なんか用事やら何やらで間に合わん。
ということで今後は11時とか12時に投稿されます。
前回感想評価を熱望したらものすごく反応がありました。
非ログインの方からもたくさん感想いただきました。
皆さんのお声が力に変わります、本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
ふと目を覚ます。
体のあらゆるところが悲鳴をあげる。
何でこんなに体中が痛いんだったか。
というか、ここは蝶屋敷ではないか。体の痛みに気を取られていて気が付かなかったが、せっかくもらった屋敷の天井ではない。
体を見ると包帯でぐるぐる巻きになっている。
……そういえば上弦の壱と戦ったのだった。槇寿郎さんと天元、名も知らぬ水柱の人は無事なのだろうか。
そもそも俺はどれくらい寝ていたのだろうか。思い返せば肩口からバッサリと斬られていたから相当出血していたし間違いなく重症なはずだった。
それに最後の記憶では奥義である玖ノ型雷煌を放ったものの手応えがなかった。
上弦の壱の刀を折り、頸に迫ったが次の瞬間に上弦の壱が消失したのだ。
その後俺はすぐに気を失ったが、生きているということは一応は退けたということなのだろう。
つまり上弦の壱は死んでいない。
はぁ、下手すればもう一度戦いを挑む羽目になりそうだなぁ。
「………………ぁぁ」
カナエやしのぶを呼ぼうにも声が出ない。
水が飲みたい。でも体が痛くて起き上がることができない。
窓から差し込む光は明らかに月あかり。
時間帯は間違いなく夜中なのでカナエもしのぶも寝室で寝ているのだろう。
ふむ、これは俺にはどうしようもない。
治癒の呼吸、痛み止めの呼吸を使用しながら二度寝するしかなさそうだ。
とりあえず、死ななくてよかったと心底思いながらもう一度目を閉じる。
上弦の壱相手に死闘を繰り広げたのだからカナエやしのぶに甘やかしてもらわなければ割に合わない。
お館様もさすがに空気を読んで休暇をくれることだろう。
まぁ、俺の仕事がなくなってもカナエには蝶屋敷での仕事だけでなく鬼殺の仕事は舞い込んでくるし、しのぶもカナエ不在時に蝶屋敷運営のために東奔西走することだろうからそんなに有意義な休暇を過ごせるかどうかはわからない。
その時は天元や杏寿郎とお茶に行くのもいいし。
とにかく休みが欲しい。楽がしたい。
今回ばかりはちょっと怠けても許されると思うの。討伐はかなわなかったけれど上弦の壱との闘いから生還し情報を手に入れたという事実だけで褒められるべき。
そんな割としょうもないことを考えていると自然に意識が落ちた。
「纏楽さん、まだ起きないわね」
意識の奥からそんな声が聞こえてくる。
聞き覚えのある声。しのぶの声。
「うん、でも呼吸もしっかりしてるし心臓もちゃんと動いてるから大丈夫よ」
カナエの声も聞こえる。
柔らかく細い手で俺の手を握ってくれているようだ。
意識がだんだんと覚醒してくる。
ん?もしや両方の手を握られている。それぞれ大きさの異なる手。
もしかしなくともしのぶも手を握ってくれてるのだろうか。幸せかよ。
ちょっといたずら心でまだ寝ているふりをしてみる。
「姉さん、ちゃんと寝てるの?昨日も鬼を斬って夜遅くに帰ってきて纏楽さんのそばにいたでしょ」
え、ほんとに?俺愛されてるなぁ。
もしや一晩中手を握ってくれてたりするのだろうか。
昨日起きた時にはカナエはいなかったからそんなに深夜に目を覚ましたわけではないのか。
「しのぶだって仕事を終わらせたらなるべく纏楽くんのそばにいるじゃない」
「姉さんみたいに一晩中そばにはいないから」
「しのぶは寝てるの?夜通し薬や毒の研究してるじゃない」
「毒があれば纏楽さんがこんな大けがしなかったかもって、もっと効く薬があれば早く目を覚ますのかって思うと寝られないの」
しのぶもいい子だなぁ。
こうやって寝たふりして二人の会話を盗み聞きしているのが申し訳なくなってきた。
「しのぶは纏楽くんのこと恋愛感情は持ってなかったんじゃなかったの?そんなに頑張っちゃって」
からかい気味にカナエはしのぶに問いかけた。
……もうちょっとだけ話を聞いて、自然な感じで起きよう。
「別に、嫌いなわけでもないし。尊敬してるし感謝もしてるから」
「しのぶは尊敬してる人だからって手を握ってあげるような子じゃないでしょ」
「……」
「ふふふっ、しのぶ、認めたほうが楽だと思うわよ?」
姉に言われて恋人を共有するって確かに一般的な恋愛ではない。
戸惑う気持ちも分かる。
自分の感情だからといって簡単に整理できるわけでもない。
「……ぁ」
『あんまりしのぶをいじめるなよ』って言いたかったのに声が出なかった。
そういえば昨日の夜から俺の声はこんな感じだった。
しかし、俺の手を握っていてくれている二人にはしっかりと俺の声は届いたようで、顔を見合わせて話していたカナエとしのぶがパッと弾かれたようにこちらをみた。
「纏楽くんっ!」「纏楽さんっ!」
「……いたい」
美少女二人に抱き着かれるのは非常に嬉しいのだけれど痛いよ。
あの、ほんと痛いんですけど。
あの「よかったぁ」とか「心配したんですよ」とか言ってくれるのはうれしいけれど痛い。
カナエの膨らんでいる胸とかがあたってて幸せだけど痛い。
しのぶが自分からこんなに密着してくれてうれしいけれどなにより痛い。
ちょっと早く解放してくれませんかね。
「一か月も寝てたのよ?」
「上弦の壱にやられたって柱が
心配かけたのは申し訳ないのだけれど、痛いししゃべれない。
「……ぁの、みず」
ものすごい気合を入れて声を振り絞ってこれである。
だが、しっかり通じたようで二人はすぐさま立ち上がって走り出した。
……水淹れてくるのに二人もいらなくない?
