4話目投稿です。
碧の魔法に少し触れたりなんかします。
それでは、3人娘と白き妖精さんと魔法使い君とのお話にお付き合いください。
パチパチ…。
暖炉の薪が燃えている音が部屋に響く。
「あのー……魔法使い?」
最初に口を開いたのは藍華だった。
「そうだよ?僕は魔力を持ってる。だから魔法使いだよ」
平然と碧は話す。
「……確か、地球(マンホーム)の歴史で習ったことがあります。昔は魔力を持った人間が希にだけど居たんですよね?今はもう、そんな力を持った人は居ないみたいですけど」
アリスは思い出しながら話す。
「そのとーりだよ、その事最初に聞いた時は驚いたもんだけどね。それにしてもアリスは学んでるね!」
碧はアリスを見てニッコリ微笑む。
「……私はまだ学生ですからでっかい当然です」
アリスは照れたようにそっぽを向く。
「わぁー魔法使い……!素敵ですね!!どんな事出来るの?」
灯里はキラキラ輝いた目で碧に聞いてくる。
「そーだねぇ……こんな事とか?」
「ぷいにゅ?」
碧は一言何かを呟くとアリア社長の体がふわりと宙に浮き始めた。
「ぷぃぷにゅー♪」
アリア社長は楽しそうに手足をパタパタさせる。
アリシアはあらあらと笑いながらアリア社長を見つめ。
灯里達はポカーンっとしながらその光景を見ていた。
「凄い……っ碧くん凄すぎです!!」
我に返った灯里が碧の手を取りはしゃぐ。
「あはは、簡単な魔法だけどね、他には……」
アリア社長を下に降ろすと碧は右手を前に出す。
その瞬間ー……
ボッ!
「手の平から炎が出た!?」
藍華が驚きながら叫んだ。
「あっ……熱くないの?」
灯里が碧に訊ねる。
「うん、僕は全然平気。簡単な火の魔法だよ」
「……でっかい手品を見てるみたいです」
アリスが呟くと。
「残念ながら、タネも仕掛けもないんだなぁーこれが」
碧は笑い、手から炎が消える。
「他にも色々出来るけど……兎に角、僕から話せることは大体こんなもんかな?」
ココアを飲み終え、碧は最後に。
「信じるかは灯里達しだいだけどね」
と一言呟く。
「はひ!私は碧くんの事を信じます!!」
灯里は即答した。
「……火星(アクア)に何か起こるってーのは、ピンとこないけど……アリシアさんも言ってるんだから……信じるしかないわよね」
藍華はアリシアの顔を見て納得するように頷く。
「でっかい不思議ですけど……信じますよ」
アリスが頷く。
「ねっ?大丈夫だったでしょ?」
ニッコリとアリシアが碧に微笑む。
「うん、皆……話を聞いてくれてありがとう」
碧は安心したように今までで一番の笑顔を見せた。
「「「…………」」」
碧の心からの笑顔を見て灯里達は言葉を失う。
「……どうかした?」
碧は不思議そうに首を傾げる。
「あっいえ……素敵な笑顔だなぁって思って……」
灯里は顔を赤らめながら呟く。
「灯里!変な事言うの禁止ー!」
「ええー!」
我に返った藍華がツッコミを入れる。
「……アリス、顔がかなり赤いよ……大丈夫?」
「えっ!?はっ……はい!私はでっかい大丈夫です!」
アリスは碧の言葉に我に返る。
「あらあら、碧ちゃん……相変わらず素敵な笑顔ね」
「は……?素敵…?」
ニコニコしながら答えるアリシアに碧は訳が分からない顔をする。
本人は気付いていないが、碧は綺麗な顔立ちをしている。
彼は中性的な顔立ちのせいか笑顔は可愛らしくも見えるし綺麗にも見えた。
「まぁ……取りあえず、今すぐどうこうなるわけじゃないし……なんとかなるよ。きっと」
結論から言って今は何も出来ない状態だった。
「いい加減ねぇアンタ……」
藍華はため息を吐く。
「アリシア……そう言えば秋乃さんは居ないの?」
碧はふと、思い出したようにアリシアに訊ねる。
「秋乃さん?」
灯里は首を傾げる。
「グランマの本名ですよ灯里先輩」
アリスは呆れたように灯里に話す。
「……グランマ、秋乃さんは私が一人前(プリマ)になって直ぐに引退しるわ」
「えっ……そうなの?ねぇ……グランマって秋乃さんの事?」
アリシアの説明に碧は驚き、そして質問する。
「秋乃さんは引退後にその功績から全ての水先案内人(ウンディーネ)の母、グランドマザーと言われるようになったのよ。私達はグランマって呼んでるのよ」
「へー、やっぱり凄いね秋乃さんは」
アリシアの説明に碧は感激して笑う。
「もう、こんな時間ね。そろそろ夕御飯の支度をしましょうか。藍華ちゃんとアリスちゃんも食べていかない?」
アリシアは立ち上がりながら藍華とアリスを見る。
「良いんですか!?是非!」
藍華は感激して笑う。
「……はい、私もでっかいお願いします」
アリスも頷く。
「ホントだ……もう暗いね」
外を見ると辺りは暗くなっていた。
「アリシア、僕も手伝うよ」
キッチンに向かうアリシアに碧は呼び止める。
「あらあら、良いのよ?休んでいて」
「いや。一緒に作ったほうが楽しいかなと思ってさ……灯里達もどう?」
碧の言葉に灯里達は。
「はひ!そうですね」
「お手伝いします」
