俺は改めて3人を横一列に並べた。
「さてみんな。今までよく耐えた。これでお前らは汚名を返上出来るほどの働きができるようになったと思う。そして今日は勇者として第二の旅立ちの日だ。勇者の旅立ちといえばアレだろう。」
俺がパンパンと手を叩くと後ろのテントから11人の男女が出てきた。
「俺が昨日募集をかけて集まってもらったこの街の戦士だ。今のお前らならばコイツらのかけがえのない命を託せる。」
そう言って今度は11人に向かって言う。
「よし、みんな。昨日決めた勇者のところへ並んでくれ。」
俺がそう言うと皆続々と並び始めた。
まず錬の所にはプリーストのミント、弓手のリン、精霊使いのライアン、神官戦士のグラハム
元康のところにはウィザードのペニー、プリーストのエリー、クルセイダーのアリーシャ、盗賊兼弓手のジン
樹のところは魔法使いのマール、剣士のエビオ、騎士のルスタ
「来人さん。何故僕の所だけ僕を入れて4人なんですか?」
「よくぞ聞いてくれた!実は俺が別のある所から頼み込んで連れてきてもらったんだ。もうそろそろだと思うが‥」
するとドドドドド!!!!とフィロリアルが走ってきて急ブレーキをかける。
「どうどう。よく来たな。さあ!樹!この子が新たな君の仲間だ!」
フィロリアルから降りてきた人物を見て樹は驚いていた。
「り、リーシアさん‥?」
「イツキ様。この日が来る事を待っていました。」
樹は何故自分の目の前にリーシアが現れたのかが分からず俺を見た。
「説明するよ。お前言ってたろ?''目が覚めた。自分は何て馬鹿な事をしたんだ。叶うならリーシアさんに謝りたい''って。だから連れてきた。だが今ここでお前の仲間に入れるってのも変だ。お前は一度リーシアを追い出した。これは紛れもない事実だ。」
俺の言葉に樹が俯く。
「でも!私は!」
「リーシア。分かってる。お前は今でも慕ってるんだろ?」
「はい。」
そう言いリーシアは来人の前を通り樹のもとへと歩く。
「イツキ様‥わた‥」
「すいませんでした!リーシアさん!」ガバッ!
なんと樹から先に謝ったのだ。それはそれは見事な90度だった。
「待ってください!イツキ様は‥」
「違います。あの時、僕が貴女を身勝手な理由で追い出したんです。来人さんのもとで修行して目が覚めました。僕は貴女に酷いことをしました‥それでもなお‥貴女は僕を信じてついて来てくれるのですか?」
「はい!私は‥ナオフミさんのもとにいましたが、いずれはイツキ様のもとへ‥と想って来ました‥私は‥イツキ様の力になりたい!この力をイツキ様の為に!」
その時だった。
樹が持つ弓から光の玉が一つ飛び、リーシアの体に入った。
その瞬間、リーシアの体が光り始め、その光が右手に集まると治まった。
「い、今のは‥いったい‥」
リーシアが右手を確認するとそこには1本のナイフがあった。柄の部分には宝石。まるで俺達の武器のようだった。
だが‥半透明である。
「まさか‥リーシアさん!その武器に手を!」
樹が言ったようにリーシアが手を半透明のナイフにかざす。
手を退けたとき、そのナイフはクナイに変わっていた。
ナイフ‥クナイ‥
どういうことだ?共通点は‥?
そしてリーシアがそのクナイを握ると次はブーメランに変わった。
なるほど‥ナイフ、クナイ、ブーメラン。はっきりした。
「なるほどな。投擲具だ!」
「そしてその武器にはめられた宝石‥間違いない!リーシア!」
俺は興奮しながらガシッとリーシアの両肩を掴んだ。
「ふぇっ‥!」
「お前!勇者になったんだよ!」
「ふぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」