「次に各々、仲間から他の勇者のことを聞いてるはずでごじゃる。それを言うでごじゃる。なお、尚文殿と来人殿からはもう聞いてるはずでごじゃる。なので二人は除外するでごじゃる。」
「では元康殿から。」
「ああ、俺のところは錬は冷たい、樹は論外、尚文は論外、来人は‥死ねってさ。」
「冷たい‥」
「じ‥地味‥」
「論外か。」
「影、少しトイレに行ってくる。」
「来人殿。ビッチ様の部屋に行って制裁を加えようとしても無駄でごじゃる。流石にそれは阻止させてもらうでごじゃる。」
「チッ!」
死ねってなんだよ、死ねって。
「お前、死ねって何したんだよ。」
「特に何もしてねえよ。アイツが特大魔法撃ってきやがったから、それをかき消して反撃しただけだ。」
「危害を加えてるじゃないですか!」
「別に俺攻撃しないとは一言も言ってないし。」
「次は錬殿でごじゃる。」
「ええと‥まず元康は何がしたいのか分からないって言ってたぞ。ほとんどナンパばっかりだって言ってたぞ。後は樹は地味、尚文は問題なし、来人も問題なしで、あの変身がまた見たいってさ。」
「なんで尚文さんと来人さんは問題なしなんですか!」
「俺にいうな。アイツらが判断したんだ。それを俺がここで代弁しただけだ。」
「ぐっ‥」
樹はそれ以上何も言えないのか黙り込んでしまった。
てか、地味のリーチ。
「僕も言いますよ。錬さん。あなたはここで戦ってろと言って立ち去ったそうですね? 元康さん、あなたは‥ナンパばかりで‥ 尚文さんと来人さんはワガママすぎると言ってましたよ。」
「ワガママだと?」
「自分達が正義としか思っていない連中だったからな。狩場のマナーも最悪だ。もちろん影も調査済みだろ?」
「そうでごじゃるな。樹殿の仲間達はかなり自己主張が激しかったでごじゃる。他冒険者に対しての恐喝、強引に魔物を占有などなど問題行動が多かった事を記憶しているでごじゃる。」
「そういえば、お前はネット用語で釣りや引き寄せをしていたんだったな。やめたほうがいいぞ?」
錬が便乗して注意する。
そっちでもやったのか、アイツら。
「釣り?引き寄せ?なんです?それ。」
「誰かが戦おうとしている魔物を横取りする行為、ネットゲームじゃ大体‥いやふつうにマナー違反だ。」
元康も説明する。
「お前さ?伯爵も、それはダメだって言ってたろ?そりゃ誰も注意しないさ。相手が勇者のパーティだからな。」
「‥分かりましたよ‥」
錬、元康、尚文と注意を受け、流石の樹も引き下がった。
「恐らくお前の行動を見て、アイツらにとってそれが普通になったんだろうな。」
「で、それを注意した尚文と来人をワガママ扱いか。子供か。」
「だったら!元康さんにも話があります!僕、錬さんと話を聞いて全部ナンパってなんですか!何を考えてるんですか!」
「そうだ、元はといえばお前が覗きをしようとしなかったら、俺たちは正座しなくても良かったんだぞ!見てない俺まで巻き込みやがって。」
「あははは‥男は女を追ってこそ男‥だろ?」
「お前やっぱヤバイな。多分この世界でも、同じ死に方するぜ?」
「多分これは治りませんから諦めましょう。」
「それでは本題である勇者の意見交換を行うでごじゃる。」
影がそう言った途端、全員が黙り込む。
「来人さん、あなたからどうぞ。」
「俺?いやぁ‥俺の聞いても絶対参考にならねえぞ?」
「そうとも言えないだろう。お前のあの爆発的な力は何か秘密があるはずだ。」
「お前の仲間たちの強さもだ。何したらああなるんだよ。」
「そうです。それに聞きましたよ?あなたがクーデターを起こした日、あなたは僕ら全員と連戦して勝ったそうじゃないですか。あれはなんなのですか。」
それが目的だな。俺は武器の強化方法はないし、ただレベルが上がるだけでレパートリーが増えてくから相手にされないと思ったが、そこか。
待てよ、そう考えたらコイツら‥カースシリーズを知らないな?てことは真カースシリーズも。
それに仲間に至っても、ピーターとターニャは元々影になるための訓練を受けてたし、ミコは怪我する前はコロシアムのスター選手らしいし、エクレールは元王国騎士だし、ナーガは‥あれ?アイツなんだ?
