あれから月日が経った。
来人はLv42、ピーターはLv41、ナーガはLv41になった。
ミコはLv75で変わりがなかった。
今は装備などの整備を終え、砂時計の前に立っている。
「お前ら用意はいいか?」
「ええ。」
「もちろんだぜ!」
「私も。」
「すまん、遅くなった。」
後ろから尚文達が走ってきた。
「久しぶりだな!それにしてもラフタリア!お前見違えたな!」
「ええ、私も頑張ったんですから!」
「と、話してる内にそろそろだ!」
来人がそう言った瞬間、ワープしていた。
視界が鮮明になり場所を確認するとリユート村の近くだと分かる。
「ライト!」
ナーガが指さした方を見ると他の勇者達が我先にと大型の魔物達と戦っているのが見えた。
「ピーター!ナーガ!ミコ!民間人の救出が最優先だ!行くぞ!」
「「「おーーー!!!」」」
3人が自身の武器を構えて走っていく。
俺もだな。
俺はベルトを巻き、ガシャットを二つ取り出す。
マイティアクションX!
デンジャラスゾンビ!
「グレードX-0‥‥変身!」
ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!
マイティジャンプ!マイティキック!マーイティーアクショーン!X!
アガッチャ!
デンジャー!デンジャー!ジェノサイド!デス ザ クライシス! デンジャラスゾンビ!
「コンティニューしてでも‥‥クリアする!」
走りながらガシャコンブレイカー(ハンマーモード)を右手に、ガシャコンバグヴァイザー(ビームモード)を左手に装備して魔物が群がる辺りに駆け出す。
虫型の魔物達に向けてビームを乱射することで、こちらに注意をひき、ハンマーで叩き落としていく。
「誰だ!」
「俺だ!鎧の勇者だ。ここは俺が引き受ける。村人達を連れて逃げてくれ!」
「あ、ありがとうございます!みんな行くぞ!」
兵士たちは後ろで守っていた村人達を引き連れて離脱した。
「さあ!来い!」
来人が応戦し、ピーターが1匹1匹を斬り倒し、ナーガが殴り倒し、ミコが斬り裂いていった。
「みんな!伏せろ!」
来人一行、尚文一行は到着した魔法が使える兵士たちが放った魔法による火矢から防御体制をとる。
「助けてええ!!!」
来人は後ろを向く。そこには倒壊した建物の下敷きになった男がいた。
このままでは十分あの男に当たる!
俺はすぐに駆けつけ、建物から男を引っ張り出す。
後ろを向くが、男を矢の射程距離から逃がせる程の時間はない。
来人は男を突き飛ばして射程範囲から追い出すと無数の火矢に貫かれた。
ゲームオーバー!
来人の姿はゲームのデータのように崩れ去ってしまった。
「ライト!貴様ら!」
ピーター、ナーガ、ミコはすぐに兵士達に襲いかかる。
「テメエら、ふざけんじゃねえぞ!こら!」
「チッ!盾は無事か。死に損ないが。」
その言葉でスイッチが入ったのか、ラフタリアがピーター達に加勢しにいった。
「貴様ら‥!」
ピーターが一人の兵士に馬乗りになり、首に剣を突きつける。
ナーガとミコは殺してはいないが既に何人か戦闘不能にしていた。
「貴様ら!亜人や獣人の分際で人間に刃向かうつもりか!」
「ふざけんな!わざと人ひとりの命を奪っておいて、その言い方はねえだろ!」
「ただ殺すだけでは生ぬるい!じわじわと息の根を止めてやる!」
ミコがそう叫んだ瞬間、地面に紫色の土管が生えた。
紫の土管から勢いよく来人が飛び出し着地した。
「よっと!たく、残りライフ99。危ねえだろうが!馬鹿野郎!」
「ライト!生きてたのですね!」
「ライト!俺死んじまったのかと思ったぜ!」
「ライト!心配したんだからね!」
ピーター、ナーガ、ミコが屠っていた兵士たちを放り投げ、戻ってくる。
「ふん!運がいいヤツめ!」
「おい、大丈夫だったとはいえ、一度死んだんだぞ!謝罪くらいしたらどうだ!」
「なんだと‥執行猶予中の身分で‥」
「それがどうした!テメェ、小せえ頃に教わらなかったのか?悪いことをしたら謝れって!」
「黙れ!」
「あ、そう。よーく分かった。じゃあ、残りの魔物全部お前らに任せるわ。」
「だな。お前らだけでやれ。」
自分たちが到着するまでの間、誰が魔物達を駆除していたかは明白である。そして、残りの魔物達を自分たちだけで倒すことが、どれだけ危険なことなのかも分かっている。
兵士達は青い顔をしながら引き下がった。
「ナーガ!お前は逃げ遅れた人達の救出!ピーターとミコは俺と一緒に食い止めるぞ!」
「はい!」
「おう!」
「ええ!」
「ラフタリア!お前もナーガと一緒に救助に回れ!」
「はい!」
来人は変身を解き、次は眼魂を出す。
眼魂のスイッチを押し、ベルトを開き、中に入れる。
アーイ!バッチリミロー! バッチリミロー!
