鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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本編行こうかなとも思いましたが、書きたくなったのでやります。
これが終わったら絶対に本編に戻りますので、よろしくお願いします!


番外編 女装杯①

これは、来人が龍二の世界から帰って来たところから始まる。

 

「‥‥ただいま‥‥」

 

「おかえ‥って!?どうしたの!?」

 

帰ってきた俺を見た女神は驚いていた。俺の口と左肩からは血が流れ顔にアザを作っていたからだ。

 

「その様子では‥」

 

俺を心配そうに見ながら元神のおっさんが歩いてくる。

 

「ええ、すみません。失敗しました。しかし僕は彼の中に断固たる決意を見ました。」

 

「断固たる決意?」

 

「はい、彼は自分が負った責任を果たそうとしています。そのやり方は間違ってるかもしれませんが。」

 

「ふむ、ならば‥もういいだろう。ありがとう。」

 

そう言うと元神のおっさんは帰っていった。

 

「ごめんね‥こんな辛い目に合わせて。」

 

女神が申し訳なさそうに俺を見た。

 

「いいんだよ。俺も他人事に思えなくてな。あの日、もし俺だけ生き残ってしまっていたら‥俺は悪に堕ちていたかもしれないからな。」

 

「それよりもだ。頼みがある‥」

 

・・・・・・・・

 

「‥‥分かったよ。そっちは任せて。」

 

「頼んだぜ。」

 

こうして俺は元の世界に戻った。

 

そして3日後。

 

 

 

「女装杯!?」

 

「ええ、そういうのがあるそうです。」

 

セバスに言われたことだった。

 

聞いたところ、出場資格があるのは名前の通り男性。しかも女装をしてだ。

 

女装と言っても女性モノのアクセサリーを見えるように付けるとか、婦人服を着るとかでいいらしい。

 

「で?それに出ろと。」

 

「ええ、ダメですか?」

 

「うーーん‥‥女装かぁ。」

 

俺が悩んでいるとセバスが何故俺にその話を持ってきたのか話し始めた。

 

「実は‥ナオフミ殿がライト殿のように新しく町を作りましてな。ナオフミ殿の町を大きくする為にキールなどを筆頭に何人か送りました。まぁ、彼のほうは、まだ村に毛が生えた程ですが。しかしナオフミ殿もライト殿のように奴隷や行き場の無い者を集めてまして。そして、この村は先の襲撃で多くの村人を失いました。」

 

「だけど、奴隷を買うための金が少ないと?」

 

「ええ、その通りです。ですので是非優勝賞金を。」

 

「すぅぅぅ。‥‥分かったよ。出る。」

 

「お!ありがとうございます!それでは早速衣装の手配を。」

 

 

そして当日。

 

俺は発注した衣装に身を包み、会場にいた。

 

衣装のモデルはあれだ。タイムジャッカーのオーラだ。

 

「出場者の皆さんは、こちらでチェックを行います。」

 

係員の呼ぶ声に俺を含めた他の出場者が列に並び出す。

 

「はい、ライト・ダテ様ですね。」

 

「それでは性別チェックと衣装チェックを行いますので、あちらでお待ちください。」

 

そして案内されて入ったテントには、また新たな係員がいた。

 

「それでは性別をチェック致しますので、脱いでください。」

 

「は?」

 

「ですから、脱いでください。」

 

「‥分かったよ。」

 

俺は大人しく服を脱いで見せる。

 

「‥‥ふむ、確かに。魔法の偽装もありませんね。」

 

「それでは衣装チェックです。」

 

促され、俺は衣装を出した。

 

「これで全部ですか?」

 

「あと、鎧着るんですが。」

 

「申し訳ありませんが、鎧の方もお見せいただけますか?」

 

・・・・・・・

 

「はい、バッチリです。」

 

「それではトーナメント表です。貴方は第一会場ですね。時間を書いていますので始まる10分前に集合をお願いします。」

 

この大会は1〜4まで会場があり、そこでブロック毎に予選を行い1ブロック8人まで絞る。

 

「受付完了したようですね。」

 

どこからともなくセバスが現れる。この大会はセコンドが1人まで許される。その為にセバスにセコンドになってもらっていた。

 

「なあ、セバス。この大会って何でできたんだ?」

 

「起源の話ですか?」

 

セバスの話はこうだ。今から何10年か前、あるAとBの2つの家の貴族令嬢の、つまらないいざこざが決闘にまで発展した。日時も決められたものだったが、両家の親は娘が勝手に取り決めた決闘話にカンカンだった。

 

何故なら二人は近々嫁入りをする予定があったからだ。

 

婚礼前の大事な体に傷はつけられない。ならばとA家はルール違反である影武者を立てたのだった。影武者になったのはその屋敷で庭師をしている男だった。魔法で貴族令嬢と同じ顔と声に変えて決闘に臨むこととなった。

 

そして決闘当日、両家ともに名乗りをあげ剣を交えることとなった。

 

互いに互角で決着がつかなかったが、突然両者共に構えを解いた。

 

「俺たち兄弟は!」

 

突然A家の偽令嬢(庭師)が叫んだ。

 

「永久に不滅。俺たち兄弟は!」

 

B家の令嬢はそれに答え、今度は逆に聞き返した。

 

「超最高!」

 

「やっぱり兄貴か。」

 

B家の令嬢が指をパチンと鳴らすと、姿が変わり、男になった。それはB家の庭師であり、A家の庭師の弟だった。

 

「ああ、剣筋が俺と一緒だからな。通りで全部読まれる訳だ。弟よ。」

 

その後は決闘は流れて、両家ともに異例の和解。AとBの家は末永く繁栄していったという。

 

 

