GOD EATER「Past you and Now I」   作:Pumpghost

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時間帯遅くなりました。すみません。毎回見てくださる方に感謝込めます。


戦場への帰り-Black cat loves electoronic-

ほんのり病室がオレンジの光に包まれた。結局本に夢中になってたまま、徹夜をした。疲れと達成感が入りまじった気持ちで本をベットのそばのテーブルにおいた。

「後4日か……」

 

フランさんが言っていたフェンリル本部の方針による、所属支部の護衛。正直、神機使いにとってはただの罰に思える。

「そんな最中に今から復帰してもなあ。」

 

今日もベット過ごしかと嘆いてたら、ドアをノックする音がした。

 

「……どうぞ。」

 

普通の人はなかなか起きない早朝に、フランさんが入ってきた。何時間寝てるんですか……

 

「おはようございます……やっぱり眠れませんでしたか?」

「その分、こいつは読み終えました。」

「読める読めないでこんなに差が出るなんて……」

「まあ……」

 

苦笑しながら彼女にその本を返した。両手で大事そうに抱えることから、もしかしたら誰からもらったのかなと思わせた。

 

「具合は昨日と比べてどうです?」

「好調です。といっても寝なかったから少し疲れてます。」

「では、担当医の方を呼びますので、」

「お願いします。」

* * *

 

後に担当医がいらした。特にこれと言ったことはなく、ちょっとした諸注意を聞かされてすぐに解放された。服装が病人用のパジャマだし、そもそも行く当てもなかったんで、とりあえず自室に戻ることに。自室に着くと、その前でジュリウス隊長が立っていた……ここの人間たちって普通に睡眠取らねえのか?

 

「……今日で退院だと聞いた。」

「おはようございます。いつからここに?」

「ついさっきだ。届き物でな。」

 

ジュリウス隊長かから新しい服を手渡された。受け取った時、服の質感と重さからして、かなりの高級素材だってのがよくわかった。

 

「わあ、ありがとうございます。てかいくらだったんですか?」

「支払いは結構、これは俺からの謝礼だ。」

「謝礼?」

「隊員を一人戦わせて、負傷を負わせた。その責任は俺にある。」

「いやいや、あれは不測の事態ですよ……しかも俺の独断行動だったから、」

「いい。気にせず取ってくれ。ズボンは洗濯したが、シャツとチョッキは少し焦げていたので別の物にした。生憎、パッションというものにはロミオより疎いが、気に入って貰えると助かる。」

 

そんなかっこいいジャケット着たままで言わないでください。全然説得力ないですよ……

 

「いやいや、もらう側は嬉しいだけです。少しでも長持ちさせます。」

「ならありがたい。では、俺はこれで失礼する。お前の体調が整う次第に部隊に戻す。いつでも申し出てくれ。」

「了解。お疲れ様です。」

 

言葉が硬くてちょっと不器用だが……あの人も情ってのは持ってるんだな。隊長から貰った上は黒いワイシャツに黄土色のチョッキ。早速部屋で着替えてみたが、全然問題なしだ。うん、割と合ってる。派手過ぎでもなく、動き安い。

 

「後は……飯か。」

 

自分でも笑っちゃうくらいダサい残りの仕事だ。

 

* * *

 

食事を済ませロビーに戻ると、退院した自分を歓迎する者もいれば、もう退院かと心配する者もいた。

 

「んまあ、あれだ。どうやら、ラケル博士ってのが、残り4日の待機命令を解除しようと本部に持ちかけてるみてえぞ。」

 

ギルからの最新情報。

 

「ラケル博士って案外見えない所で頑張る人よねえ。」

「ラケル先生はああでも強い権力の持ち主でもあるよ。きっと解除されるんじゃないかな?」

 

ラケル先生……か。前回一度だけ会っただけだが、車椅子の可憐なお嬢様、というイメージの裏に、なんか黒くてもやもやするのがある様な気もしたんだが……

 

「ロミオさんはよくラケル博士のことを先生と呼びますよね。何か訳でも?」

「ん?あー、昔はラケル先生が運営する児童館にいたから。そのせいかな?」

「児童館?」

「マグノリア-コンパス。アラガミに被害を負って孤児になってしまった子供を育てくれる場所だよ。」

「へえ、そこまで気を配っているんですね。」

「だろ?やっぱ凄い人だよ。ラケル先生は。ちなみに、ジュリウスもそこにいたよ。」

「って事は昔からの知り合いですか。」

「まーね、顔自体合わせる日が少なかったけど。」

 

一つの児童施設でもそうだってのは……施設自体がでかいってことか?