ベルトから飛び出したゴーストが襲いかかる魔物達を蹴散らす。
「変身!」
レバーを引く。
カイガン!スペクター!レディゴー!カクゴー!ドキドキゴースト!
更に眼魂を入れ、レバーをひき、仮面ライダースペクター ノブナガ魂に変身した。
「行くぞ!」
前線でピーターとミコが敵を屠り続け、その後ろで来人がガンガンハンドを銃モードにして敵を撃ち抜き、尚文が魔物の進行方向を盾によって妨害、そして更に後ろで兵士たちが横に広がり、包囲網を突破されないようにしたことで魔物の群れを止めることに成功した。
こうして、波による亀裂は閉じ、波は収まった。
帰ろうとした来人と尚文の一行のもとにリユート村の住人が話しかけてきた。
「あ、あの……」
「何か用かい?」
来人は笑顔を浮かべながら応対する。
「ありがとうございました。あなた方がいなかったら、みんな助かっていなかったと思います。」
「気にすることないさ。俺たちはやるべき事をやっただけだ。」
「気にすんな。これが俺たちの仕事だから。」
「いいえ。」
来人の答えに、別の住人が割って入ってくる。
「あなた方がいたから、私たちはこうして生き残る事が出来たんです。」
「ふむ、よし。ならば俺たち盾と鎧の勇者の一行の良い噂を広めてくれねえか?何分王国では評判が悪いんだ。」
「「「「はい!ぜひ!」」」」
住人達は、来人達に深々と頭を下げて帰っていった。
「やりましたね!ライト!」
「ああ、やってやったぜ!ライト!」
「ええ、私も久し振りに暴れられて楽しかったですよ。」
「ああ、今回は良くやったな!」
それから、来人達は王城にて宴会に参加する。
「いやあ! さすが勇者だ。前回の被害とは雲泥の差にワシも驚きを隠せんぞ!」
日が落ちて、辺りはすっかり夜になってから開かれた宴会で国王が高らかに宣言した。
前回の波に比べて、大幅に被害を減少させる事に成功し、死傷者も1桁で済んだという。
「なんか、騎士団や冒険者の皆さんの手柄も、みんな勇者様達に取られてる感じがしますね......」
「その方が分かりやすい宣伝になるからだな。奴らにとって誰が頑張ったのかはさして重要ではない。だが俺たちだけはお前らの活躍を認めてるぞ!ピーターもナーガもミコも尚文もラフタリアも全員で力を合わせて戦ったからこそリユート村は救われたんだ!」
波に関して、調べたいことがあった来人はヘルプを確認する。
『波での戦いについて』
砂時計による召集時、事前に準備を行えば登録した人員を同時に転送することが可能です。
この内容からするに、勇者の仲間以外も、それこそ騎士団の様な軍隊でも一緒に転送出来るようだな。
「......どうやら、連中は協力して闘うという事を知らねえらしい。俺たちが言った所で大人しく聞いてくれるかも分からねえし。」
「そうかも知れませんけど......」
納得出来ない様子のピーターだが、周りに並ぶ料理を見て、気持ちを切り替える。
「すごいご馳走でだな!食い尽くしてやるぜ!」
ナーガがピューと風のように走っていった。
並べられた料理に舌鼓を打ちながら過ごしていると、怒り心頭という様子の元康が近付いてくる。
「おい!尚文!」
「なんだ?いきなり?」
「......どうした?声を張り上げて。何もせんでもお前ぎが食べる分くらいは残しておくように仲間達には言っておくよ。」
茶化すような態度で振り向いた尚文に手袋を外し投げ付ける元康。
「決闘だ!」
マズイな‥本当だったら代わりに戦ってやりたい‥だが尚文が戦わないとカースシリーズが‥
すまん、尚文。仇はとってやる。
「聞いたぞ!お前ら奴隷を使ってるんだってな?」
「ああ、使ってるぞ?」
「同じく。だって仕方ないだろ?真剣にこんな悪評まみれの俺たちの仲間になりたいなんて、そんな物好きいると思うか?」
「だからって!奴隷を使っていい理由にはならないだろ!人は隷属させていいものじゃない!」
「それは良い心がけだ。是非ともその考えを王にも聞いてもらおうか。」
「黙れ!俺が勝ったらラフタリアちゃん達は解放してもらう!俺が負けたらラフタリアちゃん達は好きにしろ!」
「何故お前の許可がいる?」
「その通りだ。それに俺たちは負けたら大切な仲間を失うってのに、お前は自分が負けた時のリスクを負わないなんてな。話にならねえ。」
「話は聞かせてもらった!」
人の波がモーゼの十戒のように二つに分かれて王が歩いてくる。
