「おお!勇者様達がお戻りになったぞ!」
「どうでしたか!」
リーシアが心配そうに駆け寄ってきた。
「心臓部を見つけた。」
「おお!」
尚文がそう伝えると連合軍から歓声があがる。
「みんな聞いてくれ。今から俺達は心臓部へと向かう。だが残念なお知らせがある。」
俺がそう言うと皆が黙った。
「実は見つけたのはいいが、心臓部の部屋を開けたまま俺達は戻ってきてしまった。だから見つけられた心臓部を守るために道中と心臓を守っていた使い魔の両方が俺達に向かってくるかもしれん。それによって、ここから先は上よりも犠牲者が出るかもしれん。酷な話かもしれないが分かってくれ。」
「構いません!」
「俺達はアンタらに命を預けたんだ!」
「平和の礎として死ねるなら!」
頼もしい奴らだ。
「では!行くぞ!」
陣形はこうだ。
尚文とラフタリアが先頭、その次に連合軍、そしてその周りを俺達、鎧のパーティとフィーロとリーシアで囲む。
これで出来るだけ多くの人間が心臓部へと辿り着くことを目指す。
こうして戦いながら走り抜ける事で思っていたよりも人員を減らさずに心臓部へとたどり着くことができた。
「な‥なんと!」
「これが‥心臓部か!デカイ!デカすぎる!」
「よし!ここからは俺と来人達で儀式を守る!」
「と、言うわけだ!出来るだけ早く頼むぞ!」
「はい!総員!始めるぞ!」
「おおおお!!!!!!」
掛け声と共に詠唱が始まり、魔法陣が現れる。
「ラフタリアとフィーロは心臓を弱らせてくれ!」
「だったらこっちはピーター!ミコ!ターニャだ!」
「「それ以外は儀式を死守するぞ!!」」
それを合図に心臓部が俺達を見つけて覚えているのか雄叫びをあげる。
そうして使い魔達が一斉に俺達に襲いかかる。
なるほど、頭がいいな。
儀式を行なっている奴らに襲いかかったところで俺達が妨害してくる‥ならば最初から俺達を潰しに来たか!
だが!誤算があるぜ、その作戦!
それは‥
「俺達がお前ら如きにはやられねえことだ!!!」
俺は向かってくる使い魔達に左手から放たれる冷気を浴びせかける。
片っ端から凍らされた使い魔達はゴトゴトと落下し、衝撃で砕け散っていく。
だが倒しても倒してもどこからともなく湧いてくる。
「ライト!キリがねぇ!」
「ライト!このままではイタチごっこだ!」
その時、俺の第六感に何かが反応し出す。
なんだ‥?なにがくるんだ?
「来人!!こっちだ!」
尚文が盾を構えて連合軍の前に立つ。
俺も真似して肩の盾を展開して構える。が延長線上に何人かが立っているのが見える。
俺は背中のフローターユニットで急いで目の前に入り、もう一度盾を展開した。
「しゃがめ!お前ら!」
そう言った直後に高威力の熱戦が放たれ、俺は吹き飛ばされる。
だが威力をある程度殺し、そして少し軌道をずらせたおかげでしゃがんでいた奴らに当たらず尚文の盾で防き、更に尚文も気合で軌道をずらしたお陰で起動は完全にそれて天井を焼いた。
ポタッと天井から血が滴り落ちてくるが、それほご自慢の再生能力で塞がるだろう。
てか、あんなの撃ってくるのかよ。俺の盾じゃ防げないぞ。
「術式は完成したか!」
尚文は叫ぶ。
「あと少しです!」
「なら!ラフタリア!フィーロ!大技で奴を弱らせろ!」
「こっちもやるぞ!」
「陰陽剣!」
「ぷちくいっくー!」
「飛翔斬!」
「クロスワイドクロー!」
「雷遁・雷犬撃!」
ラフタリアとフィーロの技に加えてピーターの片手剣を逆手に持って放つ飛ぶ斬撃と、ミコの爪から放つ回転しながら飛ぶ十字の斬撃と、ターニャの手から放たれる2匹の雷犬が心臓に直撃する。
「よし!心臓の動きが悪くなったぞ!」
「できました!」
連合軍側からやっと完成したとあり、俺達は横に避ける。
『『『力の根源たる我等が命ずる。真理を今一度読み解き、厄災の四霊、霊亀を停める楔を今ここに!』』』
心臓が苦しんでる!
