世界を渡る正義の味方と人類最後のマスターの旅(仮題) 作:くれしぇんど
赤黒い炎は町全体を飲み込むように激しく燃え盛り、丘の上の教会も激しい火の手に包まれていた。火の粉を全身に浴びながら、少女が少年に抱きかかえられている。彼女の体には所々痛々しい傷があり、少女の胸には深々と剣が突き刺さっていた。少年は必至に少女の名前を叫んでいる。
「セイバー、セイバーッ!!行かないでくれ…遠坂も、桜も、慎二も、一成も、藤ねえも皆いなくなっちゃたんだ。もう、誰もいないんだよ。セイバーまで失って、たった一人で俺は…」
「シロウ、貴方は強くなった。だから、私という剣がなくても大丈夫ですよ」
「強くなんかない。俺は結局何にも守れなかった。正義どころか、家族も日常も全部失ったどうしようもないマヌケだ。生きる価値なんて、ない」
少年がそう言うと少女は首を振って、吐血の跡が残るその小さな唇で必死に言葉をつむぐ
「リンもサクラも…私も、あなたに生きてほしいから命を投げ出したのです。どうか失った全てを糧にして生きてください」
そういって少女はせき込んで大きな血の塊を吐いた。顔を涙と鼻水でぐしょぐしょにした少年はこみ上げる嗚咽で一言も発することができなかった。
「最後に一つだけ」
少女はもう感覚のない体に力を入れ、死へと誘う耐え難い眠気を振り払い、苦しそうに体を持ちあげた。そして少年に軽い口づけをし、頬に流れる涙を優しく払う。
愛しています、シロウ。私はあなたに出会えて本当によかった。嗚呼、もし願いが叶うのなら、あなたの行く末を隣で見ていたかった―――――――――――――――
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人理継続保障機関フィニス・カルデア、そこで人類最後にして唯一のマスターであった私、藤丸立香がその称号を捨てることになったのは今から3カ月も前のことだ。特異点で出会い、類稀なレイシフト適性とマスターとして聖杯戦争を生き残った経験を持つ一人の男が第二のマスターとなったからだ。
彼の名は衛宮士郎。20歳ぐらいの青年で赤銅色に少し白髪が混じったような珍しい髪色をしている。その出自、特異点から逆召喚できるほどの異常なレイシフト適性、人理焼却を免れた理由など彼については未だカルデアの技術力を持ってもわからないことがたくさんある。私やドクターがそのことについて何度聞いてもうまい具合にはぐらかされてしまう。しかし彼は悪い人ではない、それどころかちょっと度を越したお人好しだというのがカルデア総員一致の見解だ。なんせ人類を救うというとてつもなく危険で重い使命を二つ返事で快く受け入れるぐらいだ。どうかしてるとしか思えない。彼がマスターになって早三カ月、私と彼とで解決した特異点は大小合わせれば両手の指じゃ足りないぐらいだ。初めこそ英霊やスタッフたちも疑惑の目を向けていたものも多かったが、彼はその評価をその実力と人柄とによって完全に払拭した。今では頼りになるマスターとして、皆から一目置かれている。勿論私もその一人だ。まぁ私は初めから彼を信用していたけど。今迄の旅ではそれこそ命の危機を含めていろいろなことがあったが、やはり彼と出会った時の衝撃はその中でも一段とすごいものだった。そう、あれは今のように何気なくベットに横になり、ぼんやりとしていた時の事だった――――――――
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あの日私は淡いオレンジ色の光が満たす部屋の中で、羽毛の入った柔らかな枕に頭預けぼんやりとしていた。手足は度重なる疲労によってベットに沈み込んでピクリとも動かず、スプリングが優しく体を押し上げ、心地よい眠気が瞼を重くする。ついさっき中規模の特異点出の戦いを終えたばかり。久々のマイルームでぐっすりと体の疲れをいやしても文句は言われないはずだ。しかし、リラックスした肉体とは対照的に心は漠然とした不安に襲われていた。理由なんてない。特異点も無事に終わったし、疲れてるとはいえ体は大いに健康だ。だが、なんとなく何かとんでもないことが起きそうな予感がしていた。
「こういう時の私の勘ってなんかよくあたるんだよねー」
私はこれでもそれなりに絶望的な状況も死線も潜り抜けてきたつもりだし、それに多少ならずとも貢献してくれた自分の勘にはある程度の信頼を置いている。まぁ悪い時ほどよく当たるのだが。兎も角カルデアに帰ってきたばかりの今は思考がうまくまとまらない。大丈夫、万が一何か起こるにしても明日だろうし、ここには心強い英霊たちもスタッフもいる。そんなことを考えていたら次第にこの漠然とした不安よりも眠気が勝り、ますます体はベットに沈み込んでいく。
(そういえば帰ってきたときドクターやダヴィンチちゃん達がなんか騒がしかったけど…なんだったのかな?)
