鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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番外編 女装杯②

「まずは予選突破ですな、ライト殿。」

 

「ああ、そうだな。」

 

「まあ、まだ本戦には時間がありますが、どうしますかな?」

 

「観戦しようかな。自分と同じブロックの奴は見ておきたいし。」

 

そう言い、俺たちは空いてる席に移動し、観戦を始めた。

 

「あのう、横いいですか?」

 

「え?ああ、どうぞ。」

 

「次‥貴方と戦うんですよね‥」

 

「は?」

 

何を言ってんだ?この人。

 

「ライト殿。彼ですよ。貴方と共に予選に残ったラック・フォレスト選手ですよ。」

 

「え?‥‥ああ!そっか。」

 

「すみません‥覚えてませんよね‥僕みたいなまぐれなんて‥」

 

「いやいや、そんな自分を卑下すんなって!な?」

 

「いえ‥いいんです。僕は一族の落ちこぼれなんです‥」

 

「ふむ‥君はクロノ族だね?」

 

「クロノ族?」

 

なんだ?聞いたことねえ。

 

「‥‥よく分かりましたね。」

 

「分かるとも。君の両目の下に黒い逆三角が描かれています。この両目の下に何かしらの模様を入れるのはクロノ族の特徴。そしてクロノ族最大の特徴は‥」

 

「性別が二つあることですよ。」

 

セバスの言葉に続けるようにラックは言った。

 

「2つ!?え!?君今2つって言った!?」

 

2つて‥あれかよ。メタモ○星人かよ!

 

「そこまで驚くことではないですぞ、ライト殿。ええ、もちろんベースとなる性別はあります。そして彼らは年齢と心。その両方が成人を迎えた時に2人に分裂するのですよ。」

 

「でも僕は‥成人となる年齢を迎えたにも関わらず‥まだ分裂しないのです。もう1人の僕‥いや私の方かな。そっちは好戦的なんですが‥僕は争いが嫌いで‥」

 

「今回も‥里のみんなからネロ‥僕の女性人格の力を借りずに戦ってこいって言われて‥内緒で入れ替われるか試しましたけどネロは応答してくれないんです‥」

 

「それに僕には‥好きな人がいるんです‥でも‥僕が男らしくならないと‥自分の男人格と結婚するって言われて‥」

 

「で?今日その子は来るの?」

 

「はい、予選は通るだろうからって本戦から来ます‥」

 

「だったら見せてやろうぜ!お前がどれだけやれるかって事をよ!」

 

「無理ですよ!僕は予選の時は逃げ回ってました‥そして倒れた選手に運良くつまづいて転んでたおかげでダテ選手の風に巻き込まれずに済んだんですから‥」

 

マジかよ‥それで俺のファイナルベント避けたのかよ‥

 

「まぁ‥でもさ?運も実力のうちって言うし?やれるだけやってみようぜ?な?」

 

「はい‥ダテ選手がそういうn‥」

 

 

「ラック!ここに居たのね。探したんだから。」

 

そこには紫色のショートヘアに眼鏡をかけた女性が立っていた。

 

「ルカ!来たんだね。」

 

「ええ、当たり前じゃない。私は貴方に期待しているのよ?貴方は強いはずよ、ルークよりも。」

 

「そう‥なのかな‥」

 

「確かに貴方は落ちこぼれと言われているわ。それが何?父上は、優勝してこいっ!ってうるさく言ってるわ。でも私は優勝しなくてもいいと思ってる。貴方の強さを見せつければいいのよ!頑張って!」

 

そう言うとルカと名乗る女性は去っていった。

 

「ふむ‥ライト殿。少しラック君の手助けをしても?」

 

「いいよ。」

 

「ふふ、ではやりましょうか。」

 

こうして広場に到着した。

 

「まずは私に打ち込んできなさい。遠慮せずに。」

 

「えっ‥でもお爺さん‥大丈夫ですか?いくら落ちこぼれとはいえ僕はクロノ族ですけど‥」

 

「心配はいりませんよ。私は68歳ですが、まだまだ若いものには負ける気はありませんぞ。」

 

「そ、そういうなら‥いきます。‥‥オラッ!」

 

ラックは鋭いパンチを繰り出すが、セバスはそれを取り出した扇子で受け止める。

 

「まだまだっ!」

 

次々とパンチを繰り出すもののその全てをセバスに受け止められ続ける。

 

そして彼が渾身の一撃を放った瞬間、セバスは姿を消しラックの後ろに現れた。 

 

「ふむ、よく分かりました。」

 

「貴方には闘気が足りません。」

 

「うっ‥これだけの手合わせで見抜けるんですね。その通りです。」

 

闘気?なにそれ?

