鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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太刀の勇者は立ち直れないコラボ⑤

「ライトさん!いたら返事をしてください!」

 

ラフタリアが瓦礫を撤去している。

 

家を何軒も巻き込んで吹っ飛んだのだ。本来なら死んでる。だが彼は勇者故にこのくらいじゃ死なない。

 

「だぁ!チクショー!」

 

「あ!無事だったんですね!」

 

来人が瓦礫を吹き飛ばしながら立ち上がった。

 

「逃げたか。」

 

「ええ。すいません‥」

 

「お前が謝ることじゃないさ。それよりだ。お前はもう帰ったほうがいい。」

 

「え!?な、なんで‥私だって!」

 

「ダメだ。ここから先は苛烈な戦いが起こる。正直君を守りながら闘う自信がない。」

 

「それなら大丈夫です。私だって戦えます!」

 

「違うんだ。ラフタリアがいくら強くても答えは変わらない。俺は尚文と約束したんだ。必ずラフタリアを連れて帰ると。物事に絶対はない。俺だって死ぬかもしれない。わかってくれ。」

 

「‥‥っ!分かりました‥」

 

ラフタリアは、これ以上言っても無理なのが分かったのか来人の要望を飲んだ。

 

来人は無言でオーロラカーテンをラフタリアの後ろに開いた。

 

「これを通れば向こうの世界に帰ることができる。」

 

ラフタリアは俺に頭を下げると踏み出した。

 

「‥‥すまない。」

 

「いいんです。それよりも‥必ず帰ってきてくださいね。」

 

「ああ、任せろ。」

 

その言葉を最後にラフタリアを通したオーロラカーテンを閉じた。

 

「それにしてもどうやって追えばいいんだ?手がかりはなしだ。地道に追うしかないな。」

 

 

「はぁっ!」ズバッ!

 

「グギャ!」ドサっ!

 

「地道にレベルを上げていくしかないのか。」

 

ラフタリアを帰してから5時間経った。

 

龍二のアジトは未だに掴めていない。

 

「こりゃ何かしらの隠蔽が掛かってるかもな。」 

 

焚き火に小枝を放り込みながら考える。

 

「奴は力を蓄えてくるはずだ。なら、こちらもそれなりでいかないと‥」

 

 

「あれでいこうかなぁ‥」

 

そして事態は急展開を迎えた。

 

 

二日後。

 

「おいおい、どういうこった!」

 

なんと龍二の使いを名乗るゴブリンが俺に書状を渡してきたのだ。

 

内容はこうだ。

 

''今日、夜。ゼルトブルのコロシアムにて待つ。俺を連れ戻したければ来い。''と。

 

今日の夜か。確か今日は新月‥何か不気味だな、嫌な予感がプンプンしやがる。

 

夜、俺は言われた通りコロシアムに赴いた。

 

道中に刺客の一人でも用意していると思ったが、杞憂だったようだ。

 

中に入ろうとした時、黒い山を見つけた。

 

「なんだ‥?‥‥うっ!こ、これは‥」

 

死体だ。気づかなかったが周りに無残に積まれている山は全部死体だった。

 

老若男女関係なく、まるでゴミ捨て場に積まれるゴミのように人を人とも思わないように積まれていた。

 

野郎‥ますます許せねぇ。

 

俺は目を閉じて自身の胸に拳を当てると、中に入った。

 

フィールドの真ん中に立つ人影がある。龍二だ。

 

「テメェは人を殺しすぎた。今から俺はお前を連れ戻すことを考えない。お前を倒す事だけを考えて戦う!」

 

「俺を倒すか‥ハッハッハッハッ!!!!!甘いんだよ、クソ雑魚が!俺を殺す気で来ないと首なんかとれねえぞ?」

 

「そうだったな。訂正するよ。殺す気でやってやる。」

 

俺の言葉を聞いて龍二は笑い出す。

 

「そうこなくっちゃな!久しぶりに骨のある勇者と戦えるんだ。どうもこの世界の勇者共は雑魚すぎてよ?退屈してたんだ。」

 

「それと、お前は仮面ライダーの力を使って戦うんだろ?俺もマナーは弁えてるつもりだ。変身する時間くらい待ってやるよ。」

 

「そりゃ親切にどうも。」

 

そう言い、俺は金色のベルトを巻く。

 

サウザンドドライバー!

 

起動音が鳴ったのを確認して、アウェイキング アルシノゼツメライズキーを展開して挿す。

 

ゼツメツ!エボリューション!

 

更にアメイジングコーカサス プログライズキーを展開する。

 

ブレイクホーン!

 

「変身。」

 

パーフェクトライズ!

 

プログライズキーを挿す事でサウザンドドライバーの中央の扉が開き、絶滅した哺乳類【アルシノイテリウム】と現存している甲虫【コーカサスオオカブト】が辺りを駆け回り、やがてツノ同士をくっつけあい来人の周りを回ると2体のライダモデルのパーツが来人にくっついた。

 

When the five horns closs,the golden soldier THOUSER is born.

(5本の角が交わる時、金色の戦士サウザーが爆誕する。)

 

''Presented by ZAIA.''