実は、あまりにも疲れていて、ドクター達には目もくれずマイルームに直行し、ベットに飛び込んで今に至っている。その時なんだか彼らが騒がしかった気もするのだがよく覚えていない。しかし、瞼はどんどん重くなり、ふと浮かんだ疑問について考える間もなく私の意識は眠りの底に沈んでいってしまった。しかし、その不安が現実になるのはそれからすぐの事であった。
どれくらい寝ていたのだろうか、意識がぼんやりと浮上し始めると遠くで虫の音が聞こえてきた。初夏の夜のような涼しい風が肌を撫でて、やわらかな刺激に軽く身じろぎする。カルデアで虫の声だなんて珍しいこともあるんだなとぼんやりと思っていると突然、ピチャと手が何か生暖かい液体に触れた感触がした。よくよく感じてみるとお腹のあたり温かく湿っている。
(え、うそ。私この年でおねしょした!?)
一気に頭から血の気が引く。風の心地よさもまどろむ眠気も一気に吹き飛んでしまった。顔が青くなる。そんなことはないと思っても、ベットで寝てる時にお腹辺りに感じる生暖かい水気なんておねしょ以外考えられない。おねしょなんて幼稚園以来だし、こんないい歳になっておねしょしたなんて知られたら英霊どころかマシュにも笑われるに違いない。そんなことになったら恥ずかしすぎてカルデアで生きていけない!!
「もう最悪!」
そう叫んで飛び起きた私の目に入ってきたのは変色したシーツでもマイルームの無機質な白い壁でもなく、視界一面を覆う満点の星空だった。思わず状況の不思議さを忘れて、その圧倒的な美しさに息をのむ。現代ではそうそうみられないほどの純粋で壮大な星空が広がっていた。一体それに何秒心を奪われたいたのだろうか。ふと我に返って視線を下におろした時、そこには血で赤く染まった手と血だまりがあった。
「え、何……これ」
驚愕と動揺で体が硬直する。いくら綺麗な星空に見とれてたからといって血だまりに気づかないなんて気が緩み過ぎていると言わざるを得ない。急いで辺りを見回すと、私のすぐ右に男の人がうつぶせに倒れていた。彼の腹には大きな裂傷があり、はみ出した臓器が辺りにまき散らされている。そこから止めどなく血が流れだしていた。間違いなく普通の人間ならば即死しているほどの大怪我であるが、その人は薄いながらも息をしていた。魔術だろうか、驚くべきことに傷も少しずつふさがりつつあった。硬直が解け、次第に生理的にこみ上がってきた吐き気を何とか堪えて、手当の必要性に思い立った私は、急いで魔術回路を起動させる。何度やってもなれない鋭い痛みと、回路の起動によるフィードバックでさらに激しさを増した吐き気をこらえながら治癒魔術を開始する。不思議なことに時が戻ったように生存不可能なはずの傷がが次々と塞がっていき、まき散らされた内臓もサーヴァントが消滅するときのように光にかえる。ものの15分ほどで完全に傷口は塞がってしまった。決して私の治癒魔術が魔法に域に達したとかそんなことはありえないし、ましてやサーヴァントでもない只の青年が人智を超えた回復力なんて持っているはずがない。
(そもそもどうしてこの人死にかけてるの…ってか誰!?私マイルームで寝たはずだよね!?というか、ここ、どこ!?)
