あと、感想返せてないですけど全部見てますからっ!
今後ともよろしくお願いいたしますっ!
今は感想の返事よりも本文書きたいんだっ!
下弦の肆を倒した翌日、鴉から手紙が届いた。差出人は産屋敷耀哉様。
一ノ瀬纏楽、鬼殺隊入隊から半年強、鳴柱就任と相成りました。
他の柱の方々は意外にお年を召した方が多く、若手の一人として期待しているとお館様に言われました。
柱になった事で屋敷一つをもらい、仕事も担当区域内の鬼を狩ることが基本的なものになった。
そして同じタイミングで柱になった人、音柱宇髄天元とは仲良くなりました。
「一ノ瀬、お前まだ十四なんだろ?ド派手じゃねえか」
「いや、天元の方が派手だと思うけど」
「当たり前だ、祭りの神だからな」
所々意味のわからない発言の目立つ天元だが、普通にいい奴だし比較的に気安く話しかけることが出来た。
その結果、柱就任後すぐ二人で茶屋へ訪れ団子を食べながら雑談をしている。
「岩柱の悲鳴嶼って奴、アレはヤバイな。勝てる気がしねぇ」
「杏寿郎の親父さんもアレ凄い実力者だよね」
俺たちも柱になるための条件は達成したから柱に就任したわけだが、他の柱の練り上げられた強さは異常だ。
「俺は派手に自分の実力に自信があったんだが、上には上がいるって事だな」
「本当、楽できないなぁ」
「楽してぇと言う割に働き者だと噂になってるぞ」
「仕方ないでしょ、周りが楽させてくんないんだから」
蝶屋敷での入院生活は楽どころか幸せいっぱいだったが、ついに屋敷も手に入れてしまったし、行く理由が減ってしまったではないか。
カナエとしのぶに稽古つけに行くのを理由に毎日のように行ってやろう、そうしよう。
「天元は継子とかとるのか?」
カナエとしのぶを継子にしてもいいかもしれない。カナエは年上だけど年齢は関係ないだろう。
「多分とらねぇな。有望な若い奴なんていないだろ。お前は?」
「そうだなぁ、今二人稽古をつけてる奴らはいるけど、継子にするかと言われるとどうかなぁ」
胡蝶姉妹を継子としてもいいけれど向こうの意志もあるし、俺は指導に関しては素人だ。
そもそもしのぶは隊士じゃないし。
加えて柱としては俺もまだまだ未熟であるし、継子という形で弟子をとるにしても俺がもう少し強くなってからだと思う。
「あとお前、屋敷どうすんだ。お前ひとりで住むのか?」
「……いつかきっとお嫁さんが来てくれるから。天元は一人?家族とかは」
「嫁が三人いる」
「へー」
嫁が三人ねー。ん?嫁、三人?
「嫁が三人!?」
どどどどど、どういうこと!?確かに頭の装飾全部外した天元はすごく整った顔をしているがそれで嫁が三人も来てくれるものなのか
いいなぁ。家に帰った時三人のお嫁さんからおかえりなさいって言ってもらえるのうらやましいなぁ。
「おう、俺の命より大事な嫁だ」
かっっっっこいい!!!
なんだこの男前!
