鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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第17話

次の日、俺たちは朝早くから出発し、王都を目指して歩いた。

 

「お前ら、本当にいいんだな?俺がやろうとしてんのは、はっきり言ってテロやクーデターだ。俺に着いてきたらお前らまで犯罪者扱いだぞ?」

 

「構いません。」

 

「ああ、せっかく俺達が建てた建物たちを無残に焼きやがったんだ!許せねぇ!」

 

「ええ。目に物、見せてあげるわよ。」

 

「私は国に仕える騎士だが、今回ばかりは許さない。叩き潰すしかないわ。」

 

「あたしも。あたし達を怒らせた事を後悔させるよ!」

 

皆、異存はないようだ。だが安心しろ。罪を背負うのは俺だけで充分だ。

 

あれからすぐ消えてしまったが、かろうじてステータスを少しだけだが見ることができた。結果、傲慢や憤怒だけではなかった。俺は一気に7つの大罪全てを解放してしまっていたようだ。

 

そうして歩いていくうちに兵士達が陣を敷いているのを見つけた。

 

やはりな。一筋縄ではいかないよな。

 

「ライト。兵士達が陣を敷いてますね。どうしますか?」

 

「お前らは何もするな。俺だけで充分だ。」

 

俺はガシャコンバグヴァイザーⅡを腰に巻き、ガシャットを鳴らした。

 

仮面ライダークロニクル!

 

その音声と共にガシャットが宙を舞う。俺はAボタンを押し、手を動かす。

 

その手の動きに連動するようにガシャットはバグヴァイザーⅡに挿さる。

 

ガッシャット!

 

「変身。」

 

バグルアップ!

 

天を掴めライダー! 刻めクロニクル! 今こそ時は極まれり!

 

俺は仮面ライダークロノスに姿を変える。だが変身の最中に後ろにゲムデウスが浮かび、そのまま変身した。

 

俺は仮面ライダークロノスではなく、ゲムデウスクロノスに変身したようだ。

 

「うぐっ!」

 

体にバチバチとオレンジ色の電気が走り、急激な頭痛に襲われる。

 

「‥‥ふぅ‥‥ふぅ‥‥‥」

 

カースシリーズ(傲慢):ゲムデウスクロノス

本来ならレベルを上げる事で解放されるが、カースシリーズを発動する事で一時的に変身できる。

デメリット:仮面ライダークロニクルに敵として現れる15体分のバグスターウィルスを一気に吸収するため、本来なら立つ事もままならない程のダメージを受ける。

 

「ら、ライト?」

 

「俺は大丈夫だ。先を急ごう。」

 

俺たちは堂々とまっすぐ兵士たちのもとへ歩いていく。

 

「来たぞ!鎧の勇者だ!」

 

みな、一様に武器を構える。だが大半が震えている。そりゃそうだ。あの勇者でさえ、勝てるか不安がっているのに一介の兵士が勝てるはずもない。

 

まあ、生身でゲムデウスクロノスに勝てる方がおかしいが。

 

「止まってください!鎧の勇者様!」

 

みると3回目の波の時に共に戦った若き兵士だった。

 

「もうやめてください!あなたが憎んでいる三勇教会は僕らが終わらせます!だから!」

 

「甘ったれた事言ってんじゃねえぞ!クソガキ!」

 

来人は一喝する。

 

「あ?てめえは大切な人を、奪われた事があんのか!もう手遅れな家族を、自分の手で楽にしてやった事はあんのか!まだ年端もいかない子どもを目の前で失った事があんのか!答えろ!」

 

「‥‥ありません。」

 

「なら、黙ってろ。それとだ。貴様らにチャンスをやる。解散しろ。ここから逃げ出す奴だけは見逃してやる。10秒待つ。」

 

来人は部隊を睨みつける。

 

兵士達はその目に見られている自分が震えてる事を感じていた。

 

これは後に兵士が証言した事だが、(あの時は自分が見られている訳が無いのに10秒間ずっと睨まれているような錯覚があった。後にも先にもあれほど長く感じた10秒はなかった。)

 

「時間だ。愚かな諸君。貴様らの終焉の刻だ!」来人は剣を振り上げると、地面に突き刺した。

 

するとその剣を媒介に14体のバグスターが現れた。

 

「お前らの相手はコイツらで充分だ。お前ら!1匹残らず叩きのめせ!」

 

その言葉にバグスター達はうなづくと、兵士達に向かって走っていった。

 

「負けてられるか!者ども!かかれ!」

 

兵士側も号令で全員が武器を構えて突撃を始めた。

 

14体のバグスターに対して兵士の数、100。普通なら兵士が勝つと思う。だが相手はバグスターだ。

 

兵士は次々と蹂躙され、1人また1人と地面に倒れていく。

 

その時、自分の目の前に、あの若き兵士が立ちふさがった。

 

「はぁ‥はぁ‥」

 

みると鎧はあちこちボコボコにヘコみ、口もとから血を流している。

 

「ほう、ここまで来たか。」

 

「ライトさん!今すぐやめてください!さもないと!」

 

「さもないとどうする?」

 

チャキ!

