鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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48話

その後、ブレスシリーズとかいうものに覚醒した尚文の尽力で鳳凰は討伐された。しかし、また尊い犠牲を出してしまった。

 

そのせいで俺達は鳳凰を倒したものの素直に喜ぶことはできず心に影が残った。

 

アトラの葬儀が終わり俺は用意された部屋の中でセバスと話していた。

 

「アトラが死んじまった。」

 

「ええ、話は聞いております。その方はナオフミ殿の盾に入ったと聞きます。彼やフォウル君の前では口が裂けても言えませんが彼女の魂は盾の中で生き続ける事でしょう。」

 

「そうだな。ところで仮面だが‥」

 

「ええ、調べております。」

 

そうなのだ。あの日俺は奴の仮面の一部を砕いていたのだ。大爆発の炎で焼けたと思っていたが奇跡的に現場に破片が残っていたようだ。それがいったいどこの物なのかをセバスに調べてもらっていた。

 

「それでは、私はこの辺で。」

 

そう言うと窓から飛び降りる。そしてそのまま前転で衝撃を緩和すると走り出していった。

 

セバスも高齢なのによくやるよ。

 

俺が尚文を探して城内をプラプラしていると女王と話しているのを見つけた。

 

「ああ、なら次はフォーブレイだな。」

 

「はい、その通りです。」

 

 

「どうした。尚文。」

 

「来人か。ちょうどよかった。次の四霊は麒麟だ。そいつがフォーブレイに出る。」

 

「なるほど。わかった。それと今回の鳳凰戦を邪魔した奴の目星が立っています。」 

 

「本当か!!」

 

「本当なのですか!ライト様!」

 

「ええ、この目で確認しました。しかしあくまでも可能性ですので、そこのところ分かった上でお聞きください。」

 

俺の言葉に2人は唾を飲み込みながらうなづく。

 

「それは‥七星勇者ではないかと。」

 

「七星勇者が!?それは真ですか!」

 

「ええ、奴は言いました。自分は勇者だと。そして奴の武器は鞭。奴の持つ鞭に我々の武器と同じ宝石を見つけました。」

 

「まさか‥」

 

「そこまで分かってんだろ?どうして可能性なんだ?」

 

「ああ、奴は鳳凰に攻撃を放つ前にこう言った。''ヴァーンズィンクロー''と。」

 

「クロー?ツメか?」

 

「そう言うことですか。普通勇者武器は1人に1つ。更に一度手にすると他の武器を持つことさえできない。だから鞭とツメの両方を使っていたその人物は本当に勇者なのか怪しいと。」

 

「その通りです。ですので教えてください。鞭とツメの勇者の所在を。」

 

「鞭の勇者様はフォーブレイに、ツメの勇者様はシルトヴェルトにいらっしゃいます。しかしツメの勇者様はそこから足取りが掴めておりません。」

 

「ならば先にフォーブレイの鞭の勇者に会います。コンタクトは取れますか?」

 

「お任せください。」

 

そう言い女王は走っていった。

 

「俺はすぐに準備をして出立する。待ってるぞ。」

 

俺はブラッドスタークに変身して村に戻りピーター達を集めて待ち合わせ場所まで飛んだ。今回は急がなくてはならない為、全員フィロリアルに騎乗している。

 

その後、尚文と合流してフォーブレイまでの道を進み始めた。

 

「なあ、錬。今回は麒麟に関する情報はないのか?」

 

「すまない。今回ばかりはゲーム知識に頼るべきではないと思っている。」

 

確かにな。霊亀、鳳凰と錬が知ってるゲームと特徴が違ったんだ。錬もここでまた違ったものを教えたくはないだろう。

 

尚文が女王に聞いているが、そちらも分からないらしい。前情報は無しか。仕方ない。

 

そしてフィーロが爆走し始めた為、こちらもフィロリアルに爆走させていた頃だった。

 

俺の目の前に砂時計が現れ''9''の数字を出した。

 

そこまではよかった。

 

だが1時間後、その砂時計がパタリと消えてしまったのだ。

 

そのかわりに赤い砂時計が現れ、1週間を示していた。

 

消えた?まさか倒されたか?

 

「女王様。フォーブレイに割いている七星勇者の人数を教えてください。」

 

「リーシアさんとクズとミコさんを除いて4人です。勿論、他の国も周っていただいていますが。」

 

なるほど。残りをフォーブレイにか。

 

てか、アイツを七星勇者が1人、鞭の勇者だとすれば何故あの時俺達を殺そうとした?勇者を殺すことにメリットなんかあるのか?

いやデメリットでしかない。他の四霊を五聖と七星を合わせて12人。その内の俺達8人‥いや奴がリーシアやミコの存在を知らなかったとして6人。

それだけあの場で殺したら残り6人で鳳凰と麒麟と応竜を相手にしなくてはならず、その分犠牲が増える。

 

なら、何故勇者の命を狙う。奴は人数が減るデメリットが気にならなくなるほどのメリットを得ているのか?

 

そして現在ツメの勇者は消息不明。まさか‥ツメの勇者は既に殺されている‥?

 

分からん。

 

「麒麟がどうなったか分かりました。七星勇者の手で討伐されたようです。そして損害も限りなくゼロ。しかし気になる点が‥」

 

「今回の討伐に参加した勇者は1人だったそうです。」

 

「1人!?」

 

1人‥残りはサボったか。何故そこまでして戦わない?女王様の話では残りはフォーブレイにいるはずだろ?1人に討伐を任せて残りは避難誘導してた訳はないだろ?

 

‥‥待てよ?こうは考えられないか?参加しなかったのではなく、参加できなかったと‥

 

そう考えると出来なかった理由は一つ。その討伐に参加した勇者に捕らえられたか、殺されたか。

 

捕らえられてるなら、まだいいが問題は殺されてた場合だ。

 

「今回は写本もねえのか。」

 

「文句言うものじゃないぞ、ナーガ。無理なものは無理だ。」

 

ナーガとエクレールが後ろで話していた。写本ねぇ‥うん?

 

まさか‥奴のメリットが分かったかも知れん。もし、この考えが本当なら奴が俺達を殺そうとした理由もうなづける。

 

だが、その場合だと俺が恐れてる最悪の出来事が起きてるってことだ。

 

それは‥フォーブレイにいる七星勇者が1人を残して全員死んでるってことだ。

 




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ブラッドスターク
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