「「淹れてきたわっ!」」
うん、可愛いけど。
二杯もいらないよ?
「はい、口開けて」
「飲めますか?」
二杯も同時に飲めるわけないでしょ。
せめて一人ずつお願いします。
普通に考えてわかるでしょ。慌てすぎじゃないですか。
結果、ものすごく布団に水をこぼしながら二つ一気に飲みました。
「あー、あー、うん、心配かけてごめんな二人とも」
「本当に心配したのよ?最初の三日は私、気が気じゃなくて任務には集中できないし、ふとした時に泣いちゃってたんだから」
「カナエが俺のために泣いてくれるなんて嬉しいんだけどな」
「もう、女の子を泣かすなんてひどい人なんだから」
「ごめんってば」
「姉さん、毎日空いた時間は纏楽さんの手を握ってたんですよ」
うん、聞いてた。
知ってる。でも、ここで知ってる感を出してしまうと盗み聞いていたことがバレてしのぶに怒られてしまいそうなので初耳な反応をしなければならない。
試される俺の演技力!
「ありがとう、カナエ」
「どういたしまして」
ちょっと顔を赤くして照れているカナエ可愛いなぁ。
演技もばれてない、視線は泳がないように努めたし声も普段通りを心掛けた。
「でもね、纏楽くん、私だけじゃなくてしのぶもずーっと手を握っていたのよ?仕事とか研究の時以外はずーっとここにいたんだから」
「しのぶ、ありがとな」
「ど、どういたしまして」
しのぶの頭を撫でてやりたいのだけれど、肩から斬られてしまったため腕を自分の力で上げることができない。
指は動く、腕も動くには動くのだけれど、一定の高さから上がらない。
「ごめんなしのぶ、今は撫でてやれない」
「別に撫でてほしいわけじゃないですけど」
でも、と言葉を区切ったしのぶ。
膝立ちになって、強引に俺の腕よりも低い位置に陣取る。
「これなら撫でられますか?」
「……しのぶは可愛いなぁ」
撫でられたがっているしのぶ、可愛すぎではなかろうか。
いつものようにわしわしと強く撫でることは今の俺にはできない。
それでも精一杯の力を込めて撫でる。
「しのぶばっかりずるいと思うのだけど」
……カナエも撫でられたいのだろうか。
それなら低い位置に陣取ってくれないと撫でられないよ?
「んー、私はこうしようかしら」
俺の寝ている寝台に上がってくると、しのぶを撫でている手とは反対の腕の中にするりと入り込んできた。
ぴとりと肩口あたりに顔を付けるように密着したカナエ。
俺は、カナエの腰からおなかのあたりに腕を回し、精いっぱいの力で抱きしめる。
「汗臭いだろ?」
一か月も寝たきりだったのだ。当然風呂にも入っていないから体はお世辞にも綺麗とは言えない。
「ううん、いやじゃない。それに、毎日私としのぶが体をふいていたもの」
……意識のない間にもたくさんお世話されていたとして少しの気恥ずかしさが生まれる。
でもまぁ、カナエに肌を見せるのは風呂突撃事件という前例があったし今更か。
「あの、おなか減ったので何か食べるものをもらえないか?」
「すぐ用意しますね」
名残惜しそうにしのぶは撫でらている状態から抜け出すとパタパタと台所へと駆け出して行った。
胡蝶姉妹は家庭的だなぁ。
お嫁に来てください。一生養うんでお嫁に来てください。
「カナエは仕事ないのか?そばにいてくれるのは嬉しいけど、カナエに迷惑はかけたくない」
「纏楽くんのそばにいるために仕事は全部終わらせてるし、掃除洗濯も大丈夫。ほかの患者さんの機能回復訓練とかはほっといて大丈夫よ」
「それ大丈夫か!?」
ほっとかれてる他の患者さんが不憫でならない。
「だって何より纏楽くんのそばにいたいんだもの」
なら仕方ない。
というかカナエ可愛すぎか。
「好き」
「私も大好き」
しのぶを撫でていた手もカナエを抱きしめるのに使い、体いっぱいを使ってカナエを感じる。
暖かくて柔らかくていい匂い。
肌は絹のように滑らかで、真っ白でシミなんて見当たらない。
髪の毛も黒く美しい。そして驚くほどにサラサラだ。
「纏楽くんがくれた櫛で髪を毎日整えてるから」
「使ってくれてありがとな」
「こちらこそ素敵な贈り物をありがとう」
ぎゅーっという効果音がふさわしいほどにカナエは俺を抱きしめ返してくる。
先ほどのように力いっぱいではなく、優しく抱きしめてくれている。
うーん、密着できて嬉しいけれど、男の子な俺としては興奮してしまいそう、いや興奮してしまうんですけど。
カナエの顔に視線をやっていたのをほんの一瞬だけ俺のみぞおちあたりに当たっている柔らかな感触の元凶へと視線を送ってすぐに戻す。
女の子の体の成長に関してはよくわからないけれど大きいのではなかろうか。
まだカナエは十六。これから成長の余地がまだあるのにそこそこ大きいんじゃないだろうか。
「纏楽くん」
「なっ、なにかな?」
声が裏返ってしまった。
胸を一瞬とはいえ、見ていたことがバレてしまっただろうか。
「好きに見ていいのに。私たち恋人同士なのよ?見たって怒らないし、いつかは見せるんだから気にしないわ」
「いや、その、はい」
なんて返答するのが正解なんですか?