祭りの神だの派手を司る神だのふざけたことを言うこともあるがかっこよすぎではなかろうか。
俺もこんな男になりたいものである。
「家に一人ってのも悲しいだろ、お前も早く嫁の一人や二人もらえよ」
「俺、まだ十四なんだけど」
流石に結婚するには早い年齢だろう。
確かに一緒になる人は欲しいけれど。
「婚約状態にでもして同棲すればいいだろ。それに十四で女を囲ってるってのも派手でいいだろ。幸い、養えるだけの地位にはついてるんだしな」
「相手がいないんだよ」
「あん?気になってる女くらいいねぇのか」
「それはいるけどなぁ」
カナエとかカナエとか……
あんないい子で綺麗な子を好きにならない理由がないだろう。
他の隊士のことをよく知らないけれどきっと他の隊士もカナエのことを狙っていることだろう。
というかカナエが男に狙われないなんてことがあるはずがないのだ。
「よくは知らねぇがうかうかしてると他の男に持ってかれるぞ。ただでさえいつ死ぬかわからない仕事なんだ、恋愛事は手が早いって聞くぞ」
そうだよなぁ、死ぬ前に幸せな思いの一つや二つしておきたいと思うのが人の心という奴だろう。
「ありがとう天元。流石は年上の妻を三人も持つ男」
「おぉ、もっと敬え」
杏寿郎といい天元といい、めっちゃいい男友達に恵まれたなぁ。
俺はこの人たちにまだ何もしてやれていないけれど、杏寿郎や天元が俺の力を必要としたときは何を押しても駆けつけると心に決める。
「あと、もう一個聞きたいことがあるんだけどさ。天元の足音しない歩き方、どうやるの?」
「お前なかなか図々しいな」
「だって気になるだろ」
忍者である天元は足音がしない。
足の使い方を知ることは雷の呼吸に使えるかもしれないし、使えなくても足音消して歩くのはカッコいいので、どちらにせよ教えてほしい。
「まぁ、今度任務が一緒になったら教えてやるよ」
「お!ありがと天元」
「代わりにお前の恋路、報告しろよ」
昔から、他人の恋路を聞くのは楽しいものである。
恥ずかしいけれど、天元なら良いアドバイスをしてくれるとも思うので頷いておいた。
屋敷を貰ったものの、ちょっとした手荷物は蝶屋敷に置いてきてしまったので一度蝶屋敷に戻った。
二人にお礼も言いたかったしね。
「あ、お帰りなさい」
「……しのぶがお帰りって言ってくれた」
「な、なんで泣くんですか!?」
しのぶがこんなにも俺に気安く接してくれた事に感激してうっかり涙が溢れてしまった。
「毎日しのぶがお帰りって言ってくれたら幸せなんだろうなぁ」
涙をゴシゴシとぬぐいながら、俺の欲望をポロリと漏らす。
「そう言うことを私にも姉さんにもコロコロ言うところは好きじゃないです」
せっかく拭いた涙が出て再び溢れ出した。
「しのぶが好きじゃないって言ったぁ」
「めんどくさい人ですね!」
まぁ、嘘泣きなのだが。爺さんの稽古から逃げるために身につけた嘘泣きの特技。爺さんには通じなかったけれど、しのぶをからかうには有用だった。
「お帰りなさい纏楽くん。あら?どうして泣いてるの?」
「知らないわよ」
「しのぶがいじめたぁ」
「いじめてないでしょ!」
ぐすぐすと女々しく女の前で泣き始める俺。
正直気持ち悪いと言われても文句言えない行為だが、カナエならば…
「ほら、泣かないの」
甘やかしてくれるんだよなぁっ!
はあーっ!カナエが頭撫でて慰めてくれてるっ!幸せの絶頂は今この時の事を指すに違いないっ!
「姉さんは甘いのよ!」
「しのぶも、纏楽くんをあんまりいじめちゃダメよ?」
「いじめてないっ!」
しのぶからしたら傍迷惑な事この上ないのだが、俺の幸せのために犠牲になってくれ。
変な怒られ方したせいでぷりぷり怒っているしのぶ。
「……しのぶ一緒に幸せになろう」
「あらあらまあまあ、愛の告白かしら?」
「姉さん、どうせこの人のことだから——」
「カナエに慰められる事こそこの世の天国に違いない」
「この世の天国って意味わからないんだけど」
生き地獄ならぬ生き天国という意味である。
「なら私は天国の住人ね」
「姉さんもよくわかんない茶番に付き合わなくていいのっ!」
でもなんだかんだそわそわしているしのぶ。
全く、しのぶは仕方ないなぁー!
