GOD EATER「Past you and Now I」   作:Pumpghost

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こんばんは
はい、今日もこの時間です。
もう私10以降に出すって宣言してもいいかも(おい、なんだと?)
と、とりあえず今回もよろしくです。


魔女の存在意義ーFinding myself in calm daysー
第二の初陣-Emergency be dyed chaos-


「失礼しました。」

エリナさんの指示通り、荷物を極東の職員さんに預け、支部長室で色々用事を済ました。

そこで、ここの支部長の'ペイラー-サカキ'と出会った。一見穏やかそうなその顔だが、瞳が読み取れない狐面がなんとなくもう一つの性格を裏付けている様で、結構気になる。ちなみに以前は、いや、今も博士の様で、眼鏡を3つも首にかけていた。

そこまで要るかよ。

と、同じく眼鏡をかけている俺の最初の感想だ。

そして、支部長室を出た時、ちょうどこの支部で第一部隊隊長の'藤木コウタ'さんにも会った。赤毛の男に歳も近い故、ナナとロミオさんに劣らない明るい性格の持ち主だ。

彼から1つ知らされたのは、

 

「ブラッドの歓迎式を準備しているから、午後6時にラウンジに集まってくれないか?」

 

ジュリウス隊長の答えは勿論OK。コウタさんは良かったって顔で支部長室に入った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

エントランスに降りた。周りを一見した隊長は、

「そうだな、今からは各自の自由行動としよう。これからは極東の神機使いとのミッションも多くなるだろう。いち早く面識を深めて置くことに。」

と指令を出したもんで、それぞれの返事がし、みんなどこかへ行ってしまった。

さて、俺はどこに行こうかな。

「とりあえず自室でも……て、シエルさん、なんでこっちをじっと見てるの?」

「君と行動を共にしたいだけです。」

「え、俺の部屋にまで入ってくる気?」

「……遠慮しましょうか?」

「聞くことじゃないでしょ?それよりなんだよ、今少しの間は?」

「君が自室を出るまで待機しますが。」

無視した。うん、今。

「結構です。ああ、もういいよお好きに。」

 

気を取り直してエントランスを見渡す。2階構成で、1階は鉄製の床で、2階は木製だ。2階はソファーとテーブルで、たまにはくつろげそうだ。

1階に行くと、なぜか任務に使う回復錠とかアンプルを売っている商売人がいる。そして、円形のミッションカウンターと、オレンジ色の液晶のでかいディスプレイがある。

「極東って、この地図のどこらへんかわかる?シエル。」

「えーと、多分こちらだと。」

ディスプレイに表示される、旧日本という地域の地図で、シエルは真ん中より少し右下のあたりを指した。

「あの出っ張ってるところ?」

「はい。私はそう教わりました。」

「へえ。やっぱ豆知識1つ2つくらいあるのっていいかもな。」

「君はどこの出身でした?」

「多分この地域じゃない。記憶が曖昧だけど。」

「憶えていないんですか?」

「それがね……ざっと2年前以前の記憶は空なんだ、俺。」

そう、こうやって誰かに言うのも初めてだが、俺は2年にも満たない1年前半くらいから、その以前の記憶がなぜかない。理由は不明。そして、家族が殺された記憶を戻したのは、このフライアに入ってから。そう、あのガルムを5体を討伐した時だ。

 

「じゃあ、どこから憶えているんですか?」

「えーと、フェンリルの病棟にいた頃、かな。目を覚めたら、知らない医者たちが俺の病室にいて……俺がアラガミに襲われ、記憶障害を起こしてしまったと言ってたな。」

 

真っ白な空間の中、ベットで目を覚めた時には3人の医者がとても哀れな眼差しで俺を見ていて、彼らから自分の名前を教えてもらった。

 

「俺の名字のメルディオは、お父さんのらしい。DNA鑑定で家族関係を調べたみたいし、間違ってはないだろ。」

「それじゃ、今も失った記憶が多すぎると……」

「そうね。でもさ、神機使いになって気付いたのは、もしこのままでいたら、記憶を取り戻せるんじゃないかということなんだ。何が条件になるかは全く分からないけど。」

「……お手伝いします。」

「ありがと。さて、ここでのんびりしているのもなんだし、上の階でも見にいこうか?」

「そうですね。」

その時、俺たちの後ろのカウンターの女の子が無線に叫んだ。

「エリナさん、すみません!予想外のアラガミ反応がしました!そちらに移動しています!」

あれ、エリナって先俺たちを支部まで護衛した……そのままミッションに行ったのか?

