この素晴らしいスキマ妖怪に依神姉妹を   作:片腕仙人

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対カエル自爆ワザ「ゴッドブロー」 「ゴッドレクイエム」


13話

「うぅ....生臭いよぅ..生臭いよぅ..」

 

「カエルの体内って、臭いけどいい感じに温いんですね」

 

粘液まみれで泣きわめくアクアに、これまた粘まみれでぐでぇっと横になっているめぐみん。ひとまず犠牲はなく辺りのカエルは討伐した。カズマのパーティー3人のうち2人がカエルの粘液まみれになりはしたが実質の無傷での勝利、まあ多分何かの尊厳的な犠牲は出たでしょうけど。

 

それとカズマとめぐみんがさっき話していたけどこの魔女っ子紅魔族のめぐみん、爆裂魔法以外は使える魔法がないらしい。つまりめぐみんが攻撃するには爆裂魔法を撃ってぶっ倒れるかその杖で敵をぶん殴る位しかないということ。

 

これを聞いたカズマの顔はそれはもう酷いものだったわ。

 

「えっと、何はともあれめぐみんのこと助けてくれてありがとうございます。それとさっきユカリさん達が使ってたのも魔法?なんですか?」

 

さっき使ってたのって言うと弾幕のことかしらね。これは魔法..というかスキル..というか説明するには難しい。しいて言うならスキル寄りだと思う。

 

「これはどちらかと言うとスキルだと思うわよ。『弾幕』といって要は魔力とかを撃ち出すみたいなもの....かしらね。どう思う、紫苑、女苑」

 

「うーん....あんまり意識してないからよくわかんないけど..多分そんな感じ?」

 

「たしかに姉さんの言うとおりあんまり意識してないから..聞かれると答えにくいわね」

 

「そっか....俺もあんな風に出来ればもうちょっと活躍できそうなんだけど..」

 

そうは言ってるけど一番活躍してたのはカズマだと思うのよね。実際にカエルを倒してるのはカズマだし。

 

「そういえばユカリさん――」

 

「紫でいいわよ、いちいちさん付けは大変でしょ。自然体でいいわよ」

 

それにいつまでも他人行儀っぽいしね。

 

「えっと、じゃあ..ユ、ユカリ..達のクエストは終わったのか?俺たちはあと一体なんだけど」

 

「まだ終わってないわよ」

 

「でも肝心のあのデカいカエルがいないんじゃ意味ないじゃない」

 

たしかに女苑の言うとおり、辺りにはもうジャイアントトードの姿はない。でもここは運がいいのか悪いのか、地面を叩けばカエルが出てくるような平原だし折角爆裂魔法も見れたことだしいっちょ派手にいってみましょうか。

 

「それについては問題ないわよ。いないなら..無理にでも出てこさせればいいいのよ」

 

扇子を構え魔力を集中させる。扇子を杖に見立てて扇子の先、それより少しだけ上の辺りに集めるイメージ。辺りは急に暗くなり始め風も吹き始める。しかもめぐみんが起こしていた風とは比較にならないほどの突風。空気までもが振動しその凄さが見てとれるよう。

 

あとは恥ずかしいけど詠唱を....ん?これってもしかして..

 

「女苑、女苑」

 

「ん?どうかしたの?姉さん」

 

「多分こっちの樹の影にいた方が..いい。いつもの流れだと..多分」

 

紫苑に引かれ樹の影へと入っていく女苑。

 

魔力が蓄積されていくにつれて離れた場所に魔法陣が形成されていき完全に形成しきると同時に紫が口を開く。

 

「『エクスプロージョン』」

 

そういうと同時に草原に轟音と爆風が巻き起こる。天高くめぐみんの撃ったものの数倍はある火柱が立ち上ぼり地面を揺らす。

 

「ぎゃああああああっ!?なにぃっ!!ひゃああはああぁぁああッ!?」

 