 

『フライアの神機使いの方々に連絡します。』

 

軽く振動する無線で耳奥がくすぐったい。フランさんの業務連絡だ。

 

『先ほどフェンリル本部より重要指令が入りました。至急ミッションカウンターの前にお集まりください。繰り返します……』

「おおお!ついに復帰か?!」

「さーな、にしてもずいぶん早いな。稀羅が目が覚めた頃に要請をしたと言うのに。」

「わあい、あのアラガミを叩けるんだね?行こう行こう!」

「確定してないからあんまはしゃぐなよ。」

 

* * *

 

「全員いるな。」

 

ブラッド隊が集合すると、ジュリウス隊長が人数を確かめる。

 

「全員集合です。」

「そう。では先ほどラケル先生からの知らせだ。只今を持って、ブラッド隊のアラガミ討伐任務が許可された。」

 

全員が歓声をあげた。まあ、そうよね。病室でくたびれてた俺とは違ってずっと退屈だっただろうな。

 

「ただし、条件もある。もし今度もフライアがアラガミに狙われる状況に陥ったら、その時は防衛期間が延長される。」

「おいおい、隊長。そっちも俺たちせいになるのか?」

「周りのアラガミを徹底的に潰せなかったという事だ。」

「人員も少なく、移動し続けるフライアは不利じゃないですか?」

「残念ながら、上層部はそれを認めてくれない。これからはより賢明な任務進行が必要だろう。」

「賢明かー……」

 

ナナだけでなく、全員で頭を抱えて考えて始めた。

 

「フライアは今何処に向かっているんですか?」

「何故それを?」

「アラガミが多く発生する地域かどうかを聞きたいです。」

「極東地域に向かっている。通りすぎるかどうかは未定だが。」

「極東?」

「世界で最も多種多様なアラガミが出てくるという場所だ。」

 

アラガミ豪華セットは勘弁してくださいな。

 

「徹底的に潰すなら……先に大雑把にアラガミを蹴散らす突撃隊……あと、倒しきれなかったアラガミを後から片付ける防衛隊が要りますかね?」

 

けろっと吐いた言葉に皆目をむいた。いや、どう考えてもそうでしょ?

 

「確かにいい提案だが、今のブラッドは5人だ。更に、まだ血の力に未覚醒の諸君が多い。」

「えー、なら、ジュリウス隊長が皆の前で引っ張ってくれるといいじゃん!」

 

ナナ、お前も案外プレッシャーかけてないか。

 

「いや、俺は無敵ではない。」

「5人といっても大体の戦闘はできますよ?突撃隊に……ジュリウス隊長をいれて3人ってのはどうです?」

「お、それいいんじゃないか?」

「だが稀羅、それでは防衛隊に負担をかけることになる。」

「じゃ、俺がつきます。あと、ギルも。」

「おい、稀羅、おま勝手に……ま、いいか。」

 

ギルが文句を言いそうに見えたが急にやめた。ちょっと間違ったのかな?

 

「稀羅とギルか。いいのか?」

「突撃隊がしっかり潰してくれるなら、こっちは楽チンです。」

「……よし、ではまずその形で進めて行こう。うまく行かないならまた変更する。」

「「「「了解!」」」」

 

しばらくこれで持ってくれるといいけどな。

 

* * *

 

短い会議後、すぐにフライアの近くでアラガミが見つかった。俺らの作戦どおりに各隊に任務が配置され、俺は急いで本部からのプレゼントを全部神機に注ぎ込んだ。その結果、刀身は緑線が光ることになり、銃身はクロガネ製のショットガン、装甲もクロガネのタワーシールドになった。

突撃隊のジュリウス隊長に、ナナ、ロミオさんはすでに出撃した。残りのギルと俺は、フライアの後方のアラガミを討伐する任務にあたる。

 

「言いたい放題言って、いまさらだけど……良かったの?俺と防衛隊になって。」

「はっ、ほんといまさらじみてるな。気にしねえよ。むしろお前さん組んだ方がよっぽど行けるぜ。」

「ベテランからニュービーにプレッシャーかけられても何も出ないぞ?」

「よせよ、ベテランは。」

 

今度のミッションのステージ付近に着いた。正午を過ぎ、移動に時間を食らったせいか、ヘリの窓から夕日が差してきた。

「今日のステージは贖罪の町……だっけ?」

 

任務内容を再確認する。知らないステージである分、ちょっとばかり不安だ。

 

