鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

50 / 90
38話

「う‥ううん‥」

 

俺は目を覚まし痛む体に鞭を打ちながら起き上がる。

 

俺の傍には椅子に座ったエクレールが俺にもたれかかるように眠っていた。

 

うん?どういう状況?

 

ええと‥俺はブラックホールで霊亀の脚を止め続けて‥力を行使し続けて気絶か。またか。

 

「あ!気がついたのですか。」

 

ちょうどピーターが入って来た。

 

「そこのエクレールさんのことですか?彼女なら私がライトの世話をするんだ!って張り切って看病されてましたよ?起きたらお礼の一つでもおっしゃってください。」

 

「あれからどれくらい経った?」

 

「1日ですよ。」

 

1日か。早かったな。てっきり1週間経ったと思ったが。

 

「霊亀はどうした?もっかい動き出したとかねえよな?」

 

だとしたらシャレにならんぞ。

 

「ええ、今は解体作業中です。」

 

「被害はどれだけ出た?」

 

「ええと‥城門が破壊されただけですね。」

 

そうか、それだけで済んでよかった。

 

「さてと‥」

 

俺は寝ているエクレールの頬をペシペシと叩いて起こす。

 

「ふぁー!ピーター。もう交代か?」

 

「おはよう、エクレール。」

 

 

「ほぇ?‥‥‥‥うわわあああああああああ!!!!!!」

 

自分が寝ていたことに驚愕したのか恥ずかしいのか絶叫し出した。

 

「わ、わた、私はなんてことを!違うのだ!ライト!」

 

「落ち着け。俺は気にしないから。」

 

「ピーター、俺は街を見にいく。それとエクレール。お前はいつまでそうしてるつもりだ。」

 

そう言って俺はベッドから降りて部屋を出た。

 

すると曲がり角で女王に出会った。

 

「お身体の方はどうですか?」

 

「ええ、まだ少しダルいですが大丈夫です。」

 

「そうですか、無事でよかったですよ。しかし‥あのような無茶はもうしないでいただきたいです。」

 

「だがあれをしていなかったら‥」

 

「ええ、城下に被害が及んでいたでしょう。しかし鎧の勇者さまのお身体のこともありますので。」

 

「解体作業は順調ですか?」

 

「順調と言いたいところですが‥なにぶん大きいので‥自然に処理されるのを待ってるところです。」

 

「自然処理というと腐らせるってことですか?」

 

「ええ、ご安心を。素材は分けておりますので。」

 

「後は玉座の方でお話を。」

 

「わかりました。尚文が目覚めたらぜひ。」

 

俺はピーターとエクレールに付き添われて霊亀を見にいく。

 

「鎧の勇者さま!ありがとう!」

 

「助かりました!」

 

街の人々が次々と俺に声をかけていく。

 

気持ちの良いものだ。召喚された当時の俺に見せてやりたい。人ってここまで変わるぞ!って。

 

「お!ライト!」

 

「ライト!もう体はいいのね?」

 

「ライト!無事で何よりだよ!」

 

解体現場にいくとナーガとミコとターニャがいた。

 

ナーガとターニャは解体作業に、ミコは炊き出しのほうにいた。

 

「ライト!これが霊亀から取れた素材だ!どれか良さそうなのあるか?」

 

「そうだなぁ。とりあえずこれと‥これと‥これと‥」

 

仲間達の武器の素材にする為に素材を見繕っていく。

 

「よし!素材はこのくらいでいいかな。」

 

「勇者殿。」

 

後ろから影の格好をしていないアナスタシアが声をかけて来た。

 

「女王様がお呼びです。」

 

「ああ、行くよ。」

 

俺達は玉座へと移動する。

 

そこにはもう尚文がおり、俺が来るのを待っていたようだ。

 

「それでは揃いましたので。この度は盾の勇者様、鎧の勇者様、霊亀の討伐に尽力を尽くして頂き、真にありがとうございます。」

 

「‥‥前置きはいいから現在の状況を教えてほしい。波についてだ。」

 

おおう、急ぐねぇ。お前らしいよ。

 

「‥‥分かりました。現在、世界中の砂時計が停止しております。」

 

「世界中ですか?」

 

「ええ、世界中です。」

 

「その中に青い砂時計はあったか?」

 

「ナオフミ様、その青い砂時計は霊亀を倒した後、消えてしまいました。跡形もなく。」

 

そうか。俺も確認するがやはり砂時計は変わっていない。まだ3ヶ月以上ある。

 

「そうだ、俺から聞きたいことがあります。残りの3勇者は見つかりましたか?」

 

「いえ、依然消息を絶っています。」

 

どこ行ったんだ?あいつら。

 

「そして実は封印を解いたのが勇者だということは隠しています。」

 

「まあ、そりゃあ‥そうですよね。」

 

そんなこと公表してみろ。世界が大混乱に陥るし、メルロマルクに被害が出る。

 

「それに首謀者として公表したとしても、捕まえるには同等の力が必要ですので。」

 

奴らを捕まえるには同じくらいの力がいるもんな。

 

「生ぬるい!奴らは即刻捕え波とだけ戦わせる!それだけの事を奴らはしたのだ!」

 

当然騒ぎ出す奴らが出てくる。

 

「それができるのはそこの盾と鎧の勇者様と、七星勇者だけということが分かって言っているのですか?」

 

女王がピシャリと言うことでそいつらは黙った。

 

仕方ない。

 

俺はピッと手をあげる。

 

「鎧の勇者様?どうなさいましたか?」

 

「その3勇者の確保だが‥俺に任せてくれませんか?」

 

その俺の提案に周りがざわついた。

 

「できるのですか?」

 

「ええ、やります。ここは本来ならメルロマルクが確保するための人員を回して確保に向かうのが筋なのでしょうが、国の建て直しとかに人を使うでしょう。俺だって勇者です。ならば俺がやります。」

 

「分かりました。」

 

「それと確保した際の処遇は俺に一任してくださいませんか?」

 

「ええ、鎧の勇者様には何か案があるのでしょう。分かりました。お任せいたします。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。