鎧の勇者の成り上がり   作:JOKER1011

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ある意味、番外編。


本編終了後の話
番外編 78話


エクレールと結婚して数ヶ月後。

 

セーアエット領はますます発展した。街の名はフラッシュとなった。意味は言わずもなが俺のライトという名を光のライトだと皆が勘違いしたからだ。

 

尚文が作ったロックバレーとも交易が始まった。

 

その後の俺達だが。

 

ピーターは街の自警団を率いた。奴のお陰で街は平和だ。

 

ナーガは建設会社【龍】を作った。そして奴には春が訪れた。相手はネロらしい。

 

ミコは部隊を率いて狩猟をしつつ、街の外の警備をしている。

 

エクレールは刀の勇者と町長の両立にてんてこ舞いらしい。そして腹には命が最近宿った。

 

ターニャは未だ蔓延る奴隷問題をたまに樹とリーシアと解決すべく尽力している。最近もひとつ組織を潰してきたらしい。

 

セバスはこの街の相談役となった。彼のお悩み相談室は好評らしい。

 

リファナはあの日、自分を火事から守ってくれた今は亡きポールの意志を継いで、病院を立ち上げてこの街の医者になった。

 

 

そして俺は今‥

 

「会いに行きたいって言ったの本気だったんだ。」

 

パンパンのリュックを背負い、紙袋を持ってターニアと一緒に廊下を歩いていた。

 

ここは天界にある監獄だ。そこを法を司る女神ネメシスさんの先導のもと、ターニアと共に歩いている。

 

「彼には面会は伝えてあります。ですが誰が来るかは言ってませんので。」

 

「そうですか。まあ会えるだけいいです。お互い誤解したまま別れましたから。」

 

「まあ、今回は牢屋ではなく特別に部屋を用意しましたので。そこで会ってください。」

 

俺は部屋の前にたどり着く。

 

「入っていいのか?」

 

「ええ。ですがターニアさんはやめた方がいいかと。」

 

「何故ですか?」

 

「彼‥女神っていうものが嫌いなんですよ。色々あったので‥」

 

コンコン

 

「来たのか?ネメシス。」

 

「はい。」

 

ネメシスさんが先に入り、俺達は中に入る。

 

「あ?誰かと思えばお前か。勇者ライト。」

 

「あの時ぶりだな。魔王リュウジ。」

 

俺達は睨み合いながら近づいていく。

 

そしてお互いの拳が届く距離まで近づく。

 

「ちょっと!喧嘩は!」

 

「止めるわよ。ネメシス!」」

 

ガシッ!

 

「助かったぜ。お前のおかげでメディアに勝てた。」

 

「作戦とはいえ、悪かったな。騙すような真似して。」

 

 

俺達はお互いに握手を交わした。

 

「あれ?一触即発じゃ‥」

 

「男は殴り合うと友情が深まるんだよ。」

 

「ああ、言い方は悪いが女には分からねえことかもしれねえな。」

 

「「ハッハッハッハッ!!!!!!!!!!!!!」」

 

「で?そのリュックと紙袋なんだよ?」

 

「これか?なんだかんだと‥」

 

「いいから見せて。」

 

「チェッ!わかったよ。」

 

俺はゴソゴソとリュックを開けて中から大量の酒とおつまみを取り出して並べていく。

 

「おお!!!ワインにブランデー、ビールにウィスキー!すげぇ!でも、これなんだ?」

 

リュウジは見たこともない酒瓶達を手に取る。

 

「右から俺の仲間のナーガと作った龍の火酒、妻のエクレールと作ったホリデー・オブ・ナイト、そして最後がルコルの実で作った巨人の盾だ。最後のやつはルコルの実を一個丸々入れてるからな。あるお得意様や命知らず達に勧めてる一品だ!」

 

「盾‥ああ。尚文か。」

 

「そうだ。」

 

「そしてまだ聞かれてないけど紙袋のを出すぜ!これだ!」

 

俺は勢いよく出して静かに床に置いた。

 

「Wiiじゃァァァァァァ!!!!!!!」

 

「おおおお!!!!!!!!!お前どっから!メルロマルクで作ったのか!」

 

「違うな。ターニアに持ってきてもらった。」

 

「ターニア?ああ、ネメシスの同僚だ。」

 

「ターニア?」

 

「ターニア・J・ローズブレイドです。」

 

「アンタ女神か。見りゃ分かる。で?そのミドルネームのJって本当にJだけか?」

 

「ええ。」

 

「嘘ね。」

 

ターニアの発言にネメシスが答える。

 

「ちょっ!?」

 

「ほほう、俺はターニアの本名さえ初めて聞いたが、Jは略なのか。で?本当は?」

 

「ああ、それはね‥」

 

「分かった!分かったから‥私から言わせて‥」

 

ターニアは必死になってネメシスを止めて顔を赤くしてモジモジしながら答えた。

 

「‥‥‥ジョースターよ。」

 

ジョースター!!!

 

「プフッ。」

 

あ!リュウジが吹き出した。

 

「アッハッハッハっ!!!!ジョースターwwww」

 

「だから言いたくなかったのよ!!!!小学生の頃に、保護者から自分の名前の由来を聞いてこようって宿題が出て、勿論聞いたわよ!ターニアはローマの殉教者をもじったもの、ローズブレイドは代々私の家に咲く薔薇の葉っぱから。」

 

俺達は段々声が大きくなるターニアを黙って見る。

 

「ここまではよかったわ。素晴らしいわ。だからその流れで聞いたのよ。''ジョースターはどこから来たの?''って。」

 

「そしたら父が立ち上がって書斎から一冊の漫画を取ってきて言ったわ。''このマンガの主人公から取った''って。冗談じゃないわよ!なんで大切な一人娘に漫画の主人公の名前をつけるのよ!!!!そりゃ私だって読むわよ!!!今となっては好きな漫画だから!!」

 

「でもそれとこれとは別よ!!!次の日の宿題発表が恥ずかしかったわよ!!!今でも忘れないわ!!!私が発表し終えた後に笑った水色髪の女神のことを!!!!」

 

それを言い切ったターニアは一瞬あの時の女神の笑いが頭の中で流れた。

 

(ターニアってば……ププッ……ミドルネームの由来が書物の英雄ならまだしも‥‥‥‥‥マンガの主人公って……プークスクス!!!!超笑えるんですけどー!)

