かつてのカルデアを訪れた帰還者リツカ・ランボー・フジマル。

しかし、戦友たちはすでに死去したと知らされ、失意の中訪れた時計塔では所属魔術師に邪険に扱われ追い出されてしまう。

納得のいかないリツカは時計塔に戻ろうとするも、彼を危険とみなした魔術師により半ば強引な形で拘束されてしまう。取り調べの最中、髭剃りのナイフを顔に向けられた瞬間、カルデア時代の記憶がフラッシュバックし本能そのままに魔術師たちを打ちのめして奪われたトランク型守護英霊召喚システム・フェイトを取り返して逃走、そのまま日本国冬木市にたてこもる。

1 / 1
藤丸立香、一人だけの軍隊

20XX年南極にて、帰還者リツカ・ランボー・フジマルは、カルデア時代の戦友を訪ねてカルデアを訪れる。しかし戦友は、既にこの世を去っていた。

 

カルデアを辞去し、食事をとるためロンドンへ入ったランボーに、魔術師ティーズルが声を掛ける。ティーズルはランボーがトラブルを起こしそうな身なりや顔つきだと判断し、人種的偏見からロンドンを出ていけと高圧的な態度で告げ、ランボーをパトカーに乗せて市街地の外れへと追い出す。それでも来た道を戻り街へ入ろうとするランボーを、ティーズルはトランク型守護英霊召喚システム・フェイト所持で拘束し時計塔へと連行する。

 

 

 

時計塔の取調室に入れられたランボーに、カルデア時代に囚われの身になった時の事がフラッシュバックする。取調べにあたる魔術師達はフラッシュバックにより沈黙するランボーに対し、取り調べに協力的でないとして高圧的に接し、拷問じみた嫌がらせを行う。

 

そしてランボーの髭を剃ろうと羽交い絞めにし、シェービングクリームも付けずにその顔へ剃刀を近付けた瞬間、ランボーの脳裏に、かつて特異点で受けた拷問の様子が鮮烈に蘇ってくる。

その場にいた魔術師全員を素手とガントで叩きのめし、ランボーは没収されたトランク型守護英霊召喚システム・フェイトを奪い返して日本国冬木市へと逃走する。

ティーズルは部下を率いて山狩りを開始し、絶壁まで追い詰める。しかしヘリに乗っていた魔術師が独断でランボーの射殺を図り、身を守ろうとしたランボーが発射したガントによってヘリから転落し、命を落とす。

 

「これは事故だ、彼を殺す意志はなかった」と戦闘の停止を呼びかけるランボーに対し、死んだ魔術師の独走を知らないティーズル達は仇討ちとばかりに発砲。

これをきっかけにランボーは反撃へと転じ、クーフーリン仕込みのゲリラ戦で魔術師達を1人ずつ無力化し、最後に残ったティーズルの喉元にトランク型守護英霊召喚システム・フェイトで召喚したゲイボルグを突き付けて

 

「この街では俺が法律だ」

 

と言い残し、大聖杯へと姿を消す。

 

 

 

ティーズルがロンドンへ戻ると、聖堂教会と時計塔によって組まれた対策本部へ、人類継続補償機関フィニス・カルデアからゴルドルフ・ムジーク所長が派遣されてくる。

 ランボーのカルデア時代の上官である所長は、ゲリラ戦においてランボーがどれだけ優秀な職員であるかを語り、被害を最小限に抑えるため、一旦ランボーから手を引いて大聖杯から下ろし、別の街へ移動したところを改めて逮捕することを提案する。

 

しかしティーズルは自分の手でランボーを捕えることに固執し、所長の案を聞き入れない。ランボーを説得するため、所長はカルデア時代のコールサインを使って無線で呼び掛ける。応答したランボーは、カルデア時代の戦友たちが彼を除いて全員死んだことを伝えつつ、先に仕掛けてきたのは魔術師達だと告げ、投降の意思がないことを明確に表す。

 

