鬼滅廻戦 作:漏瑚可愛いよね
宿儺の指の捜索に向かう虎杖達。その道の途中、虎杖達は藤の花の家紋の屋敷へ寄り、情報の擦り合わせを行なっていた。
「指があると思われる町はすぐそこだァ。既に俺が街に行き、指を狙ってた鬼どもは殲滅してるゥ。が、それも時間の問題だァ。すぐに新たな鬼がやってくるはずだァ。その前にとっとと指を見つけるぞォ」
「先に行ってんだったら指の場所は見つかってねえの?」
「そう簡単に見つかったら苦労しねえよ。指の気配がでかすぎてどこにあるのか把握しづらいんだよォ」
「俺の鼻が効かなくなるぐらいですしね」
「炭治郎君、犬みたいなこと言いますね」
「い、犬……」
「指の捜索は俺と器のガキでやるゥ。胡蝶と坊主は町人に被害が出ないように町の見回りだァ。既に隊士を何人か町に送ってるゥ。そいつらと協力しろォ」
「うす」
「はい!」
「わかりました」
戦いの準備を進めていく虎杖達。その最中、虎杖は気になったことがあるのか実弥へ質問した。
「ねえサネミン」
「そのふざけた名前はなんだァ」
「え、だってサネミン顔が怖いから渾名は愛嬌のある感じにしたらいいかなって」
「いらねェ心配してんじゃねェ…!」
「わ、悪かったって。そんでさ、カナエさんが言ってたサネミンが俺に稽古つけるっていう話はどうなったんだ?」
「……チッ、事情が変わったんだよォ。本来ならてめェには呪力の扱い方を教えてから指の捜索をさせるはずだったァ。だが指が見つかった以上ォ、そんな悠長なことはしてられねェ。呪力の概念についてだけ教えるゥ。後はどうにかしやがれェ」
「面倒見良いなと思ったけど最後ちょっと雑じゃない?」
虎杖は実弥の言葉に若干心配するが実弥は話を終わらせたつもりなのか虎杖から離れる。そして毒の調合の確認をしようかと考えていたしのぶに実弥が近づく。
「胡蝶ォ、わかってんだろォなァ」
「はい、もちろんです」
「そォか、ならいい」
実のところしのぶは炭治郎が連れている鬼、禰豆子のことを信用していなかった。それもそのはず、しのぶと禰豆子はまだ会って一ヶ月しか経っておらず、自身の姉のように鬼への慈悲の心を持っていないしのぶは、禰豆子を信用できるようなものは持ち合わせていなかった。
そこで今回の任務。指の捜索を行う以上、戦いは必ず起こる。そこで禰豆子がどう動くか、それで判断しようと考えていた。
先程の実弥の言葉、禰豆子か人を襲ったら殺せ。そのような意味が含まれており、しのぶはそれを承諾した。
炭治郎はこの戦いで証明しなければならない。己の有用性を。禰豆子は人を喰わないと。
「不死川様こそ分かってるんですか?」
「あァ?」
「虎杖君のこと、随分と気にしてられるようですが」
「ハッ、宿儺の指を食わせるだけ食わせて最後には殺すようなやつだぞォ。んなわけねェだろォ」
「それにしては虎杖君と仲良くしてるように見えますが……」
「どこ見てんなこと思ってんだァ」
「……いえ何でもありません。謂うまでも無いと思いますが、虎杖君も禰豆子さんと同じ、いつ爆発するか分からない爆弾です。どうかお気をつけてください」
「てめェこそ絆されんじゃねェぞォ」
そんな思惑があることを知らない虎杖と炭治郎は話していた。
「悠仁、鬼と戦う方法はあるのか?」
「拳に毒塗って殴る」
「え、それ前も言ってたけど本当だったのか……?」
「おう。竈門の言ってた匂いってやつでわかんなかったか?」
「いや、てっきりしのぶさんに騙されているものかと。悠仁って宿儺の指を食べるぐらい鈍いから」
「竈門ってたまにさらっと毒吐くよな」
「?何言ってるんだ悠仁、人は毒なんて吐けないぞ」
「そういうとこなんだよなー…」
虎 杖はがくりと肩を落とし溜息をつく。そんな虎杖を炭治郎は不思議な顔で見つめていた。
「そういやさ、妹さんは連れて行っていいのか?」
