GOD EATER「Past you and Now I」   作:Pumpghost

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どうもです。
一応日曜出せたものの、時間ひどいっすね。
とりあえず、今回もどうぞ。


整頓されていく各様の歯車-Other's feeling-

「へえ?120発かあ……」

「ああ、一応サブマシーンガーンとしては当たり前にもなるがね。」

「弾倉はマックス何個?」

「俺は3個ね。先輩には4個持つ方もいるけど。」

 

懲罰房での14日目、昨日から入れ替わった特殊部隊の兵士さん(男)と、彼が肩にかけている銃で話が弾む。

 

「じゃあ、あの時俺が強引につかったのは別のものかもな。」

「うちらのベテラン2人を病室送りにした事か?」

「え?あれでもベテランなの?」

「ああ、それがな、こっちの話なんだが……」

 

急に声を抑える。

 

「この特殊部隊とかなんやらって、成立して1年すら経ってねえんだ。」

「最悪だね。」

「最悪さ。年齢も実力もバラバラで、統率する隊長さんも面食らっているさ。逆にそっちはどうなんだ?ブランドってのは?」

「まあ、メンバー間の多少の衝突はもちろんあるけど、」

 

脳裏では例の2人のことが……

 

「別に支障はないと思う。」

「あんな化け物たちになんの役にも立たねえ民間の部隊より、あんたら神機つかいになればよかったものを。」

「適合は?」

「ご覧のとおり、無理だったぜ。ったくよ。」

「今にもなりたいとは思ってるか?」

「さあな……あの時、自分の限界を知った頃にもう諦めたからな。」

「そうか……」

 

ドアを間において話しているものの、なんとなく今の彼の表情を伺える。

 

「あんたはどうだ?」

「うん?」

「神機つかいになってよ、後悔はしてないのかってさ?」

「今のところ、ないね。」

「ははっ、そうか。なら助かる。」

「まだ夢見れるから?」

「そのとおりだぜ。」

 

人はやはり生きながら、自分と性に合う人とは確かに会えるみたいだ。その証拠に、相手が何を思っているのかさえも、素直に心から読み取れる。たとえ会って間もないといえども。

 

「それより、」

「うん?どうした?」

「明日で釈放だな?」

「……そうね。」

 

一気に押し寄せる現実感。同時に、せっかく気のあったこの人との別れも、言われずとも自覚する。

 

「また会えるかね?」

 

向こうも考えるのは一緒のようだ。

 

「会えるといいね。珍しい組みだしな。」

「ははっ、そうね……わりいな、変なこと言っちゃって。」

「いや、いいさ。」

 

14日目は最後まで彼との会話でゆっくり幕を下ろした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

1日目から早速ぶっ壊した手錠については、結局なんの処置もされなかった。しかもそれを特殊部隊が気づいたのは、釈放日の今日でやっとだ。忍び笑いを漏らしながらエレベーターで10階に上がる。

さて、今は昼間。みんなミッションにでも行ってるのかね。

呑気のまま見据えた、開いたドアの向こう。頭に浮かべたあの5人が並んでいた。

 

「……どういうシチュエーションっすか、これは?」

 

おいおい、集団でサボりか?まさかの。

 

「あー!来た!副隊長ー、」

「お待ちしておりました。」

「ったく、長いもんだな。」

「やっと帰ってきた。」

「おかえりだ。副隊長。」

 

全然気にせず言いたいこと言ってくれるな。

一方で2週間ぶりのチームメンバーは、誰もが傷も、除隊も、何もされていない。そう、変わっていなかった。本当は単にそれが、嬉しくも思える。

 

「ミッションとか大丈夫なのかよ。」

「最初の言葉はそれか?もうちょっと他に言うことあるだろ?」

 

ギルに指摘され、あえて口にした。

 

「はいはい……ただいま。」

「「「「「おかえり!」」」」」

 

待ってかのような返答。

とりあえず、これでいいか。どうせ細かいのも後でうるさいほど聴けるだろ。

ゴッドイーターとしての騒がしい日常がもう一回動きだした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「護衛任務時、副隊長が最初にお気づきなされたアラガミについてです。」

 

メインホールへ入るなり、シエルを中心とした、ブラッドでの情報交換が始まった。ちなみに場所はディスプレイの前。

 

「まずは、これを。」

 

リモコンを操作し、2つのファイルを取り出す。2つともなんらかの曲線グラフだ。一見して思ったのは、

 

「似ているね。」

 

波の増幅から、その数まで。完全一致まではいかないものの、まるでコピーしたものに少しだけの手を加えられたような形。

 

「ええ、この2つのグラフは非常に似ています。上の緑のはマルドゥークの、下の赤いのがアンノウンとされるあの時のアラガミです。」

「マルドゥーク……か。」

 

否定はしない。元を言えば、あの鳴き声自体をきいてすぐに思い出したのがそいつであるもんだ。

 

