マズイ!行かなきゃ!
俺は空を飛び、連合軍の後ろから迫る炎に向かっていく。
「尚文!」
「来人!」
「すまん!止められなかった!」
「今はそんな事いい!」
俺は尚文の後ろに降り立ち、カードを2枚スキャンする。
ジェミニ!ロック!
俺の姿が2人に分身し、目の前に2つ石の壁を斜めに作り出した。
これで直線に飛んでくる炎をいくらかは空へ放出できる。
だが‥石の壁がどれだけもつか‥
「来人‥」
苦しそうな声で俺を呼ぶ尚文の方を見て驚く。奴の四肢の炭化が始まったのだ。
「尚文!無理をするな!」
「無理しなきゃ‥!出来ねえんだよ!後は頼ん‥」
「大丈夫です。みんなを……尚文様の願いを叶えて見せます。」
その声と共に俺達の前に目の前にひとつの影が飛び出した。
「アトラ!」
アトラが手を前に出して俺達の前に立っていたのだ。
俺と尚文、そしてその兄のフォウルが言葉を失う。
「よせ!アトラ!」
俺達は手を伸ばすが届かず、アトラは変幻無双流の技の一つ、【集】を用いて炎の流れを変え始めた。
しかし素手で炎に触れることでその手は焼け焦げだす。
そして耳をつんざく程の爆発音と目を覆わなければならない程の閃光が起きた。
目を開けて後ろを振り向くと仲間達がぐったりしている。
一応、石の壁で炎の一部は逸らしたが完全ではない。
連合軍のどれくらいかは分からないが、逸らしきれなかった炎をくらい死屍累々といった状態だった。
そうだ!アトラは!
すると上から何かが降ってきていた。
「まさか!」
「任せろ!」
俺は空を飛び受け止めるとそのまま確認する。
アトラだ。だが状態は酷く片腕は吹き飛び両足は完全に炭化していた。
「尚文!フォウル!アトラはこのまま治療所に連れていく!お前らも後で来い!」
俺は空を飛び治療所に降り立つ。
状況を説明していると尚文とフォウルがラフタリアとフィーロに連れてこられていた。
改めてみるが、足だけかと思いきやヘソ辺りまで炭化しており生きているのが不思議な状態だった。
「アトラ!しっかりしろ!」
フォウルが残った方の手を握りしめ問いかける。
傷だ。傷の手当てを!
俺はすぐにパラドクスに変身して回復を10個与える。だが炭化した部位が元に戻らない。
「リベレイション・ヒール!」
尚文が横で回復呪文を唱えるが効き目がない。
その後、尚文がイグドラシル薬剤を与えるが、変わりがない。
「治せる土壌を超えてるのよ。」
「ラト‥」
ラトの腕には小さなミー君の核がいた。
「この子も‥かなり無茶したのよ‥」
「何とかならねえのか‥ラト‥」
「ごめんなさい。無理よ。腕や足だけなら何とかできるけど臓器までは無理。」
「尚文……様」
その声に俺達はアトラの方を向く。
「みんなを、守れましたか?」
「ああ、そんな事よりお前の方が――」
「お兄様……尚文様を私の近くへ……」
「……ああ」
フォウルが尚文をアトラの前に出した。
「分かっております。残り時間がもう、無い事は‥」
「何を言っているんだ。まだ時間なんて腐るほどあるに決まってるだろ。」
尚文‥
その後も尚文は尽力するがアトラは治らない。
「まだだ!まだできる‥」
「よせ!尚文!」
俺が肩を掴んで止めるが、逆に尚文に肩を掴まれた。
「邪魔すんじゃねえ!!!」
「目を覚ませ!」
俺は尚文を殴りつける。
「もう助からないんだ‥最期くらいアトラの言葉に耳を傾けろ。」
「‥‥っ!」
尚文の目から涙が溢れる。
アトラは手を伸ばして尚文の涙を拭いながら言った。
「尚文様、私は貴方の事をこの世界の誰よりも好いています。そして前に言いましたよね。私は貴方の盾になりたい。」
「……ああ」
「私の願いを聞いてください。」
「分かった!なんでも聞いてやる!だから!死ぬな!」
「……私は、尚文様の盾になると願いました。それは今でも変わりません……そして……私は、血も肉も、魂さえもこの大地に還りたくないのです。」
「え?」
その手は盾に触れていた。
まさか‥!
「私はあなたの1番になれない。ならば‥せめて体だけでもあなたと共にありたい。」
変身
仮面ライダーギャレン ジャックフォーム
仮面ライダーパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマーLv99