GOD EATER「Past you and Now I」 作:Pumpghost
すみませんすみません。
キレどころがまだ曖昧で…(完全言い訳じゃんかコウラアア!」
とにかく今回も無理やり戦闘シーンを入れて増えましたが、どうかよろしくお願いします。
次に目が覚めた時は、頬にカーペットが貼り付いてた。そういやベットが無理でこっちに下りたっけ。窓の外は日差しがなくて暗い。残念ながら時間まではわからない。
「……あ、制服のまんま寝ちゃった……」
やっと気づいた頃は、制服にしわが出来てしまってた。折角のものが台無しだ。周りが気にしなければいいけど……。机の上の眼鏡を鷲掴みし、顔でも洗おうと洗面台を探す。らしきところのドアを開けると、
「ここまで凄いことになってるんですが。」
綺麗の一言では言い切れない空間が出やがった。浴室1つでサテライトとの格差はさらに広がった。知ってる訳もない素材での浴室は、極端に言えば……キラキラする。うん、言い過ぎかもしれないけど、とにかく俺はそう見える。
「温水が普通に出るわ……」
サテライト拠点では温水が貴重だった。かつて風呂の文化が発達したと言われるこの国が、今や世界中で最も水が足りないことになってるもんだ。何と無くサテライトも人々に申し訳ない気持ちで顔を洗う。
そこでいつもより右手が少し重いことに、
「あ、腕輪……」
痛みを代償に受けとった腕輪を自覚した。
* * *
部屋にじっとしているのもなんだし、腹も少し減ったので、部屋から出た。昨日と変わらず、赤いカーペットが敷かれた清潔な廊下。フランさんに案内された道を逆戻りし、あの大理石の床の(本当はどうなのか知らないが)ロビーに着いた。
「改めて見ると、ここも大した広さね。」
先までいた部屋も中々だが、ここはここで昔の家の5倍以上の空間はある。しかも2階構成で階段もある。
まずは1階の探索から。周囲が黒い柵で囲まれているのが気になって、その外側を覗いた。途端、すぐに後悔する羽目になったけど。
「……オーイ……」
叫ぶ。どうもこのエントランス自体、どこかの壁にくっついている様で、下がガラ空きだ。宙に浮いてるのか、と見間違っちゃいそう。下から強い風が吹き上がってきたので、見るのをやめた。
ささ、気をとり直して次に。ブルーのディスプレイには旧日本の地図が表示され、幾つかの場所にメッセージが浮いてた。場所は地名ではなく、なんか変な名前が付いてあった。
「……これ、単純にその地域の特徴でつけたよな、明らかに。」
鎮静のお寺だの、贖罪の街だの。まあ、近々わかるっしょ。
次は謎の自動販売機だ。記憶が正しければ、普通のは飲み物を売っている……はず。
「装備、アイテム、ウェスト……」
あれー、完全に常識をかけ離れてる。こいつがやけにデカくなってるのも納得だ。出るもんが大きけりゃ、その図体も大きくなるもんね。
探索のつもりが返って頭を混乱させた。結局わからないもんが増えたまま、2階に上がった。
「あら、稀羅さん、もう起きましたか?」
「あ、フランさん、どうもおはようございます。」
黒いカウンターでフランさんがいた。それぞれ反対方向を向くパソコン2台が置いてある。多分ここがフランさんの職場だろう。
「ちゃんと休みましたか?」
「部屋入ってまた熟睡しましたから。」
「それは良かったです。にしては早いですね。まだ4時くらいですよ?」
体内時計狂ったな。
「ま、まあ。適当に時間潰しますんで。」
「日程でもお伝えしましょうか?」
「そうですね。」
「昨日言いました通り、新米の神機使いには訓練があります。基本動きや、情報収集についての訓練で、第一の基礎といえます。まずはこれを耳につけてください。」
彼女がくれたのは、非常に小さく丸い機器だった。指示どおり耳の奥に入れてつけたら、
『どうですか?ちゃんと聞こえますか?』
耳の奥からフランさんの声が響いた。
「はい、これ無線機なんですね。」
「ええ、業務上の連絡や、戦闘時に使います。コンパクトに収縮し、しっかり固定されるようにしています。」
「軽く耳の奥に当てただけですよ?」
「強力な接着剤がありますのでご安心を。」
「へー。」
「訓練は……早ければ6:00くらいから開始になります。5:30には知らせしますので、何処かで時間を潰してはいかがですか?」
「あ、じゃあ、飯にでも行ってきます。案内してもらえますか?」
『では、早速こちらで案内しましょう。』
こ、これは適用化の速さが尋常じゃない。
「りょ、了解。」
* * *
無線で案内され、食事だけじゃなく、他の施設を幾つか見回った。
「無線機の使い心地はいかがですか?」
「だいたい慣れてきました。耳の奥がくすぐったいですけど。」
