「ナオフミ様!」
「ごしゅじんさま!」
血に濡れて倒れた尚文をラフタリアとフィーロが揺する。
「揺すっちゃダメだ。」
俺は変身解除後にくる‥てか、今知った。疲労感と戦いながら仮面ライダーパラドクス パーフェクトノックアウトに変身して、回復を何枚も与え続ける。
その時、こちらに討伐軍の司令官を務めていたであろう女性が走ってきた。
「母上!?何故ここに!」
メルティが驚愕の声をあげる。
母上?て、ことはコイツが女王か。けっ!遅いんだよ。
「お前が女王か。遅かったな。色んな意味で。」
「それについては言葉もありません。ですが、今は盾の勇者様が最優先です。」
「皆の者!盾の勇者様の治療を最優先にしなさい!これは女王命令です!」
それにより治療兵達が尚文を囲み、連れて行った。
ラフタリアとフィーロも着いて行く。その時に(一応ヤバイと思ったら尚文を連れて村へ逃げてこい)と伝えた。
「さて、鎧の勇者様ですね?」
「ああ、そうだが。」
俺は変身を解き、ガシャコンパラブレイガンを構えながら答える。
俺の動きを見て、反射的に女王の後ろにいる兵士達が武器に手をかける。
「悪いが、俺はメルティ以外の王族を信用しちゃいねえ。それだけの事をこの国はやった。」
「それは‥鎧の勇者様がそうなってしまったのは仕方がない事だと思います。皆、武器を下げなさい。」
「いいでしょう。ではあなたの武器はそのままで話をしませんか?」
「ああ。」
「まず、何故メルティは別なのですか?彼女も王族のはずです。」
「決まってんだろ。仮にメルティが姉よりも演技が上手かったとしても抵抗されたところで殺すのは容易いからだ。」
それを聞き、兵士達はもう一度武器に手をかけた。
「おいおい、あんたの部下はかなり血の気が多いな。それに、影もいるな。俺は一人で話してるってのに、それだけガードを多くするとは。信用されてねえってことだな。それかコイツらの中に三勇教の教えが根付いてて無意識に俺を威嚇しているってとこだな。」
「それは‥」
「おい!鎧の悪魔!」
女王の言葉を遮って俺を悪魔呼ばわりする声がする。俺は振り向くと教徒の中でも一際大きな男が兵士3人に連れられて連行されているところだった。
「お前勝ったと思っていい気になってんじゃねえぞ!」
「何をしているのです!早く黙らせなさい!」
女王の言葉に兵士が布を持ってくる。
「おい!今から俺はコイツが聞きたがる話をしてやろうと思ってんだよ!邪魔すんな!」
御構い無しに口に布を巻こうとする兵士を止めて話を聞く。
「聞かせろ。くだらなかったら、すぐに連行してやる。」
「いいぜ!俺はよ!ちょっと教皇様が話してるのを聞いちまったった事なんだがな!''勇者の中で一番厄介なのは鎧だ。ならば奴の一番大切なものを破壊してしまえばいい。それにちょうどいい場所がある。''ってな!」
「大切な場所‥は!?まさか!」
「お!気づいちまったみてえだな!だが、もう遅い!その攻撃は教皇様とお前ら勇者がぶつかったのと同時刻に始まってんだよ!」
そ‥そんな‥ピーター‥ナーガ‥ミコ‥エクレール‥ターニャ‥セバス‥リファナ‥みんな‥
俺は膝をついてしまう。
「ライト様!すぐにでもお戻りください!影よ!ライト様を援護しなさい!」
「「は!」」
俺は影の5人から一本ずつ手渡された回復薬を一気飲みすると村へ急いで戻った。
「嘘‥だろ‥」
ようやくたどり着いた俺が見たのは地獄だった。
村の至る所から火の手が上がり、真っ赤になっていた。
「う、うう‥」
ふと、うめき声が聞こえ、俺たちは駆けつける。そこには近くの木に磔にされた門番がいた。ご丁寧に両手をナイフで貫いた形で。
「大丈夫か!ニック!」
「その声は‥ライトさん‥すんません‥村が‥」
「それはいい!すぐに降ろしてやる!」
俺はナイフを手から抜かないように慎重に木から抜き、ニックを横たえる。
「この者は私にお任せを!」
「頼んだ!」
「ライト様!指示を!」
「‥全員、敵を殲滅せよ。敵は三勇教徒と恐らく何人か影を雇ってると思われる。だが優先は要救助者の救助だ。いいな!」
「「「「は!」」」」
「散!」
シュバ!!!!
