鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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第20話

それから、ようやくベットから離れることができた俺は、女王に呼び出されていた。

 

通された部屋は6人掛けになっており、先に4人は座っていた。

 

そして空いてる席っていうのが‥

 

「ここか。」

 

「嫌ですか?」

 

「嫌ではないです。」

 

俺は女王と対面する形で座った。

 

「それでは、ようやく全員揃ったということで、お話しさせていただきます。」

 

「まず、三勇教会についてです。」

 

女王がそう切り出したことで、全員が真面目な顔になる。

 

三勇教会。奴らは俺たちを国ごと葬ろうとして暗躍し、更に一時的にとはいえ俺たちを敵対させた最低最悪なカルト教団だった。

 

「ご存知かと思いますが、ライト様が倒れたあと、私はすぐに国民たちに王命を出しました。此度の鎧の勇者の乱は元々三勇教会が鎧の勇者様が不在の間に村を襲い、壊滅状態にしたことが発端だと。世界を守る勇者様の拠点を攻撃するのは国に対して宣戦布告をするのと同じことです。そのため三勇教を信仰するものは邪教徒扱いとすると。」

 

「更に三勇教会は国家転覆まで企てたと触れておきました。まあ、ここまでいえば自ずと国民達は鎧の勇者様が反乱を起こしたのも無理はない。悪いのは全て三勇教だ!と思うということですよ。」

 

「‥‥策士ですね。」

 

弓の勇者がポツリと漏らすとハッ!と我に返り、縮こまった。

 

女王は相変わらずニコニコしてるが。

 

「まあ、それは置いといて。皆さまカルミラ島をご存知ですか?」

 

俺と尚文は首を横に振るが、あとの3人はうなづいた。

 

「近々カルミラ島が活性化するという情報が入りました。ですので勇者様がたには是非参加をお願いしたいと思っております。」

 

「なんですか、それ?」

 

俺が女王に聞く。

 

すぐそばに座る尚文も同じようにうなづく。

 

「ナオフミ様とライト様はご存じないようなので説明しますね。活性化というのは10年に1度、その地域で手に入る経験値が増加する現象です。」

 

とりあえず女王の話を要約すると、その島の魔物達が勢いを増し、それに比例するように、もらえる経験値も上がるからガッポガッポです。という事だ。

 

「そこで、5人にはある事をやって欲しいのです。」

 

「あることですか?」

 

「ええ、一度勇者様方のパーティメンバーをシャッフルしてはいかがですか?」

 

「「「「「シャッフル!!!!!」」」」」

 

シャッフルだと‥

 

「ええ、島にいる期間、勇者様のパーティメンバーがローテーションでずれていってもらいます。初日はレン様でいうと、ライト様のパーティメンバーと行動を共にすることになります。」

 

つまり、ピーター達がか。アイツらうまくやれっかな。

 

「それなんか意味あるのか?」

 

お!錬が食いついた。

 

「あれ?俺のパーティメンバーじゃ不満か?」

 

「そういうことじゃない。経験値を大量に獲得できる時に、何故あえて慣れないメンバーと組ませるんだ?いつものメンバーで戦った方が効率がいいだろう。効率が。」

 

なるほどな。錬のいうことも分かる。確かに、その日に出会ったメンバーで組んでもグダグダになるだろうってわけだな。

 

「ちゃんと考えがあってのことです。勇者様方はお手持ちの武器のせいで互いの戦術などをご存知ないと思います。そこで他の勇者様と行動を共にしている仲間と組めば、自分の戦術の幅が広がりますし、なんならそのパーティでしか共有していないことも教えてもらえるかもしれませんよ?」

 

「それでは、前乗り致しましょう。」

 

「待って欲しい。俺と尚文はまだクラスアップしてねえんだ。」

 

「え?していないのですか?」

 

「ああ、実は尚文は、王が教会に命令したせいで、クラスアップができなかったんだ。俺はその理不尽に腹が立ったからあえてしなかっただけですが。」

 

「‥‥それは聞き捨てなりませんね。事実確認をしておきます。ライト様の言葉が本当だった場合‥まあ、100%真実でしょうけど。何か制裁はありますか?」

 

「そうだな。尚文はなんかあるか?」

 

「氷漬けで頼む。」

 

「天才かよ。異議なし。」

 

「では、それで行います。教会の方へ行けば問題なくクラスアップできますので、是非お立ち寄りください。不都合がありましたら私の方までよろしくお願いします。」

 

「ああ、それと。明日の朝、出発いたしますので城のほうまでお越しください。それでは。」

 

話し合いはお開きになったため、俺と尚文はこの前よりグレードが上がった待機室にいる仲間達を連れてすぐに教会へ向かう。

 

「なあ、もしまだ俺たちを非難する奴がいたらどうする?」

 