「俺が生き天国に誘ってやるよ!」
「生き地獄の間違いでしょっ!」
結局いつもの謎の撫であいが形成される。
嫌がってもされるがままなしのぶは可愛いなぁ。
「あ、カナエ。紙と筆貸してくれるか?爺さんに手紙書きたいんだ」
「お爺さんに何か報告でもあるんですか?」
「あぁ、柱に就任した事を報告するんだ」
「へぇっ、おめでとうこざ、い、ま?」
「「えぇぇぇぇぇぇええ!!??」」
仲のいい姉妹ですね。息ぴったり。
というか、何をそんな驚いているだろうか。
「は、柱になったの?」
「あぁ、さっきまでお館様に就任にあたって挨拶とか刀貰ったりしてた」
「なんで言ってくれないんですか!」
「え、いや杏寿郎が教えてくれただろ」
あれは不確定情報ではあったが似たようなものだろう。そんな驚くことではない。
「本当に柱に就任したなら言ってくださいっ!」
「そうよ、今日の夕飯豪華にしなくちゃっ!」
俺よりこの姉妹の方が騒いでいるのはどういう事なのだろうか。
いや、たしかにめでたい事だけれども、ここから大変な事も多そうだし軽く憂鬱よ?
と、いうか夕飯豪華って…
「祝ってくれるの?」
「「当たり前よっ!」」
お前らっ、いい奴かよっ!
「纏楽くんが柱かぁ」
夕食は赤飯やら鯛やらが食卓に並んだ。
いやぁ、ありがとうございます。
しかも全部カナエの手作り。いいお嫁さんになれる事間違いなし。
是非ともうちに嫁に来ていただきたい。
「似合わないって?」
「ううん、纏楽くんは強いから納得だし似合ってるわよ?」
「普段の行動と、鬼殺の時の雰囲気違いすぎですよ。普段から真面目ならいいのに」
「普段から真面目にやってたら疲れるだろ。気楽にいこうぜ、気楽に」
はい笑顔ー。
ぐにー。
「やめへふははい!」
「やっぱり姉さん、しのぶの笑った顔好きだなー」
「これを笑ってるっていうの!?」
「しのぶ、いい笑顔だぞ」
「……柱になってもいつも通りですね」
そらそうだ。
逆にめっちゃ偉そうにしてたり、威厳ある感じになっても変じゃない?
「これからも俺はしのぶの頰を引っ張り続けるし、頭も撫でる!」
「……柱になって忙しいのにそんな暇あるんですか?」
「しのぶのために暇を作るよ」
あらあらまあまあ、とカナエはニコニコしている。可愛い。
「しのぶはね、纏楽くんが柱になっちゃうから、もう構ってもらえないかもって、寂しいって言ってるのよ。可愛いでしょう?」
「可愛い」
「姉さん!」
顔を真っ赤にしてカナエに詰め寄るしのぶ。
可愛い、なんだかんだ俺に気を許してくれてるしのぶ可愛い。
「纏楽くんは継子をとったりしないの?」
「うん、継子をとれるほど強くないし教えられるほど経験もないから」
「纏楽くんの継子になろうとしてたのになー」
「今まで通りとはいかないけど、稽古はつけようと思うから、それで勘弁して」
カナエは鬼と仲良くしたいという割に強さには貪欲だ。
それはきっと鬼を殺すためではなく、誰かを守るための強さなんだろう。
こんな理由で強さを求めるカナエだから俺はそれに応えてあげたい。
「姉さんを継子にするときは私もついていきますからよろしくお願いします」
「しのぶはお姉ちゃんっこだなぁ」
「姉さんもしのぶのこと大好きよ?」
「なんですぐこうなるの?」
なにかあるたびに頭を撫でられるようになってしまったしのぶ。
これは間違いなく俺のせいではないだろうか。
でもしのぶもまんざらでもなさそうだしいいよね。
たとえしのぶが反抗期に突入したとしても俺は撫で続けてやろうとひそかに心に決める。
「そういえば、纏楽くんも屋敷をもらったんでしょう?今度遊びに行くからね」
「……あんなでかい屋敷を独り占め。ははっ、うれしいなぁ」
「それはちょっと寂しいですね」
「しのぶぅ一緒に住もうよぉ」
「ちょっとっ、くっつかないでください」
割と真剣に寂しい。