 

兵士は無言で剣を構えた。

 

「やめておけ。」

 

「いやです!あなたと刺し違えたとしても止めます!」

 

「面白い!来い!」

 

俺は地面に突き刺した剣を抜き、構える。

「うわぁあ!!!」

 

兵士は剣を振り上げ、走ってくる。

 

俺は振り下ろされた剣を剣で受け止め、盾で横っ腹を殴りつける。

 

「ガハッ!」

 

兵士は膝をつく。だがまだ剣を離さない。

 

「はぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そして兵士は最後の力を振り絞って走ってくる。

 

「ほう、面白い。なら、それを受け止めて、終わらせてやろう。」

 

来人は剣と盾を放り投げる。

 

「くらえ!!!!」

 

剣が当たりそうになった時、来人はニヤリと笑い、バグヴァイザーⅡに手を伸ばし、両方のボタンを押した。

 

ポーズ!

 

カッチ‥!

 

時は止まり、兵士は動かなくなる。

 

これがクロノスの特殊能力であるポーズ。いわゆる''時止め''だ。

 

「本気で受け止めると思ったのか?」

 

 

キメワザ!

 

クリティカルクルセイド!

 

来人の足元に時計が現れ、その針が動くのと同じタイミングで回し蹴りを放った。

 

終焉の一撃!

 

リスタート!

 

ドガーン!

 

爆発に巻き込まれ、若き兵士の鎧は完全に破壊され、前のめりに倒れた。

 

「行くぞ。」

 

その頃にはバグスター達は兵士達を全滅させており、俺達はその間を歩いていく。

 

ガシッ

 

「待て‥」

 

若き兵士は俺の足を掴む。

 

それほどまでに忠を尽くすか。

 

俺はそれを無言で振り払うと歩いて行った。

 

エクレールは歩きながら、どこか引きつった顔をしていた。

 

知ってる顔でもいたのだろう。だが逃げるチャンスはやった。兵士にも、エクレールにも。

 

「待て。」

 

陰から錬が現れる。

 

「ここからは先は行かせはしない。さもなくば!」

 

「ほう、面白い。さもなくばどうした?」

 

「お前を倒す。」

 

「倒す‥か。俺を殺す気で来ないと死ぬぞ?」

 

俺は変身解除し、ビルドドライバーを巻き、ハザードトリガーを挿した。

 

ハザードオン!

 

俺は真っ黒のボトルを出し、それを挿した。

 

タンク!タンク!

 

ガッタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

ガッタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

are you ready?

 

「変身。」

 

アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!

 

ヤベーイ!!

俺は仮面ライダーメタルビルドに変身した。

 

そして手にはホワイトパネルが。

 

これを使えってことか。

 

俺はホワイトパネルを胸に突き刺す。そして無理矢理押し込む。

 

「ふんっ!ぬぅ…!ぐあっ!うぅっ…うあぁっ!!」

 

パネルは完全に入り込み、俺と一体化した。

 

真カースシリーズ(憤怒):ファントムビルド

デメリット:高濃度のファントムリキッドを大量に摂取する事に衰弱、顔に一時的に火傷を負い、常時炎上ダメージを受ける。また能力を行使した分、ダメージが増加。

 

 

「勝てば官軍‥勝者こそが正義‥これは俺の村を襲った奴らがほざいてたことだ。」

 

「俺も、この世界に来るまではそう思ってた。だが!違うことが分かった。」

 

「止めてみろ。止められるものならな。」

 

俺はドリルクラッシャーを出し、構える。

 

「ハンドレッドソード!」

 

錬が剣を振るうと空中に展開された無数の剣が俺に襲いかかる。

 

「それがどうした。」

 

俺は同じ数だけミサイルを発射し、相殺する。

 

「雷鳴剣!」

 

錬が剣身に雷を纏わせ、斬りかかる。

 

ガキン!