そう考えたら俺って恵まれてたんだな。
「話してもいいが、タダでは無理だな。お前らはその対価が払えるか?」
「だったら、一個だ。お前がどうやって決闘で元康を破り、その後のクーデターで俺たちに連勝できたか教えてくれ。明らかにいつものお前とはオーラが違ったぞ?」
鋭いな、錬。それがカースシリーズだ。
「悪いな、教えたいのは山々だがその力を手に入れるのは今のお前らでは無理だ。」
だって絶望だよ?普通は無理よ?
「もったいぶりやがって。」
「もう良いじゃねえか?な?お前らが本当の事を言うなら俺が最後に言う。それでいいだろ?」
「なんでお前が最後なんだ?」
お、次は尚文か。
「お前も俺みたいにあまり贔屓はされなかったが、俺よりはマシだろ?だから俺が最後だ。」
「はあ‥分かったよ。そこは譲ってやる。」
「まずは‥嘘を吐かれないように樹。お前から言えよ。」
「嘘なんかつきませんよ!」
「だが、お前は前科があるだろ?だからお前からだ。」
「何を言っても無駄なようですね。じゃあ一度しか言いませんからね?」
「まず、僕らの武器はスキルツリーのようなもので解放されていきます。」
それ知らない。
「それで僕のやっていたゲームとは似ていますが、違うところもあります。」
「全部おんなじじゃねえのか?」
「違いますよ、元康さん。正確にいうと知ってるのもありますが、知らないのもありますね。」
「じゃあ、俺は樹の続きから話そうか。みんなも知ってると思うが、俺たちの武器は魔物とかの部位を吸わせて強化し、一度変化させても過去に変化させた武器は消えない。だが俺のゲームとは違う点もある。」
「装備ボーナスだ。スキルの習得はスキルポイントと熟練度だった。装備しておくことで何時でも使える様になる訳じゃない。」
「じゃあ、次は俺か。武器は同じ系統‥俺なら槍だな。別の槍を持てばウェポンコピーが発動するよな?」
「ええ。」
「そうだな。」
「おい、待て。それ知らねえぞ?」
「尚文、お前知らねえのか?」
「知らねえ。」
そこからは、レシピを手に入れたら武器が作ってくれるとか、色々知らない話を聞けた。
「では、それ以外で武器を強くする方法を言いましょうか。」
樹が言う。
「それはレア度です。武器はレア度です、付与効果は二の次です。」
「嘘だな。」
「樹さぁ。嘘はダメだぜ?」
「はぁ!?本当ですよ!」
コイツ‥嘘か。
「やっぱりお前は嘘つきじゃないか。」
「違います!じゃあ試してみてくださいよ!」
待てよ‥樹の怒り方が違う。見破られた焦りからくるやつじゃない。
なら‥本当なのか?だが他二人が違うと言ってる。とりあえず様子見といこうか。
「そうだ。俺さ?リーシアからこの石貰ったんだよ。これ何に使うんだ?」
みると尚文も同じ石をもらっているようだ。
「リーシアからもらったんですね。それを使って武器を最大まで強化するんです。」
「嘘は良くないぞ。武器を強くするためにそんな石は使わない。」
「だから!嘘じゃないですって!」
ラチがあかねえ。
「じゃあ、錬は?錬はどうやってるんだ?」
「俺か?もちろんレベルだ。レベルさえあげたら、どうとでもなる。」
「お前も嘘つきか。」
「錬さんこそ嘘は良くないですよ。」
「な!?」
「話は最後まで聞け。武器には熟練度ってものがあってな?同じ武器を使い付けたら溜まっていく。だが伸びにくくなった時にそれをエネルギーに変換して武器に付与する。すると更に強くなる。」
「偉そうな事言ってお前も嘘じゃねえか。」
「聞いて損しました。」
「ふざけんな!俺はそうやって武器を強くしてんだぞ!」
「だったら元康はどうなんだよ!」