(ZAIAエンタープライズの提供でお送りします。)

 

 

「ほぉ。その姿は見た事なかったな。」

 

「だろ?なんたって令和ライダーだからな。」

 

軽口を叩き合った両者だが何を合図にしたかは分からないが互いに走り出し、剣と剣をぶつけ合い鍔迫り合いを起こした。

 

微かに力で圧し勝った龍二は来人から距離を取る。

 

「くらえ!ドライファ・ダークネス!」

 

「待ってました!」

 

俺はドライファ・ダークネスをサウザー専用武器サウザンドジャッカーの剣先で受け止めると同時に柄に付いているレバーを引いた。

 

するとドライファ・ダークネスは何もなかったかのように吸い込まれ、消えた。

 

「な!?お前!何をした!」

 

「一か八かだったがやってみるものだな。ほら!お返しだ!」

 

JACKING BLEAK!

 

引かれたレバーを戻した事で音声が鳴り、刀身に闇のエネルギーがまとわりつき始めた。

 

「それは!」

 

「ほらよ!」

 

俺は剣を振り、ドライファ・ダークネスを纏った斬撃を飛ばした。

 

「な!?ぐおっ!」

 

来人の剣から放たれた斬撃は龍二に直撃したものの、ただ腹を裂いたものでしかなくすぐさま再生を始めていた。

 

「この力‥俺のドライファ・ダークネスか。どうやったかは知らねえが面白えじゃねえか!そんなお前に俺の新しいスキルを見せてやるよ!」

 

そう言い、龍二が人差し指を立てた時だった。

 

急に月が皆既月食を始め辺りが闇に包まれだした。

 

「なんだ?皆既月食を見せるスキルか?しゃれてんな。」

 

「ほざけ。これを見てまだその口が聞けるか?」

 

「月食の鎧‥」

 

龍二が呟いた瞬間、闇が龍二の体を包み込み、闇が晴れると体を銀と黒、顔を目が緑のマスクに包まれた戦士が立っていた。

 

「シャ‥シャドームーン‥」

 

「ご名答。」

 

そう言うや否や龍二は飛び上がりキックをかましてくる。

 

来人は咄嗟に両腕を交差してガードするが止めきれず少し後ろに下がってしまう。このことから変身したことで龍二の力が増していることが分かる。

 

「マジかよ‥なんてパワーだ。これなら!」

 

来人はサウザンドジャッカーから狼、鮫、ゴリラ、マンモス、チーター、蜂、隼、虎、ホッキョクグマ、サソリのライダモデルを召喚し、ぶつけた。

 

「それがどうした。」

 

龍二が剣を一回振るごとに一体ライダモデルが消え始めた。

 

「おいおい、これもかよ。」

 

「どうした、もう終わりか?ふん!」

 

龍二は一瞬で距離を詰め右フックからの左ストレート、キックと立て続けに来人は無防備に殴られ蹴られ続ける。

 

「ぐっ!がぁっ!」

 

「おらおら!!!どうした!!もう終わりか!」

 

「抜かせ!」

 

バースト!プログライズキー!カンフォート!サウザンドライズ!

 

サウザンドジャッカーにダイナマイティングライオンのプログライズキーを挿しレバーを引く。

 

サウザンドブレイク!

 

来人の両脇に巨大なガトリング砲が2門現れ、ドガガガ!!!とガトリング砲が唸りを上げる。

 

「くそっ!」

 

流石の龍二も後ろに飛び上がり、距離をとった。

 

来人は変身を解きジクウドライバーを装着する。

 

「2人目のライダーか。次はもっと楽しませてくれるんだろ?」

 

「ああ!損はさせねえぜ?」

 

バールクス!

 

バールクスライドウォッチをジクウドライバーに装着し、右手を天高く掲げた右掌を回転させ、手の甲を外に向けた状態でゆっくりと顔の近くまで腕を持っていく。

 

「変身!」

 

ライダータイム!

 

仮面ライダー!バールクース!

 

「さて第二ラウンドと行こうぜ!龍二!」

 

「リボルケイン!」

 

来人はそう叫ぶとジクウドライバーからリボルケインにもサタンサーベルにも似た長剣を出す。

 

「そのライダー‥見たことはないが、リボルケインで分かるぜ。BLACK系だな。」

 

「ああ、当たりだ。」

 

「「はぁぁぁ!!!!!」」

 

ドォゥン!

 

お互いに繰り出した拳がぶつかり合い衝撃波が起きる。

 

互いに殴り合い、顔面を殴られ仰け反った龍二は無茶苦茶の体勢から右手を来人に向ける。

 

「ドライファ・ダークネス!」

 

その時、龍二は当たったと確信していた。だが来人の手には新たなウォッチが握られていた。

 

バイオライダー!

 

闇の衝撃が来人に炸裂した瞬間、来人は水玉となり高速移動をすると龍二の背後を取りこめかみに回し蹴りをくらわせた。

 

ゴキッ!