「勿論、お手伝いさせて下さいアリシアさん!」
三人も立ち上がりキッチンに向かう。
キッチンに向かう灯里達を見つめながら碧は。
「それで何を作るんだ?」
笑いながらアリシアに聞いた。
夕食時ー……。
「……美味しい!」
灯里は和風パスタを一口食べ嬉しそうに声を上げる。
「確かに、美味しいわ」
藍華も驚いた顔をする。
「料理をしてる時にも思ったんですが、手際も良かったですし……碧さんはお料理得意なんですね?」
アリスの質問にアリシアが。
「うふふ、驚いた?碧ちゃんは相変わらず料理上手ね」
ニコニコしながらアリシアはパスタを口に運ぶ。
「そうかな?でも、喜んでくれて良かったよ!」
皆の反応を見て碧は嬉しそうだった。
今日の夕食は碧がメインのパスタを作った。
アリシアが『パスタにしようと思うんだけど碧ちゃんなら何パスタが良い?』と聞かれ、碧が和風パスタが良いと提案し、折角だから自分が作って良いかとアリシア達にお願いしたのだ。
アリシアは快く承諾し、パスタは碧に任せ。
灯里達と一緒にサラダやスープを作ることにしたのだった。
「あっそう言えば!アリシアさんが言っていた彼って碧くんの事ですよね?」
突然、思い出したかのように灯里がアリシアに聞く。
「そうよ。そう言えば灯里ちゃんは碧ちゃんの絵を見て感動してたわね」
「あーそうだ!それ見せてもらおうと思ってたんだった!」
アリシアの言葉に藍華は叫び。
「絵?絵って僕が描いたスケッチの事?」
碧は首を傾げる。
「ええ、灯里ちゃんがスケッチブックを物置から見つけたのよ」
「はひっ本当に素敵な絵でした!」
灯里の目が嬉しそうに輝く。
「あはは、ありがとう……でも、何でスケッチブックが物置に?」
不思議そうに碧はアリシアを見る。
「……大掃除をした時にしまっちゃったのよ」
アリシアは苦笑いをする。
「あの、後でスケッチブックを見ても良いですか?」
アリスは碧に聞く。
「僕は構わないよ」
碧は了承するが。
「あらあら、でもアリスちゃん寮の門限は大丈夫なの?遅くなっても平気なの?」
時計を見ると時刻は7時を過ぎていた。まだ食事中で後片付けもしたら8時を過ぎてしまうだろう。
「……何とかなると思いますが」
時計とにらめっこしながらアリスが答えるが。
「アリスちゃん。無理しないで絵を見るの明日にしようか?」
灯里がアリスに聞く。
「んー、しょうがないか。今日は諦めましょうか、後輩ちゃん」 藍華はため息を吐く。
「………はい。でっかい残念ですけどしょうがないですね」
アリスは本当に残念そうな顔をして呟いた。
その後。
碧の身の上話や今までのアリシア達の話を大まかに聞き、そして質問が繰り広げられ。晩ご飯の片付けが終わる頃には9時近くになっていたのだった。
「そんじゃーね、灯里」
「お休みなさい、灯里先輩」
「うん、藍華ちゃん、アリスちゃんまた明日ね」
ARIAカンパニーの玄関前に藍華とアリスが立っていた。
流石にもう、遅いので二人は今から帰るところだった。
そんな二人に灯里はニコニコしながら見送りに出ていた。
「あー……アリシアさんと途中まで一緒に帰れると思ったのにぃ〜!」
藍華は残念そうに叫ぶ。
アリシアは碧の部屋の整理をしているのでその場には居なかった。
部屋は綺麗なのだが、流石に暫く使っていないせいで埃が目立つので、拭き掃除を碧と二人でしていた。
「碧……ARIAカンパニーで暮らすのよねー……?」
藍華は天井……正確には碧の部屋が在る位置を見つめながら呟く。
「うん!これからが楽しみだよ〜」
灯里が上機嫌で笑う。
「灯里先輩……これだけは言っておきます。男の人は狼……らしいので気を付けて下さい」
「「だからアリスちゃん(後輩ちゃん)何処でそんな事覚えてくるの(よ)!?」」
灯里と藍華のツッコミが見事にハモる。
「……雑誌で覚えました」
さらりとアリスは言う。
「どんな雑誌よ……」
藍華が呆れながら呟く。
「大丈夫だよアリスちゃん!碧くんは信用できる人だよ」
灯里がニッコリと笑いながらアリスを見る。
「私もそれはでっかい分かってます。念の為です」
「ハイハイ、そんじゃあ帰るわよー後輩ちゃん!」
藍華は苦笑しながらARIAカンパニーから出ていく。
「あっ、あのね二人とも、アリシアさんがね晃さんとアテナさんに碧くんが来た事言っておいてほしいって言ってたよ」
灯里は今思い出したように二人の背中に向かって頼む。
「わかったわよー晃さんに言っておくわ」
「はい、帰ったらアテナ先輩に伝えておきます」
灯里の言葉に藍華は振り向かず右手を上げヒラヒラと振る。
アリスはちゃんと振り向き灯里に言った。
灯里がドアを閉めリビングに向かうとちょうどアリシアが三階から降りてくるところだった。
「アリシアさん、お掃除は終わったんですか?」
「ええ、拭き掃除だけだったからもう終わったわ」
アリシアはニコニコ笑いながら灯里に答える。
-……っとその時。
「ああーアリアー!!」
バシャッーゴンッ!