だが心臓は最後の足掻きとして白い塊が霊亀の心臓を循環して連合軍内の魔法集団に襲いかかる。
「させるか!」
俺は冷気を放ち、何とか撃ち落とすが数の暴力故にいくつか後ろに送ってしまう。
被害が多い!
「勇者様方!申し訳ありません!失敗です!」
「まだだ!俺達はまだやれるはずだ!もう一度詠唱を頼む!」
「分かりました!」
「お前らは大丈夫か!」
隙をついてピーターがターニャを背負い、ミコと共に戻ってくるが、前線に行っていた3人は皆青い顔をしておりターニャに至ってはグッタリしていた。
「おい!ターニャ!」
「ライト。ターニャは魔力枯渇しているだけだ。咄嗟に私とミコの魔力を流したから命に別状はない。」
「なぜターニャだけやられたんだ?」
ターニャはそれなりに強いと俺は思っている。なぜだ?
「我ら一族の遁術は魔力を用います。私も遁術は使いますがターニャほどではないです。それに魔力だけでいえば我々のパーティで一番です。そこを狙われたのかと。」
「リーシア!」
「は、はい!」
「ターニャを連れて後ろへ下がってくれ。」
「リーシア。ターニャを守ってくれ。」
「はい!」
「ナーガ。ターニャの代わりを頼めるか?」
「もちろんだぜ!」
「よし!もっかいいくぞ!」
「来人!フィーロが何かするつもりだ!」
「なに!?」
「だから何人かフィーロを守るために貸してほしい!」
「分かった!ピーター!ミコ!」
「了解!」
フィーロを守るようにラフタリア、ピーター、ミコがトライアングルフォーメーションを組み、フィーロを守護する。
するとフィーロが大きく口を開け、辺りにフヨフヨと漂う白い塊を吸い込み始める。
そしてケプっと腹を大きくしたフィーロがお返しとばかりに白い塊を吐き出した。
心臓も防御するために結界を張る。
それが心臓の結界に炸裂すると力が拮抗しているのか、押し合う。
「今だ!」
「封印はお任せください!」
『『『力の根源たる我等が命ずる。真理を今一度読み解き、厄災の四霊、霊亀を停める楔を今ここに!』』』
心臓の野郎、フィーロの攻撃を押し返すのに夢中になりすぎて封印の魔法に気づかなかったな!
「高等集団魔法『封』!」
心臓を取り囲むように魔法陣が形成され、心臓が縛られる。
やがて鼓動が遅くなり完全に止まった。
「やったぞ!」
俺の声を皮切りに歓声があがり始める。
終わった‥
俺はその場にドサっと座り込む。
「やりましたね!ライト!」
「ああ、お前ら最高だよ。」
俺達が勝利を称え合ってる時だった。
「ごしゅじんさま!」
フィーロが叫ぶ。
俺はまさかと思い後ろを振り返る。
なんと、また心臓が動き出していたのだ。
「何故だ!封印は成功しただろ!」
「術式は成功したはずです!しかし、自力で解かれたようです!」
マジかよ!コイツ!
「しかたねえ!撤退だ!今すぐ逃げろ!」
「殿は俺達が務める!逃げろ!」
俺と尚文が叫ぶことでようやくヤバいと分かったのか、連合軍は撤退を始める。
野郎‥頭は再生するし、心臓は封印できねえ。どうする‥
待てよ‥一か八かアレやるか?だが‥あれはオリジナルの変身者が規格外だからできたんだ。
「ピーター!ナーガ‥いやお前ら全員撤退する連合軍の援護に回れ!」
「ライトはどうするんです?」
「死んでいった奴らの為に一矢報いてから逃げる。」
「尚文。お前らもいけ。」
「バカか!お前1人‥じゃ!」
尚文は俺に詰め寄るが尚文を抑える。
「俺は死なん!俺はお前を信じてる。だからお前を信じる俺を信じろ!尚文!」
「‥分かった。いくぞ!」
尚文達は去っていき、心臓部には俺だけが残された。
「凍れ!」
俺はビルドドライバーのレバーを二回回して構える。
シングルアイス!ツインアイス!
Ready go!
グレイシャルフィニッシュ!
バキバキバキバキバキーン!
俺のライダーキックが炸裂し、心臓は凍りつき動きが鈍くなる。
さて今のうちに逃げねえとな。
俺はすぐに変身を解き、バーニングファルコンに変身し直すと自身の体を燃やしながら飛び霊亀の体内から脱出を果たした。
変身ライダー
仮面ライダーグリスブリザード
仮面ライダー迅 バーニングファルコン