「危なかった。アレはマジで死んだと思った。」
「ああ、全くだ。俺達くらい頑丈じゃなかったら死んでたな。」
「同感だ。」
俺達は作戦本部へと戻ってきていた。
あの後、俺達は霊亀の破壊光線に押し負け回復してもらい、すぐに撤退してきていたのだ。
「お願いします!盾の勇者様!鎧の勇者様!」
「我らをお救いください!」
「奴のせいで我々の国は!」
見事な掌返しである。俺や尚文が罪人扱いされていた頃は考えられない状況だ。
しかし、ここで逃げるわけには行かない。俺達はバカやった同じ三勇者の尻拭いをしてやらないといけない。例え勝てずとも殿を務めなければならない。
「後方から拝見しておりましたが、まさかあのような再生能力を擁していたとは‥」
女王が悔しそうな顔をする。
俺たちだって同じだ。普通の生物は首を落としたら死ぬ。確かにゴキブリとか鶏でも死なずに生き続けた個体がいるらしいが、普通は誰だって死ぬと思う、俺だってそう思う。
「近隣の国への避難誘導はできてますか?」
「順に行ってますが、まだですね。もし仮に霊亀がスピードを上げたらひとたまりもありません。」
「これは‥伝承通りに倒す必要がありそうだ。」
「勿論だ、尚文。もうそれしか道は残ってないだろう。まあ、それより飛竜がたくさんいるな。侵入できそうですか?」
「いえ、使い魔に阻まれているそうです。」
「ですよねえ。霊亀だってせっかく封印が解けて自由になれたからそう簡単に死にたくないでしょうし。」
そこで俺は何かに気がつく。
「質問です。仮にですが僕と尚文が霊亀の足を皆さんが内部に侵入するまで止めると言った場合、皆さんは侵入できますか?」
「何を言ってるんだ、君は。後ろから見てたが、そう言ってできてなかっただろ。」
「そうだそうだ。そう言って他の勇者達みたいに出来もしないことを言うんだろうが!もう騙されねえぞ!」
会議に集まっている各国の隊長達が怒鳴る。
俺はその罵詈雑言に一瞬拳を振り上げそうになるが収める。
そうだ、この人たちは霊亀が復活した地域に近いところの国出身なんだ。て、ことは‥
だよな、信じろって言う方が無理だよな‥勇者によって裏切られてるんだから。
「分かった。」
そう言うと俺は立ち上がり、膝をつくと頭を地面につけた。
「な!?」
所謂、土下座の態勢である。
「信じてくれなんて、大層な事は言えない。でもやるしかないんだ。今一度みんなに聞きたい。勇者ってなんだ?」
「それは‥」
「おい、分かるか?」
俺達を非難していた各国の隊長達がボソボソと相談し合う。
「勇者とは強い力を正しい事に使う、勇気ある者の事です」
女王がこちらの考えを汲み取ったのか即答した。
「そうです。大いなる力には大いなる責任が伴う。これは私がこの世界に来て身をもって味わった教訓です。」
「そして俺はこんな奴の為に、誰かの涙は見たくないんです。みんなに笑顔でいて欲しいんです。それじゃダメですか?」
俺の言葉に皆黙ってしまう。
「‥‥分かりました。作戦を詳しく話してください。」
そう喋ったのは俺を非難していた隊長の1人だった。
「俺もだ!」
「目が覚めたよ!確証はないがアンタの言葉を聞いてたらやれそうな気がしてくる!」
「すまねえ、勇者様。我が魂、アンタに預けるぞ!」
俺の言葉でバラバラだった会議が一つになる。
こうして俺達は意見をあげ、今度こそ成功させる為に各自持ち場についた。
現在俺とフィーロに騎乗した尚文の3人は霊亀の足下にたどり着く為に移動していた。
「なあ、それ乗らせてくれねえの?」
「すまんな、フィーロの機動力を活かすなら1人乗りが一番なんだ。」
「けっ!お前はスネ◯か!」
「誰がスネ◯だ!てか、お前のネタで初めて分かったぞ!」
作戦はこうだ。俺と尚文とフィーロで霊亀を足止めする。それによって使い魔が俺達に向かってくる為、上の守りが手薄になる。