 

「え?間に合わない?わかりました!今すぐコウタ隊長をそちらに送ります!しばし耐えてください。」

ゆるい三つ編みを肩に流した赤毛の女の子。いや、多分二十歳にはなってるんじゃないか?フランさんと似た服装から、オペレーターであるのを確信した。

「コウタ隊長!第一部隊が危険です。至急援護に向かってください、お願いします!」

 

もしかして、第一部隊ってたったの3名なのか?

 

「あの、」

 

とりあえず声をかけてみる。

「はい?あ、えーと……」

「今日から極東に赴任したブラッドですけど、」

「あ、はい!こんにちは。あ、でも今はその、」

「場所、どこですか?」

「はい?」

「だから、例の第一部隊さんたちのミッションのステージがどこなのか聞いてるんです。」

「あ、えーと。」

やばい、流石に無茶苦茶か?

 

「こちらからも増援の手を回したいのです。場所を教えていただけますか?」

助かるよ、シエル。

 

「ほ、本当ですか?じゃなくて、ありがとうございます!場所はですね、'黎明の亡都'です。」

「廃墟の植物園と図書館がある?」

「はい。」

「行くぞ、シエル。」

「了解しました、ですが、勝手に行動していいのですか?」

「まあ、隊長からも各自の自由行動と言ったし、俺は行く。」

「私も行きます。」

「お2人とも頼もしいです。無線の登録は直ちに済ませます!」

エントランスの2階に登り、前方に最も大きな扉をくくる。その先に幾つもの神機が並べられていた。

「ここは、格納庫?」

「そうよ、はい、あんたたちブラッドの神機。」

また初見の女の子がこっちをちらっと見ながら、ターミナルの端末をいじっている。灰色に近い銀髪を1本にまとめた上、分厚いゴーグルをつけている。手袋や腰につけてるカバンの道具から、 整備士を連想させる。

周りの神機スタンドに6つの神機が赤いケースに収められている。はみ出した部分から自分のを見つけられた。

「あった、あの赤いの!」

「ありました、薄緑です!」

「緑と赤ね?それじゃ、」

また彼女が何度か端末をいじると、神機のケースが摩擦を起こしながら剥がれて下に落ちた。露出した自分の神機を取る。

「それじゃ、行ってらっしゃい。」

「「ありがとうございます!」」

はもりの礼を言いながら、出発間近のヘリーに乗り込む。

『出発します!』

パイロットの無線に返事しようとした途端、

「2人とも待って!」

先支部長室の外で会ったコウタさんが神機を抱えて走ってくる。

「ちょっと、待ってください!」

パイロットにそう伝え、コウタさんへ手を差し伸ばす。彼が神機を持ってないで俺の手を掴み、それを引っ張る。

「どうぞ!」

やがて、ヘリーが上昇し出す。

 

「わりい。間に合ったあ。」

「それはいいです。それより、」

「ああ。第一部隊はもともと小型20体くらいを掃討する予定だったよ。途中で中型2体が乱入。たった2人なのに、はぐれちゃったみたい。」

「俺が、片方を手伝います。シエルとコウタさんでもう一方を。」

「そういや、君の名前は?」

「稀羅といいます。こっちはシエル。」

ついでにシエルの方も紹介すると、彼女も軽く頷く。

「わかった。俺はコウタという。よろしく。そんで、第一部隊にはエリナという女の子と、エミールという男の子で構成されてる。」

「面識はあります。2人ともキャリアは?」

「浅いよ。半年にも満たしてない。どっちかというとエリナの方が不安だ。」

「了解。俺がそっちに回ります。」

「ありがとう。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ヘリーで5分くらいの飛行中、さっきのオペレーターから無線が入った。