「心配すんな、尚文。もしまだそんな輩がいるんなら俺がもう一回吸い込んでやるよ。」

 

「ライト。シャレになりません。今度こそテロリスト扱いです。」

 

「あ!そうだ!先にやることがあるんだった!すまん!先に教会へ行っててくれ。」

 

俺達は尚文と別れて歩いた。

 

「ライト。どこへ?」

 

「ああ、俺がお前と初めて会った場所だ。」

 

こうして奴隷商のテントにたどり着き、中に入っていく。

 

「おお!これはこれは!ようこそ、いらっしゃいました。」

 

「今日来たのは他でもない。こいつらの奴隷紋を解除したい。」

 

「「「ライト!?」」」

 

「へ?売却ですか?」

 

「違う違う。ほら、そこ3人も俺を睨まない。ミコ、その目は傷つくから特にやめろ。最後まで話を聞いてほしい。」

 

「俺は決めてたんだ。この戦いが終わったらこいつらの奴隷紋を解除して本当の家族になるって。」

 

「ほう、少し私とは違いますが、やはりあなたは面白い方です。いいでしょう。先払いでお願いします。」

 

「ああ。」

 

俺が金を渡すと、奴隷商が部下を連れてきた。

 

「できましたよ。」

 

3人が俺のもとに歩いてくる。

 

「よかったな、これで俺達は主人と奴隷の関係じゃなくなったぜ。」

 

「「「はい!!!」」」

 

俺達が教会に入ると、この前のシスターではなく、別のシスターが出てきて俺たちを迎えた。

 

「ようこそ、いらっしゃいました。鎧の勇者様。今日はどのような御用でしょうか?」

 

すごく腰が低いシスターだな。

 

「なあ、知らないならいいけど、前ここで受付してたシスターは?」

 

「え?はい。確かあの方なら辞めて故郷に帰りましたよ。」

 

「辞めたんだ。」

 

「はい、逃げるように辞めていきましたよ。なにか‥うわごと言いながら。」

 

「うわごと?」

 

「はい、(空から黒い穴が現れて全てを吸い込んでいく‥破滅だ‥世界の終わりだ‥)と。おかしな話ですよね。」

 

「はは!そうだな。(ぜってえ、俺のブラックホールだ。)」

 

 

「それはどうでもいい話です。どのような御用でしょうか?」

 

「ああ、俺たちのクラスアップを頼む。」

 

「クラスアップですね。かしこまりました。女王陛下より、盾と鎧の勇者様への今までの非礼を詫びるということでお布施は先にもらっております。まだ盾の‥」

 

女王さん、やるじゃん。

 

先に尚文達が出てきた。

 

ちょうど尚文達がクラスアップを終え、出てきたため、今度は俺たちが入る。

 

「よし、みんな。自分のクラスアップだ。何を伸ばしたいかは各自で決めるように。」

 

「あ、私もうやってたわ。」

 

ミコが手を挙げて答える。

 

「え?お前やってたの?」

 

「ええ、グラディエーター時代にね。ほら、私って体壊す前はスター選手だったから。」

 

「そうか、スター選手なのは初耳だな。じゃあ、分からねえ奴はミコに聞いてくれ。」

 

こうして俺たちはクラスアップを終え、外に出る。

 

「ライト様。」

 

「うん?ああ、そこか。」

 

「‥そう簡単に潜伏を見抜かれては、自信を無くすでごじゃる。」

 

「仕方ないよ。影さん。」

 

「その通りだ。ライトはやばいからな。」

 

そうなのだ。昔みんなで訓練の一環でかくれんぼした時に、俺すぐに全員見つけたもんな。

 

「それでどうした?」

 

「女王陛下が呼んでるでごじゃる。」

 

「ああ、行くよ。」

 

俺達は影に連れられて玉座に連れていかれた。

 

「ライト様。よくお越しくださいました。」

 

俺が来たことに気づいた女王が椅子から立ち上がり、こちらに歩いてくる。

 

あの、部屋の片隅で凍っている氷像がクズに見えるんだが、気のせいか?

 

「あれは気にしないでください。今日だけは、ただの氷像です。」

 

「え、ええ。女王陛下が言うならば。」

 

「今日お越しいただいたのは他でもありません。村の復興はどうなっていますか?」

 

「まあ、なんとかやってますが、いかんせん人員が足りないんですよね。」

 

「ですよね。そこで国から人員を送らせて頂きたいのですが、どうですか?」

 

「国から?」

 

おいおい、国だって俺が戦ったせいで復興中だろ?どこから人員を確保するつもりだ?