わからないよ。見ていいって言われましても恥ずかしいよ。
見たいけど、見ていると思われるのは恥ずかしい。だからこっそり一瞬だけ見たのに。
ほんとに一瞬しか目線を送っていないのになぜバレたのか不思議でしかたない。
「さわってみる?」
「へあっ」
変な声出たー!
俺の反応がおかしかったのか、あらあらうふふと笑うカナエ。
「強くてかっこいい纏楽くんも女の子に興味津々な男の子なのね。興味があるのはいいけれど、私としのぶ以外をそういう目で見ちゃダメよ」
「そこは大丈夫」
こんなかわいい恋人がいて他にうつつを抜かすとかありえない。
……しのぶはカナエ公認だから大丈夫。
「纏楽くん、子供欲しいんでしょ?まだ無理だけど、いつかは、ね」
顔を真っ赤にして俺と視線を合わせないように視線を逸らしているカナエも非常にいとおしいが、いったいどうしてそんな話が出てきたのか。
「音柱様が、纏楽くんは子供が欲しいらしいぞって」
「なんで天元がそんなこと——」
『悪いんだが、俺は子供が欲しいんでね。鬼になる気はない』そんなことを上弦の壱と戦った時に言ったような気がする。もしかしなくとも天元がそのことをカナエに話したのだろうか。
なんて奴だ、忍者のくせに人の情報を簡単に漏洩しやがって!
「欲しいの?」
「ほしい、けど」
カナエに詰め寄られる。
カナエの鼻が俺の鼻に触れる。
「うふふ、頑張るわね」
ちゅっと一瞬だけ唇どうしが触れ合った。
今はここが限界だけれどそのうちこれ以上をすると思うと今から恥ずかしさと嬉しさがこみあげてくる。
「病室で何やってるのよ」
お盆を持ったしのぶがあきれ顔で俺たちの情事を見ていたことを知って俺の顔は赤く染まるがカナエは何でもないように口を開く。
「なにって、愛の確認?しのぶも纏楽くんと接吻したら?」
「……しない!」
しのぶは俺の唇に一瞬だけ視線を送るがすぐに視線を切って否定する。
その様子を見た俺はさっきの胸を見ていたのもこんな感じで察されたんだなぁと理解した。
「悪いんだけど、腕が上がんないから食べさせてくれないか」
「姉さんを抱きしめてるから両手ふさがってますもんね」
「あとでしのぶもめいっぱい抱きしめるから」
「……はい、口を開けてください」
お?抱きしめることに対しての言及がなかったということは後で抱きしめてもいいということなのだろうか。
カナエがにやにやと笑みを浮かべているからそういうことなのだろう。
「しのぶ、後で体拭いてくれ。しのぶの体も拭いてやるから」
「私は結構です!すぐ調子にのるんだから」
「しのぶ」
「なんですか」
「おいしいよ」
「ありがとうございます」
少し照れるしのぶをほほえましく眺めながら、食事をとり、カナエを抱きしめる。
これが幸せというやつか。
「ねぇ纏楽くん、私が纏楽くんの体をふいたりご飯食べさせたら治った後私に同じことしてくれる?」
「!?」
激戦の後は平和な日常だよなぁっ!
私も胡蝶姉妹に手を握られながら寝たい。
前回同様感想評価を待ってます。
前回投稿後に感想評価爆上がりでテンションアゲアゲでモチベもアゲアゲです。
どうぞ今回もよろしくお願いします!
第二回需要調査(どんな話が読みたいの?)
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胡蝶姉妹とイチャイチャ
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その他原作キャラとイチャイチャ
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鬼とイチャイチャ(血みどろ)
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師匠と弟子といちゃいちゃ
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さっさと原作突入しろ