「ああ、中央に教会がある、中々広い戦域だ。行ったことは?」

「ないね。」

「ま、相手はヴァジュラだ。どうせ猫だから。」

「猫?」

「俺たちの間ではそう言う。本来は、電気を操る虎、が正しいかもな。けど、ほとんどが次の種別に進化しちまうからそう強くもねえ。」

「進化って、何に?」

「似た種別に二つタイプがある。悪いが名前は忘れた。ただ、進化すると中々手応えのあるやつになるぞ。」

「主に突撃隊の仕事になるな。」

「というわけで、ちゃちゃと片付けて帰るぜ。」

「了解。」

『フランより、稀羅さんとギルさんへ、間も無く戦闘エリアです。無線の具合はいかがですか。』

 

左耳から無線が入った。って、突撃隊の方にじゃなくてこっち?

 

「良好、てかフランさん、向こうの方につかなくて良いのかよ。」

『ご心配なさらず。別の職員が担当することになりました。』

 

ならいいが。

 

「降下地点まで後どれくらいです?」

『1分弱です。』

 

視察も兼ね、ヘリのドアを全開した。眩しい夕日が目を刺激する中、足元に町の風景が広がる。

 

「うわ、すご。」

 

宗教と経済が一体化していた大都市。あちこち崩れ色あせた建物は、当時の繁盛だった一面はちっとも残してない。最も印象的なのは、地面と建物に無数に残った丸く掘られたくぼみ。深いのは建物に完璧に穴を作ってしまっている。

 

「あの窪地か?全部アラガミが食った跡だってな。」

「とんだアートだぜ、全くよ。」

『目標はヴァジュラ一体。先ほど戦闘エリアでの反応を探知。準備はいいですか。』

「OK。」

「いつでもいける。」

『……どうぞ、』

 

ワイヤーなしに高度100メートル上から飛び降りた。普通の人間なら即死するだろうけど……

 

「よいっと、」

 

神機使いとして移植したオラクル細胞が強化し尽くした体は、ソフトに着地した。

 

「さーて、行くぞ、俺は西を索敵、お前さんは東を頼む。」

「了解。」

 

神機を肩にのせたまま、巨大な建物の壁に沿いに走り出した。よく見ると壁がかなり損傷して、鉄骨がむき出しになってたりしてる。しかし中でも夕日に輝くモザイクガラスもまだまだたくさんだ。

 

「これが教会?」

『そう。ああ、ここは俺が入るぜ。』

「よろしく。」

 

吹き抜けに出た。変なコンテナがいくつか積もった広いフィールドで戦闘はしやすそうだ。そのまま何かの建物の側面の穴に入り、壁に隠れながら奥に進む。一番奥に来てそーっと覗くも、なにもなかった。

 

「ちっ、いない。こっちは外れ。」

『あいよ。教会も異常なしだ。』

「西に行く。」

 

東の建物から出て、先程の教会の表に回った。特に何もないのでさらに西側にすすんで、西側の吹き抜けに出た。だが、何かでかい奴が見え、すぐに教会の外壁に隠れた。

 

「げっ、あいつなのか。」

『どうした?いたか?』

 

顔だけ出してもう一度確認する。うん、いるね。

 

「四つ脚獣に赤いマントみたいな鬣がある。毛の色は黒と白。」

『間違いねえ、何処にいる?』

「西側の吹き抜けだ。今どこ?」

『西側の端だ。すぐに向かうから先に始めてくれ。』

「了解!」

 

壁から飛び出した。奴もこっちを見つけた様で、警戒態勢で空へ鳴きだした。化け物として少し薄い声。あれ?おかしい。ガルムの時みたいな頭痛がしない。

 

「……今はいいっか。」

 

ヴァジュラの赤い鬣が逆立ちに、電気が血走った。すぐにそいつの正面に幾つかの電球が並び始めた。

 

『稀羅さん、討伐対象との接触を確認しました。』

「……フランさん、され何ボルトですかね。」

『すみません、私にもわかりません。とにかく素早い動きに注意してください。ガルムに決して劣らない筈です。』

「い、今更それを?!」

 

こっちへ飛んでくる電球をシールドを開いて3球防ぎ、距離を詰めた。すると奴の周辺が妙に光りだした。おい、まさか。ちょっと嫌な予感がしてすぐにかかとを立てて後退。次の瞬間、広範囲に放電が生じた。

 

「うおおっ!」

 

下がって良かったぜ。あれ絶対ビリビリして痛いだろ。ヴァジュラは続きに、全身に電気を纏い始めた。痛くないんですか?呑気にそんなことを思ってたら、いきなりトップスピードで体当たりを仕掛けてきた。