「この2つのグラフより、2頭のアラガミが同種別であることが明らかなのですが、問題は、どれが進化以前で、進化以降なのかがはっきりしないのです。そこで、実際にそのアラガミ双方に対峙した副隊長の意見が聞きたいです。どれが、進化以降だとお思いですか?」

「俺はどっちかと言うと片方は超遠距離で見たものに過ぎないぞ?」

「それでも、部隊全員が感じ取れなかったのを、唯一聞き取った君にこそ聞きたい。感覚だけでもいい。」

 

と言われましても隊長さんよ。

 

「はあ。これはあくまでも俺の直感だよ?あてにしないでよね。」

「お願いします。」

「進化したんだと思う。あのアラガミは。」

 

集まった全員の顔が引き締まった。

 

「なんだか覚悟してましたという顔ね。」

「はい。実は、まだ幾つかの情報があります。まずは、副隊長が聞き取りなさったあの金属音についてなんですが、なぜか隊長の無線機のほうにのみ記録されておりました。」

「はあ?嘘だろ?」

「私が調べた結果です。稀羅さん、帰ってきたのなら挨拶一言くらいください。」

「は、はい。すみませんでした。」

 

フランさん、出るタイミングが神の領域だとは思わないんですか。てか明らかに怒ってるな、この人。

 

「私のパソコンの端末には、みなさんの無線機が記録したあらゆる音をセーブしています。」

「それが、こちらです。」

 

次に出されたファイルは小さく6つ。ミッション当時の時刻が表記され、一本ずつ緑の線が引かれたままブルブルと震えている。

 

「音波探知機といって、音を識別する機械の表記です。」

 

そして、上から2番目のグラフが突然上下に激しく動きだした。連れてあの時に聴いた金属同士を摩擦させるかのような音が響く。

 

「そう!あれだよ。あの音。誰も聴いてないの?」

「正直、ここで聴いたのが副隊長以外は初めてです。」

 

逆にすごすぎて笑えない。

 

「結果、この音は副隊長の仰るとおり、なんらかの金属の摩擦もしくは連打の音と判断しました。また、この音は……マルドゥークには備わっていません。」

「やっぱりそうなる?」

「稀羅さんだけが聞き取ったといのが私は不思議です。どの無線機も性能の差はないのですが。」

 

この点についてはオペレーターのフランさんも答えを出せなかったみたいだ。

 

「それで、他には?」

「はい、最後はこれです。」

 

既存のファイルがすべて消され、3つのファイルが浮かぶ。

 

「これはラケル先生の助けで得られた、偏食場パルスの記録です。稀羅さんがあのアラガミと出会った時、そのアラガミが消えた後、そしてその後の様子です。」

 

最初のファイルは記録なしだ。そう、確かフランさんも見つからなかったっけ。

2つ目は大きい赤色の円が多数重なって表記され、最も中心から離れてしまったところでその数値が出ている。3つ目は2つ目よりも小さな円が中心の付近でウロウロしているかのような形だ。

 

「にしてもラケル先生はどうやってこの記録を全部とってるんだ?」

「ラケル先生の研究室には、24時間フライアの半径4キロメートルまでの偏食場をチェックできる機械があるそうです。」

 

便利なもんで。

 

「それで、やっぱり。あつつが叫びだした直前までは何も表示されてないな。」

「そこでラケル先生と私が出した1つの結論ですが……」

「出せたの?」

「はい。推論に過ぎませんが。あのアラガミはマルドゥークの進化種のゆえ、新たにできることが増えている。その1つは、固有の偏食場を自由に隠したり表すことができるということ。」

 

ぽかーん。ってのが俺の第一反応。おそらくほとんどみんな同じだとは思うがね。

 

「その偏食場はどうやって記録されるんだ?」

「よろしければ説明しますが……」

「いや、ごめん。また次回にしてくれ。」

 

絶対パンクするわ。

 

「つまり、あれか?通常のアラガミなら絶対できるはずのないことをできていると……。」

 

ギル、お前は賢くてよかったな。

 

「そういうことです。アラガミとなった以上、必ずそれが手にするのは偏食場です。これはコアというものをもつ彼らには、いかにも自然のことです。」

 

コアか。

 

「んじゃ、あの変なアラガミのコアはいきなり消えたり、生えたりするのかなー?」

 

な、ナナ。さすがにその予想は今の説明と食い違いすぎだよ?