おねしょ疑惑やら満天の星空やら突然の血だまりやら…あまりにも突飛で奇想天外な出来事が立て続けに起こって情報処理できていなかったが、明らかにここはマイルームでもカルデアでもない。さっきから腕の通信端末はまったくもって反応もしないし、マシュやほかの英霊とのつながりも感じられない。カルデアとのつながりを絶たれた可能性に思い当たり、不安と恐怖で冷や汗が一筋流れる。やっと回りだした思考も動揺した状態ではうまくまとまってくれない。
(明らかにここはカルデアじゃない。しかもこんなきれいな星空、現代って訳でもなさそうだし、また体ごと特異点に飛ばされた…?)
深呼吸を一つして心を鎮める。冷静になれ、私。辺りを遠くまで見回しても、辺りは建物どころか住居の明かりすら見えない一面の草原で、遠くの方には少し森が見える。草を撫でるように湿り気のない柔らかな風が流れている。先ほどから試しているものの、肌身離さずつけているリストバンド型の通信デバイスはこれっぽっちも応答してくれない。周囲を散策すべきだとは思うが、さっきまで内臓をぶちまけていた人を置いていくことはできなかった。いくら旅と突飛なことには慣れてるとはいえ、マシュもダヴィンチちゃんも他のサーヴァント達もいない状況で、異国の地にたった一人放り出されるとあってはさすがに寂しいし、怖くもなってくる。私は生来そんなに豪胆な人種でもなければ楽観主義者でもない。不安で涙がじんわりと浮かんでくるのは当然のことだ。今はドクターのあの明るい声音がとても恋しい。目をつぶったら、涙が数滴零れ落ちた。
「ドクター、マシュ、ダヴィンチちゃん…私、一人ぼっちでどうすれば―――――」
その時、ポスンと突然頭に優しい重さを感じた。そのまま頭をクシュクシュっと撫でられる。まるで小さい時お父さんに撫でられた時のように、大きな手を感じる。振り向くと、さっきまで意識がなかったはずの男の人が不慣れな手つきで私の頭をなでていた。私はしばらく撫でられるがままに身を任せた。
「落ち着いたか?」
彼はぶっきらぼうに、でも優しい声で言った。はい…とか細い声で返事をして目じりに残っていた涙をぬぐう。
「恥ずかしいとこ見せちゃいましたね。ごめんなさい」
「大丈夫だ。俺も…なんていうか、昔はよく怖い夢を見てじいさんにこうやって慰めてもらってたしな」
「あの、なんか、ありがとうございます」
「いや、お礼を言うのはこっちの方だ。もう少しで俺は死ぬところだった。命を救ってくれて、本当にありがとう」
そう言って彼は深く頭を下げた。私、大したことしてませんからと、ありきたりな科白を言ってこっちも頭を下げる。そのまま私は自己紹介をした。
「私は藤丸立香って言います。あの、わからないと思いますが、カルデアってところでマスターをしています」
「俺は衛宮士郎だ。色々あって今は世界を旅してまわっている。というか今マスターって言ってたけど、その手の甲の令呪といい、君は
「…っ!はい。サーヴァントと一緒に戦うマスターです。」
まさか士郎さんがマスターや令呪について知っているとは思わなかった。そのまま私はカルデアの事や、飛ばされる前の状況を簡単に話した。
「まいった。何十人もの英霊を従えて人類を救ったマスターとは…同じマスターでもへっぽこの俺なんかとは大違いだ」
「え、士郎さんもマスターだったんですか?」
「元、な。ずっと前聖杯戦争に巻き込まれて戦ったことがある」