影は四方向に分かれて跳び上がった。
「たぁ!」
誰かが戦ってる!
俺は駆けつけるとエクレールが僧兵5人に囲まれながらも戦っていた。
「へへっ!悪魔に与する愚か者め。」
「裁きを受けなさい。」
「黙れ!罪のない者まで巻き込んで、それがお前らの正義か!」
「正義?あなたは知らないのですか?勝てば官軍なのですよ?」
「それに我々は神のお導きにより、悪魔退治をしているだけに過ぎません。」
「この外道め!」
そう言い、また5対1に戻ってしまう。
俺はスクラッシュドライバーを巻き、スクラッシュゼリーを入れる。
ロボットゼリー!
「変身。」
潰れる! 流れる! 溢れ出る!
ロボットイングリス!
ブラァ!
「心火を燃やしてぶっ潰す!」
「オラッ!」
エクレールに斬りかかろうとしていた僧兵の首を飛び回し蹴りでへし折る。
「なら、今コイツが死んだのもお前らが言う神のお導きってやつだな?」
「ライト!」
「よう、待たせたな。」
「鎧の悪魔!ここにいるということは‥」
「ああ、教皇とかいうテロリストは排除してやったぜ。それよか悪魔に負ける神官ってどうなんだ?やっぱ信仰心足りねえんじゃねえか。」
「黙れ!聖なる炎に浄化されろ!」
僧兵たちは槍や剣を握りしめて襲いかかる。
振り下ろされた剣の腹を殴り、軌道を逸らし、ビームモードに変えたツインブレイカーで死角から来ていた僧兵を射殺する。
そして突いてきた槍の柄を掴み、止める。それで足止めできたと思ったのか、剣を持った僧兵がジャンプ斬りを放つ。
俺は掴んでいた槍を引っ張り、そいつを貫かせる。
「な!?」
俺はすぐにアタックモードに切り替え、顎の下から貫く。
「カハっ!」
すぐ後ろから僧兵が斬りかかってくるが、急に動きを止める。
そいつが倒れると、剣を振り抜いたエクレールが立っていた。
「ライト!よく戻ってきてくれた!そしてすまない。」
「謝んな。俺だって油断してた。」
「それよりみんなは!」
「とりあえずみんなはセバスさん主導で避難誘導組、救助・鎮圧組に分かれて行動している。私は鎮圧と救助だ!」
「は!話してる場合ではない!行かなくては!」
「どこに!」
「治療院だ!あそこには、まだリファナとポールが!」
「2人か!急ぐぞ!」
俺たちは道中向かってくる僧兵を倒しながら進む。
治療院のドアを蹴破ると俺を呼ぶ声がした。
「ライトさん‥」
「ポール!」
リファナを担当していた爽やか男こと、ポールが壁にもたれかかっていた。
「リファナちゃんなら‥奥の部屋です‥だが俺は‥ゴフッ!」
「リファナは私に任せろ!ライトはポールを頼む。」
そう言うとエクレールは走って行った。
俺は改めてポールを観察する。
無残にも肩と胸と腹と足を鉄パイプ4本に貫かれていた。
「待ってろ!すぐに!」
「ダメ‥です‥!医者だから分かります‥俺はもう助からない‥」
「さっきから‥呼吸が変‥なんです‥多分肺をやられ‥ました‥」
「諦めんな!すぐに助け出してやる!」
「最後のお願いを‥2つ‥聞いて‥ください‥」
「一つは‥リファナちゃんを守ってあげてください‥彼女は‥俺の‥最後‥の‥患者です‥だから‥」
「ああ!分かった!約束する!」
「ありがとうございます‥そして‥最後‥」
それは来人にとって聞きたくない言葉だった。
「俺を‥楽に‥してください‥どうせ俺は‥火に‥巻かれて死にます。だから‥!」
「‥‥‥本当にもうそれしかないのか?」
「はい‥」
「分かった。お前の事は一生忘れない。」
俺はそう言いながらツインブレイカーをアタックモードに切り替える。
「またな。」グサッ!
首を一突きで刺し、ポールは眠った。
「先に行っててくれ。俺もいずれ追いつく。」
「ライト!」
リファナを抱えたエクレールが走ってくる。
その手には意識がないリファナが横たわっていた。
「まだ彼女は生きてる。 ‥ライト?」
反応がないライトに困惑するエクレール。
俺は静かに立ち上がり、振り返る。
「!? ライト‥」
エクレールはアタックモードに切り替えたツインブレイカーを見て悟っていた。
「すまない‥私が代われば‥」
「‥‥やめてくれ。」
「‥すまない。」
エクレールは何も言えなかった。ライトは変身しており、表情は読めないが、どんな顔をしているかくらいは分かったからだ。
それからは俺はエクレールとリファナを守りながら、向かってくる敵を殺害し続けた。
そうして広場にたどり着くとみんなが待っていた。
「「「ライト!」」」
ピーターとミコとターニャが広場で生け捕りにした僧兵たちを尋問していたところだった。
「申し訳ございません!自分たちが残っていたのに‥」
「ごめんなさい‥あなたの留守を‥」
「ごめん‥ダメだった‥」
3人は俺に頭を下げる。
「いや、いいんだ。それよりこの子は‥?」
猫人の女の子が横たわっていた。
「ああ、燃える家屋から助け出した。だが‥」
「ライト‥しゃん‥」
その子が目を微かに開ける。
「リナ!」
「ごめん‥なしゃい‥あたち‥が‥悪い子だった‥から‥村の‥子と‥喧嘩しちゃったから‥」
「ちげえよ!お前のせいじゃねえ!」
「にゃかないで‥これ‥」
リナは俺に一輪の花を渡す。花びらが少し焦げていたが、綺麗な花だった。
「これ‥ライトしゃんが‥無事に‥帰ってきたら‥渡そうって‥みんなと‥」
「ありがとう。嬉しいよ。」
「もう眠い‥あたち‥」
「寝ちゃダメだ!しっかりしろ!」
「‥‥‥」クタッ
その子は眠るように来人の腕の中で息を引き取った。
「おい!おい!死ぬな!死なないでくれ!頼む‥頼むよ‥」
俺は涙を流しながら、その子を静かに横たえた。
「貴様ら!!!!!」
俺はピーター達が尋問してる最中の僧兵達をツインブレイカーのビームモードの乱射で射殺していった。
1人殺せてなくてそいつは痛みからうめき声をあげる。
俺はそいつに馬乗りになり、顔を殴りつけた。
何度も、何度も殴りつけた。
何度も、何度も。
それはピーター達に止められるまで続いた。
「‥俺は‥驕っていた‥どこか‥この力に‥だからだ!!!だから!!みんな死んだ!!!こんな小さな子まで!!!!」
「ライト!それは違う!」
「黙れ!!!」
「っ‥!」
ターニャが俺を慰めてくれようとするが、俺は一喝する。
「俺は‥三勇教が憎い‥こんな邪教を信じる奴らも憎い‥俺は‥鬼になる‥」
その時、目の前が赤黒く染まった。
真カースシリーズを解放します。という目の前の文字と共に。
そうか、あの時感じたアレは本物ではなかったのか。
尚文から聞いた‥カースシリーズは負の感情により解放される。尚文は死を考えるほどの負の感情だったらしいが。
俺は‥自分の、この力に驕っていた事により、災厄を防げなかった傲慢。
そして、そんな自分への怒り‥憤怒。
それにより、俺の右目は赤黒く、左目は青黒くなった。
そして両手に一つずつベルトが握られているのを確認した。
「そうか‥わかった。」
その時、散開させていた影達が帰ってきた。
「殲滅完了いたしました。」
「ご苦労。お前ら記録できる物持ってるか?」
「こちらに水晶が‥」
「なら今から俺が言うことを記録しろ。」
「まさか‥!」
「ああ、そのまさかだ。」
それから2日後、俺の言葉を記録した水晶を持った影達は城にたどり着いた。
そこでは女王による王とマルティが断罪されていた。
「申し上げます。」
「どうしたのですか?」
「こちらの映像を鎧の勇者様より預かって参りました。」
影は女王の許可をもらい、水晶の映像が映し出された。
「なんだ、あの姿は‥」