 

「あり得なくはありません。」

「まじで?」

「もともと記録にない時点で、私たちの常識や予想を越えたということです。ここまで来たら、もはや常識を外すことだって必要でしょう。」

 

真顔で言わないでくれ。今その常識ってやつさえも完全に押さえてないから、俺は。

 

「それで、記録はそれが全部か?」

 

隊長が仕切り直す。

 

「あ、はい。とりあえずあまりわかっていることが少なすぎる、という点でしょうか。」

「足りない情報はいつかは得られる。急ぎすぎても無駄だ。ただ、今俺たちが抑えなきゃならないのは……」

 

全員の目が隊長に向く。

 

「あのアラガミはいずれ大きな脅威になりうるといったことだ。」

「そうね。あの子が来たら、また赤い雨が降っちゃいそうだし。」

「赤い雨って、前の神機護衛任務の時に降ってたやつ?』

 

やっとロミオ先輩の口も開く。

 

「あの雨に濡れるとマジでヤバイんだよね?」

「なんだっけ、あれでしょう?こくしゃ、こくしぇ……」

あ、それってもしかして……

「黒蛛病。」

 

シエルから答えが出た。

 

「赤い雨に濡れることで、高い確率で発症する病、通称は黒蛛病。現段階において有効な治療法は確率されておらず、発症した場合の致死率は、100%とされています。」

「ぬ、濡れなきゃいいだけだよ。」

「病気は嫌だね、食欲なくなっちゃう。」

「いや、むしろナナは増すと思うぞ。」

「むー、副隊長、それ酷くない?」

「さあな。」

 

とか言ってる自分のなかでも、今の説明でなんだか頭が少

し痛くなった気がする。これは確か前にも、なんらかの記憶がもどる度の症状。

 

「赤い雨の話についでだが、副隊長、今この付近は3日前から赤い雨が続いてる。そのせいでミッションはできていない。」

 

ギルからのありがたい情報。

 

「それで今日全員、俺の釈放に迎いに来れたのか。」

「そのついでに、ブラッドのみなさんに連絡です。」

 

今度はフランさん。

 

「今日午後7時ころ、極東支部に到着する予定になりましたので、各自の荷物をまとめてくださいね。」

「「「ええええ???」」」

「へえ、もうそんなに。」

「なるほど、至急取り掛からねばな。」

「了解いたしました。」

 

彼女の連絡に驚いたのが誰なのかは言わないでおこうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

情報交換の直後、ブラッド隊は各自の部屋に戻り、荷物まとめに忙しい他なかった。ただし、一部の人のみ。

その例外の俺は、前に洗濯をし、干していたジュリウス隊長がくれた服装に着替え、ブラッド制服の洗濯をしていた。

 

「でもまあ、まとめるもんはないね。」

 

1ヶ月もいたわけでもないんじゃ、こんなもんだ。ずっと部屋で洗濯機を眺めているのも変で、静かになったホールに下りた。頭のなかは色んなものでぎゅうぎゅう詰め。少しでも解消しようとついでに、次のミッションでの支障がないようにと訓練を受けることにする。

 

「あ、稀羅さん。」

「まとめるものもないんで、」

「そうだと思いました。じゃあ、訓練ですか?」

「とびっきり面倒なものでかつ、時間潰せるやつで。」

「それではダミーの60体を3体同時に出すという仕組みでやって見ましょう。」

 

おお、彼女もやる気あるみたいだ。

 

「了解。今から向かいますんで。」

「……あの、冗談のつもりでしたが……」

「……に聞こえませんよ。」

「なぜですか?」

「逆に誰が今のを冗談と思えるんですか?」

「…………」

「…………」

「……ぷっ」

「ちょ、」

 

そこで彼女が、リミッターが外れ軽く笑ってしまう。にしてもなんで笑っちゃったんだろう。

 

「んもう、冗談の聞かない男。」

「仕事柄での冗談は控えてくださいよ。」

「でもこれで、はっきりしたんじゃありませんか?」

「へ?」

「また……無茶しようとしてますし。」

「……すんません、」

「よろしいです。全く、なんですか前のミッションは。自分を囮にしてみんなを助けようとなど。一歩間違えば、稀羅さんがシエルさんの立場になりましたからね?」

「はい。」

「ふう。といっても、どうせ向こうでも無茶しそうなのが目に見えです。」

「成り行きなんですから少し理解……」

「できません。」

「はい。」

 

ダメだ、勝負かけるんじゃなかった。

 

「せめて……」

「?」

「また会った時に、ボロボロの状態でも生きていてください。命令ではありません。私個人の願いです。」

「生きていろ……と。」

「ええ、死んだら、一生その魂まで恨んであげます。」

「……はい。」

「ふう、いいですよ、もう。訓練、入りますか?」

「えー、はい。多少控えめってことで、小型を1体ずつ50体討伐で……」

「却下。」

 

ですよね。

 

「と私がいくら言ってもやるんでしょう?」

「え?」

「一先ず10体で。様子見て、ガンガン追加していきます。いいですよね?」

「お、おおせのままに。」

「なんですか、その変な言い方は?」

「なんでもないです。」

「では、どうぞ。いってらっしゃい。」

「ありがとうございます。」

 

表情管理に困ったまま、カウンターを後にした。

正直、彼女が正しい。自分だって無理を強いて行った策でもあったからだ。でもあの時にああしたように、緊急な時にはどうもあんな風にしか俺の頭がまわらない。そんな自分を死にたがりだとも己を罵ったことがあるのを、彼女は気づけたんだろうか。




予想よりも書きたい内容が増えてしまい、極東支部に着くのは次回になりそうです。
アナグラにつくとさらにカオスになりそうで怖いんですが。
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