『こちら、ヒバリです。ブラッドのみなさん、どうぞ。』

「こちら、ブラッドの稀羅です。状況お願いします。」

『救援対象は2つ、それぞれ別のエリアで複数のアラガミと交戦中です。』

「どこですか?」

『エリアさんが噴水跡の広場、エミールさんが植物園の方です。』

ドアを開けると、下にステージの風景が見えた。パイロットに叫んだ。

「広場を突っ切りながら植物園に飛んでください!」

『でしたら、広場は間も無くです!』

下になん匹かのアラガミがいて、その真ん中に囲まれた形で、青い槍の神機を持ったエリナさんがいた。

「そんじゃ、シエル。エミールさんの方、よろしく!」

「ご武運を!」

鉄製の床を力一杯踏んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うおっとと!」

高度何メートルから降りたのか、風がすごい。一番自分に近いアラガミを探す。真下の、ザイゴート!

「いただきますぜ!」

神機をその黒い頭に貫き、下に押す力を入れて肉を切り裂きながら神機を抜く。その動きで空中で体を回転させ、助力をつけた神機をちょっと前の方のドレットパイクの角を目掛けて下ろす。鮮やかな緑の殻に無数の亀裂が走り、そして形を一瞬で崩した。ダウンした2体の小型アラガミのコアをまとめて回収しながら、スタングレネードを空中で炸裂させた。

「え、な、なに?」

「おい、エリナさんよ!まだ死んでないよね?」

『稀羅さん、エリナさんとの合流。』

「ブラッド?ひ、必要ないわよ!」

エリナさんの横から飛びかかるドレットパイクの口に神機を突っ込み空に投げる。

 

「ボロボロになったくせによく言う!これ使え!」

パッケージの回復錠10個をパスした。服のあちこちが破れ、しかも小さな裂傷と打撲傷、擦過傷が多数。

 

「い、いらないわよ!」

「死にたくなかったら黙って飲み干せ!」

『エリナさん、バイタルが不安定です。回復を!』

「うう、わかってますけど!」

 

キャアア

やばい、スタン効果が切れた。

改めて周辺を確認。オウガテイル3体、ドレットパイク1体、ザイゴート4体とさらにその先にヴァジュラ1体だ。

 

「俺が大型を撃ちながら注意を引く。その間に小型を一掃しろ!」

「あ、あんたが小型片付けなさいよ!あんな猫、あたしでもできるから!」

こんな時に限って……

額に手を当てたいが、一旦彼女のリクェストどおりに動く。接近するドレットパイクの足元に神機を差し込み、オウガテイルの群れに投げる。そしてそっちに飛び込み、垂直で振り下ろす。ただ、

「硬い?!」

いつもなら柔らかくその肉に埋め込むはずの神機が、食い込まない。しかたなく横に軌道を変更して皮膚を切り剥がす。そのまま肩に運び、チャージクラッシュを一撃。後方の1体のオウガテイルも上半身に深い傷を負ってダウン。

 

「よし、これで、うわあっ!」

 

ザイゴートに体あたりをやられ、何メートル先へ飛んだ。神機を地面に刺して姿勢を直す。今度は歪な口を開けて食いかかってきたのを、素早く水平斬りで歯をすべて砕いた。血だらけのザイゴートが後方で転び、追い打ちに地面に叩きつけ、その頭を爆散させる。

キイイイ

さらにくるもう1体の口に、銃に変換した神機を突っ込み、ロケット弾をぶっ放す。体の後方の組織が破れ、爆発が漏れた。

 

「きゃああ!」

「あん?」

ヴァジュラと交戦に入ったはずのエリナさんが空中にいる。ヴァジュラはそれに向かって電球を撃ち込もうとしていた。

 

「あの、バカ!」

 

宙に跳んで、彼女を左手で掴んで自分の後ろに回し、飛んでくる電球をシールドを開かず、刀に変換した神機で直接弾く。その反動で少し後ろに下がる格好になった。

 

「おい、大丈夫か?」

「ううっ……」

ちょっと、頭から出血?

