鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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第33話

「霊亀‥なんて事‥」

 

城中にいた俺達の仲間達も集められて伝令の話を聞いていた。

 

霊亀?なんだそれ?

 

「尚文、お前知ってる?」

 

俺はヒソヒソと尋ねる。

 

どうやら尚文は知っていたらしく俺に説明してくれた。

 

四聖、四神が青竜、朱雀、白虎、玄武だとすると四霊は麒麟、鳳凰、霊亀、竜。そして霊亀は蓬莱山を背負った巨大な亀らしい。

 

「そんな‥まさか‥」

 

早速俺達の出番じゃねえかよ。

 

「はるか昔に突如現れ、暴れまわってたそうですが、その時代の勇者の尽力でかろうじて封印され、それ以降封印は保たれていたはずですが‥」

 

女王は信じたくないのか、口にする。

 

「ええ、そして絶対に封印が解かれないようにと解き方は一切誰にも教えなかったと書物には残っています。」

 

しかし、伝令は真実だということを告げた。

 

「なあ、波が原因ってことはないのか?」

 

「それはまだ分かりませんが、おそらく。」

 

すると黙っていた尚文が口を開いた。

 

「それだと7という数字について説明がつかない。なぜ7なんだ?」

 

 

 

 

「ちょっと待ってくれ。」

 

黙っていたピーターが口を挟んできた。

 

「なあ、アンタ。どうしてライトとナオフミさんをチラチラと見てるんだ?その顔は何か隠してる顔だろう。」

 

「い、いや‥それは‥その‥」

 

伝令はピーターに痛いところを突かれたのか、とても言いづらそうにして言い淀む。

 

「ピーター殿の言う通りです。何か隠しているのならば、はっきりと仰ってください。」

 

「‥‥分かりました。申し上げます。」

 

伝令は深呼吸をすると一気に信じられないような事を言った。

 

「五聖勇者の剣、槍、弓の勇者様が封印を解かれたとのことです。」

 

「な!?」

 

「アイツら!!!やりやがったな!!!」

 

「イツキ様ー!」

 

リーシアがどこか知れない事件現場へと走り出す。

 

「フィーロ、リーシアを連れ戻してこい。」

 

「ライト、落ち着け。今お前が怒鳴ってもどうにもならん。」

 

フィーロがリーシアを、エクレールが俺を落ち着かせて話の続きを聞く。

 

「それは確かなのですか?」

 

「はい。封印されていると言われる町に勇者様方が来訪し、それぞれおかしな儀式を始めたかと思うと町の各所に鎮座してあった像を破壊し始めました。その直後に霊亀の封印が解かれ、霊亀へと向かっていく姿が多数目撃されています。」

 

女王の顔がみるみる青ざめていく。

 

「イツキ様ー!離してください!私はイツキ様を助けるんです!」

 

前言撤回。リーシアは落ち着いてなかった。あれだけの事をされてなお、想い続けるのか。並のことじゃねえな。

 

「しかし、どうやって誰も知らないはずの封印を。」

 

「そうか!アイツらはこの世界が自分達がやってたゲームに似てるって言ってた!なら封印の解き方を知っててもおかしくない!」

 

 

「でも討伐されたんですよね?」

 

ラフタリアが伝令に聞く。

 

「いえ、勇者様方は封印が解かれた後の混乱で行方不明に。そして現在、霊亀は人が多く集まる場所へと移動中です。」

 

「まじかよ。」

 

 

そして2日後。

 

俺達は女王が手配した騎士団と共に対霊亀戦の為に近隣の国と連合軍を組むこととなった。

 

前線には俺と尚文。

 

今回は俺達が関与してないとはいえ、同じ五聖勇者がやったことだ。俺にも尚文にも異論はなかった。

 

そしてその道中で霊亀による被害が逐一俺達の耳に入る。

 

どうやら都市が5つ、砦が3つ、城が2つ落とされているそうだ。いずれも被害は甚大であり、更に霊亀だけでなく、霊亀が使役していると思われる使い魔も被害を生んでいるらしい。

 

ますます許せねえ。

 

錬、元康、樹。テメェらはそれだけのことをしたんだ。

 

「それで今回は七星勇者は来るんですか?」

 

「一応要請はしました。しかし我々が先に着きますね。」

 

正直言って七星勇者が強いのかも分からん。いないよりはマシなのは確実だが。

 

「見えてきました!あれです!」

 

山だ。それが俺が見た霊亀の感想だ。まるで大きなとてつもなく大きな山が移動している。

 

「女王。伝説では昔の勇者はどうやって封印したのですか?」

 

「背負っている山脈の中から体内に侵入し、心臓を攻撃して封印したそうです。」

 

て、ことは足を止めさせる必要があるな。こっちも無事じゃあ済まないな。

 

俺達はフィーロがひく馬車に乗り込み霊亀の側まで近づく。

 

「やるか。」

 

俺は真カースシリーズを解放してオーズドライバーを腰に巻く。

 

そして体内から飛び出した3枚のメダルを掴んでベルトに入れ、スキャナーを通した。

 

キン!キン!キン!

 

「変身!」

 

プテラ!トリケラ!ティラノ!

 

プットティラーノザウルース!