まぁ結局負けたんけどなと言って士郎さんは不器用に笑った。あまりいい思い出ではなかったみたいで、少し気まずい雰囲気が流れる。
「えっと…士郎さんはどうしてここに?っていうかここはどこなんですか?」
「残念だけど俺にもわからないんだ。小一時間前に気が付いたらここより少し離れたとこで倒れてた。仕方なく歩き回ってたらいきなり―――――ッ!」
何かに気づいたいきなり士郎さんは声のボリュームを落とした。どうしたのか尋ねようとすると、彼は私の口を手でふさいだ。
「静かに、ゆっくりとそのまま伏せろ。どうやら囲まれてるみたいだ」
私は慌てて自分の口を塞いで息を殺す。思わぬ展開に心臓が早鐘を打ち始めた。士郎さんはそのまま立ち上がり、どこからか取り出した弓に剣のような矢をつがえた。
「
英霊の宝具とは言わないまでも、それに匹敵するほどの大きな魔力が矢に込められていく。そして矢を限界まで引き絞ったところで膨大な魔力と共に放たれた。
「
赤く輝く矢は目にもとまらぬ速さでまっすぐ飛んでいき、速度を落とさないで200mほど飛んだ後、急に爆発した。爆風で草原の草が一気になびく。私は驚嘆で思わずため息をついてしまった。異常な再生力や令呪を知ってたことから一般人ではないとは思っていたが、まさかここまで凄いなんて…
「悪いがここで伏せて待っててくれ。すぐに戻ってくる。それと、いつでも走れるよう準備をしといてくれ」
そう言うや否や彼は一気に駆けだした。見ると遠くの方から魔獣や悪霊の類が何十匹もこちらへ迫ってきていた。暗闇の中に目がうす青く光っている。辺りを見渡すと、いつの間にか全方位にかなりの数の不気味な青の光がが見えた。―――――――囲まれている。そう思うと、落ち着いたはずの恐怖が一気に湧き上がって、おもわず令呪の刻まれた手首を強く握りしめた。私は結局いくつもの特異点を超えても戦闘能力はほとんど普通の人と変わらないし、ましてや英霊などとは比べ物にならない。此処にはつねに一緒にいて守ってくれたマシュや英霊たちはいない。しかし、そんな思いは士郎さんを見てすぐに打ち破られることになった。
「
いきなり彼の手に現れた双剣が走りくる魔獣ををざっくりと断ち切った。そのまま次々と魔獣を切り裂いていく。よだれを滴らせ次々にとびかかる魔獣に一切ひるむことなく冷静に一匹ずつ殺していく。瞬く間に前方にいた魔獣たちは物言わぬ肉塊と化した。
「今だ、立香!走れ!!」
士郎さんが叫ぶ。それを聞くや否や私は一心不乱に走り出していた。後ろからは沢山の獣の唸り声がする。前を見ると士郎さんは先ほど打った赤い矢をつがえていた。その矢は私が彼の横を通り過ぎると同時に音もなく放たれ、後方の魔獣を一掃した。その衝撃に魔獣たちが脚を止めると、士郎さんは私を抱き上げ、すごいスピードで前方の森の方へ駆け出した。突然のことで驚き、私は士郎さんの顔を見て言った。
「えっと…すごく恥ずかしいんですけど」
「悪い。出会ってすぐの変な男に抱きあげられるのは嫌だと思うけど、少しだけ辛抱してくれ」
男の人にお姫様抱っこで抱き上げられるなんて初めてで、自分の顔が紅潮しているのがわかる。それを知られまいと士郎さんからすぐ顔をそむけ、後方を見ると、魔獣達は見えなくなったいた。そのまま森に入り、しばらくしたら士郎さんは立ち止まって優しく私をおろした。
「どうやら撒いたみたいだな。怪我はないか?」
