GOD EATER「Past you and Now I」   作:Pumpghost

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お久です
すみません結構ブランク空いちゃったなあ。
妙にペースが乱れちまい対策を立てました
これからは週2回のペースで投稿できればと考えています。
付き合っていただければ嬉しいです。


回想-Deadly memory-

無線の状況が想定以上に悪い。先ほどヴァジュラを2体討伐の任務を急遽中止し離脱。理由は、オペレーターのフランから入った無線だった。

 

『フライアに急接近するアラガミを補足!今、稀羅さんが出撃しました。応援要請します!』

 

予想外の展開。タイミングが噛み合い過ぎだ。まるでこの時を待っていた様だ。ブラッド隊の台半が出撃する中でも、苦労した新米の稀羅を休憩させた。そのつもりが……かえって彼をこんな有様に。

 

「おい、ジュリウス!フライアは絶対アラガミに狙われないんじゃなかったのかよ?」

 

隣で困惑するロミオが問い詰めてきた。

 

「俺もその気だった。しかし何故……」

「ねえねえ、隊長。このヘリーもっと速くとべない?稀羅が死んじまうよー」

「現気象ではこれが最大だ。」

 

さらに、所詮は人民輸送ヘリ。速くても戦闘用の半分も飛べないだろう。折角の新米を失いたくはない。まして彼はきっと俺らブラッドに大なる存在になれる者だ。こんなところで死ぬべきではない。

 

「フラン、彼は?」

『既存の2体を撃沈、増援の3体の相手をしています!』

大した奴だ。まさか初見のガルム2体を独断でとは。だが、残り3体には持たないかもしれない。最悪、瀕死から死亡へと繋がる可能性も否定できない。

 

「……もう少しだけもち答えてくれ、稀羅!」

* * *

 

累計12分、ガルムと稀羅が交戦した場所から少し離れたところに着陸した。

 

「各員、稀羅を探せ!戦闘中である可能性もある。注意しろ!」

「「「了解!」」」

 

索敵開始、すぐにある異変に気づいた。

「静かすぎる。」

 

戦闘は既に終了しているのか?

 

「フラン、彼の無線は?」

『生体反応はありますが、応答がありません!』

 

だとしたら昏睡状態。幸い生き残ってくれていた。しかしこれ以上時間を引くわけにもいかない。

 

『あのー隊長?』

「どうした、ナナ?」

『あ、アラガミの死体がね?バラバラなんだけど、大丈夫かな?』

 

周囲を見ると、ガルムの象徴のガンバレットが本体から離れ、あちこちに転がっている。

 

「……なぜここまで……」

 

コアさえ回収すれば、活動は停止する。簡単に取れはしないが。ただ、こんな殺風景も久しい。

 

『隊長!聞こえるか?!』

「ギルか?なんだ?」

『稀羅を見つけた!おまけに血だらけの眼鏡も見つけたぞ!かなり衰弱している!アラガミの死体の上で……こいつ、寝込んじまったのか?』

「彼の意識を確認しろ!ブラッド隊、ただちにギルのところへ集合!」

* * *

 

稀羅はボロボロの神機を抱えた状態で、ガルムの死体の上に座っていた。燃焼で幾つか欠落したワイシャツやズボンと刃が傷だらけの神機は、戦闘の激しさを物語っていた。。

 

「嘘、稀羅ー、大丈夫なの、ねえ?」

「意識がない。気絶か?」

「疲れと負傷で気を失ったようだ、ロミオ、救援隊を呼べ!」

「お、おう!」

「し……し、白。」

 

刹那、稀羅のうめき声がした。姿勢は変わってないが。

「稀羅!気がついたか?」

 

目も開いてない。おそらく寝ぼけだろう。

 

「白は……どこ?どこだ。あいつを……殺さなきゃ。」

「っ!」

 

白、だと?稀羅がそう言った時、前言撤回せざるを得なかった。ただの寝ぼけではない。

 

「隊長、稀羅のやつ、完全に気を失っちゃった。どうする?」

「焦るな、救援隊が来る。」

 

