶然です!」
……え? なに? なんでみんな納得してるの? 嘘でしょ!? 全然アナグラムなってないじゃないですか!?
え、もしかして、わかってないの自分だけ?
「なんでや? なんで、おばかひゃっかいい、が、かやばあきひこ、になるんや? 文字数からして違うやないかい!」
あ、同類発見!
「キバオウさん、ローマ字で考えて見てくれ」
「ローマ字やと?」
えっと?
Obakahyakkaii
Kayabaakihiko
……あ。
……嘘でしょ?
「ほ、ホンマや! 茅場晶彦になっとるで!?」
いや、いやいやいやいや! ありえないでしょ!? なんで!? なんでこんな変な名前が茅場晶彦になるんですか!? ふぁぁぁぁぁー!?!?
名前はなんでも構わないので、お馬鹿百階位としましょう。
じゃねぇんだよぉぉぉぉ!!! お馬鹿百階位はピンポイントにダメじゃねぇかぁぁぁあ!!!!
ブァァァァカ! 約1年半前の自分ぶぁぁぁ──か!!!
よくこんなものキリトさん発見できましたね、ああ、だから何故か知らぬ間に疑われてたんですね。
……うっそだろ。
「それだけなら、単なる偶然とも考えられた、でも、これがヒャッカを疑い始めたきっかけでもあった」
あー、なんか1年半前、第1層フロアボス攻略会議でキリトさんとパーティを組んだとき、挨拶しないで誰かの名前を見てるなーってことが、あったような、なかったような。
「だが疑い始めてみると、色々見えてくるものがあった、ヒャッカはこのゲームのことを知り過ぎてるんだ、ボス戦での動きも、ヒャッカは初めての動きじゃなく、まるで相手の行動パターンがわかっているかのような動きをする時があった」
「それは勘だ、キリトだって、感じたことがあるんじゃないか? 理屈じゃ説明できない超感覚ってやつを、隠れている誰かの視線だったり、次の相手の行動が感覚的にわかる、と言ったことが」
「なら、装備品はどうだ? お前はいつも、攻略組の俺たちですらほとんど見たことがないようなレア装備をしていた、1個2個なら偶然とも言えるかもしれないが、お前の場合はいつも、ほぼ全身がレアドロップ品だ、そんなこと、製作者である茅場でもなければ、不可能なんじゃないのか?」
「俺は、運がいいんでな」
「苦しい言い訳だな?」
「そう思いたければ思っておけばいい、それだけか?」
多分これだけならキリトさんは動かないはず。
まだ何かあるのでしょうね。
「なら、今お前が持っている武器、それはどこで入手したものだ?」
「アストグリフは迷宮区のトレジャーボックスから手に入った武器だ」
「そうか……おかしいな?」
「何がだ?」
「この武器は、50層のレアモンスターからのレアドロップで出たんだがな?」
そう言って、キリトさんはメインメニューを操作して、とある武器を取り出しました。
……アストグリフ、ですね、どう見ても。
「それは!?」
……え? えええええええ!?!? なーんでキリトさんも持ってるんですかぁぁぁ!?!?
ぇぇぇぇ!?!? 入手経路まで特定されてるしぃぃぃ!!
「お前は一時期、とある場所に通い詰めていた、だがその武器、アストグリフを持ち始めたとほぼ同時くらいから、その場所には行かなくなった、つまりアストグリフはトレジャーボックスではなく、その場所で手に入ったものだと俺とアルゴは考えた、だからアルゴに依頼してたんだ」
……えっと、50層から56層までの間は毎日アストグリフ入手のためにとある場所に通っていましたが、それを見られていた?
「どうして嘘をついてたんだ?」
ぐっ、ま、回れ! 自分の灰色の脳みそ!
なんで脳みそが灰色なんでしょうか?
って、別のこと考えてる余裕ないって!
「……そうか、なるほど、あの場所でも手に入るんだな」
「なに?」
「俺がアストグリフを手に入れたのは、確実に迷宮区のトレジャーボックスだ、だがそれまでは、あの場所でいい武器が手に入る予感がしていた、だから通っていたんだよ、そして、アストグリフ入手とともにその予感が消えたから、俺はあそこには行かなくなったという訳だ」
「……そうかよ、なら何故この武器を片手剣だと偽った?」
「それは……」
パッと言い訳が思い浮かばねぇぇ!!