 

真カースシリーズ(強欲):オーズ プトティラコンボ

絶大なパワーを手にするが、グリード化の片鱗を見せる為、変身してから24時間は味覚の消失が起こる。

 

 

「とりあえず足を止めてみる。出来そうなら侵入してくれ。」

 

俺は右手を振るって手始めに霊亀の両の前足を凍らせる。

 

ガクン!と霊亀はバランスを崩しかけるが持ち堪え何があったのかと周りを見渡す。

 

そして俺達に気がついたのか、使い魔達をけしかけてくる。

 

「来たぞ!」

 

俺達は各々の武器を構えて応戦し始める。

 

「くらえ!ヒートスラッシュ!」

 

「業火滅却!」

 

「ライトニングクルセイド!」

 

ピーターが炎の件で燃やし斬り、ナーガが空から来る魔物を口からの炎で燃やし、エクレールが振るう剣から飛ぶ十字架を発射する。

 

「ハウリングスタン!」

 

ミコの遠吠えで一時的にスタンさせられた魔物達が落ちてくる。

 

「今よ!ターニャ!」

 

「オッケー!火遁!炎狼撃!」

 

印を結び、口から出した火の玉達が次々と狼の形になり落ちてくる魔物を喰らい、喰らいきれなかった魔物は傷口から炎上させながら空を駆け回る。

 

これならいける!

 

「ーーーーーーー!!!!!!」

 

霊亀が急に叫んだかと思うと足を凍らせたまま前蹴りを放つ。

 

狙いは俺か!

 

俺はすぐに横っ飛びで回避し、霊亀を見る。

 

霊亀は狙いを外したことに気がついたのか、足を振り上げる。

 

だが突如霊亀と使い魔達の上空に雷雲が広がり無数の雷が落ちた。

 

女王達だな。ありがてえ。

 

霊亀の首が少し下がったことでフィーロがキック、ラフタリアが斬りつける。だが少し血を流させただけですぐに傷が塞がった。

 

そして霊亀の目の前に魔法陣が展開される。

 

「ライト‥!」

 

ピーター達が地面に貼り付けられたかのようにうつ伏せになる。

 

「重力だ!ライト!これは恐らく重力の魔法だ!」

 

俺同様に重力の重みを受けていないターニャが叫ぶ。

 

分かったはいいが、どうする。とりあえず俺は近くにいたミコとエクレールの手を掴み重力を無効化する。

 

「来人!大丈夫か!」

 

尚文が俺のもとへ移動してくる。なんとか体の重さは無くなった。

 

「俺の結界の中にいたら大丈夫だ!このまま奴らを回収するぞ!」

 

ラフタリア達を盾の結界の中に入れる。

 

だが霊亀にとっては面白くないのか、その結界にストンピングを仕掛ける。

 

「させるか!シールドプリズン!」

 

結界の上から檻が現れる。足が当たったことで檻が壊れ、そのまま結界にぶつかる。

 

その結界もミシミシと音を立てる。

 

「やばいか?」

 

「ああ。」

 

「移動するぞ!」

 

俺達は結界から出ないように走る。俺たちがいなくなった場所を霊亀は踏みつけ、辺りに砂煙が立つ。

 

「なんとかなったな。」

 

「ああ、それにアイツ。俺達を踏み殺したと思ってるぞ。」

 

「なら、仕掛けるなら今だ。」

 

すぐ横でラフタリアがフィーロに乗って尚文の合図を待つ。

 

「今だ!」

 

「八極陣・天命剣!」

 

「すぱいらる・すとらいく!」

 

ラフタリアとフィーロは一筋の光となり霊亀の首を貫いた。

 

首は血を吹き出しながら胴体から離れて地面に落ちる。

 

そして首が無くなった霊亀の胴体は音を立てて地面に倒れていた。

 

やったのか?だが大抵の生物は首を落とされたら死ぬだろう。

 

死なないのはアンデットくらいなものだ。

 

「ふへぇ、疲れた。」

 

フィーロが地面にペチャっと座り込む。

 

 

「よくやったな、お前達。」

 

尚文が仲間達を労いながら本陣へ戻ろうとする。

 

いや、待てよ‥なんなんだ、この違和感は。分からない。奴は俺達の目の前で首を落とされた。つまり勝ったんだ。

 

なのに‥何故心の底から勝利を喜べない。

 

まさか!

 

俺はガッと後ろを振り向いた。

 

「チッ!やはりな!」

 

霊亀の首が再生を始めていた。

 

「お前ら!まだ倒せてない!」

 

俺がそう叫んだ瞬間、胴体から光が現れ、喉へと集まっていく。

 

マズイ!

 

「尚文!」

 

「分かってる!お前ら!伏せろ!」

 

尚文は俺の横に立ち流星盾を展開し、更にその上からシールドプリズンを展開する。

 

俺はメダガブリューをバズーカモードにして構える。

 

プットッティラーノヒッサーツ!

 

メダガブリューの銃口にセルメダルのエネルギーが溜まり始める。

 

正直これで防ぎ切れるとは思ってねえ。被害を最小にできれば上出来だ!

 

そして霊亀の口から高濃度の雷が撃ち出された。

 

規模的にはあれだ。と◯るのレー◯ガンを彷彿とす‥いや、あれ以上だ。

 

「ストレインドゥーム!!!!」

 

メダガブリューから強力な破壊光線が撃ち出され、霊亀の雷と俺のストレインドゥームの力比べになった。




変身ライダー
オーズ プトティラコンボ
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