そして後に合流した救援隊に彼を任せ、フライアへ帰還することになった。フライアへの報告書、ラケル先生への追求、施設関連事務員との議論と、様々な予定が頭をよぎるも、目はこの残酷な風景に釘付けられていた。主を失い転がる一方の手足、掘られたり盛り上がった地面、点在する血の池、焦げた跡……再現なんぞできる気がしない。

「白……」

 

彼は何を見たのか。なぜ、白を。いや、今はよしとしよう。とりあえず彼が意識を取りもどすのが先だ。それからでも遅くない。俺らを乗せたヘリはゆっくりとその激戦地を後にした。

 

 

 

「暗い。」

 

はじめの印象だ。意識はいつも体が停止すると、この無重力の様な世界にお邪魔する。ふわふわして、儚くて、一方では虚無感も絶えない。しかしそれが嫌だなとか、不気味だなとは思ったことはない。醜い現実という名の世界と一時的だけでもお別れできるから。疲れた自分には、この世界が余りにも大切だった。だけど今回は、唯一今回だけは、心から頼りにしていた世界があまりにも憎くなった。この世界が今回俺に突きつけたのは、他でもなく俺の過去だからだ。確かに記憶がない俺にとっちゃ必要だ。けど、こんな形での気づきは望んでいなかった。

 

* * *

 

「ガルムを倒して……」

 

暗い。黒、深い黒。光が届かない。

 

「死体をバラバラにして…」

もしここにずっといることになったら、普通の生物はどうなっちゃうんだ?

「その死体に座って……」

 

いつかは現実に馴染めなくなるのか?

 

「休もうと目を閉じて……」

 

なら俺は?

「ここに来たのか。」

 

ここにずっといたいと望んでいるのかな。嫌、わからないや。でも確かに今の俺は、まだここで休みたいと思ってる。だから、この世界で流されるままなんだ。

 

「外はどうなったのかな。みんな到着したかな。」

 

わからない。けど、いいや。俺はここにいるから。これが夢ならきっといつかは現実に引き戻されるだろう、嫌でもね。今日はどんな夢だろう。何を見せてくれるんだ、この世界は……

 

* * *

 

木材の壁、薄暗い家の中、その部屋で俺は佇んでいる。何と無く見慣れた部屋。どこだっけ、フライアに来る前の自宅の部屋とは違うな。あれ、そうなると……そこでドアが開いた。焦げ茶色のさらさらな髪をポニテールでまとめた、ちっちゃい女の子が入ってきた。後頭部でも蹴られた気分だ。何年か前なくした、まだ5歳の妹だ。名前はエイル。エイルは部屋のベッドの布団をその小さな腕で揺らす。

 

『にいちゃーん、おきてー』

『うーん、分かった。』

 

愕然した。これ普通の夢じゃないぜ。俺の過去回想だ。でもどうして。起こされたのは、ざっと10年前の、見間違うはずもない、俺自身。自分だと思った瞬間、頭に色んな情報が流れ込んだ。この頃、家族皆で暮らしていて、親父はサテライト拠点の医師を勤めていた。その息子の俺も必然的に親の仕事を手伝うことになってて、気がついたらあらゆる知識をつけていた。

『さあ、今日も仕事だぞ?父さんはF-14地区を担当することになったんだ。悪いが、今日はH-30地区を担ってもらえるか?』

 

あれ、普通父親って息子の名前くらい呼ぶよな?そもそも俺、この頃の名前はなんだったんだ?