「ああ、禰豆子とはどこに行くとしても一緒って決めたんだ」
「ふーん、それなら何も言わないけどさ……あんま無茶すんなよ」
「それは悠仁もじゃないか。指があるってことはこの前みたいな戦いになるかもしれないし、それ以上のことが起こるかもしれない。俺は悠仁に生きていて欲しいから無茶しないでくれ」
「そうだな、そんじゃお互いに頑張りますか」
「ああ、頑張ろう!」
虎杖と炭治郎が決意を固めていると実弥が声をかけてきた。
「話は終わったかァ」
「うん、終わったよ。俺はサネミンについて行けば良いんだよね」
「やっぱテメェなめてんなァ…?鬼連れのガキは胡蝶の指示に従えェ、ここからは別行動だァ。いくぞォ器のガキ」
「俺、器のガキなんて名前じゃないんだけど」
「奇遇だなァ、俺の名前もてめェが言うふざけた名前じゃねェ」
良い渾名だと思ったんだけどなぁ、と唸る虎杖は不死川の後を追った。
「それでは私達も行きましょう」
「はい!」
***
目的の町へと向かう虎杖と実弥。足を動かしながら実弥は虎杖へ呪力について教えていた。
「呪力っつうのは人が持つ負の感情の塊だァ。怒りや憎しみ、後悔、辛酸、恥辱。それらの塊が呪力だァ」
「じゃあ俺も呪力持ってんの?」
「持ってねェ」
「でも俺だって怒ったり辛いことあるよ」
「それだけで呪力が出せれば鬼殺隊はもっと強くなってんだがなァ」
「だったらどうすれば呪力を出せるの?」
「三つ、条件があるゥ。一つ。自分自身、もしくは先祖が宿儺の呪力を直接当てられていることォ」
「それになんか意味あるの?」
「呪力っつうのは宿儺が生み出した力だァ。だから本来人間には呪力を感じることも触れることも叶わねェ。だが宿儺の呪力を直接当てられるとォ知覚することが出来るようになるゥ」
「子孫まで呪力が感じられるようになるのはどうしてなの?」
「呪力、厳密に言えば術式だがてめェにも分かるように言えばァ体に刻まれた呪力は子孫へと受け継がれていくゥ。そして体に刻まれた呪力はァそいつに自然と呪力を知覚させるゥ」
「なーるほどね」
「本当に分かってんのかァ…?まァいい。二つ目はァ寿命を削る必要があるゥ」
「???」
「チッ、説明してやるからァ分かれェ。一つ目の条件では呪力を知覚させるゥ。だがそれだけでは呪力を篭めることができねェ。分かりやすく言えばァ体に呪力を流す孔が開いてねェ。その孔を開くためにィ寿命を削る必要があるゥ」
「呪力を流すために孔を開く必要があるのは分かったけど、その孔ってのを開くためにどうして寿命が必要なんだ?」
「代償って奴だァ。さっきも言ったがァ本来呪力は宿儺が生み出した宿儺だけの力ァ。それを人間が使おうとしてんだァ。寿命を削るほどの代償は必要だァ。それのこれは縛りにもなって呪力量の底上げにも繋がるゥ」
「縛り…?」
「今はそういうもんだと思っとけェ。その内分かるゥ。三つ目はァ、心の底から誰かを殺したいと思うことォ」
「えぇ、なんか嫌だなあ」
「別に殺意じゃなくても感情が強く揺さぶられたらァ何でもいい。」
実弥が呪力についての説明が終わると同時に二人は目的の町へと着いた。
町へと入ると虎杖は違和感を感じた。町は比較的大きいが、日はまだ沈んでおらず、辺りはまだ明るいというのに人通りは少なく、静まりかえっている。大きい町ということも相まって、不気味さを際立たせている。
「人、全然いないね。結構大きい町なのに」
「それはこの町を呪力が覆っているからだァ」
「え、でも人って呪力を感じられないんじゃないの?」
「そうだァ。だがここには何があるゥ?」
「…あ!宿儺の指か!」
「あァ。俺のような人間が使う呪力に人は反応しねェ。だが宿儺の指は別だァ。宿儺本体のように呪力に目覚めさせることはねェが、多少の影響を受けるゥ」