碧の声と水の音を聞き灯里とアリシアは顔を見合せ急いで三階に上がる。
「どうしたの碧ちゃん?」
碧の部屋に入ると碧は水浸しになった床を雑巾で拭いているところだった。
「あはは……アリアが自分も手伝うって言ってバケツを運ぼうとしたんだけど……見事に溢しちゃってね」
見るとアリア社長は申し訳なさそうにベッドの上で丸くなっていた。
「ぷいにゅ……」
「アリアは手伝おうとしてくれてやったんだろう?その気持ちだけで僕は嬉しかったんだよ。だから気にしないでよ」
碧はアリア社長に目線を合わせて微笑む。
「ぷいにゅ……ぷにゅ?」
「うん!だから元気出してよ、そうだ……せっかくだし久々に今夜は男同士で語るか?」
碧はニッコリ笑い。
「ぷいにゅー!!」
半泣き状態だったアリア社長は碧の励ましで元気になったようだ。
「……碧くんってアリア社長の言葉を解っているみたいですね?」
灯里は始めて会った時から思っていた疑問をアリシアに聞いた。
「ええ、碧ちゃんは動物の言葉を理解できるのよ」
床を雑巾で拭きながらアリシアはあっさりと答える。
「ええ!?そうなんですか!?」
灯里は床を拭く手を止めてアリシアを見る。
「そうだよ。僕の魔力は特殊みたいだからね、因みに今夜はアリアは僕の部屋で寝ることになったから」
「はひっ!?」
いつの間にか灯里の隣で床を拭きながら碧が答える。
「あらあら、でも夜更かしは気を付けてね?」
アリシアはニッコリと微笑む。
「すごいなー。でも、特殊って?」
灯里は首を傾げる。
「それはね、僕以外の魔法使いで今のところ動物の言葉を理解できる人居ないみたいなんだよね」
大方、猫妖精(ケット·シー)に喚ばれた理由もそこにあるのかなっと床を拭きながら碧は思った。
掃除を終え、碧達はリビングに降りてきた。
「そろそろ、帰らなきゃいけないわね」
時計を見ながらアリシアが呟く。
「そっか、アリシアは一人前(プリマ)だもんね。此処には住んでないんだ?」
アリシアの呟きに碧は思い出したように答えた。
「ええ、そうよ。家はARIAカンパニーの近くにあるのよ」
「ほー……、結構遅いし送ろうか?」
「あらあら、良いのよ。家は近いから大丈夫よ」
そう言ってアリシアは微笑む。
「うーん……家は近いんだろ?散歩がてらにちょうど良いかと思ったんだけどなぁ……久々に夜の街を歩いてみようと思ったんだよ」
「そうなの?」
そこでアリシアは考えるような仕草をする……そして。
「灯里ちゃん、私はもう帰るわね……それと、碧ちゃんに送ってもらうから」
自分のハンドバッグを持ちアリシアは灯里にまた明日ね、と言った。
「はひっ、アリシアさんお休みなさい!碧くん、いってらっしゃい」
「ぷぃぷぃにゅー」
「うん、行ってきます!」
アリア社長はパタパタと碧とアリシアに手を振り、灯里は微笑みながら二人を見送った。
4話目終了!
これまた、大雑把にですが碧の魔法と特殊能力について触れました!
この世界のオリジナル設定として《魔法使い》が過去に存在していた世界ってことになっています。
何だかオリジナリティ強くなりそうですが……お付き合いください。
さてさて、次は3大妖精さん達が勢揃いします。
本文に変なところがありましたらご報告くれると有り難いです。
それでは此処まで読んでくれてありがとうございました!