「さて、尚文。俺は今からこいつらを治療する。また明日会おう。」
そう言うと、ピーターとナーガを連れて路地に入った。
「ピーター、ナーガ。俺は今から二人に選択してほしいことがある。一つは怪我だけ治して一生俺の奴隷か、もう一つは怪我を治して俺の仲間になるか。だ。選んでくれ。」
「後者を。」
「俺もだ。」
「よし、分かった。早速治療しよう。」
俺はガシャットギアデュアルを出し、ダイヤルを回す。
What's the next stage!
軽快な変身待機音が流れる。
「な、なんですか!その音!」
「なんだ!敵か!」
「俺のだよ。」
そう言いながらスイッチを押す。
DUAL UP!
Get the glory in the chain! Perfect puzzle!
来人は仮面ライダーパラドクス パズルゲーマーに変身した。
「さて‥あったあった!」
来人は能力でエナジーアイテムを取り出し、それをピーターに付与した。
「ぬおおおおお!!!!!」
ピーターはやせ細った体に筋肉がつき、覇気のある姿になる。
「ですが‥まだ腕が‥」
ピーターが残念そうに自身の腕を見た瞬間だった。
バキバキバキバキッ!!!!
「い!痛い痛い痛い!!!!」
曲がった腕が元に戻ろうと動き出した。
「耐えろ!」
「…‥‥!!!」
ピーターは目を閉じ歯を食いしばり、必死に耐える。
やがて腕の回転は止まり、腕は元の状態に戻った。
「はぁ‥はぁ‥はぁ‥」
「よく頑張ったな。これでお前の腕も元どおりだ。」
ピーターは恐る恐る手や腕を動かし、正常に動くことを確認すると俺に礼を述べる。
「感謝します。ええと‥」
「来人だ。」
「ライト様。」
「様はいらねえよ。様は。」
「そんじゃあ、次はナーガお前の番だ。」
「おう!いつでも!」
「よし、その心意気だ。えい!」
ピーターの時と同様に回復の効果を持つエナジーアイテムをナーガに付与する。
「うおお!!!!力が漲るぜ!!!」
ナーガもヒョロヒョロのヤモリみたいなのからリザードマンらしい体格となった。
「じゃあ、明日からよろしくな!」
俺は変身を解くと、両手を差し出す。
「はい!」
「おう!」
ピーターとナーガは俺の手を握り返した。
「さて、もう一回奴隷商の所へ行くぞ。」
そう言うとピーターとナーガは露骨に嫌な顔をする。
「うっ!」
「ぐっ!」
なるほど、態度だけでも命令を拒否した扱いになるのか。
「大丈夫だ。俺はお前たちを売らない。だって仲間だからな。」
そう言い聞かせて再びテントを訪れた。
「これはこれは!思ってたよりもお早いですな。お!」
「あの奴隷達が治ってますね‥私の目もまだまだってことですな。して、状態が良くなってますので、査定額は‥」
「待て。売るわけねぇだろ。」
「そうでしたか。てっきり治しただけかと。」
「‥それよりもだ。なあ、今日見せてもらった狼なんだが、まだいるか?」
「ええ、いますよ。」
「よかった。買おう。」
「ほう、どういった風の吹きまわしですかな?」
「気にしないでくれ。」
「ふむ、まあいいでしょう。やはりあなたは素晴らしい。内緒にしてほしいですが、盾の勇者様よりもです。」
「それ絶対尚文の前で言うなよ?気を悪くするぞ。」
俺は奴隷商に金を払い、狼を引き取る。
そいつも同様に負傷箇所を治し、名を名乗らせる。
「私はミコ。」
お前女だったのかよ!!!