「目の色が‥」
「オーラが‥どす黒い‥」
「来人‥マジかよ‥」
「鎧の勇者だ。この映像を見て貰えば分かる通り、俺の村は襲われた。犯人は分かってる。三勇教の残党だ。それは女王も知ってるはずだ。」
「俺の大切な物を破壊する事で、俺を戦意喪失させる魂胆だったのだろうが、残念だったな。俺は余計にキレたぞ。そこで俺は声明を出すことにした。」
「俺たちは三勇教と、その教徒を滅ぼすことにした。だが俺は誰が三勇教徒かなんて知らん。だから無差別に攻撃することにした。止めたければ止めたらいい。その時は、三勇教に与する者として攻撃させてもらう。ああ、今やめるって言っても遅いぞ?それは口先だけかもしれないからな。」
「明日、俺達はメルロマルク国の三勇教会を攻撃する。その後に教徒だ。じゃあな。」
玉座の間に沈黙が流れる。召喚された勇者の中で一番強い鎧の勇者が三勇教と、その教徒を滅ぼそうとしている。
女王的には嬉しいことだが、教徒の括りに国民が含まれてしまっている。しかも誰が教徒かを知らない為、無差別殺戮が起こるのは必至。
「ど、どうするんじゃ‥儂が殺されるではないか‥」
「わ、私も!まだ死にたくないわ!」
「ここは私と勇者様達だけで話をさせていただけませんか?よろしいですわね?」
女王の睨みにより兵士や大臣、王やマルティ、メルティまで玉座から追い出されてしまった。
「今から私が行う事は他言無用でお願いします。」
そういうとひざまづき、頭を地面につけた。
すなわち、土下座の状態になった。
「「「「な!?」」」」
「お願いいたします。この国には大勢の三勇教徒がおります。教会に属する者達だけならまだしも、信仰している者全員ですと、ほぼ全国民が殺害対象となってしまいます。もちろん私の夫と娘も。特にナオフミ様には多大な迷惑をかけてしまった事は重々承知しております。皆様のお力をお貸しくださいませんか!お願いいたします!」
「あれは‥俺たちも無事じゃ済まないぞ。」
「確かにな。死人が出る。」
「あんな状態の来人さんと戦えって言うんですか!」
「逆にどうして、あそこまで三勇教会を野放しにしていたんだ。」
4人の勇者達が苦言を言う。
「それは、承知しております。実は本来貴方方勇者様は、公平に一国に1人ずつ召喚するという取り決めとなっていました。しかし、三勇教会はそれを独断で強行してしまったのです。私は配下の影を使いながら、戦争が起きないようにと外交を進めておりました。それが不在にしていた理由です。そして本来なら皆様が教皇を倒した事で壊滅状態に追い込めるという計算でした。しかし、ライト様の村を襲撃するという誤算が生じたのです。」
「全ては‥私のミスです。」
「分かった。やってやる。」
「「「ナオフミ!?」」」
「俺がやってやる。俺はこの中で一番奴と一緒にいた。だから俺が説得する。ただし、失敗しても恨むなよ?」
「尚文さんだけでは心配です。僕もやります。」
「仕方ないな。俺もやろう。」
「まあ、マルティには死んでほしくないしな。やってみるか。」
こうして4人の勇者は団結することとなった。鎧の勇者を止めるために。
変身
パラドクスパーフェクトノックアウトゲーマーLv99
グリス
来人は傲慢と憤怒のカースシリーズを解放してしまいました。
実は尚文と元康が決闘した際に解放したものは謂わば本物のカースシリーズではなく、今回が本当の解放となりました。
それにより新たなライダーを2つ解放したようです。
解放するきっかけは、来人は、どこか自分の力が最強ではないか、敵はいないのではないかと考えるようになってしまい、自身の力を驕るようになっていました。そして彼の1時の油断で村が壊滅するという災厄が起きてしまいました。
それにより自分が驕り高ぶらなければ村の被害は抑えられたのではないかと考えるようになり、傲慢を解放。そして、そんな自分の情けなさで憤怒を解放しました。