「つまり宿儺の指から負の感情の塊である呪力を受けた町の人達が引っ込み思案になって外に出てこないってこと、だよね」
「そういうことだァ」
「町から指がなくなれば町の人達も元に戻る?」
「戻るゥ。だがてめェはその心配はする必要はねェ、指を探すことだけを考えろォ」
「いや、そういうわけにもいかねないよ。人は出来るだけ助けろって言われてっからな」
「……とっとと行くぞ」
先導する実弥に着いて行く虎杖。
実弥の足取りは探すにしてはとても速く、指の場所が分かっているような足取りだった。
「場所分かってんの?」
「ある程度の目星は付けてるゥ。だがどこかに隠されてるのか俺では探せねェからてめェを呼んだっつーことだァ」
「でもどうやって探すんだ?宿儺言うこと聞きそうにないんだけど」
「てめェは居るだけでいいんだよォ。てめェの中にいる宿儺が近づけば指の方が勝手に反応するからなァ」
「ふーん。じゃあ目星が付いてる場所ってのは町のどこなの?」
「町の中心にある学校だァ」
***
「しのぶさん、昼なのに町へ入ってくる鬼を見張る必要あるんですか?」
「ありますよ。不死川様が言うには鬼の中には太陽の下を歩けるようにする血鬼術を扱う鬼がいるそうです。私達はその対応をします」
「太陽の下を歩けるんですか!?」
「厳密に言えば結界を張る術らしいので一定の範囲内、それも長くて二、三時間程しか結界を維持出来ないみたいです」
「そう、ですか……」
もし、太陽を克服できる術があるのなら。
禰豆子に太陽の下を歩かせてやりたい炭治郎はたとえ敵でも力を貸してもらおうと考えていた炭治郎。だが自分の考えていたものとは違うものだと分かると少し、落胆した。
しかし、そもそもこの任務は町の人の守護である。その任務中に鬼に協力を仰ごうとするのは言語道断である。
炭治郎は自分のやるべきことを再確認し、気持ちを切り替えた。
「指がこの町にある以上、そのような血鬼術を使用する鬼の出てくる可能性が十分にあります。私達はその鬼によって町に侵入する鬼の対応をします」
「わかりました!」
それからしばらく、炭治郎としのぶが町の見回りをしていると、突然誰かに声をかけられた。
「すみません、応援に駆けつけて頂いた隊士でしょうか?」
声の主は鬼殺隊の隊服を着ており、この人が実弥が行っていた先に現場へ送っている隊士だと炭治郎は思った。
「ええ、そうですよ。階級・甲、胡蝶しのぶです。そしてこちらが」
「階級・癸、竈門炭治郎です」
「僕は階級・丙、
「現在この町にいる隊士の配置はどうなっていますか?」
「現在は僕を含め七人の隊士が見回りを行っており、北に三人、西に三人、東に三人配置されています。ですので僕と胡蝶さん、竈門君が東で見回りを行うといいかと」
「そうですか。私はそれで構いません。炭治郎君もそれでいいですね」
「はい!」
「それではさっそく行きましょう。私に着いてきてください」
先にこの町に着きある程度地理を把握している狩持が先を歩き、その後を炭治郎としのぶが追っていく。
配置に向かう途中、炭治郎が疑問を口に出す。
「この町、大きいのにどうして誰も外に出てないんですか?」
「風柱様が仰るには宿儺の指が原因らしいです。詳しいことは説明されてないので分かりませんが……胡蝶さんは分かりますか?」
「いえ、私にも詳しいことは……」
「そもそも僕を含めてこの任務に呼ばれた隊員はここで初めて宿儺が実在すると知りましたからね」
「そうだったんですか?」
「はい、竈門君は違うんですか?」
「俺は──」
「私が以前教えてたんです。今後、宿儺に関する任務に就くかもしれないといって」
炭治郎が宿儺と相対したことを伝えようとするよりも前にしのぶが炭治郎の言葉を遮って言った。
(炭治郎君、虎杖君のことと宿儺が受肉したことは極秘事項となってます)
(どうしてですか?)
