炎々と生きる   作:たぬきち祭り

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久々に自分の中で納得したものが書けた気がします……ようやく次回は無一郎だ。


いと高き者達へ

(まなこ)はとうに腐り落ち、暗い眼窩が天元達を捉えている。

ギチギチと耳障りな肉の千切れる音と共に亡者は不器用に喉を鳴らす。

 

「来るぞ」

 

「分かってる……恨むなよ」

 

天元は顔の泥を拭い、日輪刀を構え直す。

そう、分かっているのだ。当然相手は眼前のかつての仲間だけでは無い。

 

「うぉおおおん、うぉおおおん」

 

亡者が鳴く、魂の根底を揺さぶるような恐怖心を覚えさせる冥府の呼び声。

 

ぼこっ

 

ぼこっ

 

ぼこっ

 

ぼこっ

 

生える。指が欠けた者、手首まで腐り骨が見える者、まだ傷も少なく生者と見紛う者達の手、手、手。

 

「うぉおおおん」

 

地鳴りがする。

 

「行方不明者の数は?」

 

「………およそ三十」

 

景寿郎の問いに苦々しく答える天元は自分の足元に生えた腕を蹴り飛ばす。

腐った肉はあっさりと千切れ、地面を転がる。

 

__一体一体は大したことはねえ。個別に対処出来れば慌てることはないんだが…

 

「……おぉおおおん」

 

やがて亡者の声が止むと泥被りの老若男女が現れる。亡者の群れ、呻き声を共鳴させながら天元達へと襲い掛かって来る。

 

なまじ通りが狭いだけにそれは濁流の様にも見えた。

 

「「「「あ、あ、あぁあああ」」」」

 

その死者の波は身を削りながらも、無理矢理に進んで来る。足が千切れようが、腕が捥げようが止まらない。

 

__ぐずぐずしてたら囲まれるな…と、なれば。

 

長屋の壁を軋ませながら突貫してくる亡者の群れに対して天元は前へ出る、それは一見無謀にも見えるがたしかな算段のもとでの行動だった。

 

__もう『仕込み』は済んでる、あとはただ全力で。狙うのは、下。

 

両の日輪刀を大きく振りかぶり叩きつける、あえて重心を上へ持って行き足に力は入れない。

 

音の呼吸_壱ノ型 轟。

 

何人かの死者を巻き込み放たれた技は圧倒的な威力を伴い『爆発』する。

その爆風を受け天元は上へ跳ぶ、風を背に大きく跳躍し屋根へと飛び移る。

半端に乾いた砂利を浴びながらも亡者の川をやり過ごした天元は下にいる景寿郎へ声を掛ける。

 

「俺に続け!」

 

と、言った直後影が落ちる。咄嗟に視線を空にやれば隊士の亡者が天元より遥かに高く跳び、全身を使って『突き』を放ってくるのが見えた。

 

__どんな身体能力してやがる!

 

思わず顔を引きつらせ、咄嗟に刀を重ねてその『落下』を受ける。

 

「ぐっ、おおぁあ!」

 

「ううぅううん!」

 

両腕に縫われた日輪刀を振るい頭部に刺さった刃を頭突きの要領で叩きつけてくる。

その膂力たるや筆舌に尽くしがたい。

 

足元の瓦に亀裂が入る、脂汗を浮かべながらも天元はどうにか亡者の足を払い転ばせる。

 

「はぁ、はぁ、あぁ!くそったれめ。重いんだよ畜生が‼︎」

 

後ろに下がり距離を取りながら呼吸を整える。素早く起き上がりふるふると震えながらも依然として敵は健在。

 

__景寿郎のことも気になるがそうも言ってられねえな、真正面から相手取るにはちと厳しいが…さてどうする?

 

下の様子は自身の放った技の所為で土煙が舞い状況が分からない。

だが別段心配はしていない、あれなるは鬼殺隊の頂点の一角。あの程度でどうにかなるのならば己はあそこまで警戒していなかった。

 

__そうさ。俺が本当に恐れていたのは景寿郎が裏切者かどうかでも、裏で何事かを企んでいた場合でもねえ。

 