「キリト君、片手剣だと偽ったって、どういうこと?」
「この武器、アストグリフは片手剣じゃない、両手剣なんだよ、さあヒャッカ! 何故偽った!」
「……悪いが、話せない」
「まだまだあるぜ」
どんだけあんのー!?
「ヒャッカ、お前が誰ともフレンド登録しないのは何故だ?」
メインメニューが使えないからです!
自分は悪くありません!
あーあ、使えてたら友達1万人くらい作ってたんだけどなぁー、使えないからなー、仕方ないよなー。
「フレンド登録だけじゃない、他人とのパーティすら極力組まないようにしているのは、何故だ?」
別にパーティを組まないようにしてるなんてことはありませんが?
でもどうしてもパーティプレイだと経験値効率が悪いですし、何より他の人は夜眠るとか、食事とかで時間の無駄遣いをしてますからね。
そんな人たちに合わせてたら、圧倒的にレベルが足りなくなりますから。
「俺は、クリアまでは生きられない、そんな奴が人と深く関われば、関わった人が不幸になるだけだ、だから俺はフレンドを作らないんだよ」
「違うな、お前はフレンドを作らないんじゃない、作れないんだよな」
グサッ!
作れない、作れない、友達を作れない。
そ、そんなことないやい!
ふ、フレンドなんていつだって、つ、作ろうと思えば作れる! はず! だと、いいなぁ。
「フレンドを作って、マップでフレンド追跡されたり、常にパーティと共にいると、お前は困るからな、なあ茅場晶彦」
ん?
「なにが困るんだ?」
「俺たちのリアルの体が今どうなってるか、考えたことはあるか? 恐らく、ほぼ全員が病院で手厚い介護を受けているはずだ、だが、絶対に病院で介護を受けられない奴が1人だけいる」
あー、そういうこと。
「茅場晶彦だな」
「そうだ、茅場だけは、自分の体を自分で介護しなければならないはずなんだ、だから茅場は定期的に、リアルに帰らなければならない、いつまでもゲームにログインしているわけには行かないんだよ、そのため、パーティを組んでそいつらと四六時中一緒にいたり、フレンドを作ったりしたら、リアルに帰るのが難しくなる、だからフレンドを作れないんだろう? なあ、茅場晶彦!」
「言いたいことはそれだけですか?」
「ああ」
なるほど、なるほど、では、今回の敗因は、名前!
……くっそぅ。こんなことなら、いつも通り昔から使ってるRKZとかシャアルとかにしとけばよかった。
名前にそんな深い意味なんてないから! そんなことしたらリアルを特定してくださいって言ってるようなものでしょ!?
リアルネームのアナグラムとか絶対にやらないって!
リアルバレ怖いじゃん! 昔小説書いたりしてたけどさぁ、そんなんでリアル特定されたらヤバイじゃん! 圧倒的黒歴史だよ!? 怖いよ!? だからリアルネームをもじったりしないって!!
……えっと、キリト、キリガヤカズト、アスナ、ユウキアスナ、サツキ、サツキユリ。
あーだめだー、こいつらバリバリリアルネームから取ってきてらぁ!
自分の常識は通用しないんやな。
とにかく、キリトさんに変な言いがかりをつけられないように、茅場晶彦からかなり遠い名前で次回はやりますか。
はぁ、今回行ったと思ったのになぁー。
まあいいやー、あーそぼっと。
「そのようなこじつけで、ヒー君を」
「……ふ、ふふふ」
「……ヒー君?」
「ふ、ふはははは、ふっはっはっはっは!! ……よくぞ見破ったね、さすがはキリト君だ」
「な、何を言って……」
「サツキさん下がれ! ……認めるんだな?」
「ああ、そうだとも、私が、茅場晶彦だ」
ふっはっはっはっはー! 私が大魔王! カヤバーンだ!
さーて、あっそぶぞー!
どうだヒースクリフ! 偽物が出てきたぞー! 本物として、複雑な心境なのではー!?
あっはっはっはっは!
……あれ? まだいける?
……材料は、一応、自分の体力、ヒースクリフとアスナさんの位置、自分の所持品……
いや、無理でしょ。