「予選を始めますので!第一会場の方はお集まりください!」

 

いつもは意外と出場者は少ない為、予選は一回ずつで済むのだが今年は出場者が続出したらしい。

 

セバス曰く俺のせいらしい。

 

その為、予選は4回行われる。

 

次々とフィールドに出場選手が集まっていく。

 

「あれ?ダテ選手。装備は?」

 

「フィールド内で着ます。」

 

「分かりました。それではどうぞ。」

 

係員に促されてフィールド内に入る。

 

「ルールは簡単です。最後の二人になるまで戦い続けてください!それでは‥スタート!!!」

 

俺は白いカードデッキを水たまりに構える。するとそこから灰色のベルトが現れ腰に巻き付いた。

 

「変身!」

 

俺は仮面ライダーファムに変身した。

 

「おおっと!!!ダテ選手!!どこからともなく現れた鎧に身を包んだぞ!!!!!これは見たことがない魔法だァァァ!!!!!」

 

仮面ライダーの変身を初めて見たのか実況は大興奮だ。

 

俺はバックルのカードデッキから一枚カードを抜き羽召剣ブランバイザーを開き装填してから閉じた。

 

ソードベント!

 

 

空からファムが契約した白鳥型のミラーモンスターであるブランウィングの翼の一部を模したウィングスラッシャーが降ってきて右手に収まった。

 

「そこの派手なやろう!テメェからだ!」

 

女性ものの鎧に身を包んだおっさんがナイフを逆手に持ち突っ込んでくる。

 

だが来人は動かない。

 

そしておっさんが跳びかかり振り下ろされるナイフが胸に突き刺さろうとした瞬間、おっさんは吹き飛ばされ地面に頭から突き刺さっていた。

 

「おおおおお!!!!!!!」

 

「ダテ選手に襲い掛かったオジン選手がいつのまにか頭から突き刺さっているだとっ!!!いったい何が起きたんだ!!!!!」

 

観客も実況席も、この空間にいた人物は自身の目の前で何が起きたのかイマイチ分かっていなかった。

 

 

たった一人の男を除いては。

 

「ふむ、なるほど。」

 

たった一人、元影のセバスだけは見抜いていた。

 

あの時、来人はおっさんのナイフを弾き、股下にウィングスラッシャーを差し込み持ち上げることで地面に頭を突き刺していた。

 

これを残像が起こるほどのスピードでやり遂げていた。

 

 

「ライト殿は底知れませんな。あのような芸当は私のような影でなければ見逃してしまうというもの。ですが私が後20年若ければ残像さえも残さずにこなしていたでしょうな。はっはっは!!」

 

負けず嫌いのセバスの笑いを来人は知らずか、また立ち尽くしていた。

 

だが飛んで火にいる夏の虫。先程の動きを見てもなお、立ち向かってくる者はいた。

 

「あのスカした野郎!だったらこれならどうだ!!!!」

 

男の胸までの高さの杖を上に掲げて呪文を唱えるとバランスボール大の火の玉が杖から現れた。

 

「おおっ!メ◯ゾーマみたいだな!」

 

「そんなダサい名前と一緒にすんな!!」

 

「待った!」

 

男が撃ち出そうとした時にふいに待ったがかかる。

 

みると同じように杖やステッキを持った男達ではないか。

 

「俺たちも加勢してやるぜ!」

 

「あの若造に分らせてやろうぜ!」

 

「うほっ!いい男‥」

 

「我が腕の中で生き絶えるがよい。」

 

男達が杖をその火の玉に向けると男達の魔力を吸い上げて更に大きな火の玉と化した。

 

「おいおい、後半のやべえ2人のせいで余計に負けられねえぞ!」

 

 

「「「「「くらえ!!!!!」」」」」

 

そうこうしている間に特大の火の玉が撃ち出され俺に迫る。

 

「受け止められる規模じゃねえ!といって避けようにもアイツら!それを見越して自分達が被害を受けないギリギリの至近距離で撃ちやがった!」

 

そして火の玉が着弾し、それはそれは大きな火柱が上がった。

 

「これは!すごい火柱だ!!!!!ここからでも十分熱気を感じます!!!流石のダテ選手もお終いか!!!!!!!」

 

火柱が晴れると来人の姿は消えていた。

 

「おおっと!!!!!これはダテ選手!!!!蒸発してしまったのでしょうか!!!!!!このフィールドは選手が死亡しないように特殊な結界を張っていますが、それを超えてきたか!!!!」

 

アドベント!

 

しかし、いきなりブランウィングが現れ、魔力切れでフラフラになった5人の男に体当たりを決めていた。

 

「なんと!!!!!ダテ選手!!!!!生きていた!!!!!!!いつのまにか彼らの背後に回っていたようです!!!!!!」

 

 

「ふぅ、危ない危ない。さて、もう終わらすとしようかな。」

 

ファイナルベント!

 

来人がカードを入れるとブランウィングが、また現れ翼で嵐のような突風を巻き起こし始めた。

 

その威力に足をしっかり地につけて踏ん張ることもままならず、選手達は次々と吹き飛ばされていく。

 

その吹き飛ばされてきた選手を待っていたとばかりに手に持つウィングスラッシャーで次々と斬り裂いていく。

 

そして最後の1人を斬り裂いた事で立っているものは来人1人だった。

 

「決まりました!!!!第一会場第一予選はライト・ダテ選手の一人勝ちによりシー‥いや!待ってください!1人残っています!あれは‥ラック・フォレスト選手だ!!!!なんと、うずくまっていた事で奇跡的に突風を回避!!!!これによりAブロック第一試合はライト・ダテ選手VSラック・フォレスト選手に決定しました!!!!!」

 

 

 

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