問題なのは、仮にそうだった際の対処の仕方だ。

 

__俺には仕留められない。まず一太刀あたえられるかどうかすら怪しい。

 

天元は自身が勝つ想像が出来なかった。景寿郎と仮に相対した場合にどう行動しても己は奴の前に斃れるだろうという確信があった。

 

だから今は放っておく。

 

「来いよ、化物が。技比べといこうじゃねえか」

 

__さしあたって、此奴をどうするかね。

 

悠々と此方へ歩いてくる亡者を見やり、天元はぎこちなく笑った。

 

 

 

 

 

 

#

 

 

『俺に続け!』

 

視界の悪い中、景寿郎は先程かけられた言葉を思い返す。

 

__続け……か。

 

柱という立場上隊士を引き連れ先導することはあれど、戦いの中で先陣を切って行動されたのは久々だった。

 

「だが、そうでなくては意味がない」

 

階級を気にして指示を待ち、後手に回るような輩ならばそもそも『こんな』回りくどい謀をする手間はかけない。

 

「そうだ、余計な遠慮などいらない」

 

土煙の中から現れた亡者の一人に腕を掴まれる、だが無論この程度で怯む景寿郎ではない。咄嗟に滑るように背後に組みつきそのまま首を折る。

 

__次。

 

近くにいた別の亡者の脚を切り体勢を崩したところで頸を落とす。と、そこで景寿郎は妙なことに気づいた。

 

「動きが鈍い」

 

先程の此方を飲み込まんとした勢いはなりを潜め、徐々に晴れる視界の中で景寿郎が見たものは所在なさげに右往左往する亡者達だった。

それは景寿郎がいる位置から離れた亡者ほど顕著に見られる。

 

これが意味するものは。

 

__死者が明確な自我を持って襲いかかってくるのではない。

 

そうこれはあくまで血鬼術。これらは亡者の群れで、首魁は鬼なのだ、当然ながら死者が鬼に協力する道理はない。

 

つまるところ天元が人形遊びと表したように、本当の意味で意思が介在しているのは鬼本人のみであとは只の『木偶』である。

 

「鬼が視界に捉えている範囲でしか、死体を意のままに操ることはできない」

 

それが景寿郎のだした結論であった。

 

となればこの不可解な状況にも合点がいく。およそのあたりは付けられても、先の天元の放った技の影響で視界が悪くなった今、景寿郎の正確な居場所が分からなくなったのだろう。

 

ならば。

 

__鬼は、近くに潜んでいる。

 

そしてそれは恐らく__。

 

「………いや」

 

景寿郎は天元に鬼の潜む場所を伝えようとして、やめた。

耳を澄ませば上の喧騒は遠ざかっている、恐らく鬼が上手く誘導したのだろう。

抜いた日輪刀を鞘へ納め、煙が完全に晴れるのを待つ。

 

「場を変えたか」

 

特に不審さを感じることもなく景寿郎は一人呟く。

それもそのはず、鬼とって狙いは天元『だけ』なのだから。

辺りを見渡すと亡者はぴくりとも動いておらず、鬼の支配から逃れた亡者は今度こそ眠りについた。

それらを一瞥して景寿郎はその『名』を呼んだ。

 

 

 

「蓮華」

 

 

 

 

 

 

「はい、ここに」

 

 

 

 

 

『少女』がいつ間にか景寿郎の側で跪いている。

歳は十五をいっていないくらいで、短く切られた紫髪が風に揺られている。肌は健康的に日に焼けた褐色で、左袖のみ大きくだぶついた隊服を着ており少々不恰好に、見える。

 

名を鮮魅蓮華(あざみれんげ)

 

役職は炎柱 煉獄景寿郎の側付き、および隠統括役であり、宇髄天元が『柱に相応しいかどうか』の試練を画策した者である。

 

 

「宇髄殿はどうだ」

 

蓮華に視線を向けることなく、景寿郎は話を進める。

 

「現在ここより北方面で移動しながら戦闘を継続中です」

 

「近隣住民への対応は?」

 

