鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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69話

音はしたが、いつまで経っても衝撃が来ない。

 

どういう事だ?

 

俺はエクレールを抱きしめたまま、首だけ音がした方を向く。

 

そこには光の玉がフヨフヨと浮いていた。

 

「な、なんだ‥いったい。」

 

「なんなのですか!これは!」

 

宮地達が驚いてやがる。どうやら奴らも知らねえようだ。

 

(手を伸ばして!鎧の勇者!ライト!)

 

誰だ!どこから声が‥その光の玉?

 

‥いいだろう。乗ってやる!

 

俺はその光の玉に手をのばした。

 

その光の玉は俺の腕を伝って螺旋状に動き、俺の鎧に取り憑く。

 

その瞬間、俺の鎧が輝き始めた。

 

そして光が晴れた時、俺の鎧のプレート部分の左半分が鏡に変わっていた。

 

 

ーー装備に変更があります。ーー

 

変化 ミラーアーマー

能力解放 反射 鏡生成

 

 

反射‥まさに鏡だな。待てよ‥まさか‥

 

ビンゴ。やっぱり解放されてた。

 

これを使えば2人は葬れる。ならば‥決まってる。

 

俺は目の前に鏡を生成する。

 

そこにカードデッキを構え、腰にベルトが巻きついた。

 

「変身。」

 

俺が選んだライダー‥仮面ライダーオーディンに俺は変身した。

 

「まだ、変身できるのか‥小癪な!」

 

「死ねぇ!蛮族!!」

 

取り巻きの女の一人が暴走気味に俺に襲いかかってきた。

 

俺はオーディン専用武器、鳳凰召錫ゴルトバイザーにカードを一枚挿入した。

 

ソードベント!

 

空から剣が2本降ってきて俺の手に収まった。

 

「オラっ!」

 

女が振り下ろした剣を左手の疾風で受け止める。

 

「なっ!?何で!!!」

 

「何で?は!なんでかはあの世でゆっくり考えろ!」

 

俺は疾風で受け止めていた剣を弾き女の体勢を崩したところで烈火で首を斬り落とした。

 

斬り裂いた首が胴体から離れ宮地達のもとまで転がる。

 

「‥考えたところで一生分からねえだろう。テメェの足りない頭ではな。」

 

アドベント!

 

俺は更にカードを挿入し、今度は契約モンスターであるゴルトフェニックスを呼び出した。

 

「やれ!」

 

ゴルトフェニックスは爪で宮地とマルドを掴むと近くの窓を通って消えた。

 

「エクレール!後は任せた!」

 

「うむ!頼まれた!」

 

エクレールの返事を聞き、俺も走って後を追うように窓に飛び込んだ。

 

俺が飛び込んだ先では宮地とマルドがゴルドフェニックスと格闘していた。

 

「この!クソ鳥!!」

 

「いい加減落ちろ!!」

 

全然攻撃当たってねえし、弾かれてるし。たまに転ばされてるし。

 

まあ、いいや。''アレ''できないから気づかせるか。

 

「よう!雑魚共!待たせたな!」

 

俺の声に二人が振り返る。

 

「何のつもりだ‥」

 

「どこだ、いったい!」

 

「ここ?ミラーワールドっていう鏡のように反転した世界だ。人間は俺達以外いない。さて!デスゲームと行こうじゃないか!」

 

俺はマントがあるように仰々しく言う。

 

「お前らVS俺で決闘だ。この世界では生物は、仮面ライダーじゃない限り、ものの1分で消滅する。でもそれじゃ面白くないから‥特別に10分!それだけ時間をやる。ここを出たければ、それまでに俺に勝ってみせろ。」

 

俺の言葉に2人は武器を構えなおす。

 

「さあ!ゲームスタートだ!」

 

俺は疾風と烈火のニ振りの剣を構える。

 

「死ねぇ!」

 

宮地がバイオリンを鳴らし、音符のエネルギー弾を飛ばす。

 

「当たる訳ないだろう。」

 

俺は軽々と避けて体勢を立て直す。

 

「ならば!数撃ちゃ当たる!だ!」

 

宮地は芸術のかけらもないくらい無茶苦茶に弾き避けられないほどのエネルギー弾を飛ばす。

 

「はぁ‥はぁ‥どうだ‥!」

 

「音ならこれだ。」

 

俺はカードデッキから一枚取り、読み込んだ。

 

ナスティベント!