 

「人員の確保ならお任せください。囲いという言葉を知っていますか?」

 

「囲い?」

 

「ええ、貴方はクズの独裁政治において反対意見が貴族や兵士達から一つも出ないのはおかしいと思いませんでしたか?彼は自分にとって都合がいい人物、イエスマン以外を次々と左遷していったのです。」

 

「しかし、私が手を回したことで次々と戻ってきてくれています。彼らに鎧の勇者様の手助けを依頼をしました。すると皆、快く引き受けてくださいました。」

 

「信用できるんですよね?」

 

「もちろんです。しかし、貴方の疑念を拭いきれないのも分かっています。そこで。」

 

パチン!

 

女王が指を鳴らすと、この前までいた大臣とは違う大臣が羊皮紙を持ってくる。

 

「ええ、この方は先程言っていた不当に左遷されていた内の一人です。それよりもこちらを。」

 

女王は俺に契約内容の書かれた羊皮紙を見せる。

 

「どうぞ、お読みください。」

 

「ああ。」

 

契約内容を読む。

 

①盾と鎧の勇者に被害が及ぶような事態が発生した場合は国は全力で阻止する。

②国は盾と鎧の勇者に協力し、波に対しての準備を整える。

③盾と鎧の勇者に対して様々な優遇を行う。

④波で戦う以外で盾と鎧の勇者に代価を要求しない。

 

最後に、この契約破棄時、責任を負うのは国のみである。

 

要約するとこんな感じの契約内容が記載されている。

 

随分と俺や尚文に有利な内容だ。

 

あぶり出しや、言葉遊び、嘘などが無いのを注意深く何度も確認した。

 

さすがにやりすぎだとも思うが斜め読みや縦読み、反対読みなども調べたが、特に異常は無い。

 

「問題はないですね。」

 

「では血判をお願いします。見ていただければ分かると思いますが、盾の勇者様にも承諾していただいております。」

 

確かに尚文のものと思われる判が押されている。

 

俺はナイフで軽く、自分の指を刺し、名前を書いて血を滲ませて羊皮紙に押し付ける。

 

女王も同じように押し、契約の羊皮紙が魔方陣の上で輝きだした。

 

そして光が消え去り、女王の腕に既に巻かれている金色の腕輪に更に印が刻まれた。

 

「違約時には私に罰を与える物です。どうかご理解を。」

 

「分かった。これで正式に援助を受けられるという事か。」

 

「はい。」

 

「では、お願いします。」

 

「ええ、ライト様の村の1日でも早い復興をお祈りしております。」

 

 

 

そして次の日、俺たちはカルミラ島へ進む船に揺られていた。

 

良い波だ。まるであれだ。◯縄県とか、◯南島みたいだ。後者は行ったことないけど。

 

「おぇ‥」

 

「おぉ‥」

 

「ぐぇっ‥」

 

なんでお前ら吐いてんだよ。

 

「な、なんで尚文と来人は酔ってないんだよ‥」

 

「俺は生まれてこの方、乗り物で酔ったことがない。」

 

「俺は‥元々乗り物酔いはしにくい体質だし、吐き気よりもテンションが優ってるからだ。」

 

「キャッホーーー!!!!!」

 

「あ!待って!フィーロちゃん!」

 

「ターニャ!フィーロ!遠くまで行くのはやめなさい!」

 

フィーロが水鳥のようにスイスイ泳ぐのをターニャが水走りで追いかけ、更にその後ろをピーターが追いかけている。

 

あ!奴らの後ろに魚影が!

 

「おい!お前ら後ろ!」

 

「えい!」

 

「てい!」

 

ターニャが海から飛び出した大きな鮫みたいな魔物の脳天に的確にかかと落としを食らわせ、脳震盪を起こさせるとフィーロが高く蹴り上げる。

 

「二人ともナイスです!はぁっ!」

 

ドガッ!

 

最後にピーターがオーバーヘッドキックで蹴り飛ばすと鮫は甲板に頭から突っ込む。

 

鮫もタフなのか、まだ動こうとしたため、空中でピーターが投げた剣が眉間に突き刺さり、トドメを刺された。

 

「我らを捕食しようとはナメられたものですね。では、ライト。血抜きと解体に行ってきます。そしてこれをランチなりディナーに出せないか掛け合ってまいります。」

 

ピーターは鮫を担いで向こうに歩いていった。

 

「す、すごいですね。」

 

樹が俺や尚文に言ってくる。

 

因みにだが、これは2匹目ってやつだ。

 

1匹目は他の勇者達で素材を分け合って武器に吸わせていた。

 

いいなー 俺あんなのできないし。

 

試しに吸わせてみるか。

 

俺は余った背びれを胸当てにくっつけてみる。

 

ーーー新たなライダーを解放します。ーーー

 

解放 仮面ライダーアビス、仮面ライダーポセイドン、仮面ライダーギルス

 

いや、できるのかよ!

 

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