「抜かりなく。昨夜の時点で鬼が潜んでいる場所から私が指定した『区域』までの避難は済んでおります」

 

「そうか……この者達の処理は他の隠に任せ、お前は私に付いて来い」

 

「はい……おい、行け」

 

蓮華が自身の鎹鴉を部下の隠達へ送るのを待つと、景寿郎は天元が去っていった方向へ歩き出す。

その足取りはゆっくりとしたもので、特に急いではいないことが伺える。

 

「よろしいのですか?」

 

「……ああ、急ぐ必要はない。宇髄殿ならば問題はないだろう」

 

__万が一、あの『鬼』に殺されるようならば所詮柱の器ではなかったということだ。

 

それは好悪関係なく、景寿郎なりの信頼の表れである。

本当に危険だと思うのならば流石の景寿郎も見殺しにはしない、宇髄天元という男の力量を分かった上での放置だった。

 

「私にはあの男がそう『やる』方だとは思えませんがね」

 

一方の蓮華はつまらなさそうにぼやいた。それは(はた)から見れば嫉妬に他ならないのだが景寿郎はそれに気がついてはいない。

 

「たしかに才には乏しいだろう。だが彼には経験がある、忍びとして培い鬼殺隊として歩んだ確かな力量がある。そしてそれは何よりの武器だ」

 

「はあ……経験、ですか?」

 

蓮華にはかけらも分からないものだった。何故なら己が信奉してやまないこの傍の主は、掛け値なしに天に愛された男だったからだ。

他者の、人よりほんの少しだけ濃い経験など芥の如く蹴散らしその圧倒的な『才』で数多の隊士の頂点に君臨する者__それこそが煉獄景寿郎だと思っている。

 

__放つ技の数々が神々しく、また鋭い。貴方こそが私の信ずるモノであり、追い求めるモノである。

 

かつて鮮魅蓮華は煉獄景寿郎に救われたその日から、彼の虜になったのだ。故に景寿郎こそ絶対の基準であり、価値であり、『真実』である。

 

「……蓮華、もし私と悲鳴嶼(ひめじま)殿が仕合(しあ)えばどちらが勝つと思う?」

 

その不穏な空気を感じ取ったのか景寿郎は蓮華へ、そう問いかける。

 

「間違いなく、貴方です。たしかに岩柱様はお強いですが、貴方には敵わないでしょう」

 

間髪入れずに、半ば食い気味で蓮華はそう答えた。それに景寿郎は首を横に振る。

 

「違う。間違いなく私が負ける」

 

「何故!」

 

思わず食ってかかる蓮華を景寿郎は淡々と諭す。

 

「あの方は私よりも長く柱を務め、また肉体的にも全盛期を迎え始めた……一方の私は未だ経験乏しく、技を磨こうにも体がついてこない。差は歴然だ」

 

__納得いかない、多少柱を長く務めたからなんだというのか?貴方には高い技量と誰もが羨む才能がある、それでもなお勝てないというのか。

 

「そんなことはありません、貴方は誰よりも強いのです。謙遜はやめてください」

 

「誰よりもか………それが本当ならば私は一年前に『奴』に負けてはいなかった。よく聞け蓮華、膨大な歴史の前に新しき者は勝てんのだ」

 

その景寿郎の言葉に反論することはできなかった。それは知っているから、事実景寿郎がアレに敵わなかったことをこの目で見たからだ。

 

「だからこそ、ありとあらゆる知識が必要だ。私に無いものを宇髄天元は持っている、ならばそれを使わずしてどうする………柱は現状『二人』だけなのだからな」

 

それは柱と産屋敷家、それとごく一部の隠、関係者にしか知り得ない情報だった。

 

__痛い。

 

蓮華は失くした筈の左腕が疼くのを感じた。

 

「一年前、私は過去(おに)に出逢い。そして敗れ……過去(知識)を得た」

 

景寿郎の言葉が呼び水となり、蓮華の脳内にあの忌々しくも『大切』な記憶が呼び起こされる。

 

一年前。

 

 

__私が全てを失い。

 

 

六つ目の鬼人(きじん)

 

 

__この人に救われ、生まれた日。

 

 