「貴様らは勇者のくせに奴隷を使っているのか!ここに槍対盾の決闘を言い渡す!」
「待てよ!」
来人は叫んだ。
「なんじゃ?鎧。」
「その勝負、俺も混ぜてくれ。」
「だっておかしいだろ?元康は奴隷を解放したいんだろ?だったら普通尚文よりも多く奴隷を抱えてる俺に決闘を挑むはずだ!なのに尚文を選んだ!尚文は攻撃手段がない盾だ。だから勝ち抜きにしてくれ。元康が俺たち二人に勝ったら奴隷は全員解放、奴隷を持ったことによる罰金をそちらの言い値で払う。払えなかったとしても一生払う。逆に元康が俺達のどちらか、もしくは両方に負けた場合、今回元康がもらう筈の報奨金と援助金を俺たちがもらう。でどうだ?」
「よかろう。元康殿もそれでかまわんか?」
「ええ、構いません。」
「それでは決闘じゃ!」
城の庭は今、決闘会場と化していた、辺りには松明が焚かれ、宴を楽しんでいた者達がみんな勇者の戦いを楽しみにしている。
さすがに元康自身のプライドが許さなかったらしく、尚文VS元康の1対1になった。
「では、これより槍の勇者と盾の勇者の決闘を開始する! 勝敗の有無はトドメを刺す寸前まで追い詰めるか、敗北を認めること」
「最強の槍と盾が戦ったら、どっちが勝つかなんて話があったよな。尚文!潔く負けを認めろ!」
「始め!」
「うおぉぉぉーー!!」
開始と共に元康が尚文に突っ込む。でもそれを尚文は防ぐ。槍と盾のぶつかり合いが始まる。
「止めたか。流石は盾の勇者ってところだな!」
「お前の負けだ。これが最強の槍と盾の勝負なら俺の盾を貫けなかった時点でお前の負けだ!」
確かに防御に隙がない限り、攻撃は通らない。尚文が槍を弾いた。
「乱れ突き!」
すると元康が槍を物凄いスピードで無造作に突く。こんな事も出来るのか。尚文に無数の槍が迫る。あれは流石に防ぎようがなく、受けてしまった。
「尚文!」
「ナオフミ様!」
それでも彼は立ち上がり元康に向かい、腹に盾による打撃を与えた。覚えたのか!シールドバッシュ!
「盾の攻撃なんて効くはずは…あっ?」
「いてっ!」
元康の腹にはオレンジ色の丸いものが噛み付いていた。ははっ、やっぱ持ってやがったか!
尚文はマントで隠されていた自分の体を見せる。
尚文の体にはオレンジバルーンがいっぱい噛みついていた。武器が使えないからそれを武器に。まぁ、魔物を使ってはいけないってルールで言ってなかったし。
「何のマネだ?」
「どうせ勝てないなら嫌がらせでもしてやろうと思ってな?」
嫌がらせか、いいねー!
「正々堂々戦えってんだ!」
元康が槍で再び攻撃した。だが、鎖帷子の呪いで動きが急に止まる。そこに尚文が自身の盾を黒い犬の顔が付いた盾に変え、それが飛び出し元康に噛み付いた。
『双頭黒犬の盾』
「エアストシールド!」
今度は盾を出現させ、攻撃をした。今のは効いたぞ!
「シールドプリズン!」
オレンジバルーンを2個投げ、元康を閉じ込めた。
「こら!やめろ!地味にいてぇ!」
中でオレンジバルーンの攻撃を受けているみたいだ。しかし尚文も考えたな。いくらオレンジバルーンが弱いとはいえ、あんな逃げ場がないせまい場所で、しかも得物が槍の人間が襲われたらひとたまりもない。
それにしてもさっきから尚文の悪口などが聞こえるな。耳障りだな。
すると元康を閉じ込めていたやつが消えた。
「さっさと負けを認めろ、これ以上醜態を晒すなモテ男。」
「誰が降参なんか‥」
「そうか。ならお前の顔と股関を集中的に攻撃してやろうか?」
うわぁ、悪役だよ。ライダーの世界にもいたよ。あんな顔。
「ぬ!ライト!あれを!」
「やったな、あのアマ!」
「どうした?」
ピーターとミコの耳がピコピコと動き、先ほどの言葉を発したと思えば、ある一点を凝視しだした。
「どうしたんだよ、お前ら!」
そちらを見る。
すると元康の仲間であるマインが尚文に向かって攻撃をした。
なっ!?横槍だと!?なんて卑怯な事を!
そしてそれで隙を突かれた事を皮切りに元康の猛攻を受け始めてしまう。
「ライトニングスピア!」
「うわぁぁーー!!」
必殺技を受け、倒れてしまった。
「俺の勝ちだ」
次は来人が尚文の仇を取ります。
※ここで目覚めなくても後々、尚文がカースシリーズに目覚められるイベントはあるんですが、ここで目覚めさせました。
変身
ゲンム ゾンビアクションゲーマー
スペクター