【SZKちゃんで】がっこうぐらし_全員生存ルート 【完結】   作:黒巛清流

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タイトルめちゃくちゃガバってて自分でびっくりした。

今回も短め、というかモチベが落ちててヤバイ
あとハーメルンのディスコード鯖があったので入りました。
割とよくいるのでよろしくお願いします。


part16 みっかい

「…ん」

 

夜中ふと目が覚める。時計を見ると真夜中を過ぎた1時頃、私は体を起こし辺りを見渡した。

 

「(…しずく先輩?)」

 

しずく先輩がいる方の布団を見るとしずく先輩の姿はどこにもなかった。

扉を見るとほんのわずかに開いている。どこかに行ったのだろうか…

 

布団から出て窓を開けて空気を入れ替えてみる。少しひんやりとした風が頬を撫でた。

かれらの声もあんまり聞こえない夜の暗い街を見ていると声…いや、歌が聞こえる。

 

「~~~♪」

 

この声は…しずく先輩?

声が屋上から聞こえているようだ。私は他の人を起こさないように部屋から出て屋上に向かう。

かれらの声も物音もない、世界がこんなことになる前だったら一人では歩けなかったかもしれない。

屋上の扉を開けると透き通るような歌声が耳に届いた。

 

…あ、これ少し前にはやってた曲だ。

 

町でたまに流れていたバラード、声が大きくせずに静かに歌うので私も気に入っていた。

しずく先輩は私の姿を確認すると歌をやめてこちらを見てニッコリと笑う。

 

「…みきも眠れないの?」

「…しずく先輩もですか?」

「うん」

 

しずく先輩は柵に腰かけながら体をゆらゆらと揺らす。そんな月明かりに照らされたしずく先輩の顔を見ると…

 

「…え?」

「ん?」

 

目元に涙の跡があった。先輩が泣いた?

ここに来る時にくるみ先輩から話を聞いたが、彼女はとても堂々としていて表情を変えることもほとんどないと言っていた。そんな先輩が…泣いた…?

 

「あの、先輩…その…」

「…ん? あぁ、ちゃんと拭けてなかったんだね」

 

そういってハンカチで涙の跡を拭う。

 

「あの…どうして…」

「……夢を見るの」

 

今まで殺したかれらが自らの足にまとわりついて「なんでお前が生きている」「どうして死なないといけなかったの」と恨み言を吐いてくる夢、人の形をした何かがずっと周りにいてひたすらに言葉を続けてくる。

そんな夢を最近ずっと見続けているらしい。

 

「(…サバイバーズ・ギルト)」

 

戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら、奇跡的に生還を遂げた人が周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対してしばしば感じる罪悪感のこと。

私と初めて会った時、帰りの車の中でしずく先輩は寝ていた。くるみ先輩に聞いたがしずく先輩は動いた後誰かにその場を任せてすぐに寝てしまうらしい。

疲れたにしてもやけに寝るなぁって思っていたらしいけどそりゃそうである、夜寝れてないんだから。

 

「他の方に相談はしないんですか?」

「出来ないよ、足手まといになっちゃうし」

「…え?」

 

どういうこと?

私が首を傾げるとしずく先輩は話を続ける。

 

「私ね、足手まといなの。普通の子が出来ることが出来ないの。絵を楽しむことも色を見ることもテレビを見ることも本を見ることも、みんなが普通に楽しめることが私は出来ないの。だから、私は欠陥品なの」

「そ、そんなことはないです! しずく先輩には誰にも負けない耳があるって…」

「…化け物みたいなのに?」

「…ッ!」

 

聞かれていた…考えてみれば当然だ。周りを把握できるほど耳がいいのなら私の声ぐらい聞こえるだろう。

恐る恐る先輩の顔を見たが怒っている様子はなくそう思って当然だという悲しそうな表情をしていた。

え…どう…して…

 

「時々思うの。このまま体を後ろに倒して目を閉じたらいつもみたいな、朝起きて学校に行って悠里と話してそして帰って母さん達とご飯食べて…」

 

そういうとまた先輩の目から涙が零れる。私は不謹慎だが月明かりを背に涙を流すその光景にまるで一枚の絵画を見ているような感覚に陥った。

あぁ…私はなんてことを思っていたんだろうか…

この人は…普通の女の子なんだ…目が見えないとか耳が凄くいいとか…そういうことは関係なかったんだ…。

 

「…」

 

すると先輩が私の元に近づき、ポケットからハンカチを取り出すと私の目元に当てた。

不思議に思って目元に手を当てると涙が流れていた。

 

「え…なんで…涙が…」

「…みきも…辛かったの…?」

 

自分の感情が分からない、先輩の姿に自分を重ねたのか。もしも圭を助けに行こうと先輩が言わなかったら。そんな色々なものが一気に押し寄せてきて…。

 

「う…ぐぅ…」

「…」

 

視界がにじむ、口から嗚咽が漏れると先輩は私の顔が見えないように抱きかかえてくれた。

 

「私…圭が出て行ったとき…もう、私…ずっと一人ぼっちになるんだと思って…」

「うん…」

「このまま…圭が言ったようにただ…生きているだけになると思って…」

「うん」

「それならもう…いっそのことって…何回も…」

「うん、いいよ…今いるのは私だけだから…」

 

そのあと、私は大きな声で泣き。その間先輩はずっと抱きしめてくれた。




やるもんじゃないよね…ガラじゃないことは…

ちょっとシリアスっぽいことを書こうとしたら失敗
次回はちょっとネタとサブイベント

・えみねむ
・めぐねえのコスプレ
・るーちゃん、喋る

の三本立てでお送りしたい

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