その間にそれ以外の侵入組が残りの使い魔を蹴散らしながら侵入し、完了した後に侵入組が照明弾を撃つため頃合いを見計らって俺達も侵入するって寸法だ。
聞いた話だと、心臓の封印は俺たちではなく、もっと高位の魔導師達じゃないとできないらしい。
「行くぞ!」
俺達は高速で脚目掛けて移動し始める。
「流星盾!ツヴァイトオーラ!」
「もう一度凍っちまえ!」
バカ正直に走るからフィーロに追いつけないんだ、飛べばいい。
尚文が霊亀の脚を掴んでいる間に両方の後脚を凍らせて地面にくっつける。
思った通りだ。霊亀は片方の前脚を尚文に掴まれ、両方の後脚を氷漬けにされている為、身動き取れない。
そして更に使い魔が尚文に殺到する。
上空に魔法陣が展開して無数の魔法が降り注ぐ。
女王達の後衛の魔法だ。そしてすぐ下で俺とフィーロで倒しきれなかった使い魔を倒していく。
その時、霊亀の口が光りだす。
「尚文!破壊光線が来るぞ!」
「俺の後ろに入れ!」
俺達を自身の脚ごと消し飛ばそうと破壊光線が迫る。しかし尚文のラースシールドが耐え切る。
「尚文!よく耐え切った!安心しろ、お前が暴走しても俺がぶん殴って止めてやるからな。」
「やめろ、シャレになんねえ!」
そしてまた破壊光線を吐こうとしてくる。
「おいおい、早すぎんだろ!」
一か八かやってやんよ!!!
俺は氷を操作して地面から氷の槍を生やすように思い浮かべ、それを実行する。
地面から氷の槍が生えて霊亀の喉に突き刺さると破壊光線を防ぐことに成功した。
「やったぜ!」
あとは奴の再生能力を封じる、もしくは遅らせれば‥あれだ!
「尚文!ラースシールドだ!」
「‥‥!分かった!そういうことか!」
俺の言おうとしている事を理解したのか、尚文はフィーロに指示を飛ばす。
「フィーロ!俺はこの抑えてる脚を離す。そこで奴が踏みつけ攻撃をしてきたときに離れろ。いいな?」
「うん!」
「せーーの!!!」
パッと手を離した尚文はすぐにフィーロにまたがり足下から逃げる。
そして脚が尚文に当たる瞬間、ラースシールドを発動させる。
ラースシールドが放つダークカースバーニングの効果は治療遅延だ。ならば奴の再生に影響を及ぼすはず!
そんなふうに考えていた時期が俺にもあった‥
霊亀は治療遅延というデバフを物ともせず脚を再生させ始めていたのだ。
「すまん。」
「気にすんな。それよりフィーロ。女王に戦況を聞いてきてくれ。」
「でも‥」
「大丈夫だ。お前のご主人様には、この鎧の勇者が付いてんだ。ぜってぇ殺させねえからよ。」
「‥うん!わかった!はいくいっく!」
そう言うとフィーロは高速で駆けていった。
「さて、持ちこたえるぞ!」
「おう!」
「尚文!少し滑るかもしれねえが、地面を凍らせてやる!これで地割れとかが気になんねえだろ!」
「サンキュー!」
そして、しばらくして‥
『力の根源たるフィーロが命ずる。ことわりを今一度読み解き、かの者を激しき真空の竜巻で吹き飛ばせ』
「ツヴァイト・トルネイド!」
竜巻で使い魔達を吹き飛ばしながらフィーロが戻ってくる。
「ただいま。」
「どうだった?」
「ラフタリアお姉ちゃんやピーターお兄ちゃん達が頑張ってるから、もう少しだって!」
「そうか!」
「流石だぜ!」
「それと、これを。スタミナを回復させる薬だって!」
そう言って差し出された物を見て笑いそうになる。
ルコルの実か。
「尚文!俺は今食えねえから俺のも食え!」
「わかった!」
「それと尚文!脚はお前に任せる。そのかわり群がってくる使い魔は引き受ける!構わないか!」
「ああ!やれ!」
「オッケー!」
俺は変身を解除し、ザイアスラッシュライザーを腰につける。
プログライズキーを鳴らす。
インフェルノウィング!