爆風でアクアが粘液を撒き散らし転がっていく。

 

爆心地にはこれまた数倍の大きさのクレーターが出来上がっていた。

 

「なっ!......嘘だろ...さっきのと全然..」

 

「くっ..! やはり賢者といわれるだけはあります。私の数倍いえ数十倍は見事な爆裂でした!やはり爆裂魔法は素晴らしいです、私もすぐにその域まで到達してみせます!」

 

....やっぱり少しやり過ぎてしまった。ここまでやるつもりはなかったんだけど..まだ手加減する必要があったのね。でもまあなんだかこう、スッキリはしたから良しとしましょう。ただ気になるのは詠唱が必要無かったこと、もしかするとあれは気分的なものでカッコいいからやっているだけという仮説が私の中で浮上しはじめた。

 

そう思い目の前の現実から眼をそらしているとまた袖をくいくいっと引かれる。横を見るとそこには紫苑と女苑が。

 

「紫、相変わらず..やり過ぎ....」

 

「ええ、いくらなんでもこれは..やり過ぎでしょ。ていうかあんたの加減知らずの一撃のせいでカエルが結構出てきたわよ!どうすんのよ」

 

女苑の言うとおりさっきの一撃でぱっと見ただけでも5、6匹はいる。

 

「どうするって倒すしかないでしょう?そのためには撃った『爆裂魔法』なんだから。カズマ貴方は向こうの離れた奴をお願いね。合図は私が出すから」

 

「お、おう!任せろ」

 

さて、早くしないとまたパックリいかれかねないしささっといきましょう。えーと、あれはどこにいったのかしら..あっ、あんなところに。

 

「ほら、起きなさいよアクア。情けないわねぇ」

 

「あ、あんた!ユカリだったわね!酷いじゃないなんで私を吹っ飛ばすのよ!なに!?恨みでもあるの!」

 

ああ、もう本当にうるさいわね。また弾幕撃ち込みそう....。でも今はなんとか我慢して。

 

「恨みはないわよ。ごめんなさいねアクア、悪気はないのよ..それでなんだけどあそこのカエル見えるかしら。アイツは今油断しきっているわ。二回も食われた貴方だから今回は平気なはずよ」

 

「えぇ..嫌よ。もう私食べられたくないもの、ユカリがいけばいいじゃない」

 

「........なぁんだ、女神アクア様はカエル程度に怖じ気づいてしまうような御方だったんですわね。残念ですわ..」

 

「..なんですって!いいでしょう!この女神アクア様の真の力を見せてあげようじゃない!!そこでしっかり見てなさいよ!うおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

そう言って学ばぬ女神はカエルに向かって全力疾走、大声をあげながら突撃していった。

 

「これがッ!女神アクア様の真の力!『ゴッドレクイエム・ブロー』!!ゴッドレクイエムブローとは女神の、ふにゅっ!?」

 

もはや言う事はない。立派なオトリ、ご苦労様です女神様。

 

「カズマ今よ、今なら難なく倒せるわ。行きなさい」

 

「....あっはい、うおおおおおおおおおおおっ!!!この馬鹿女神がぁぁ!!」

 

よし、これでカズマ達はクエスト完了。私達もサクッと始末してしまいましょう。

 

「紫....」

 

「あんた..やっぱり最低ね....」

 

あー、同居人二人の視線が冷たいけど気にせず行きましょう!ほらさっさと討伐する!さもないとあんな風に食われるわよ!