夜が明け、ランボーがねぐらにしていた大聖杯を魔術師が包囲する。戦闘慣れしていない魔術師たちはランボーの戦闘力に恐怖し、ティーズルが生け捕りにしろと言うのも聞かず、洞窟にロケット弾を撃ちこんでランボーを生き埋めにする。跡形もなく崩れ落ちた洞窟を見て、代行者、魔術師、ティーズルは、ランボーの死を確信する。しかし生きていたランボーは大聖杯の中をひたすら進み、願いを叶えて地上へと脱出する。

 

そして、通りかかった言峰綺礼を拉致して再び街へと姿を現す。ランボーはガソリンスタンドを爆破して街の注意をそちらに向けた後、魔力炉の電源を断って近所の魔術工房を破壊し、対策本部に乗りこむ。ティーズルは天井の吹き抜けに潜んで待ち伏せていたが、ランボーに返り討ちにされ、重傷を負う。とどめを刺そうとするランボーの前に、所長が現れる。

 

 

「周囲は完全に包囲され200人の魔術師がお前を狙ってる、もう助かる見込みはない、投降しろ、戦いは終わった」

 

と告げる所長に、ランボーは

 

「まだ終わっちゃいない!戦争は続いている!」

 

と絶叫する。そしてその口から、戦争終結からX年経った現在でも続くトラウマと悲劇が語られる。

 

 

「お前は私にとって最後の一人だ 野垂れ死にをしてくれるな」

所長は言う。

 

 

「あっちじゃ人類を救った! バーサーカーとも仲良くできた!何十億もする礼装を自由に使えた!

それが国に戻ってみれば大学に入れないんだ!!

学歴も!職歴もないんだ!!!」

 

 

「何も終わっちゃいないんだ!俺にとっては戦争は続いたままなんだ!所長に頼まれて必死で戦ったが全ては救えなかった!そしてやっと帰国したら、空港には誰も居ず、孤独だった。親友だと思っていた奴に断片的にだけど言ったよ。そしたらよ、

 

赤ん坊殺しだ大量殺人者だ

 

と罵声を浴びせてきた!あいつらにそう言う資格があんのか、誰一人戦争が何かも知らないで俺を責める資格があんのか!」

 

 

 

「みじめすぎるよ……。こんな、こんなことって……。みんなどこへ行ったんだ? ちきしょう。マシュ……。

 カルデアにも、友達がいたんです。そう、大勢戦友がいた。戦場には頼れる英霊が、親友がいた。ここには誰もいない……。

 

アタランテを覚えています? 林檎が好きなやつで、妙に馬が合って、よく話をしました。

帰ったら一緒にギリシャへ行こう。そのときは肩車でって約束した。

足の速さはやつの自慢だった。二人でビンビンに吹っ飛ばそうッてね。

 

ある日町を歩いていたら、声をかけられた。靴磨きの箱を持ったガキで、『靴磨きオッケー?』って言うんです。『お願い』って。俺は断ったけどアタランテはつい『イエス』と言っちまった。そして、俺が便所に行って帰る。その間に悲劇が起きた。

あのときには受肉をして人間とほとんどおんなじ身体だったんだ。

 

それで靴磨きの箱には、爆弾が仕掛けられていてそいつが……! 

爆発音が悲鳴と一緒になって、バラバラになった肉片が! 俺の体にへばりついた!

俺は必死に血まみれの肉片を引っぺがそうとした! 親友の! それから慌ててバラバラになった手足を拾い集め、やつの体にくっつけようとしたけど、内臓が吐き出して! 

 

やつは泣きながら言ったよ。

 

『すまない、マスター。ごめんなさい、立香。貴方と共にギリシャへ、故郷を見たかった。』

 

俺はその周りを這いずり回って、千切れたやつの足を探した! でも見つからなかった!

 

……その時の光景が、頭に焼き付き、X年たった今も毎晩夢に見る。目を覚ますと自分がどこにいるのか、誰かもわからなくなる。そんなことが丸一日、一週間も続く。追い払えないんだ……」

 

 

 

ランボーはまるで子供のように泣きじゃくり、凄惨な事件の背後にある悲劇を知った所長は、ただランボーをその胸に抱きとめることしかできなかった。

そしてランボーは投降。救急車で搬送されるティーズルを横目に所長の手で連行されていき、事件は終結する。




ランボーみたらふと思いつきました。
完全にパクリです、すまない。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。