 

 

 

急にターニアの目のハイライトが消えて俺の足下に置いた酒瓶を一つ取ると片手で栓を抜き、ゴクゴクと呑み始めた。

 

一気に空にするとドン!と床に瓶を割れないように叩きつけた。

 

「ゲームやるわよ。さあ!早く繋ぎなさい!!!」

 

「だが、残念だ。テレビがない。うちのはただのゲームや映画観る用の壁に埋め込むタイプの所謂モニターだからな。持ってこれなかった。」

 

「心配するな。ここにある。」

 

そう言いリュウジはリモコンを取り出してスイッチを押した。

 

すると天井からスルスルと映画館レベルのスクリーンが降りてきた。

 

「ここは会議室だからな。ほら配線貸せ。つなぐから。」

 

俺とリュウジで配線を繋いでゲームを起動した。

 

「さて何やるんだ?」

 

「その前に乾杯だ。」

 

俺が酒を注ごうとしたらリュウジが横から瓶を取る。

 

「ほらよ。」

 

「ありがとうな。ほら、お返しだ。」

 

リュウジの手から瓶を取り、注いでやる。

 

「選んでくれ。」

 

俺は紙袋に入れたソフトを並べていく。

 

「おお!!!ス◯ブラに、マリ◯パーティに、Wiiスポー◯リゾートに、桃◯にマリ◯カート!全体的にマリ◯要素が強いが‥パーティゲームの醍醐味じゃねえか!せっかくだからスマブラやるぜ!!!」

 

「俺のスマブラは無茶苦茶だぜ!なんと!今までのキャラ&新しいキャラが搭載されてるんだぜ!つまりswitc◯版のス◯ブラが遊べるんだぜ!」

 

「ス◯ッチが何か分からないが、とにかく凄さは伝わってくるぜ!」

 

「じゃあ、俺はピットな。」

 

「じゃあ、俺はメタナイトだ。」

 

「私は‥リンクで。」

 

「サムス使います。」

 

来人がピット、リュウジがメタナイト、ターニアがリンク、ネメシスがサムスを使用して大乱闘が始まったのだった。

 

ーーーーーーー

 

「ハッハッハッハッ!!!!!一番乗りだぜ!!!!」

 

「俺の赤コウラが及ばなかったか。」

 

「やっぱりライトが勝ったわね!」

 

「くぅ‥賭けが外れた‥」

 

今は俺とリュウジがマリ◯カートをし、ターニアとネメシスはどっちが勝つかを賭けながら酒を飲んでいる。

 

「あ!そろそろですね。では私達はそろそろ帰ります。」

 

そう言い、ネメシスとターニアは立ち上がった。

 

「ライトさんは帰る時になったら受付に行ってください。そしたら私が道を開きますので。」

 

そう言って部屋から出ていった。

 

それと入れ違いに悪魔が2人入ってきた。1人は山羊の下半身でチンピラの様な顔、もう1人は凛々しい顔立ちをしており、蝿の様な頭に虫の羽根を生やした奴だ。

 

「誰?」

 

「お!アザゼルにベルゼブブじゃあないか!どした?お前ら、奉仕活動は?」

 

「終わったで?ほんで暇やから遊びに行こか?ってなったんよ。」

 

「ええ。それに異世界の勇者が来ていると聞きましたので少し顔を出そうと思った次第ですよ。」

 

アザゼルにベルゼブブて。ガチじゃん。ソロモンじゃん。

 

「俺は鎧の勇者、ライト・セーアエットです。」

 

「セーアエット?お前日本名はどうした?」

 

当然リュウジが聞いてくる。

 

「俺、結婚したからさ。それで妻は親戚はおろか、家族がいない。だから伊達になっちまうと家が滅んじまう。だから俺が変えた。所謂、婿入りだ。」

 

「へぇ、結婚か。そりゃなんかやらねえとな。」

 

「我々が置いてけぼりなのですが‥」

 

「ああ、こいつは俺を止める為にわざわざ異世界から乗り込んできてよ?まあ、結果的には俺が勝ったんだけど。だがコイツは強いぞ?なんてったってコイツ2回俺のこと殺したんだぜ?」

 

「あんさん、2回も殺されたんかいな。」

 

「で!今は別に敵対する理由はねえからな。仲良くなったって訳だ。」

 

「そうだ。お前ら暇だろ?wiiやろうぜ!」

 

「wii?」

 

「ああ、wiiかいな。」

 

そこからは、また4人でWiiをやりまくり結果だけいうと解散した時には朝日が登る頃だった。

 

「楽しかったぜ。リュウジ。それに2人も。」

 

「ああ、俺もだ。」

 

「たまに英雄が乗り込んでくるんやけど、あんさんみたいな奴やったらいつでも歓迎するで?」

 

「ええ、私も楽しかったですよ。」

 

俺とリュウジはガッチリと握手を交わす。

 

「「またな。」」

 




これにて、鎧の勇者の成り上がり。完結です。
今までありがとうございました。

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