 

「げっ!」

 

ビリビリするその体をガードで受け止めた。幸い、この装甲は電撃も吸収してくれた。フランさんの丁寧な忠告どおり、速い上に電気もとても上手く扱ってる。

 

「ふっ!」

 

ガードを収納するのと同時に、真上から振り下ろした神機が奴の前足に当たった。が、余りにも微かで、爪を砕くだけで終わる。多少怯んだヴァジュラがもう一方の足で振り出した 。バックダッシュでかわし、すぐにステップで接近しその顔を飛ばす気で横に振った。しかし奴が先にバクターンで下がってしまった。

 

「本当、猫だなてめえ。」

 

よくもあんな巨体で。けどよく見ると、一つ一つの動作の後の隙が多少大きい。バクターンから着地したヴァジュラが今度はがむしゃらに走ってくる。これ、ガルムの攻撃と似てないか?

 

「えーと……踏み潰す気か?」

 

衝突する寸前に、左にステップで回避しながら、神機を右にはみ出させた。手首が折れない様に力を入れる。

 

「くっ!」

 

少し腕の衝撃があったが、やつの顔に神機を埋め込めた。不快な柔らかい感触がした直後に、思いっきり前に神機を振り抜いた。ヴァジュラの顔が半分砕かれた。痛みにヴァジュラの前足が崩れ、その巨体が急停止し、ダウン。

 

『敵、ダウン。結合崩壊を確認、オラクルが一気に乱れました。捕食か追撃をしてください。』

「捕食はいいです!」

 

砕かれた顔からはみ出た赤黒い血と黒い組織が傷を修復できずに外に流れ出した。走り出し、再び前足を狙う。

 

「今度は当ててやるよ!」

 

空中に跳躍して、一回転の力を加えた神機をもう一度垂直に下ろす。立ち直ろうとしたそいつの足を両方飛ばした。

『敵、ダブルダウン!捕食とフィニッシュ両方可能です!』

『そこは俺も頂くぜ!』

 

振り向くとギルが高速で槍の神機を突き出して突進してきた。バスターとはまた違った特殊な黒いオーラに包まれてるんだが、これがとてつもなく速い。超高速の神機はそのまま後ろ足を貫通し、ヴァジュラの後半の体に窪みを開けた。あやー、ヴァジュラの悲鳴が絶えないわ。痛いよなそりゃあ。気を使いながらもプレデタフォームでその下半身を頂く。そのせいで出血が増した。もうあちこち壊れたヴァジュラは先みたいに動ける気配すらない。

 

「さーて、」

 

ゆっくりやつの前方に廻り、頭を神機と一緒に地面に突き刺した。グニャリと顔が一気に歪む。わざと一度外し、左に出した神機を両手でささえ、再び顔にアッパーを入れた。更にジャンプして、片手で神機を半分やけに振り下ろした。気づいた頃には頭がもう原型を保っていなかった。

 

『おいおい、そこまで殴ったら即死だろ、普通、』

「いや、前回は死ななかったよ。」

『……アラガミの活動停止を確認。またもこんなに早く仕上がるなんて……』

「んじゃ、コアは俺が抜くか?」

 

大きく展開したプレデタフォームで残り体をほとんど全部咥えた。骨が幾つか折れる音がして、やがて捕食も完了。

 

「いいねえ。でも稀羅のせいであっけなさ過ぎたぜ。」

「別にいいだろ?さっさと終わらせた方が。」

「ちぇ、こいつはいたぶるからこそ狩り甲斐があるってのに。」

『ギルさん、今の発言はオープンチャンネルでは控えてください。』

聞き耐えられなかったフランさんの無線である。

 

「おっと、いけない。」

「いや、お前わざとでしょ。」

 

回収したコアは赤く球型の拳くらいの大きさだ。宝石みたいに何だか綺麗に光る。これが単に研究素材として使われるってかなり勿体無くないか?

 

『任務終了です。ただいま帰投準備にかかりますのでしばしお待ちを。』

「へい。」

 

二日ぶりの復帰戦はヴァジュラの早急掃討で、特に辛いこともなく無事に幕を下ろした。




ヴァジュラ、ねーこ、ヴァジュラ、ねーこ
もうはっきりいってディアウスピターとやっちゃったらヴァジュラは猫にしか見えませんね。バスターでも余裕になります。ましてやショートの方はどうかと。

さて、大きく原作から外れ、ようやく戻りました。当分、原作通り進めないと…
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