最近蝶屋敷に滞在していたからその対比で余計に寂しい。
寂しさを抱えたまま鬼退治に出かけ、寂しさを抱えながら帰宅するという常日頃から悲しみを背負った人間になってしまいそうである。
「しのぶ~」
「たまには顔を見せに行きますからっ、離れてください」
「毎日来てくれよー」
「お互いそんな暇ないのわかってるでしょ!」
でもたまに顔を見せに来てくれるしのぶ可愛い。
きっと律義に週に一回くらいで来てくれるんだろうなぁ。
「カナエも今度と言わず今から来てくれていいし、なんならそのまま住んでくれてもいいんだけど」
「いいわけないでしょ!そもそも私も姉さんも蝶屋敷があるんだから無理なのわかってるでしょ!」
うん。わかってる。
鬼殺隊士が緊急搬入されるのは基本的に夜中。
夜こそこの姉妹は蝶屋敷にいなければならない。昼も機能回復訓練や患者の食事管理と大変なこと間違いないだろう。
こんばんわー
玄関の方から声が聞こえてくる。
物資や患者と色々なものが出入りするこの屋敷に人が訪ねてくることはよくあることだ。
「私が出るわ」としのぶが一度席を離れる。
……言うならこのタイミングなのだろう。
「さっきの、本気で言ってるのよね?」
んん?こちらから仕掛けようとしたらカナエの方から切り出してきた。
しかも割と真剣な雰囲気だ。しかし、ここで引いたら男が廃る。
男ならド派手に生きろっ!
「あぁ」
もっと他に言うことあっただろうがこのドヘタレっ!
馬鹿か?馬鹿なのか?全くド派手じゃないよ。
「でも、しのぶの言った通り私はここを離れられないの」
「……」
「だからね、隙を見てお邪魔するわね」
あれ、これはどういうことなのだろうか。
どっち?これどっち?もしや脈ありな感じでしょうか。
「纏楽くんはちょっと目を離すと無茶なことしそうだし、食生活もひどいって聞くし、前はあんまり寝てもなかったって話だし、ここにいるのだって怪我だけじゃなくて過労で体がボロボロだからっ」
はい、すいません。
自分の体も管理できないような未熟者ですいません。
でも、過労なのも食生活がひどいのも寝られないのも鴉が次々に方角を告げるせいなのだが。
「毎日はできないけど、私がちゃんと見ててあげる。ご飯も作りに行ってあげるし、疲れてたら寝かしつけてあげるわねっ」
これはあれか、弟として世話してくれるのか好きな男の子としてみてくれているのか。
不安っ、この圧倒的手のかかる子を世話してあげてる感っ!
「カナエは俺のこと……好き、なのか?」
心臓がいつもの何倍も早く鼓動している。
「ふふっ、言わなきゃわからない?」
えっ、いや、あの、わからない、かな?
蠱惑的な笑みを浮かべるカナエに俺の顔が熱くなる。
「わからない、です」
カナエの顔が迫る。
近い近い近い、まつげ長い肌白い目綺麗。
頬に柔らかなカナエの唇が触れる。
ほんの一瞬のことだったけれど確かな現実だということは理解できた。
「大好きよっ!」
………………………………………………………………………………………………………………
うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!
これで体温上がって纏楽くん痣発現したらめっちゃ面白いんだけど発現しません。
恋愛パートはダラダラやるよりサクッと済ませようと思ってました。
ちなみに、しのぶは途中から聞いてるけど空気読んで部屋に入らない良い子です。
感想評価を頂けるとモチベーションアップして私が失踪しなくなるのでどうぞよろしくお願いいたします!
感想返せないですけどちゃんと読んでるのでっ!
第二回需要調査(どんな話が読みたいの?)
-
胡蝶姉妹とイチャイチャ
-
その他原作キャラとイチャイチャ
-
鬼とイチャイチャ(血みどろ)
-
師匠と弟子といちゃいちゃ
-
さっさと原作突入しろ