「武器の強化精錬の高さこそ全てなんだ。レベルよりも性能を最大限引き出せる特化したステータスがあれば問題ない。最悪、初期の武器だってちゃんと精錬すれば強い! 俺は装備ボーナスは全て攻撃力に特化させている」
「大嘘だ!」
「ええ、尚文さん、来人さん!騙されないでください!」
「こうしようぜ!これから二人に俺たちの強化の仕方を試して貰おうぜ!そうしたら誰が本当か分かるってもんさ!」
「おい、待ってくれ。なんで俺たちが実験台にならなきゃなんねえんだよ!」
「それにだ。俺のはお前らのと違うんだ。」
そこから尚文が実際に3人が言う強化方法を試すが、何も起こらなかった。
何故だ?誰か一人、もしくは二人が嘘をついたとしても全員が全員嘘をつくとは考えにくい。
もしかして‥武器によって強化方法が違う?それなら、まだありうる。
あと、もう一つの可能性は、全員が本当の事を言っている。だ。
だが、そうなれば何故尚文に何も起きない。
「なあ、こうは考えられないか?武器ごとに強化方法が違うとか。」
「「「あ!!!」」」
「まあ、そう言うことにしておきますか。」
「ああ、それが一番筋が通っている。」
「めんどくせえからそれでいい。」
「俺の鎧の強化方法だな。まず俺の鎧はレベルアップだな。だが、あとでお前らが言った方法を一通り試そうと思っている。それと俺の仲間は俺が強くしたってわけじゃねえ。限られた資源の中でどれだけやるかってのが大きいな。」
「あと突然俺たちが強くなったやつだろ?」
そう言って俺は尚文の方を見る。
俺の意図が分かったのか、うなづいた。
「教えよう。俺と尚文の力は同じだ。あれはカースシリーズと言ってな?とある感情の昂りにより発現するんだ。だが、そう簡単じゃねえ。俺の例だと‥1回目は堂々と不正をしたのに、圧力で周りを黙らせて尚文を陥れたクズとビッチに対して、2回目は俺の村を襲撃した三勇教会と、どこかで驕り高ぶっていた俺自身にだ。」
「1回目は理解できないだろうが、2回目は分かるだろ?つまり、あれくらいの感情の昂りで初めて発現する。言っちゃ悪いが今のお前らでは到底無理な話かもしれんな。」
俺は最後に少々トゲがある言い方で締めたが、3人とも反論できずに黙り込む。
「カースシリーズについては来人が言ってくれたから、別の事を答えようか。何故ラフタリアやフィーロが強いのかだ。」
それを聞いて反論できずに俯いていた3人が顔を上げる。
「あれは奴隷使いの盾と魔物使いの盾によるものだ。特別に出所も教えておく。奴隷使いの盾は、奴隷紋を結ぶ時のインク、魔物使いの盾はフィーロが産まれた卵のカラだ。」
「なるほど、出所が分かってるなら俺たちもなんとかできそうだな。」
元康が納得していると、樹が急に手を挙げた。
「どうした?」
「あのう、カースシリーズっていう項目がないんですけど。」
「確かにな。俺のところもないな。」
樹の言葉を聞いて確認した錬も同じだ。
「それは変だな。俺達がこれを解放した時‥少なくとも俺にはシステム音みたいなのが聞こえてきて解放されたぞ。」
「俺も似た感じだ。俺の時はサァー‥と目の前が真っ赤になったな。」
「なるほど‥二人がそう言うなら‥信じる価値はあるんじゃないですか?もしかしたら、解放されて初めてブックに現れるとか。」
「だが、俺は忘れてねえぞ。お前らが嘘吐きだってことはな!」
「元康!お前まだそんな事を言うのか!」
そこからは罵詈雑言のひっどいものだった。
売り言葉に買い言葉。俺たちは参加しなかったが、諌めようと声をあげる影を不憫に思い、仲裁に入ったが3人による尚文をまだ悪人だと思ってる発言を受け、結局俺達も参戦。
最終的に樹、錬、元康の順にキレながら出て行ってしまった。