 

「闘気が何か分かっていないライト殿の為に説明いたします。クロノ族には魔法を使う文化がありません。それもそのはず彼らの体内には魔力ではなく闘気が流れているからです。闘気とは魔力と同じようなものと考えていいです。クロノ族はその闘気を拳に纏わせ攻撃力を上げる、足に纏わせ瞬発力を上げる、攻撃が当たる部位を瞬時に見抜きその部位に纏わせる事で防御し、跳ね返す‥と。その為彼らは闘気を全身に纏わせ鎧とするのです。」

 

「しかしラック君は闘気を上手くコントロール出来ていないように思えます。それに体を包む闘気が少ないですな。」

 

「‥‥そうなんです。そのせいで落ちこぼれで‥」

 

「ふむ‥それではラック君は私と共に秘密の特訓を行いましょう。ですのでライト殿とは別行動ですな。ラック君がどれだけ変わったかは戦ってみてのお楽しみの言う事で。」

 

「分かった。楽しみにしてる」

 

こうして俺はラックとセバスと別れて試合時間までブラブラすることにした。

 

 

そして試合時間。俺はレッドゲートに集合していた。

 

ラックが待っているのはブルーゲートというらしく、これは昔のスポンサーが名付けたらしい。十中八九、勇者か他の転生者だろうな。

 

「レッドゲート!ライト・ダテ選手!入場!」

 

実況の声が上がり俺はフィールドに姿を表す。

 

「ブルーゲート!ラック・フォレスト選手!入場!」

 

相対するようにラックも歩いてくる。

 

さっきまでの奴とは顔つきが違うな。セバスとどんな特訓をしたのか気になるところだ。

 

「それでは始め!」

 

「行くぞ!」

 

俺はライダーガシャットを取り出し鳴らした。

 

ときめき!クライシス!

 

軽快な音楽と共に俺はその場でターンを決める。

 

そしてガシャットを挿そうとした瞬間、奴の姿が消えてガシャットに手を伸ばそうとしてきた。

 

「反則だろうが!」

 

俺は無理矢理の体勢で避け、ガシャットを挿した。

 

ガッシャット!バグルアップ!

 

ドリーミングガール!恋のシミュレーション!乙女はいつも!ときめきクライシス!

 

俺は仮面ライダーポッピーに変身してバックルからガシャコンバグヴァイザーIIを外し、右腕に装着した。

 

「さぁ!来い!」

 

「いきますよ!」

 

ラックはそう叫ぶと一瞬で姿が消えた。

 

「な!?もう一回消えた!?」

 

突如ラックの姿が消えたのだ。今度はもっと精密に。奴の闘気ではここまでの出力は!セバス‥アンタはどんなマジックをしたんだ。

 

そう考えていた瞬間、目の前から強い殺気を感じ本能的に腕を交差する。

 

その1秒後に下から斜めに蹴り上げてきたラックがいた。

 

「危ねぇ!!」

 

なんとかダメージは少なくしたものの腕が痺れてやがる。

 

「どうです?僕だって!」

 

ラックは思い出していた。セバスとの特訓を。

 

 

 

ラックside

「ものは考えようです。全身に纏わせるから量が少なくなるのですよ。一部にだけ纏わせればいいのですよ。」

 

このおじいさんは何を言っているのだろうか?一部だけ?確かにそれなら僕にだって出来るが‥

 

「例えば移動するときは足にだけ、殴るときは手にだけ、蹴るときは足にだけ、防ぐときは腕だけに闘気を注ぐのです。」

 

「でも僕は‥闘気が少ないんですよ!一度使った闘気は消費されるっていうのに。」

 

「はて?そうなのですか?若い頃に共に仕事をしたクロノ族の者は一部にだけ流す程度なら7割くらいは消費されずに戻ってくると聞いたのですが?」

 

「‥‥え?そ、そうなのですか!」

 

知らなかった‥てか、誰も教えてくれなかったし‥

 

「ええ、彼も貴方も同じクロノ族。ならば!出来ることでしょう!」

 

「ええ!頑張ります!」

 

この人は只者じゃない。僕のおじいちゃんくらいなのにとてつもなく強い。

 

だが、この方法ならやれるかもしれない。

 

ラックside end

 

こいつ!一発一発が早い!高速で接近し、俺に攻撃するとすぐに距離を取る。

 

さっきからその繰り返しだ。ギリギリ奴の動きを捉えられてるってだけだ。スピードならピーターを超えてるかもな。

 

だったら!俺もやってやる!

 

俺は走りだし、エナジーアイテムを獲得していく。

 

高速化!高速化!

 

お!だいぶ見え始めたな。よしよし。

 

あとキョロキョロしてやがる。俺の事を見失い始めたか。それでいい。

 

すると、ラックの姿が徐々に見え始める。闘気を目に集中し始めたな?狙い通りだ。

 

 

だが、こいつの動きを止めねえと。アイツは初めて見るはずのガシャットを奪いにきた。

 

セバスから作戦を吹き込まれてやがる。

 

動きを止め‥ある!あれだ!

 

俺は後ろから迫りくるラックを振り返らずに目当てのエナジーアイテムに向かって走る。

 

取った!

 

発光!

 

発光のエナジーアイテムが発動し、俺を中心に光が放たれる。

 

光が止むとラックは目を押さえてうずくまっていた。

 

「今だ!」

 

キメワザ!

 

クリティカルクルセイド!

 

「ピッ!プッ!ペッ!ポッ!パワー!」

 

俺は両手を交互に出しながら音符が乗った五線譜の形をしたビームを放った。

 

さっきまでうずくまっていたラックにそれを防ぐ術はなく直撃し爆発した。

 

爆風が晴れると、そこには大の字に倒れたラックがいた。

 

「試合終了!勝者!レッドゲート!ライト・ダテ選手!」

 

 

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