首が飛ぶ。

 

強き者達の、強かった筈の者の頸が落ちる。

 

ああ、ああ、ああ。

 

『弱い……今代の柱はこの程度なのか?……未熟なり』

 

ああ、ああ、あは。

 

『次は…お前か?』

 

失くした筈の左腕が疼く。ずきずきと苛むこの痛みは生涯忘れることはできないだろう。

 

『逃げろ、童』

 

そしてあの暖かな焔を忘れることはない、綺麗で儚くて、とても、とても『壊したい』と思った人。

 

私が。

 

__私が傷つけ、そして守ったものだ。

 

だから彼は私のものだ、煉獄景寿郎は鮮魅蓮華のものだ。

 

 

誰にも渡さない。あの姉妹にも、お館様にも渡してなるものか。

 

 

 

「聞いているのか?」

 

 

 

「………え、ああ…申し訳ありません」

 

 

気づけば歩みを止めていた。景寿郎はそんな蓮華を訝しむことなく一瞥した後、歩みを再開した。

慌てて蓮華は景寿郎の側へ寄った。

 

「早急に戦力の補充…と言いたいところだがこればかりは芽が育つのを待つしかない」

 

「はい、何人かめぼしい者はおりますが今すぐに柱として活躍できるかと言われれば…」

 

僅かに眉間に皺を寄せた景寿郎が蓮華の言葉の先を紡ぐ。

 

「厳しいだろうな。とはいえいつまでもこの状態が隠し通せるわけでは無い。あと一年……ないし二年の内には数を揃えたいところだ」

 

今回の天元の柱入りも元を辿れば景寿郎が耀哉へと半ば無理やり打診したものである。

柱二人と耀哉を合わせ、たった三人だけの柱合会議で言った景寿郎の案は難色を示された。

 

__『天元は優秀な子だけれども、まだ柱には早い気がするよ』

 

__『煉獄…お前の意見も一理ある。確かに我ら二人だけでは広範囲にわたっての鬼の警邏は難しい、だがその為に『側付き』という役職を考えたのだろう?…いたずらに柱の座を与え、若い命が散るのは避けたい』

 

__そんなことは百も承知だ。

 

だが『時間』がない。

 

それは事が明るみになり鬼殺隊の士気が下がるのを懸念したわけでも、ましてや自分の負担を減らそうと画策したわけでもない。

 

__時間が、ないのだ。

 

そう、時間がない。

 

 

 

産屋敷耀哉には時間がない。

 

 

 

__耀哉の命はこのままいけば十年も持たないだろう。

 

 

だから一刻も早く無惨の呪いを解くための戦力がいる。なりふり構ってはいられない、どんな手を使ってでも今の鬼殺隊を強化する必要がある。

 

そんな嘆願に対して苦肉の策で用意されたのが一連の流れだった。

 

信の置けない同行者を側におき、任務の不可解さを匂わせ、なおかつ正面から鬼と相対し討伐できるか否か。

 

鬼との戦いは神経をすり減らすものだ。

 

無尽蔵の体力と頸を除けばたちどころに再生する身体、加えて異能たる血鬼術。

どんな状況で相対しようが基本的に此方が『不利』なのは自明の理。

 

 

そこに不確定要素を加えることによってさらに心理面での負荷をかける、その混沌の中でなお自身を見失わず鬼を討伐できるのならば柱の器として認める。

 

それが今回宇髄天元に課せられた本当の任務だった。

 

なまじ詳細を把握していると、思わぬところで景寿郎にぼろが出るやも知れぬと耀哉は任務の中身を蓮華に任せた。

 

そして蓮華は裏で暗躍した、たまたま滞っていた任務で丁度良い塩梅の鬼がいた為それを『使い』今に至る。

 

「うまくいけば『音柱』の誕生ですか」

 

「……そうだな」

 

その言葉を最後にお互いに無言のまま歩を進めることしばらくして、不意に、雲が晴れた。

 

「あ……」

 

蓮華は空を見上げて暫し目を細める。

 

陽光が辺りを照らし、暖かな光が体を包む。ほんのりと温かく、どこか安心する太陽の光。

 

