すまん、急ピッチで仕上げたから誤字脱字多いかもしらん(いつも多い)
見直して納得いかなかったら後日書き直すかもしれないっす。
「うへへへ」
「……集中しろ纏楽。柱に就任して浮かれてしまうのはわかるが足を掬われるぞ!」
定期的に行っている杏寿郎との打ち込み稽古。
今日は俺の屋敷の道場で杏寿郎と稽古をしている。
この真面目でいい奴である杏寿郎は俺の柱就任祝いにうちに来てくれた。
そのついでに稽古を行っているのだが、どうにも気分が浮わついてしまっていていまいち集中できていない。
「大丈夫、安心しろ杏寿郎。今の俺には絶対に死ねない理由があるからな」
死ねない理由であるけれど集中できない理由でもある。
どうすればいいのだろうか。
集中しようとしても自然と口角が上がってしまう。
杏寿郎の振るう木刀が俺のニヤついた顔めがけて迫ってくる。
そんな割と危険な状態にもかかわらずあまり危機感を感じられていない。
今の俺なら何でもできる気がするのだ。
すぐそこまで迫った木刀を弾くために自分の手の中の木刀をくるりと回し、杏寿郎の木刀の軌道を逸らす。
「むっ」
ニヤケ顔に似合わぬ小手先の技に面食らった様子の杏寿郎。
フハハハハハ、確かに今の俺は腑抜けたように見えるのだろう。だがしかーし!
腑抜けて見えるのは顔だけなんだなぁ!
たしかに顔は腑抜けて見える!
……まぁ心が腑抜けて見えるのも否定しない。
だが、今俺の体は絶好調なのだ。体が思い通りに動く。
思考と実際の動きにズレが発生しない。今の俺はたとえ杏寿郎だろうと傷つけることはかなわん!
雷の呼吸 弐ノ型
「稲魂ぁっ!」
神速の五連撃。
俺の木刀がひゅおっと風を切る。
しかしその音は五度もならない。たった一度風を切る音が鳴り、その後ガカァンと杏寿郎の木刀が砕け散った。
「全く同時の五撃、会得したのか!また差をつけられてしまったな」
杏寿郎はまいったと両手をあげて降参。
ふふふっ。今の俺は体が軽い。弐ノ型も爺さんに劣らない練度で放てる。
試してはいないが肆ノ型遠雷で斬撃を飛ばすくらいはできそうなものである。
それくらい今の俺は調子がいい。
「柱になって良い意識の変化があったようだな!」
「いや、これは愛の力、かな」
間違いなく愛の力である。
カナエのことを考えると力が溢れてくるのが止まらない。
いまなら鬼舞辻の頸だって落とせる気がする。
悪いが柱になって意識が変わったとかは全くない。
柱になったから稽古の内容を変えたとかも全くない。
強いて言うのなら柱になってから恋人ができたくらいである。
いやー、柱になって恋人ができたんですよー!
皆さん恋人が欲しいのなら柱になるといいですよー!
……いやうざいな俺。普通にうざいし調子に乗りすぎである。
柱に就任し恋も成就。調子に乗るなという方が難しい状況ではあるが鬼殺隊という死と隣り合わせの仕事をしている以上油断は禁物。
「纏楽が急に動きがよくなった理由はよくわからないが、柱は全隊士を引っ張る立場だ。強くなるのはいいことだな」
「うーん、でも理想とは程遠いんだよな。俺の育手だった元柱の爺さんは引退した身で今の俺よりも圧倒的に強かったから」
そうだ、柱になるのが終着点ではない。
俺が強さを求めているのは誰かを守るためでも鬼を殺すためでもない。
恩人である爺さんが俺を後継者と恥じることなく言えるように強くなった、強さを求めた。
ならば、爺さんを超えなければならない。
俺が爺さんの誇りであれるようにもっと強くならなければいけない。
それまでは隠居して楽に過ごすという夢はお預けである。
「すごい人だったのだな、纏楽の育手は」
「厳しい人だったけどな」
先日、柱に就任したと爺さんに手紙を送った。
まだ返事はきていないけれど、少し楽しみでもある。
「杏寿郎の親父さん、一目見たけど強そうな人だったな」
「あぁ、実際強いぞ。俺なんかよりも断然な」
「柱ってすごいんだなぁ」
「纏楽も柱の一人だろうに」
柱に就任したといっても正直実感が湧かない。
鬼殺隊の最高位に至ったからどうなるというわけでもない。
命令を出したりもしていないし、被害が大きいところの対処のための派遣もされてない。
他の柱と比べてもきっと俺はそこまで強くない。
「まだまだだよ俺なんて」
謙遜などではない。心の底から俺はそう思っている。
楽はしたい。でも俺はまだそんなことをしていられるようなところにいない。
「俺も纏楽に負けないようにしないといけないな!」
「親父さんぶっ飛ばして柱になっちまえよ」
「まずは纏楽に勝ってから父上に挑むことにするさ」
「なんで俺はお前の親父さんの前座なんだよ!」
その後、死ぬほど手合わせした。
調子のいい俺の体は想像以上に動いたので、普段は負けたり引き分けたりもするのだが今日は負けることはなかった。
今日は俺の鎹鴉は鳴くことはなく優雅に過ごすことができている。
柱に就任したのだからひっきりなしに鴉が鳴くものだと思っていたがそうではなかったらしい。これも就任したばかりだからというお館様の計らいなのか。
「なぁしのぶー」
「なんですか」
「ありがとなー」
「どういたしまして」
柱に就任し屋敷をもらったはいいが、最低限の家具しかない。
さらに着物もなければ食器、お茶、茶菓子とないものづくしであったので蝶屋敷からしのぶを借りてお買い物に付き合わせていた、というのは蝶屋敷からしのぶだけを連れ出す建前。
「一ついいですか」
「なに?」
「なんで姉さんを連れてこなかったんですか。せっかく恋仲になったんですから姉さんを連れてくればよかったのに」
「なんで恋仲になったって知ってるんだよ!」
恋仲になったの昨日のことだよ?