 

俺はドリルクラッシャーで受け止め、錬を前蹴りで吹っ飛ばした。

 

だが錬も踏みとどまり、立ち上がる。

 

「流星剣!」

 

剣身から星が飛び出し、俺に迫る。だが俺は高速移動で全て避け、アッパーを叩き込んでやった。

 

錬は打ち上がり、その隙に俺はトリガーのスイッチを押し、ドライバーのレバーを回した。

 

ガッタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

ガッタガタゴットン!ズッタンズタン!

 

ready go!

 

ハザードフィニッシュ!

 

俺は大量にミサイルを撃ち出し、タンクのキャタピラを模したエネルギーで空中コンボを決め、まともにくらってしまった錬は大爆発に巻き込まれた。

 

錬はボロボロになった状態にもかかわらず、這ってくる。

 

俺は変身解除をし、それを無視して、通り過ぎる。が咳き込み、膝をついてしまう。

 

「お前‥!」

 

「ああ、皆まで言うな。自分の体は自分がよく分かってる。」

 

「ライト。もうやめた方が‥」

 

「うるせぇ。」

 

次に目の前には元康が現れる。

 

「そこまでだ。来人。」

 

「元康か‥邪魔をすんな。」

 

「これはお前の為にも言っている!」

 

「俺の為‥?なら、邪魔をするな。」

 

「どうしてもやるしかないんだな。」

 

「ああ、選ばせてやるよ。Aの力かBの力か。」

 

「‥Bだ。」

 

「そうか、Aなら昔決闘した時にお前を蹂躙してやった姿だったんだがな。Bならこれだ。」

 

「おい!蝙蝠もどき!」

 

「ふん!有り難く思え。絶滅タイムだ。ガブリ!」

 

キバットバットⅡ世が来人の手に噛み付き、魔皇力を流し込む。

 

「うぐっ!」

 

「‥変身‥!」

 

俺は闇のキバの鎧に包まれ、仮面ライダーダークキバに変身した。

 

「有り難く思え。絶滅タイムだ。」

 

 

カースシリーズ(色欲):ダークキバ

デメリット:膨大な量の魔皇力が体を駆け巡り、本来は一回変身するだけで死に至るが、来人の勇者補正と、キバットバットⅡ世に自身のライフエナジーを与えている為、維持できている。

 

「こりゃ、結構キツイな。」

 

「だったら!もうやめろ!」

 

「うるせえ!ごちゃごちゃ言ってねえでかかって来い!」

 

「望み通りにしてやるぜ!エアストジャベリン!」

 

光で出来た投擲槍が俺に迫る。しかし俺はそれを掴み握り潰した。

 

「嘘だろ!?」

 

「嘘ではない。真実だ。」

 

「乱れ突き!」

 

シュバババ!とあの日よりかは成長し、精度が上がった乱れ突きだが、それまでだ。全て手で弾いて、逸らす。

 

「そんなものか。」

 

俺はそう呟くと思いっきり元康の顔面に向けて拳を振り抜く。

 

「グギャ!」

 

「‥俺には時間がねえ。終わりだ。」

 

俺はキングの紋章を召喚して、元康を拘束し、紋章から発せられる赤い稲妻が元康に襲いかかる。

 

「ウガァァァァ!!!!」

 

俺はウェイクアップフエッスルをキバットバットⅡ世の口に挿し、二回笛を吹かせた。

 

ウェイクアップⅡ!

 

俺が腰を落とし、腕を顔の前でクロスする事で周りが夜になり、赤い月が上がった。

 

俺はそのまま空高く飛び上がり、紋章に囚われている元康に向けてキックを放った。

 

ウェイクアップⅡの技、キングスバーストエンドだ。

 

着地した俺が紋章を解除した事で元康は力なく倒れる。

 

俺は変身を解く。

 

「ガハッ!」ベチャ

 

俺は咳き込み、手に何かが触れた事に気付き、手を見る。

 

血だ。そうか、俺は吐血しているのか。

 

そりゃそうだよな。短時間に莫大な量のバグスターウィルス、ファントムリキッド、魔皇力を摂取したんだ。いくら勇者補正とはいえ、普通なら死んでる。

 

俺は化け物にでもなったのか?

 

ドクン!