__捻れ、壊れてしまった私だけれど。

 

これだけは、この光だけは、何時迄も変わらずに心地良い。

 

「……どうやら、終わったようだな」

 

景寿郎の言葉に蓮華が視線を戻すと遠くからでも分かる長身の男の姿があった。

 

「あれ、なんだか怒っていませんか?」

 

ぐちゃぐちゃと泥を飛ばしながら足早に近付いてくる男__天元をよく見ると笑いながら額に筋を立てていた。

 

「私がいつまで経っても来ないからだろう」

 

「もしかしたら鬼の口から自分が狙われていたことを知ったかもしれませんね」

 

いい気味だ、と朗らかに笑う蓮華に景寿郎は平坦な口調で返す。

 

「宇髄殿への説明は任せる」

 

「嫌ですよ『あたし』弱い人は嫌いなので……それより『あっち』の方はどんな進捗なのですか?」

 

蓮華の言葉に景寿郎は一瞬考え、口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「日の呼吸のことか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、景寿郎ォ‼︎一体全体どういうことか……洗いざらい教えてもらおうじゃねえか‼︎」

 

 

その呟きは天元の怒声によって掻き消された。




色々と補足が必要だと思うので此処で書かせていただきます(長文注意)

まず天元と鬼との戦いを詳細に書かなかったのは彼の中で景寿郎に対するスタンスというか、接し方のようなものと覚悟が前話でほぼ固まっていたからです。
『取り敢えず鬼を斃して話はそれからだ』となった時点で出番は終わったと言いますか…個人的に天元は鬼滅キャラの中でも精神年齢が相当に高い人だと思っているので景寿郎と絡んだ時にそこまでオチをつけなくても『成る程ね、お前がそんな感じなら俺はこう行くわ』みたいに良い意味で景寿郎の歪さをスルーしてくれるキャラクターだと本作では位置づけています。

それと裏 の話を読んでくださった方は蓮華の言動や態度に違和感を感じたかもしれませんが基本的に景寿郎には忠実で普段は(景寿郎本人が居ない場)彼の口調を真似しておりテンションが上がっていくと素の喋り方になるという感じですね。

鬼_さね、については裏でバックボーンが語られましたがあくまでも鬼の事情であって天元、ひいては鬼殺隊にとっては『何の関係もない』ので表でどうこうすることは無く普通に頸を落とされました。(さねは隊士の亡者の中に潜んでおり、何やかんや天元が戦いの最中文太の死体は血がでなかったのに此奴はどうして__みたいな一幕があったりなかったり)

蓮華の過去についてはいつか技量が上がったら書けたらいいなと思っています(やはり戦闘描写は難しくて…)

察しの良い方は分かると思いますが景寿郎は炭治郎と同じく『記憶の遺伝』持ちで、一年前に黒死牟と戦った際に発言して先祖がほんの少しだけ教わってすぐに諦めた日の呼吸をなんとか再現しようと四苦八苦しています。
また耀哉に対して半ば依存じみた感情に陥っており、それはひとえに今まで自分を認めてくれる人間が極端に少なかったことからくる反動であり、黒死牟との戦いで上弦の強さを実感した景寿郎は思った以上に自分が敵を舐めていたことを知り絶賛焦っています。

長くなりましたが言葉を選ばずに現状を表すならば景寿郎の内心は

お館様が認めてくれた。←少し嬉しい、懐く。

いうて無惨の頸くらい簡単に取れるわ、俺強いし←黒死牟戦 柱ほぼ壊滅

やべえ凄い強いじゃねえか、恩返しの為になんてのんびり構えてたがそうも言ってられねえ!←記憶の遺伝

これだわ←いまここ



長々と書きましたが本作は景寿郎がいかにして(善かれ悪しかれ)成長するかという物語となっております。彼はまだ大きな力を持った幼子に過ぎず、力自体の使い方を全く理解していません。
一見すると耀哉のことを慮り、なんとかしようと尽力していますが本質は『たかだか人に優しいと言われたぐらいで死地に飛び込む』危うさの塊です(少なくとも私はそう考えて彼を書いています)
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