カナエが言いふらしたのかな。
「今日、朝からずっとぼーっとしてたしなんとなくわかりますよ。おめでとうございます」
「あ、ありがとう。……しのぶは反対すると思ってたけど」
「姉さんが幸せなら何も言いません」
意外だった。最初あった時は姉さんに近づくなって散々威嚇していたのに短期間で丸くなったものである。
俺としてはうれしい限りであるのだけれど。
「……カナエに贈り物でもしようかと思って」
正直俺の屋敷に物をそろえるのなんて二の次である。
最優先はカナエに恋仲になった記念で贈り物をしようと思ったので、カナエをよく知るしのぶを連れ出したのだ。
「……纏楽さん、そういうの苦手そうですもんね」
「苦手に決まってるだろ」
「胸を張って言うことではないと思います」
「だから是非ともしのぶに助けてもらおうと思って」
「お付き合い開始した翌日に違う女性と買い物って最低ですよ」
それを言われると痛いのだが、贈り物を失敗してカナエに嫌われるほうが嫌だ。
あと、ちょっと嫉妬したカナエを見てみたいなーなんて最低な思考もあったり。
「でも、わざわざ浅草まで来ますか?」
「都会ならカナエが好きそうなのもあるかなって」
「はぁ、まぁいいんですけど」
しかし相変わらず、すごい人の数。
本音を言えばこんな恐ろしいところには来たくはなかったのだが背に腹は代えられない。
しっかり者のしのぶもいるし何とかなるだろう。
「しのぶ、絶対俺の手を離すなよ!はぐれたら俺は泣く。間違いなく泣いてしまう」
握ったしのぶの手は以前握ったカナエの手よりも一回りほど小さく細かった。
こんな小さな手が毒を開発し、刀を振るっているなんて想像できない。
「普通こういう時は男の人が引っ張るんじゃないんですか」
「むり、この前カナエと来た時もカナエに手をつないでもらわないと歩けなかったから!」
「はぁ、鬼と戦っている時はあんなに頼もしいのに」
はぁ、申し訳ないです。でも仕方ないではないか。
人には向き不向きがある。俺は鬼は狩れるが街は歩けない。
それだけの話なのだ。
「手をつないで浅草を二人で歩いていたなんてバレたら姉さんになんていわれるか」
「その時は一緒に弁解してくれしのぶ!」
「あなたさっきから最低ですよ」
「やましいことをしてるわけではないから大丈夫だよ」
「それで、どんなものを渡したいとかあるんですか?」
「どんなものがいいと思う?」
「……何も考えてないんですか」
正直女の子が何を欲しいかなんてわからないんだもの。
恋人なんてできたのは初めてだし勝手なんかわかるわけがないだろうに。
「じゃあ、こんなのはどうだろう」
「それは最初の贈り物じゃないですよ」
目についた小物屋に入り何かないかと物色していて見つけた簪は速攻で却下された。
最初ってなんだ。贈り物には順番があるのか。
そんなこと知らないよ。学校にも行ってない貧しい村の子だったんだからしょうがないでしょ。
「しのぶ、これは?」
「………………はぁ」
えぇ、無言でため息つかないでくださいよぉ。
「こけしなんてもらって嬉しいわけないでしょ!」
この後、しのぶに何度も怒られながら、贈り物を選んだ。
あと、俺が買おうとしていた着物がダサいと指摘され着物も選んでもらった。
神様仏様しのぶ様である。
浅草から戻り、蝶屋敷前。
「今日はありがとうな、しのぶ」
「纏楽さんがあんなにもダメダメだとは思いませんでした」
ものすごくあきれられている。
このしのぶの反応を見る限り、俺一人で買いに行かなくて正解だった。
「お金持ってるからってあんな高価なものを渡されても困るんです」
「他に使い道もないし好きな女のために使えるなら本望だったんだけど」
「あなたはほんとに馬鹿ですね。ほら、さっさと姉さんに渡してきたらどうですか」
「あ、その前にこれ」
背負っていた風呂敷の中から手鏡を取り出し、しのぶに渡す。
カナエへの贈り物を選んでいる途中、蝶のような模様だったのでこれなら間違いないとこっそり買っておいた品である。
「……そういうことをしていると姉さんに怒られますよ」
「今日は本当に助かった。そのお礼だよ」
「まぁ、ありがたく頂戴しますけど」
ちょっと照れながら受け取るしのぶも可愛いなぁ。
わしわし。いつも通りしのぶの頭を撫でる。
「次もよろしくな」
「纒楽さんはそういう事はからっきしみたいなので、仕方ないから次も手伝ってあげます」
「……仲間はずれで悲しいなー」
!!!???
