GOD EATER「Past you and Now I」   作:Pumpghost

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ロミオ登場です。
次は初陣は行けそうです。
でもなあ、他の優秀な方々はしょっぱなから初陣の話が出来るんすよ。
テクをまなべるといいな。


出会い-Blood and Romeo-

その次の訓練もさほどきつくはなかった。ダミーのアラガミを3体ぶちのめして終わり。目の前のアラガミを倒すことは包丁で肉の塊を切る感覚で、さくさくと終わってしまった。印象に残ったのは、任務中に拾うことになる廃材でも神機を強化できるということぐらい。

 

「すごいですね、稀羅さん。ラケル博士が推奨したのも納得です。」

 

二つ目の訓練が終わり、ロビーでフランさんとのんびりしてたら突然そう言われた。

 

「……何がですか?」

 

フランさんはこっち向きの小さいモニターに映像を映した。

 

「これ、さっきの?」

「はい。稀羅さんの戦闘データを分析するための映像です。ご覧の通り、なんの躊躇いもなく、ダミーアラガミを叩きつけてますね?新人の方々も最初は一歩下がるところを、稀羅さんはむしろ前に出ている。これは相当の度胸か、それともそれなりの自信がなければ、なかなか見れない姿勢です。」

「自信?」

「でも私は少し違う方向で考えました。」

「と言うと?」

「稀羅さんの神機の扱いが、いかにも自然で、慣れた動きでした。まるで、現役の神機使いを無理やり訓練させているみたいに。」

「流石にそれは大げさですよ?」

 

そこまですごいことなのかな。目の前のアラガミを……敵を殺す。それだけ。至ってシンプルな考えがなぜここまで周りを驚かせるのか?

 

「いいえ、非常に素晴らしい動きです。実戦投入も間もないのでは……」

「ま、となったら死なないように気い使わないと。」

「それだけでは足りないですよ?」

「へ?」

「一切攻撃を受けないつもりで注意してください。」

「りょ、了解。」

 

冗談なのか、注意なのか区別のつかないことを言われちまった。うーん、とりあえず忠告として受け取ろう。

階段を下りて、ソファーへ向かうと、

 

「ああ!先の人だ!」

「あ、どうも……ナナさんでしたね?」

 

あの猫髪の女の子がいた。

 

「うんうん!あ、敬語禁止い!」

「あ、すみません、じゃなくて、ごめんなさい。癖なのかな。」

「早いー、あたしが先に訓練行ったのに、終わるのがほぼ一緒だなんて?」

「おでんパン食べた後にすぐだったけど?」

 

ナナさんの向かい側に座った。

 

「ええ?!じゃああたしがまだ訓練足りないってこと?!どうしよう。」

「そ、そうなる?」

「だって、あれ最初は結構食べ辛いとみんなから言われるよー。」

 

はい、食べ辛かったです、と口が裂けても言えない。なるほど。確かにあれを食い終えるのにかなりの時間を使った。

 

「そっちはどうなの?訓練、うまくいった?!」

「まあまあかな?怪我はないし、アラガミは一撃で死んでくれたし。」

「うええ?!あたしは4回叩いても起き上がったのよー!やはり斬る属性がいいのかな?」

「えーと、もしかしてブーストハンマー?」

 

文字どおり、巨大なハンマーに、スピード向上を図ろうとブーストという機構が内臓されている武器パーツだ。属性は、破砕だったはず。

 

「そうなのー!あれー、それとも最初から頭を狙った方がいいのかな?でもちょっと危ないんだけど、」

「……これから研究して行けばいいじゃない?」

「そうね!あ、それとさ、おでんパンどうだった?美味しかった?」

「そうね、なかなかよかったよ。」

「よかったー!さっきも言ったけど、大きすぎて食べらませんって人もいるもん。」

 

……迂闊に口を開いたら、次の瞬間に頭が潰されそう。表情管理にも手間がかかるものだ。

 

「あれ?見ない顔だね、君ら。」

 

そこで、後ろから聞き覚えない声がした。

声主は派手なパンク衣装の金髪男。と言っても同じ年頃に見える。男にしては甲高い声で、表情豊かな顔だ。外見としては明るい人だ。

 

「ああ、こんにちは!」

 

ナナがもう挨拶をするのでこっちも会釈くらいはした。

 

「あ!噂の新人さん?」

 

噂になってるんだな。

 

「はい、これからお世話になります、先輩!」

 

先輩と呼ばれた男はビクッと反応した。

 

「先輩……いいね。なんかいい響き!」

 

あの、心の声がただ漏れですが……。うん、もしかしたら憧れてたかもな、この人。

 

「よし、俺は'ロミオ'と言うんだ。先輩がなんでも教えてやるから、なんでも聞いてくれ!」

 