「おかげさまで無傷でした。本当にありがとうございます。というか士郎さんすっごく強いんですね」
「いや、そんなことはないぞ。サーヴァントに比べたら全然だし、人間でも俺より強い奴なんて沢山いる」
「でもほんとにすごいですよ!!マスターなのにあんなに戦えるなんて、同じマスターとして尊敬します」
「あー、そんなことよりその腕の機械、なんか光ってるぞ」
すこし照れて顔を背けた士郎さんに言われて、腕の連絡端末を見るとカルデアからの着信が届いていた。安心して、ため息が口から洩れる。
「よかったぁ…」
「そいつでカルデアってとことの連絡ができるのか?」
「はい。ついでに私のバイタルチェックと存在証明も同時にやってくれてるそうです」
「凄いな。一体どんな魔術なのか想像もつかない」
「私もです。あ、いま繋いでみますね」
そういって青く光るバンドのスイッチを押す。案の定、すぐに心配性なドクターの焦った声が聞こえてきた。後ろの方でマシュやダヴィンチちゃんの声も聞こえてくる。
「藤丸君!!大丈夫なのかい!?いきなりマイルームで反応がロストしたんだけど今どこにいるんだい?そもそも一体全体何が起こったんだ!?」
「落ち着いてドクター。私はこの通り大丈夫。ここがどこかはよくわからないけど、空に光帯があるしどこかの特異点みたい」
「ああよかったぁ。マシュやレオナルドも心配してるたよ。今ラインの構築をするからちょっと待っててね」
そう言うと管制室のあわただしい声が聞こえてきた。ドクターから代わったらしいマシュに大丈夫だよと言って現状を説明する。そうこうしているうちにラインがつながったようで、ドクターの立体映像が端末より映し出された。
「藤丸君のすぐ横に人間らしき生体反応が検知されてるんだけど、そこにいる君は誰だい?」
「俺は衛宮士郎。訳合ってこの世界に流れ着いて、立香に命を救われた者だ」
「流れ着いた!?ここは特異点だぞ!人理が焼却されている今、普通の人間がだどりつけるわけがない!」
「あー、いろいろあるんだ。できれば流してくれると助かる。」
「そういうわけにはいかないぞ。君が何者かわからなければ藤丸君の安全が保障できない」
「ドクター。士郎さんは私の命を救ってくれた。悪い人なんかじゃないよ」
「まぁ…藤丸君が言うならとりあえずは信じるけど…くれぐれも気を付けるんだよ」
そういうとドクターはまた作業に戻ったみたいで声は聞こえなくなった。
「すっごく心配してくれてる。いい人だな」
「ちょっぴりヘタレだけどすっごく頼りになるんですよ」
端末からブフォとドクターが照れてコーヒーを吹き出し、ダヴィンチちゃんがからかう声が聞こえてきた。私も士郎さんも思わず微笑んでしまう。
「けほっ…ああ、やっと座標が特定できた。とりあえずマシュをそっちへレイシフトさせるよ。暫くかかるから今日はそこで気を付けて待機しててほしい」
確かに今は夜で、辺りは森故に真っ暗だ。気温も少し肌寒い。すると士郎さんが適当な木の枝を集めて火を起こしてくれた。パチパチと焚き木が建てる音が心地よい。温かい火にあたりながら、ぽつりぽつりと暇つぶしにと今までの聖杯探索についての話をする。士郎さんはずっとこっちを見てすごく真剣に聞いてくれた。まだ出会って数時間のはずなのに、もう気を許してしまっている自分がいる。次第に緊張が解けたからなのか、温かさに包まれて眠気が襲ってきた。
(このままこの緩やかな時間がずっと続けばいいな)
なんて思いながら私は眠りについた。