「か、カナエさん?」
「なぁに?纏楽くん」
「え、笑顔が怖いですよ?」
いつもと同じような笑顔を浮かべているようで、その笑顔の裏に見え隠れする黒いナニカ。
「そんな事ないわよ、ねぇしのぶ」
「わ、私、洗濯物取り込んでくるわねっ!」
手鏡片手に逃げ出すしのぶ。
カナエはしのぶを捕まえる事なく、笑顔のまま俺に迫ってくる。
「しのぶは最低限の物を買い揃えるために連れ出したんじゃなかったの?」
「そうです」
「しのぶに贈り物する理由は?」
「お礼、です」
「恋人より先に、その妹に贈り物しちゃうんだ」
やばい、泣いてしまう。
これは泣いてしまう!怖い!カナエの笑顔怖いっ!
嫉妬した姿みたいとか思ってたけどこんな怖い嫉妬は求めてないっ!
「部屋でお話聞くよ?」
蝶屋敷前からカナエの自室へと場所を移すことに。
もしやこれは長引く感じではなかろうか。
ここは打って出るしかないのでは?
カナエの部屋に入ったその直後、カナエを背後から抱きしめた。
俺とカナエはあまり身長差がないので、俺の顔はカナエの顔のすぐ横にある。
目を合わせてはくれないカナエ。その目は少し潤んでいるようにも見える。
これはマズイのでは!?
「……纒楽くんは私のこと好きなんでしょ?」
「大好き」
「なんでしのぶにばっか構うの」
「ごめん。カナエ、渡したいものがあるんだ」
カナエを開放すると、風呂敷からしのぶと共に選んだ贈り物を取り出す。
「これを、しのぶに選ぶの手伝って貰ったんだ。俺、こういう贈り物はよくわからないから」
手渡したのは櫛。
カナエのような長く綺麗な髪を持っている女性にはこういうのがいいのではとしのぶと店員の勧めで購入。
「……物でご機嫌取り?」
「違うって。恋仲になった記念に贈り物がしたかったんだ」
「なんでしのぶを連れて行ったの?どんなものでも纏楽くんからの物なら私は嬉しいのに」
「せっかくなら喜んで欲しかったから」
「馬鹿、なら私を連れ出してくれれば良かったのに。纏楽くんは私とお出かけしたくないの?」
あぁ、その手があったかと今更ながらに思う。
カナエに喜んで欲しくて、驚いて欲しくてやった事だったが結果的にカナエを悲しませてしまったのか。
「お出かけしたいよ。今度からはそうするな」
「……ありがとう、纒楽くん」
カナエは櫛を受け取ってくれた。
しっかりと両手で受け取って、大事なもののように胸に抱いた。
その姿をみて、愛おしさが溢れてくる。
今度は正面からカナエを抱きしめた。
華奢な体だけれど、柔らかく暖かい。
「ごめんな、カナエ。大好きだ」
「私も。ごめんね、めんどくさい女で。大好き、纏楽くん」
「私よりしのぶに構ってたから嫉妬しちゃったけど、平等に愛してくれるならしのぶも恋人にしてもいいからね」
「!?」
みんな姉妹とイチャイチャを求めているらしいので、甘い成分も入れつつ、鬼を斬って行こうと思います。
感想評価をくださいっ!今日みたいな事になりかねないのでもっとモチベを高めるために感想評価をお願いします!
第二回需要調査(どんな話が読みたいの?)
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