 

「うぐっ!」

 

俺は胸を抑えて膝をつく。

 

「「「「「ライト!!!!!」」」」」

 

仲間たちが俺に駆け寄る。

 

「もう‥やめてください‥!このままでは!」

 

「もう充分だ!」

 

「そうよ!このままじゃ死んじゃうわよ!」

 

「後戻りができないのは分かってる!だが!」

 

「死んじゃダメ!」

 

俺は、ピーターとナーガに肩を借りて立ち上がる。

 

「俺を連れて行ってくれ。」

 

そして王都の門を潜ろうとした時、足下に矢が刺さる。

 

「させませんよ!来人さん!」

 

「やはりな。お前も俺の敵か。」

 

「こんな事して何になるって言うんですか!それにもうあなたはボロボロです!」

 

「黙れ‥お前に何が分かる?そんなお前に、いい事教えてやるぜ‥?世の中はな‥そんな綺麗事だけじゃやってけねえんだよ。」

 

「でも‥!」

 

「でもじゃねえ。まだ綺麗事を言うのならウンザリだ。地獄を見せてやる。」

 

俺はロストドライバーを巻き、ガイアメモリのスイッチを押した。

 

エターナル!

 

「変身」

 

エターナル!

 

「さあ、地獄を楽しみな。」

 

親指を下に向けながら言い放った。だがすぐに胸に激痛が走る。

 

「ぐぅ‥流石に効くな‥これだけやればな。」

 

カースシリーズ(怠惰):仮面ライダーエターナル

デメリット:一時的にneverとなる為、長時間使用すると体の崩壊が始まってしまう。またガイアメモリを使用した分だけ、追加ダメージを受ける。

 

「すぐに楽にしてあげます!サンダーシュート!」

 

俺はガイアメモリをエターナルエッジに挿す。

 

クイーン!マキシマムドライブ!

 

マキシマムドライブにより、俺の目の前に壁が現れ、矢は弾かれる。

 

「だったら!イーグルピアシングショット!」

 

今度はワシを象った矢が飛んでくる。

 

ファング!マキシマムドライブ!

 

ファングの力で切れ味が上がったエターナルエッジで簡単に斬り裂く。

 

「終わりか?俺の事を思ってくれてんなら‥通してくれ。」

 

「嫌です!フラッシュアロー!」

 

光る矢を放ち、樹が見えなくなる。

 

「そして!流星弓!」

 

目が見えていない俺に流星の如く矢が迫る。

 

ズドドドド!!!!!

 

矢が何かに刺さる。

 

「やりました!僕が!僕が!」

 

樹は来人を食い止めることに成功して喜ぶ。

 

しかし、土煙の中からエターナルの腕が伸び、樹の首を絞め上げる。

 

「おいおい、何をやったんだって?」

 

なんと来人は無傷だったのだ。

 

「オラ!このまま絞め殺してやろうか!」

 

しかし、そうせずに来人は樹を放り投げる。

 

放り投げられた樹は壁に叩きつけられ、踞る。

 

「トドメを刺してやる。」

 

来人はドライバーからエターナルメモリを抜き、エターナルエッジのスロットに挿した。

 

エターナル!マキシマムドライブ!

 

俺は走りだし、きりもみ回転をしながら跳ぶ。

 

その頃、樹はようやく立ち上がれるようになったのか、フラフラしながら立ち上がる。

 

そして弓を構える。がもう遅かった。

 

眼前に広がっていたのは今まさに自分に振り下ろされていた右足だった。

 

「エターナル‥ブレイク!」

 

その右足が樹の脳天に炸裂した時、樹を中心に大爆発を起こした。

 

爆煙が晴れると樹は仰向けに倒れていた。

 

完全に気絶したようだ。

 

来人達はまた歩き出す。

 

「ゴホッ!ゴホッ! ガハッ!」

 

来人は、また吐血をした。しかも今回の吐血はすべての咳に混じっていた。

 

「もう‥やめて‥ライト‥」

 

それでも進もうとする来人を見てとうとうターニャが泣きながら懇願する。

 

「死んじゃうよ‥」

 

「止めるな‥ターニャ‥あと一人だ‥三人来たんだ‥尚文も来ている‥筈だ‥」

 

「それさえ終われば‥それさえ‥」

 

もはやうわ言のように呟きながら進むが、石につまづき、転んでしまう。

 

それでもなお、立ち上がり、歩き出す来人を見て仲間たちは何も言えなくなってしまった。

 

そんなことなど知らず来人は、もはやダメージの蓄積でボロボロとなり、目も虚ろになりながらも、教会を見据え、進み始めた




変身
クロノスクロニクルゲーマー→ゲムデウスクロノス
メタルビルド→ファントムビルド
ダークキバ
エターナル
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