鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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77話

城下町に帰ってきた俺達を皆祝福した。

 

まず門に入ったところからパレードのようになっていた。

 

勇者様、ありがとう!

 

こんな声が城に入るまで続いた。

 

メルロマルクにも大きな変化があった。

 

人間、亜人が入り混じって俺達を祝福している。あんなに亜人を差別していた街とは思えない。

 

それにしても勇者20人か。多いな。俺が知ってる物語では一番多い。

 

あまりにも数が多いため、5つに分けて入場した。俺達は尚文の前、最後から2番目だ。

 

ラックとネロは俺の街に住んでるため、俺のパーティ扱いとし、グラスは尚文のパーティということにした。

 

寝られると思ったが、今から世界が平和になった事を祝ってパーティをするらしい。

 

勘弁してほしい。

 

‥諦めるか。

 

諦めたことで無理矢理テンションを上げて俺はパーティに参加し、料理を食べ始めた。

 

何人か貴族が俺のもとへ挨拶に来た。

 

是非、娘の婿にだとかだ。

 

まあ、考えとくとだけ言って帰ってもらった。

 

「なんと!ナーガ!お前は師匠の息子だったのか‥」

 

「師匠?悪いな、俺‥親の顔を知らねえんだ。物心ついた時には奴隷だったから。」

 

「そうか‥師匠は素晴らしい人だった‥私も師匠のような武人になる為によく修行したものだ。」

 

そうか、ナーガの父親ってエクレールの師匠だったんだな。知らなかった。

 

 

「エクレール!!!!」

 

酒が回って酔っ払ってる錬がエクレールのもとまで歩いてくる。

 

「な、なんだ!レン!」

 

「俺は世界が平和になったら言うつもりだった!」

 

「俺と付き合ってくれ!」

 

その大胆な告白に一瞬城内の時が止まるが、ザワザワと声がしだす。

 

「剣の勇者様が刀の勇者様に告白したぞ。」

 

「剣と刀だろ?釣り合うんじゃないか?」

 

 

「その‥お前が私に告白してくれた事、嬉しく思う。だが私には心に決めた人がいる!」

 

エクレールはそう叫ぶと、歩き始める。

 

何故か、俺がいる方向に。

 

「わ‥私は‥幼き頃から剣と共に生きてきた‥世の男が望むお淑やかな女性には程遠い‥でもそれでもライトの事が好きだ!」

 

「私と‥結婚してほしい!!!!」

 

マジか‥知らなかった‥

 

錬の方を見ると俺の事を泣きそうな顔で見ている。あ‥泣いた。

 

「ああ。これからもよろしくな。」

 

俺はそう言ってエクレールを抱きしめた。

 

 

 

数日後。

 

セーアエット領。

 

「なあ、俺似合ってるか?着られてないか?」

 

「バッチリですよ、ライト。」

 

「ああ、かっこいいぜ!」

 

「似合っていますとも。」

 

俺はピーターとナーガとセバスと控室にいた。もちろん新郎のだ。

 

俺とエクレールは、とうとう結婚することになった。

 

樹とリーシアの結婚式で大体の流れは確認したが、参加する側と主役側だと、こうも違うのか。

 

ナーガ率いる建設部隊が急ピッチで教会を建設してくれた。よくやってくれたよ。

 

コンコン

 

「ライト様。新婦様の準備が整いました。」

 

俺は椅子から立ち上がり、新婦の控室まで歩く。外にはミコとターニャ、リファナがいた。

 

「凄いわよ、彼女。」

 

「綺麗だった‥」

 

「私もいずれ‥」

 

そしてドアノブに手をかける。

 

「ヤベッ‥吐きそう‥」

 

「吐くなよ!?」

 

俺は飲み込んで目を閉じる。

 

スー‥ハー‥

 

「よし!」

 

深呼吸を済ませて俺は部屋に入る。

 

そこには、こちらに背を向けて座る女性がいた。

 

俺に気がついた、その人は俺の方に向き、ニコッと笑いかけた。

 

エクレールだ。長くて美しいストロベリーブロンドの髪は綺麗にまとめられ、いつも最低限しかしていなかった化粧もプロに任せたお陰でいつもより違って見える。

 

「あの‥似合って‥いるだろうか‥」

 

「え?‥あ‥ああ!似合ってるとも!」

 

そこからお互い恥ずかしくて喋る事が出来なくなり、式が始まった。

 

神父を務める住人があのセリフを言う。

 

「ライトさん。あなたは今エクレールさんを妻とし、神の導きによって夫婦になろうとしています。」

 

「汝 健やかなる時も 病める時も 喜びの時も 悲しみの時も 富める時も 貧しい時もこれを愛し 敬い 慰め遣え 共に助け合い その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?」

 

「誓います。」

 

「エクレールさん。あなたは今ライトさんを夫とし、神の導きによって夫婦になろうとしています。」

 

「汝 健やかなる時も 病める時も 喜びの時も 悲しみの時も 富める時も 貧しい時も これを愛し 敬い 慰め遣え 共に助け合い その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?」

 

「誓います。」

 

力強く、凛々しい声だ。

 

エクレールを守る為ならば俺は神でも悪魔でも何でも戦ってやるよ。

 

俺とエクレールの声に神父はうなづく。

 

「それでは指輪の交換と、誓いのキスを。」

 

顔を朱に染めたエクレールの左手を取り、その薬指に指輪をはめる。

 

エクレールもたどたどしい手つきながら同様に俺の薬指に指輪をはめた。

 

エクレールのベールをあげて顔を出す。

 

緊張からか目を瞑るエクレールの耳元で誰にも聞こえないくらいの声で囁く。

 

「エクレール。愛してるぞ。」

 

その声で目を開けたエクレールは嬉しそうに微笑み俺と同じくらい小さい声で言った。

 

「私も愛しています。ライト。」

 

そして俺達は唇を重ねる。

 

教会の中は拍手喝采に包まれる。

 

みんなに祝福されながら俺は誓う。

 

この先、何があっても俺はエクレールを守り続ける。命をかけて君を守り続けるんだと。




はい。これにて鎧の勇者の成り上がりは完結しました。思えば長かったです。2年前から執筆が始まり、その時には終着点はまったく考えずに書き始めました。
私の作品を読んでくれてありがとう。
読者の皆さんにはそう言いたいです。
2年間ありがとうございました。

なお、後日談としてあと1話書きます。
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