 

鈍い音がするが龍二は何事もなかったかのように後ろ蹴りを当ててきた。

 

「イッテェな‥頭蓋骨と首が折れたらどうすんだよ。」

 

「‥‥へし折る気だったんだがな。」

 

また殴り合いに戻るが徐々に来人が圧され始めてしまう。

 

「くそっ!これでもなのか‥!」

 

「当たり前だ。俺は本物の力だが、お前は所詮紛い物だ。まぁお前が本当にブラックサンの力を使っていたら立場は逆だったろうがな!」

 

そう言った龍二はサマーソルトキックを来人の顎に当てる。が効果がない。

 

まるで金属を思いっきり蹴り飛ばしたような感じだった。

 

「まだウォッチはあるぜ!」

 

「悲しみの王子のウォッチがな!」

 

ロボライダーのウォッチを使い、パワーアップをした来人は今度は互角に殴り合いを続けることができるようになっていた。

 

「どうだ?最後はライダー同士キックで勝敗をつけようぜ!」

 

「‥‥臨むところだ!!!」

 

来人はバールクスライドウォッチのボタンを押し、ジクウドライバーを回転させる。

 

フィニッシュタイム!バールクスタイムブレイク!

 

来人と龍二は共に飛び上がりライダーキックを交差させる。

 

ぶつかったのと同時に月食の鎧の効果は切れており、空は元に戻っていた。

 

大爆発が起こり衝撃で互いに吹き飛ばされるが龍二が先に立ち上がり魔剣を手にして来人のもとへフラフラと歩く。

 

「教えてやるよ‥これがよぉ‥悪役の運命ってやつだぜ‥」

 

それだけ言うと後ろ向きに倒れながら爆発を起こした。

 

来人はゆっくりと立ち上がると変身を解いて倒れた龍二のもとまで歩く。

 

「もしお前が勝てば‥俺は潔くお前を諦めるつもりだったのによ‥」

 

来人は目の前で散った一人の元勇者を見る。そして連れて帰ろうとしゃがんだ瞬間、突然龍二の目がカッと開き来人の左肩に深々と魔剣を突き刺した。

 

「ガハッ!」

 

「おいおい、言ったろ?俺は死なねぇ。感傷に浸ってる暇があったらとっとと連れてけばよかったのによ!」

 

そう言い、左肩に深々と魔剣が刺さったまま仰向けに倒れた来人のもとまで歩き、乱暴に引き抜いた。

 

ブシャァ!!と肩から血が吹き出した来人は震える手でディエンドライバーを取り出し姿を消した。

 

「ヒャハハハー!勇者を追っ払ってやったぜぇ!ヒャッハー!この地獄門を使ってグラス達の世界を先にぶっ壊しに行くかぁ!!」

 

月明かりに照らされた龍二の姿は翼を広げた悪魔の様な影をしていたのであった。

 

 

場面が変わり、龍二のアジト。

 

ジキルは顕微鏡でリファナから採取したバグスターウィルスに興味を持ったのか観察していた。

 

「ふむ‥これをゴブリン達に投与できれば‥より強いゴブリンに‥」

 

「やめときな。適合する前に全滅がオチだ。」

 

「!?」

 

ジキルが驚き、振り向くと元の世界に帰ったはずの来人が立っていた。

 

「よ!」

 

「‥‥何をしにきたのですか?」

 

ジキルは来人を睨みつける。

 

(おい、ジキル!今すぐ俺に変われ!)

 

(いえ、まだです。様子を見てからでも遅くない。)

 

「なぁ、アンタ。ジキル博士と怪物ハイドだな?」

 

「どうしてそれを?」

 

「俺の世界ではアンタらは有名な話に出てくるんだよ。まさかとは思ったが会えて光栄だよ。それと‥」

 

「二人に言っておきたい。俺はもうアンタらと敵対する気はない。今のところは。」

 

「‥今のところ?」

 

俺の発言でジキルの目が更に鋭くなる。

 

「ああ、なんらかの力で俺の世界に侵攻してきた場合ってことだ。」

 

「そうですか、なら信じてもいいでしょう。」

 

「ありがと!ところでリファナの調子はどう?」

 

「リファナさんは一時はどこかの誰かさんのせいで生死の境を彷徨いましたよ。ですが体内に残ったバグスターウィルスと適合して前とは比べものにならないくらい強くなりましたよ。」

 

「そっか、よかったぁ。心配してたんだよね。もし殺してたらって!」

 

「もし殺してたらコロシアムの道中に我々がいたことでしょうね。」

 

「おお、こわっ!」

 

来人がおどけたようにすると初めてジキルがクスッと笑った。

 

「貴方は不思議な人だ。勇者っぽい側面を見せて同時に勇者っぽくない側面も見せる。」

 

「それ褒めてる?」

 

「ええ。」

 

「そうか‥!?  マズいな、龍二の気が近づいてやがる。俺はこれで帰るけどよ。一つだけ言っとくぞ。」

 

「ええ。」

 

「死ぬなよ。アンタは最後まで龍二を支えてやってほしい。」

 

「貴方に言われなくとも。」

 

「へへっ!そうだな。じゃあな!」

 

来人はオーロラカーテンを開いて帰っていった。

 

 

 

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