 

俺の近くにゴルトフェニックスが飛んできて、一声鳴いた。

 

口から発せられた鳴き声が音波となり空を埋め尽くすほどの音符のエネルギー弾を一斉に打ち砕いた。

 

「なにっ!」

 

「それだけじゃないぞ!」

 

音波は止まることなく宮地を包み込んだ。

 

「グワァァァァ!!!!!!」

 

宮地が吹き飛ばされて地面を転がる。

 

「ミヤジ殿!」

 

マルドは宮地を一瞬見て俺に斬りかかる。

 

俺はそれをいなしながらカードを一枚読み込んだ。

 

トリックベント!

 

「増えただと‥!」

 

奴は真ん中の俺に斬りかかるが、すぐに左右の俺たちがマルドに斬りかかる。 

 

そこからマルドは分身の俺と戦い始めるが、中々勝負がつかない。

 

「よし!分かった!特別ルールを加える。お前ら2人で殺し合え。勝った奴だけ特別に出してやる。」

 

それを聞いたのか、マルドは斧を下ろし、まだ立ち上がれていない宮地に近づいていく。

 

「お‥おい!マルド!貴様!」

 

「悪いな、ミヤジ殿。いや、ミヤジ。俺だってまだ死にたくねえんだよ。」

 

宮地はバイオリンを弾こうとするが、マルドが手首を踏みつける方が早かった。

 

「ァァァアァァァァアァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」

 

ミヤジは思いっきり踏みつけられた痛みで叫ぶ。

 

どうやら折れたみたいだな。

 

「死んでくだ‥いや。俺の為に死ね!」

 

マルドの斧は真っ直ぐ宮地の首に振り下ろされた。それと同時に宮地の体から飛び出した光の玉は近くの窓を通りミラーワールドから出て行った。

 

「さて、約束だ。」

 

「ああ。」

 

俺は分身を消し、マルドに近づく。

 

「さて、俺の手を取れ。」

 

マルドは俺の手を取り、俺の首を刎ねた。

 

俺の首は体から離れ、地面を転がっていった。

 

「フフフ…ハッハッハッハッ!!!!!」

 

「これで私は斧、鎧、鏡の力を手に入れた!!!俺こそが最強!!!!!」

 

マルドは高笑いを上げ、鏡に手を突っ込‥

 

ペタッ

 

「あれ?」

 

ペタッペタッ

 

「何故だ‥」

 

通れないのだ。

 

「どういうことだ!何故出られない!!!」

 

マルドは来人を見るが遺体は消えている。

 

「おい!!!俺を出せ!!!!」

 

マルドは叫び、暴れる。

 

だが現実は非情である。指先の崩壊が始まったのだ。

 

「よ!」

 

マルドはその声に振り返る。

 

「な‥何故だ‥何故‥お前が生きている‥」

 

マルドは信じられなかった。

 

そこには確かにこの手で首を刎ねた来人がいたからだ。

 

「ああ、あれか。あれは俺の分身だ。」

 

少し時を遡る。

 

マルドが宮地にゆっくり近づいていた頃。

 

「さて、俺の方もやるか。」

 

俺はカードデッキから一枚取り、読み込む。

 

クリアーベント!

 

俺は分身を一体だけ残して透明化する。

 

そして案の定、マルドは分身を俺だと思って首を刎ねた。

 

「と、つまりそういうことだ。それと言ってなかったが、この世界を出入りできるのは俺のような仮面ライダーと、ゴルトフェニックスのようなミラーモンスターだけだ。お前ら人間は俺たちの手を借りないと行き来できないんだよ。」

 

「つまりここから出る為には俺を殺すのではなく、俺を説得してここから出してもらうしかなかった訳だ。」

 

「騙しやがったな‥」

 

「騙す‥?何言ってんだ?気づかなかったお前が悪いだろ?」

 

俺の言葉に崩壊し始めているマルドがプルプルと震えだし、急に発狂し始めてしまった。

 

「うぉォォォォォォォォォォ!!!!!!」

 

自身の手に持つ斧を振り回して周りの窓や鏡を次々と破壊し始めた。

 

破壊し終えたときには殆ど顔は見えなくなっていた。

 

「これでお前は出られない。精々この世界で死ぬんだな!」

 

そう言い、マルドは完全に消滅した。

 

消えた瞬間に光の玉が飛び出して俺の中に入る。

 

ステータスを見る限り、どうやら鎧が帰ってきたようだ。

 

そして何故か斧も。

 

「やれやれ。」

 

俺は能力で鏡を精製して元の世界に戻った。

 

「てやっ!」グサッ!

 

戻った時に目に入ったのは辺りが消し炭となった玉座とエクレールが、どこぞの狼のように刀でビッチの首を貫いているところだった。




活動報告の方で次の話でエクレールに使って欲しい刀技を募集しております。全部は無理ですけど頑張って採用しようと思いますので奮ってご参加ください。

変身
オーディン
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