次の日
俺はとりあえず絡んできた酔っ払いを返り討ちにして、ローブを盗んでピーターとナーガとミコに着せ、武器屋へ向かった。
「うへぇ‥酒臭い‥なんか、微かに吐いた臭いするし‥」
狼故に鼻が利くミコにとってはキツイらしい。
「我慢してくれ。あとで新しいの買ってやるから。」
そこにはもう尚文とラフタリアが到着して待っていた。
「よう、来人‥って一人増えてないか?」
「ああ、どうしても気になってな。」
「私はミコ。」
「最初に見たやつか。この金持ちめ‥」
「はっはっは!お前もこれからなれるさ!」
「いらっしゃい!盾のあん‥マジかよ。」
武器屋に顔を出すと親父がラフタリアを連れた尚文を見て絶句しながら声をかける
「コイツが使えそうで銀貨6枚の範囲の武器をくれないか?」
「……はぁ。」
武器屋の親父は深い溜息を吐いた。
「国が悪いのか、それともアンタが汚れちまったのか……まあいいや、銀貨6枚だな。」
「後は在庫処分の服とマント、まだ残ってるか?」
「……良いよ、オマケしてやる。」
「エルハルト、こっちもいいかい?」
武器屋の親父は来人を見て更に呆れた様子で声をかける
「鎧のあんちゃんもかい…しかも盾のあんちゃんよりも多いし…やれやれ2人共どうしちまったんだ?」
「仲間を募集しても、マトモな奴が来なくてな。しかもギルドに依頼を出してからは余計にだ。なら仕方ねえだろ?」
「それは分かるが、盾のあんちゃんに至っては、まだ子どもじゃねえかよ。」
武器屋の親父が嘆かわしいと呟きながら、ナイフを数本持ってくる。
尚文はラフタリアの手に何度もナイフを持ち比べさせ、一番持ちやすそうなナイフを選ぶ。
「これで良い」
ナイフを持たされて顔面蒼白のラフタリアはオロオロしながら俺と親父に視線を送る。
「ホラ、オマケの服とマントだ。」
エルハルトは尚文にオマケの品を渡し、更衣室へ案内させる。
ナイフを受け取った後、ラフタリアにオマケの品を持たせて着替えてくる様に指示する。よろよろと咳をしながらラフタリアは着替えをする為に更衣室に入っていった。
「心配だわ。私行ってくる。」
「ああ、頼んだぞ。ミコ。」
ミコはラフタリアが可哀想に見えたのか、追いかけていった。
「俺のところも頼む。」
「ああ、鎧のあんちゃんは何がほしいんだ?」
「そうだな。ラビット種のピーターに片手直剣と盾、リザードマンのナーガには棍、さっき更衣室へ行った狼人のミコには爪を貰おうかな。」
昨日得意武器を聞いた結果だ。
「ちょっと待ってろよ。 よし、こんなとこだな。」
エルハルトは来人が頼んだ武器をテーブルに置いた。
「さて、選んでくれ。」
来人が言うとピーターとナーガは武器を選び出す。
「では自分はこれを。」
ピーターは魔法鋼鉄製の剣と盾を選ぶ。
「じゃあ、俺はこれだな。」
ナーガは魔法鋼鉄製の棍を選ぶ。
ちょうどラフタリアがミコに手を引かれて着替えを終えて、ミコの手を離すとおずおずと尚文の方へ無言で駆けてくる。
「ミコ、お前も選んでくれ。爪で合ってるよな?」
「ええ、ありがとう。」
「さて‥‥‥」
ミコは流石元コロシアムの戦士なのか、念入りに選んでいる。
「これで。」
銀鉄製の爪を選択した。
「まあ、鞘とベルトとマントはサービスしておくぜ。」
「毎度すまねえな。」
「さて、ラフタリア、これがお前の武器だ。そして俺はお前に魔物と戦う事を強要する。分かるな?」
「……」
尚文はラフタリアに目線を合わせて説明する、ラフタリアは怯える目を向けながらコクリと頷く。
「じゃあ、ナイフを渡すから――」
尚文はマントの下で食いついているオレンジバルーンをラフタリアの前に見せ付けて取り出す。
「これを刺して割れ。」
「ヒィ!?」
尚文が魔物を隠していた事にラフタリアは武器を取り落としそうになるほど驚いた声を上げる。