バーンライズ!
仮面ライダー!仮面ライダー!
「変身!」
俺はスラッシュライザーのトリガーを弾く。
スラッシュライズ!
バーニングファルコン!
"The strongest wings bearing the fire of hell."
(地獄の焔から生まれし最強の翼)
「燃えろ!」
俺は炎を出し、迫りくる使い魔達を燃やしていく。
「えいや!」
そして燃やし尽くせなかった奴はフィーロが蹴り飛ばす。
「破壊光線が来るぞ!」
尚文が叫ぶ。
「止めてみせる!」
インフェルノウィング!
バーニングレイン!
俺はスラッシュライザーを手に持ちプログライズキーを鳴らし、トリガーを弾く。
俺はスラッシュライザーから炎の刃を放ち、霊亀の首を燃やし斬った。
「どうだ!」
そのとき、やっと照明弾が上がり、侵入に成功したことが分かった。
「首を再生させてる今がチャンスだ!俺に捕まれ!」
この形態で使える主翼、バーニングスクランブラーを展開して尚文とフィーロを回収して飛び上がる。
空を飛んでる最中に飛べるタイプの使い魔が俺を叩き落とそうと迫ってくる。
ならばと俺は火の鳥のように炎に身を包みながら飛ぶ事で俺にぶつかってくる使い魔を燃やす。
そしてそのまま侵入口に突っ込もうしたが、何かが目に入り俺は寺院跡地と思われる場所に降り立つ。
「どうした?」
「いや‥何か第六感みたいなものがな。」
「ねえねえ、これなーに?よめなぁーい!」
フィーロが何か見つけたようだ。
俺たちはそれを見て驚いた。
日本語なのだ。
もしも日本から召喚された・がこの文字を読んでいるのなら、覚え・い・欲しい。
こ・化け物はどれだけ厳・な封印をしても終・の時に七・目・破・・るだろう。
調べた結果、目的は・・・・・・・・・・・であり、世界の・・・だ。
願わく・、意・的に封印を破らない事を祈る。
犠牲者を出すのはもしかしたら世界の為ともなりえる。
その代価に見合う見返りがあるのだから。
だけど……傲慢・し・ない。終末・・にこの文字を・む者がいるのなら、世・より・人・の為に出来る限り・く倒し・くれ。
・の化・物を倒す方法は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・の八・勇・ ・・桂一より。
なんだ、これは。掠れてて読めないな。
つなぎ合わせて無理やり解読するに‥霊亀はあのバカどもが解かなくてもいずれ解けていた事。あと八?とりあえず桂一と名乗る何かしらの勇者が書いたもののようだ。十中八九コイツは霊亀封印に関わってるな。まあ、恐らくコイツが封印した張本人だ。
「まあ、他に目ぼしいものは無さそうだな。ほら来人。頼んだぞ。」
俺はまた尚文とフィーロを抱えると侵入口を探す。
うん?あれは!
ピーターか!ピーターとラフタリアが先頭となり道を切り開いている。
それを挟むようにミコやナーガか。
「合流するぞ!」
そう言いながら俺は地面へと滑空し、器用に使い魔だけを焼き払った。
「ライト!」
「ナオフミ様!フィーロちゃん!」
「ピーター、侵入口は見つかったか?」
「いえ、霊亀が動いているせいで中々場所が掴めないようです。」
「分かった!俺が空から探す!」
俺は再び空へと飛び上がり頭部のBFスコープで探す。
‥‥見つけた。
俺はすぐにピーターのもとに飛び、知らせる。
「おい!見つけたぞ!俺が先導する。」
「頼みました!」
俺が火を纏いながら飛び使い魔を狩りながら進み、予想よりも少ない犠牲者で侵入することに成功した。
変身ライダー
仮面ライダーオーズ プトティラコンボ
仮面ライダー迅 バーニングファルコン