 

『わかった。そうする。』

 

地区の名称を聞いた途端頭がふらっとする。確か、この日は……、不安が全身を這いずり回る。思い出した。そう、この日は、'何もかも失った日'。もともとお袋は俺が5歳くらいになって、急な病気に堕ちていた。病名は覚えていない。体力と免疫力の低下、といった症状を抱え込んだ、そんなお袋の代わりに働き始めたのはこの頃からだった。

* * *

 

その日は家からかなり離れた地区まで移動し、患者の手当てをすることになった。患者のほとんどは小型アラガミに襲われて怪我をした人だった。この頃は患者さん達と一緒に、神機使いの陰口を叩くことも少なくなかった。

 

『つぎのかた、どうぞ。』

 

10年程の前の自分は、どうも大人の風格は一切持たず、声もほっそりしている。

 

『やあ、まいど、今日も悪いね。』

 

見慣れた灰色の髪のお爺さんだ。でも……誰だっけな。

 

『きょうもすりきずですか?』

『ああ、おうがている、ってか?あやつの尻尾、なかなか鋭くてな。』

『もうこれで10かいめですよ?』

『はは、でもなあ俺が働かないと誰も生きれんからなあ。』

 

選ばれし人間、ゴッドイーター。それ以外の人はもうドン底の生活を強いられた。逆らえない。そうした瞬間、この世界では生き残れないから。一方で俺としては、何故こうにも人は生きたがりなのかと真剣に悩んだのもこの時期でもある。

 

『これで、いいですかね。』

 

大人の半分小さい手が、老人のシワだらけの腕を撫でながら、薬を塗り、包帯を巻く。この時点でもうかなり慣れてたみたいんだ。

 

『おう、ありがとう。』

 

笑顔でかえる患者。かつてはこういう笑顔が見たくてこの仕事を続けたいと思った。多少生活面はきついが、それでも誰もが希望を捨てない幸せな街だと、誰もが思った。ここほど頑張って生きる街も少ないと。だが、いずれはこういう街も神に壊されるものだった。

 

* * *

 

病院に、警報が鳴った。そう、患者と医者関係なくみんな慌てて外へ出た。そして目の前に開かれた地獄に目を疑い、四肢を震え、泣き、脆弱に崩れていった。

 

『お袋、エイル!』

 

口では叫ぶものの、なかなか走れず、おどおどする俺を、他の医者さんが促した。

 

『君!直ちに家に戻って、外へ避難しなさい!ここはもうだめだ。運搬車両に乗るんだ!ここでの後始末はこっちがするぞ!』

『で、でも、』

『いいから、行きなさい!』

『は、はい!』

 

走り出す昔の自分を追いかける。向こうの自分のように、今の俺も胸騒ぎが治まらない。見てはいけないと体が反応する。この先、自分として最も辛い光景が開くのだと。それでも足は止まらない。やばいのはわかるけど、それでもここまで来てしまったら、もう見ない方がずっと後悔することになる。

そして、目の前の少年について行きながら着いた先に、炎の海に塗り潰された家屋が並ぶ……自分の家は、何かにもぎ取られた様に、半分に減っちゃっていた。

 

『う、うわああっ!!』

 

家に飛び込む少年、その目には、バラバラの人間の残骸が映った。

『親父!エイル!お袋!』

 

信じたくないその一思いにかられ、我を失い、頭を抱えうずくまる少年。

 

「やめろよ……」

 

親父の白衣を着た、死体の左半分。その手に光る何かが握られてる。

「俺が何をしたってんだ?」

 

さらに首のないその半身に、その横の白い足。室内用の靴下が紅く染められていた。

 

「もう、やめよう……お願い……もう」

さらに離れたところで惚けた表情で天井を見上げる……

「ここまでしなくてもいいだろ、ねえ」

ポニテール女の子の……首、そしてそれを片足で踏んで立っている……

「本当にもう……」

 

炎をその黄色い目に写す白いアラガミ。

 

「……ぃやめろおお!!」

 

昔と現実の俺が、あいもかわらず、叫びだした。

 

* * *

 

「稀羅さん?稀羅さん!」

「うはっ!」

 

戻された意識と……ぼやけた目の前と……白い部屋。ここは……はじめて天国と勘違いしちゃいそうな……現実だ。




回想っと。
もう少し詳しく書いてもよかったと思いますが、少しずつバラして行くにはこの程度がいいと思いました。
さて、やっと、現実っす。(まずいな遅すぎる)

ひ、引き続きお願いします!
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