「いずれないものと思えます。」
頷くと同時に、一つ何かが浮かんだ。
「あの、突然ですけど、昨日俺の適性試験でアナウンスをした人って誰ですか?」
「ラケル博士です。」
「誰?」
「このフライアと特殊部隊ブラッドを創設した方です。フェンリルでは屈指の頭脳明晰な科学者としても知られております。」
「そんなすごい人がどうして俺なんかを?」
「実はですけど……」
フランさんが身を少しかがめてきた。
「稀羅さんを候補者にする際、最も強く推してくれた方です。」
「俺、なんかありました?」
「どうでしょう。確かに稀羅さんの身体スペックは相当高いと私も存じておりますが……」
「身体スペック……ですか?」
「ええ。今度の訓練で確認なさればどうですか?向こうも期待してましたからね。稀羅さんの戦闘データ。」
「まあ、やることはやって見ます。」
「頼もしい返答です。それでは、訓練までまだ時間がありますから、庭園をご覧いたしますか?」
「庭園?」
「水と植物を使った休憩スペースです。5階にあります。」
「わかりました。行って見ます。」
あのラケル博士って、一体どんな人なんだ。俺には全然見覚えないけどな。
* * *
庭園。たくさんの花と草に茂ったここは、他の場所とは別の次元みたいに美しい所だった。奥へ進むと、大きな木が植えていて、その木陰に……ある男性がいた。ぼーっと斜め上の空を眺めていた。
何も言えず、じっとしてた自分を気づいたのか、話をかけてきた。
「ああ、適合試験お疲れ様。こっちに来ればどうだ?」
「……はあ。」
近づくと座れと言われた。
「ここはフライアの中で最も落ち着く場所だ。暇があると、ずっとここでぼーっとしてる。」
心が落ち着く適度に太い声。茶色ににじんだ金髪と、その髪の色に似た瞳。声がなかったら貴族の女性と見間違えてしまいそうだった。美形男子ってのはこういう?
「確かにいい場所ですね。」
「ああ、気に入ってる。」
「……どちら様ですか?」
「そういやまだ名乗って無かったな。俺は'ジュリウス-ヴィスコンティ'。」
「ジュリウスさん?」
「ああ、君たちが配属されるブラッドの隊長を勤めてる。」
すごいことを言ってないか、このひと。
「あまり恐縮しなくていい。よろしく頼む。」
「……こちらこそ。」
「君は?」
「稀羅-ペル-メルディオと言います。」
「キラ……か。どんな漢字を使う?」
「まれの稀に、修羅の羅です。」
自分の名前なのに変な説明しちゃったな。
「そうか、名前は……気に入って無いのか?」
「へ?」
「いや、なんでもない。」
彼は立ち上がって服の土を落とした。
「さて、後でゆっくりフライアを見回ってみるといい。また後で会おう。」
後ろに左手を軽く振りながら、ジュリウスさんはエレベーターの方へ去った。彼を見ながら、最後の一言を思い出す。
『名前は気に入って無いのか?』
どうかな。本当は好き嫌いとかあまり自覚がなかった。ただ、昨日あの夢を見てしまってからは、自分の中で少し変わってしまったかもしれない。もしそれが、初対面の人に気づかれるくらいなら……しばらくは気を配った方がいいだろう。
* * *
フランさんのレクチャーのもと、神機を自分に合うようにカスタマイズした。刀身はバスターという、切断属性では攻撃性抜群のもので、シールドはタワーシールドと言い最も頑丈なものを、銃身は火力の強いブラストをつけた。
『できました?』
「はい。いいんじゃないかな?」
一見めちゃくちゃ重そうだが、すごく軽い。薄い木材を一枚持ってる感じ。理由は分からん。
『稀羅さんの神機はスピードには劣りますが、それを補える火力とパワーがあります。相手について行くよりは、一定時点でとどまって攻撃するという手もいいでしょう。』
「参考にします。」
不思議。他の複雑な説明は2回聞いてもあやふやなのに、戦闘に関する情報は容易く頭に叩きこまれていく。
『ゲートを開放。訓練中は別の方が指示をしてくれますので、聞き逃さないでください。』
「了解。」
大丈夫、今ならなんでも聞き取れる自身がある。
訓練場は昨日適合試験を受けたあの場所だっだ。違うのは、今の俺は神機をもっていて、真ん中にあった台はないということくらい。
「よし、行くか。」
無線機から音声が流れた。声の主は、
『準備はいいか、始めるぞ。』
「……え?」
庭園で挨拶を交わしたばかりの、ジュリウス-ヴィスコンティさんの声だった。
* * *
『いい動きだ。次、行くぞ、』
「どうぞ」
視野の確保と戦況確認、基本動きをざっとこなすと、指示もどんどん早くなってきた。
『ダミーのアラガミだ。倒してみろ。』
離れたところから、全身が赤黒い変な化け物が出てきた。恐竜の子供って感じだな。