「お、オレンジバルーンじゃん。」
ミコがそう呟く。
「え……い……いや」
「命令だ。従え。」
来人達はそれを黙ってそれを見つめる。
「ぐ……」
「ほら、刺さないと痛くなるのはお前だぞ」
「コホ……コホ!」
「尚文、ここは店の中だぞ?せめて草原まで待てよ、それにまだラフタリアは、まだ病気治ってないんだろ?」
「……やります。」
ラフタリアはしっかりと攻撃の意志を持って、尚文に喰らいつくオレンジバルーンを後ろから突き刺した
ブニーン……
「弱い! もっと力を入れろ!」
「……!? えい!」
突きが跳ね返されたラフタリアは驚きながら勢いを込めてバルーンにもう一度突きを加える。
だが、また跳ね返される。
その時、ミコが動いた。
そして震えるラフタリアの手に、そっと自分の手を添える。
いきなり手を添えられた事に驚き、ミコの顔を見る。
「いい?ラフタリア。ナイフを両手で持つ時は、こうだ。大丈夫、最初は誰だって怖いさ。私も初めてコロシアムに出て、人の命を奪ったときは、一日中震えが止まらなかったし、物も食べられなかったし、無理して食べたら吐いた。でもね?これは、あなたがやらないといけないことなのよ。」
「じゃないと、ナオフミは死んじゃうし、あなたは最悪奴隷に逆戻りになっちゃうわ。それは嫌でしょ?」
「‥うん。」
「だったら、戦うしかないわ。幼いあなたには酷かもしれないけど、やるのよ。あなたならできる。少なくとも貴女くらいの歳の頃には素手の喧嘩も碌に出来ないくらい臆病だった私が言うんだからできるわ。」
「ミコさんがですか‥?分かりました。」
ラフタリアはもう一度オレンジバルーンを見る。
その目はまっすぐと標的を見据えており、ナイフを握る手の震えはいつのまにか止まっていた。
そして、今度は腰が入った突きを繰り出した。
「えーーい!!!」グサッ!
今度こそバァン!と大きな音を立ててバルーンは弾けた。
EXP1
同行者が敵を倒したのを理解させるテロップが尚文の視界に浮かび上がる。
「よし、どうやら戦えるようだな、行くとしよう。ほら武器しまえ。」
武器を腰にしまうように指示を出し、ラフタリアは素直に従う。
「……コホ」
「ああ、お前らも行くぞ。」
「はい。」
「おう!」
「ええ。」
「アンタらいい死に方しないぞ?」
店を出ようとした俺たちに対してエルハルトは言う。
「死なないように頑張るさ。」
来人はエルハルトに言い返した。
そして来人と尚文の一行は代金を支払って武器屋を後にした。
「さて。ここからはさ、別行動にしないか?」
「別行動?」
「ああ、そうだ。尚文はラフタリアを仲間にしたから、もう俺が手助けしなくてもいいはずだ。じゃないとお前の為にもラフタリアの為にもならない。」
「それもそうだな。分かった。次の波の時にでも会おうぜ。」
「ああ、約束だ。」
来人と尚文はガシッと握手をする。
するとラフタリアがミコの方に歩いていく。
「ええと‥ミコさん‥」
「どうかした?ラフタリア。」
「私‥!強くなる!強くなってナオフミ様の為に頑張る!」
「うん、ラフタリアならできるわよ。頑張ってね。」
ミコとラフタリアも抱きしめ合う。
そして尚文達を見送ってから来人は自身の仲間の方に向いた。
「さて、俺は知っての通り勇者だ。波と戦う使命がある。波と戦って死ぬかもしれん。だが俺は死にたくない。みんなだってそうだろ?」
来人の問いかけに3人ともうなづく。
「だからだ。俺はみんなで強くなろうと思う。俺たちは家族だ。やるぞ!」
「「「おー!!!!」」」
さて、この後、来人は洋裁屋へ行って服を作ります。
モデルは
ピーターはマ◯ケティアーズのアラミス。
ナーガはドラク◯10の黄龍の道着
ミコはグラ◯ルのグラディエーター装備です。
変身
パラドクス パズルゲーマー