もう自分を先輩と決めつけてんだが。

 

「あ、その前に言っとく。ブラッドは甘くないぞ、覚悟しとけよ。」

「そのブラッドですが、どういう部隊なんですか。特殊部隊とは聞きましたけど。」

「お、おお。いい質問だね。うーんそうだな。ブラッドは血の力を秘めていて……そう!それが発動すると、必殺技が使えるんだ!うちの隊長なんか凄いんだぜ?どんなアラガミでもずばーん、どがーんって倒してしまうからな。」

 

血の力……か。血、異国語でblood。ああ、名前の由来が分かった。なら、血の力はなんだろう。そんな疑問を抱く自分とは違って、ナナはむしろ必殺技というのに興奮したらしい。

 

「すっごおい!ロミオ先輩も持ってるんですか?」

「ば、馬鹿。そういうのはさ、そんなすぐに取れるようもんじゃないんだよ。」

 

つまりは持って無いんだな、先輩さんよ。

 

「そうだな。今のような質問はラケル先生に聞いてみるといいと思うよ。んじゃ、俺は用事があるから。」

 

場の雰囲気をおもむろ気づいたのだろう。ロミオさんは逃げる様に去ってしまった。

 

「あれ?なんかまずいの聞いちゃったのかな?」

妙な感じに彼女も気づいたんだろう。

「さあね。」

 

あえて無視する。

にしてもある程度キャリアのありそうなブラッド隊員でも必殺技を持って無いというのは、それほど扱いの難しい力だとも思える。

 

「そういえばあたしたち何話してたっけ?」

「おでんパンがどうだこうだと。」

「うんうん、それ!それでね?ほんとはみんなにいっぱい食べて欲しいけど、結局あたしが全部食べちゃうんだ。」

「太らないのがすごいね。」

「なんでだろう?今まで気にしたことはないけどね。」

この子、いずれ女の敵になれるんじゃないかな。

「そのおでんパンってお母さんの直伝とか言ってたね?」

「うん!あたしが幼い時にいつも作ってくれたんだー。」

「優しい方ね。じゃあ今は……実家に?」

「えーと……う、うん!そうだよ。昨日だってメール送ったしね?」

 

ちょっとつまずいてるみたいけど、マズイのを聞いてしまったのかな。いや、単に気にしすぎか?

 

「稀羅はどうなの?やっぱ家族はサテライトに?」

「……まあ、そうかもな、」

「あれ?家族と一緒に暮らしてなかったの?」

「何年か前からは1人暮らしだったんだ。無事に……いてくれればいいんだが。」

 

当然嘘に決まっている。2年より以前の記憶なんぞない。初対面の人にバラすほど図太いわけでもない俺は、その場に合わせて誤魔化した。ナナのやつ、ひょっとしたら俺と似た境遇かもな。場のノリに合わせて急に偽ろうとすると、どうも外に出てしまう様だ。特に慣れてない人は。

 

「今は連絡してないんだ。」

「頻繁にどっか引っ越すから。」

「うーん……」

「……」

 

ああ、対話がフリーズしました、と。俺も様子みて離れた方がいいのかな?

 

「よし!この話はもうやめよ!」

「へ?」

「あたし、こういう話題苦手。そもそもこの雰囲気が嫌だけど。」

「そ、そう?」

 

そりゃあ、あんたの外見からだいたい予想はつきますけど。

 

「というわけで!稀羅からなんか面白い話題出してよ!」

「はい?」

「いいでしょー?ずっとあたしばっか言ってたし。」

「あー……」

 

そもそも最近人と話したこと自体少ないです。これは参った、どんな話をすればいいのかやら。

 

「えーと、もしよければ例のおでんパンの作り方教えてくれない?」

「えー、いいけど。それだと稀羅があたしのおでんパン食べてくれなくなるじゃん。」

 

私はそのパンの咀嚼機ですか。てか話が続かん。

 

「えーじゃあ、ハンマーの攻撃パターンの研究でもするか?」

「あ、あたしー、今からそんなすごく真面目なの無理。」

「どうしろってんだ!」

「きゃあ!怖いよ!稀羅!」

あかん。落ち着け、俺。

やっぱ日頃から人とちゃんと話すべきだと今更思う。話題の尽きるのが早すぎる。

 

「じゃ、じゃあ今からお互い何話すか考えようよー。どう?」

「いいんじゃない?」

 

2人とも目を閉じてじっくり悩み始めた。

 

「……」

「……」

 

この沈黙はあまり長く耐えられそうにないが……。




ロミオはいわゆるいじられキャラと解釈していいでしょうか?
ナナはできる限り元気な印象を書きたいんですが、少し難しいな。
まあ、次から、続々とミッションが追加されますので期待していただけると幸いです。
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