鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

57 / 90
45話

その後、俺達は尚文が連れてきたガエリオンとフィーロのタッグに鳳凰を演じてもらい模擬戦を始めた。

 

ガエリオンが高高度からの攻撃、フィーロは低高度からの攻撃だ。

 

まあ、フィーロは終始ぶうたれていたな。 

 

「なんでガエリオンと連携しないいけないのー」

 

ものすごく嫌そうに愚痴を言っていたが、尚文に説得されて渋々と言った感じで演じていた。

 

その点、ガエリオンはフィーロの事など気にせずに攻撃をしてきたな。

 

どうやら尚文からの頼みが嬉しかったらしい。

 

 

「やはり上空からの攻撃への対処が厳しいですね。」

 

訓練終了時に樹が元康とリーシアを連れて言った言葉だ。

 

確かに樹の弓はよく当たる。だが残りの2人だ。

 

元康は遠距離系の技を繰り出すが、樹ほどの命中率は期待できず、リーシアは善戦してはいるものの、まだ慣れていないのか厳しそうだ。

 

そして連合軍だ。

 

高高度という事で下からの魔法や飛竜に乗っての攻撃だが、ガエリオンの攻撃を回避するのに精一杯のようだ。

 

連合軍の方は尚文がフィーロに乗って盾の支援をする事でなんとかなるだろうということとなった。

 

そして夜になり小手に選ばれるためのイベントが始まった。

 

「ふんぬぅぅぅぅぅうゔう!!!!!」

 

連合軍の1人が引っ張るが全然抜けない。

 

抜けなかった事でガッカリして列から離れていく。

 

尚文はラフタリアとフィーロを送り出していた。だったら俺もだ。

 

 

「よし、お前らも行ってこい。」

 

ピーター達を送り出した。

 

俺の仲間の中で現時点で一番可能性がありそうなのは‥ミコだな。何となくツメと小手って似てるだろ?

 

「しかし女王様。」

 

「はい?」

 

「何故、小手の勇者の召喚をしないのですか?」

 

いつの間にか横にいた尚文もうなづいている。どうやら奴も気になってたようだ。

 

「していることにはしているのです。しかし‥結果が芳しくなくて‥」

 

そうか‥だからこんな引っこ抜かせるような事やってんのか。

 

「ところで小手が七星武器なのは知ってるが、他には何があるんだ?」

 

尚文が聞いた。

 

「お答えします。まず杖。」

 

ああ、それはクズの武器だな。

 

「次に槌、投擲具、爪、斧、鞭、最後に小手です。」

 

なるほど、剣や槍みたいにザ・武器って感じはしないな。

 

「ところで他の七星勇者は今回は来るんですか?」

 

「一応来るとは聞いていますが‥」

 

その時だった。

 

小手を囲んでいる辺りからドッ!っと歓声があがった。

 

なんだ!なんだ!

 

その時ラフタリアが俺たちのもとに走ってきた。

 

「朗報です!小手の勇者が誕生しました!」

 

俺たちがその話を聞いて走って行き、群集をかき分け中に入るといた。

 

そいつは自身の手にくっついた小手を見ていた。

 

そして俺と尚文の視線に気がついたのか、ゆっくりと顔を上げた。

 

「ライト‥どうやら私が小手に選ばれちゃったようだな。」

 

ミコだった。

 

ミコの手には小手がしっかりとついていた。

 

「おめでとう。これでお前も勇者の仲間入りだ。」

 

よかった。変な奴が仲間になるよりかは俺達の中の誰かから出てくれてよかった。

 

「だが、大丈夫か?ツメから小手に切り替わったけど。」

 

「それなら心配しないでよ。」

 

そう言うと小手を他の形に変える。

 

それはまさしく俺が買い与えたツメだった。

 

「なんでだ?小手以外は弾かれるはずじゃ‥」

 

「ああ、それなら。多分だけどツメを作った時に小手みたいな形状で作ったろ?それで小手の延長として認識されたんだと思うんだ。」

 

小手の延長なら小手として認識されるか‥ならば、アサシ◯ブレードとかいけそうだな。今度エルハルトに頼んで作ってもらうか。

 

「とりあえず後で俺の武器をやるよ。」

 

こうして小手の選定イベントは幕を下ろし、次の日となった。

 

視界の隅の青い砂時計が00:12と数字を出した。

 

残り12分。そろそろだな。

 

やっぱ慣れないな。心臓の鼓動が早くなりやがる。

 

女王からの話で既に近隣の住民は避難が完了しているらしい。

 

流石今回は突然発生じゃないからいいな。

 

つまり最悪の事態が起きても民間人に被害は出ないって訳だ。

 

00:01

 

「アル・リベレイション・オーラ!」

 

尚文が全体にバフをかけ始める。

 

そして時間は00:00となった。

 

バキン、という以前と同じガラスを叩き割る音が耳に響く。

 

前にも受けた、大きな衝撃が視界に走った。

 

そして山の中腹から火柱が上がり、巨大な二羽の鳥が姿を現す。

 

その姿は壁画に描かれていた、鳳凰の形そのままであった。

 

「「キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!」」

 

封印が解けた事で喜んでいるのか奴等の雄叫びが辺りに轟き、ビリビリと俺達を刺激する。

 

だが、その時だった。俺はゾクッとする感覚に襲われる。これは決して目の前の鳳凰に怖気付いたわけではない。

 

みると鳳凰が現れた場所の近くの高台に何者かの影が見えた。

 

まさか‥七星勇者か?

 

「悪い!尚文!」

 

「どうした!」

 

「あそこの高台に何かがいる。」

 

「本当か?」

 

「ああ、間違いない。すぐに戻る。」

 

「気を付けろよ。」

 

俺は1人高台の方へと急ぐ。

 

こうして俺を除いて鳳凰との戦いの火蓋が切って落とされた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。