 

それからのジャイアントトード討伐は呆気なく終わった。お互いクエストをクリアしてひとまず解散となった。また縁があれば一緒になるかもしれない。だが別れの間際にアクアを見たが完全にカエルがトラウマになったようだった。目のハイライトが消えていたし。

 

........ごめんね。

 

 

 

 

 

 

――次の日

 

 

 

「女苑..ギルドまでいかない?」

 

「姉さん?いいけど、なんか用事でもあるの?」

 

「うん、クエストクリアしたからその報告」

 

紫が昨日、期限は明日だから明日報告してくればいい..そう言ってた。紫は多分、私の結界を弄ってるはずだから一緒にはいけない。

 

「なんか、姉さんちょっとだけアクティブになった?..これも紫のおかげ?なんかちょっと癪にさわるけど....」

 

「女苑、私は....いつでも..アクティブ..」

 

「はいはい、アクティブですね」

 

むぅ....信じてないな。妹なのにお姉ちゃんのいうことはしっかり聞いてよ。でもたしかに紫と出会ってからはちょっとは自分から行動するようにはなったかも....。

 

「で、紫は一緒に来るの?」

 

「紫は....」

 

「私はいかないわよ」

 

「きゃっ!?」

 

「!?」

 

いきなり壁が裂けてそこから紫が上半身だけを出して現れた。ちょっとビクッとなった..紫の突然現れるこういうところはちょっと直してほしいかも....でも女苑いくら驚いたからって

 

「女苑..殴っちゃ駄目だよ..」

 

「ええ、紫苑の言うとおりよ。いくら似合わない『きゃっ!?』なんて声を出してしまったからって殴らないでくれる?」

 

紫は片手で拳を受け止めながら女苑をからかっている。

 

「あんたねぇ!」

 

「あらぁ~図星かしらぁ~?ふふふ」

 

「喧嘩は駄目だよ..女苑、紫」

 

紫がからかって女苑がそれに突っかかっていく、それを私が仲裁する。いつもの光景だけどなんだかとってもほっこりする....。

 

「姉さん?何か嬉しいことでもあったの?笑ってるけど..それよりコイツの手を押さえててくれないッ!一発殴らないと気がすまない!」

 

「ちょっとぉ!いくら図星だからって暴力に訴えるのは良くないわよ女苑」

 

「コイツは絶対に殴るッ!!姉さん押さえて!!」

 

「もぉ..女苑、今回は押さえて..それに女苑でもああいう声出るんだね。お姉ちゃんは....女苑の別の一面が見れて嬉しい..」

 

「姉さんッ!?」

 

顔を赤くしている女苑。やっぱり女苑はかわいくて頼れる私の妹。

 

「じゃ、女苑のこと頼むわね紫苑。私も後から向かうからギルドで会いましょう」

 

そう言って紫はスキマを閉じて消えていった。女苑はちょっとむすっとしていたけど紫を追いかけない辺り本気じゃないみたい。

 

「はぁ....姉さん行きましょう。アイツの相手は疲れる..ギルドにいた方がましよ」

 

「そう?..じゃあ早く行こうか」

 

 

そうして私たちはギルドへと向かっていった....行ったんだけど..

 

 

「ヒャッハアー!!当たりも当たり大当たりだあああああああ!!うわあはっはっはっは!!」

 

 

「いやああああああああああああ!パンツ返してえええええええッ!」

 

 

誰かパンツを片手に持って振り回しているカズマと股の辺りを押さえて涙目になっている....えっと、エリス様..じゃなくてクリス..だったはず、それを何故か食い入るように見つめている金髪の騎士みたいな人。

 

....なんだろう..この状況..

 

「うっわぁ....姉さん、行こう。私たちは何も見てないわ」

 

「え?..えっと..うん、そうだね。私たちは何も見てない..よね」

 

「ええ、昨日あったカズマとか言う奴に似てる奴がパンツ片手にはしゃいでた..なんてことあるわけないわよ」

 

....しっかり見ちゃってるよね..それ..

 

でも紫も前に言ってた..厄介事には首を突っ込むな、気づいても自分に見てないと言い聞かせろって。うん、私は何も見てない。ギルドにクエストの報告をしにきただけだもん。

 

 

そうして私と女苑は何も見なかったことにしてギルドへと入って行った。

 

 




次回、パンツ
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