彼女が被ってる白い帽子から血がはみ出て、髪を赤く濡らす。

スタングレネードを地面に投げて隙をつくり、後ろに下がった。

『稀羅さん!エリナさんが戦闘不能です!容態を報告してください!』

「頭に出血、酷い打撲です。衛生兵もいないのに……」

『そんな、ならせめてリンクエイドだけでも!』

「リンクエイド?」

『貴方の体内のオラクル細胞を一部エリナさんに送ることで、極めて小さい活性化を起こし、エリナさんの回復力を高める機能です!』

「どうすればいいんですか?」

『エリナさんの腕輪に手を当ててください!それで、あなたの指先からオラクル細胞が自発的に露出され、エリナさんに吸い込まれます!』

ギャアア

やばい。また切れた。

急いで残り2つの中でグレネード1個を奴らに投げつける。そしてその手をエリナさんの赤い腕輪に当てた。

「……ぐうっ……なに、これ……」

力が一瞬抜ける気がするが、多少治まった。

 

「ううん、あ……れ。」

そして、閉じかけたエリナさんの目が覚めた。まだまだ意識がはっきりしないか。

『リンクエイド確認!成功です!』

「なんで俺の力が抜けるんすか?」

『あ、すみません。あくまでも元は稀羅さんのオラクル細胞なので、 それを他人に移植した時には自分の体力が減ることになります!』

「OK、だいたい理屈はわかった。」

 

残りの回復錠の1個を開けて喉に流し込んだ。

これじゃ、一気に終わらせた方が身のためだ。

チャージクラッシュの構えをとる。ただし、今回放つのは例のブラッドアーツだ。充電を始めると同時に、スタンの効果が切れ、残り4体が全部こっちに向かって走る。そして、

「よおし、」

 

オレンジのオーラが神機を包む。その長さは、今の俺じゃ見えない。左に落としながら、体を腰と右足で右に回転させながら、充電したチャージクラッシュを水平に振り抜く。

 

「せえやああ!」

 

思った以上に回った体を慌てて戻して、結果を確認。

 

『小型、全滅!嘘、すごい。』

「後は……」

地面に顔を埋めた猫だけ。よく見ると前足が両方消えてる。しかも顔のかめんみたいな装飾も2つに割けていた。

「ふう……あばよ。」

 

近づいて、チャージクラッシュで体を完全に2等分。コアが見えたのですぐ神機に取り込んだ。

 

『敵、全滅。よかったあ。』

「それより、早く運送のヘリーを!エリナさんが危ない。」

『は、そうでした。今すぐ!』

まだ血が流れているんで、背中を支えて頭部を心臓より高くする。

「あ、あれ?終わったの?」

「喋るな。」

 

という意味で彼女の口に回復錠を流す。もう反抗する体力もないエリナさんはゆっくり目を閉じ、寝息を立て始めた。

『ヘリー、到着です!乗ってください!』

成り行きにお姫様だっこの状態で彼女を持ち上げていた。神機は彼女がちゃんと握っているからいいんだが。

 

「軽い。」

予想外れの体重にびっくりした。

よくまあ、こんな体で……

砂風を起こすヘリーに、できる限り揺れないように乗った。




エリナはあれで結構かわいいですね。はい、色んな意味で癒されました。
あ、ちなみの今回の文章の段落設定ですが、あるお方のやり方がとても読みやすかったので、拝借させていただきました。
(オリジナルの方。許してくださると助かります。)
さて、弱4話ぶりの戦闘シーンです。やっぱ想像を言葉にそのまま載せるって簡単ではありませんね。

それではまた水曜くらいにお目にかかります。
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