「ダミーね、」
両足で地面を蹴って距離を詰め、頭上に神機を振りかざす。グサっといい音を共に、化け物が凹んで盛大な血を吹きながら、両断された。
「……ああ、なんかいい感じ。」
爽快感が全身を支配する。
『神機はプレデタフォームと言う、アラガミのオラクルを吸収し一時的に能力が上がるシステムがある。倒したアラガミの死体を食ってみろ。』
「食う?これを?」
すると、神機が……変形し始めた。瞬時にそれは終わり、まるである生物の頭を握っているような格好になった。まるで何かで溶け出した瞬間の様子で、色は茶色。餓え、欲求といった感情がうっすら伝わってくる。
『死体に向かって放て。』
待ってたよと、死体にかぶりつくその頭。そして何回か口を動かすと一気に小さくなり、神機に収納されるかのように消えた。
「何だこいつ。」
『今のは死体を食ったため、そのアラガミの素材を回収することで終わったが、戦闘中に捕食するとエネルギーを強制的に奪える。』
ほうほう。エネルギーを、か。
『ではもう一度先のアラガミと戦ってもらう。』
先と同じ地点から同じ形をしたダミーアラガミが出てきた。
「はっ!」
右足に体重をのせ、短い気合とともに水平に神機を振る。足を両方切断、当然ながら、倒れた。
「それ、」
再びこいつを食おうと思ったら、神機からあの歪な頭が出た。かぶりつくと同時に無理やり引っ張って収縮させると、急に体に力がみなぎる。
「おお、なるほどね。」
こっちを睨むダミーの首を切り飛ばした。そして残骸も喰うことで……
『ご苦労、今日の訓練はここまでだ。』
最初の訓練を終えた。
* * *
好調な結果に満足しながらエントランスへ出た。
「お疲れ様でした。いかがでしたか?」
「思った割には簡単でしたね。」
「いいご返事です。くれぐれも油断はなさらぬように。実戦ではより厳しいですよ?」
「……まだ新兵っすからあんまいじめないでくださいよ。」
「ふふっ、では次の訓練まで休んでください。」
「了解です。」
1階のソファーがあるところに行くと、猫の耳みたいにぴょこっとした髪型の女の子がいた。黒く艶やかな髮も印象深いけど……かなり露出度の高い服にギョッとした。白く薄い布に胸を隠し(しかも最低限)、それを黒いベルトで固定し、その上にヒラヒラのピンクのチョッキを羽織っている。下はホットパンツというので、全体的に目のやり場に困る格好だ。
「ああ!おつかれさまあ!」
声をかけられた以上、通り過ぎるという選択肢は消えた。
「お疲れ様です。」
「君もブラッドの新入生、じゃなく新入りの方だよね?」
「そちらも?」
「うん!私は'ナナ'!同じく、ブラッドの新入りです!よろしくね!」
そしたら食事の途中だったのか、いろいろ盛り沢山のパンを食べ始めた。
「よく……食べますね。」
手に余るよっぽど大きなパンを、いとも簡単にかぶりつきながら、幸せそうに食べてる。
「そう?これでも結構普通だよ?それにさ、ゴッドイーターは食べるのが仕事だから、これも仕事の一環みたいなもんですよ。でしょ?」
仕事、かあ……あ、喰うね、確かに。俺じゃなく、神機のほうだけど。
「そうかもしれませんね。」
「ああ、敬語禁止い!同じ年頃そうだし気楽に行こうよ!」
「あーはい、じゃなくて、うん。」
「うんうん!」
満足そうに頷いた次の瞬間、彼女はまだ半分以上も残ったパンを一気に食べ干した。いやいや、今のは飲んだぞ?てかあの小さな口に?
「そうだ!お近づきの印に!」
彼女が食べてた同じパンを渡された。
「お母さん直伝、ナナ特製おでんパン!すっごく美味しいから、よかったら食べてよ!」
「あ、どうも。」
てか待て、結局のところ何回噛んだ?こいつ。内蔵どっかにかかったりもしないか?
「おーっと、あたしこれから訓練だから、」
いかにも平気そうなナナさんは大きな白い袋を持ち上げた。
「いってきまーす!!」
何も言えずにぼーっとおでんパンを眺める俺に、
「残したら、後で怒るからね!!」
向こうで叫んでくるナナさんだった。はあ。てか残してもどこに捨てるんだよ。苦笑しながら、小さくパンをちぎって食べた始めた。
「あ、これ割とうまいかも。」
カリカリに焼けたパンに暖かい汁が滲み出るおでんの具がたくさんのってて、なかなかバランスが合う。にしてもあの子、よくこれを一気に食えるな。頑張ってみたが、結局ゆっくりパンを囓るしかない俺であった。
ジュリウスとナナの登場!!
やっと原作の入り口に到着です。
実は、ナナの服装はこの原作のゲームでは一番露出度が高いです。
ちょっと男としてハアハアしそうですが、気をつけようか。
読んで下さんた方、今回もどうも!
次はできれば実戦も入れたいです!(出来れば アセアセ)