(宿儺が今、生きていてこの場にいると知ったら彼は動揺して任務に影響が出ます。それに虎杖君の状態は禰豆子さんと似ています。ですのでこのことを知れば面倒なことになるので宿儺に関することは口に出さないでください)
(わかりました)
「へぇ、じゃあ胡蝶さんは前から知ってたんですね」
「はい、柱の方々や私のように柱の控えとなっている者には宿儺の存在が知られています」
「なるほど、それほどの情報を知らされている竈門君は将来有望ということですか」
「はい、期待していても大丈夫ですよ。私が保証します」
「よかった。最初は癸と聞いて心配でしたがこれなら任務も大丈夫そうです。竈門君、改めて宜しくお願いしますね」
「はい、宜しくお願いします!」
しのぶからの私の顔に泥を塗らないでくださいという視線に炭治郎は気づかず、期待されていると思った炭治郎はより一層気合いを入れた。
***
闇より出でて闇より黒く
その穢れを禊ぎ祓え
***
突如として空に現れた黒い吹きだまりは町を覆い、辺りは暗くなり、まるで夜となった町に虎杖は声を上げる。
「は!?どうなってんだよこれ!」
「チッ!”帳”が下りたァ!この中だと太陽も届かねェ!鬼が来る前に指を回収して帳を破壊するぞォ!」
「わ、わかった!」
冷静に状況把握、即座に命令を下す実弥。実弥の言葉に虎杖は遅れて反応するが、実弥とともに学校へと急いで向かう。幸い、学校まで近かったためすぐに学校前まですぐに着いた。
しかしそこでこの場には似合わない、
べんっ
琵琶の音が鳴り響いたと思ったら、虎杖の背後に鬼が二体、急に姿を現した。
「こいつがあのお方が言ってた人間か!」
「こいつを喰ってあのお方の血を分けてもらうんだ!!」
二体の鬼を共に虎杖を襲う。突然の出来事に体が硬直してしまった虎杖は自分が襲われるのを黙って見ているしかなかった。
鬼が虎杖を喰らおうとしたその直前、二体の鬼の頸が実弥の日輪刀によって斬られ、死んでいった。
「ぼさっとしてんじゃねェ!早く行くぞォ!」
「あ、ああ…」
実弥の激しい声で我を取り戻した虎杖。二人は学校の門の前まで行き、実弥が門を開けようとしたとき虎杖が実弥に礼を言う。
「さっきはありがとう、助かった。サネミンは頼りになるな。サネミンのおかげで人は助かるし、俺も助けられる」
「…そういうのは後で言えェ、中に入るぞォ」
実弥が門を開き、二人は学校の敷地内に入る。しかし、そこで待ち構えていたのは
「あーもうっ!さっきから何なんだよ!」
「こいつは…!」
門を通り抜けた先で二人を待ち受けていたのは、荒れ果てた墓場だった。
繰り返し襲う不可解な現象に戸惑う虎杖。それに対し実弥の思考は冷静だった。
(呪力による生得領域の展開!先が見えねェ!なんつゥ大きさだ!これほどの領域が展開されているってことはァ、指が既に鬼に喰われたのか!?来るのが遅かったかァ!)
「っ!門はァ!」
実弥は急いで振り返るがこの場にに入ったときの入り口である門は消えていた。
「門がなくなってる!なんで!?今ここから入ってきたよね!」
(しくじった!もっと慎重に行くべきだったァ!)
「仕方ねェ、先に進むぞォ。生得領域を展開しているやつを殺せば外に出られるゥ」
「そ、そうか。わかった」
実弥の言葉で冷静さを取り戻した虎杖。二人は墓場のような場所を進んでいく。
「!サネミン、あそこに人が倒れてる!」
「チッ、とりあえずそいつ起こして話聞くぞ」
虎杖が指を指した先には少年が一人倒れていた。
虎杖と実弥はすぐに倒れている少年へ近づき声をかけた。
「おい、起きろ」
「う、た、たす、けて……」
「チッ、気い失ってやがるゥ」
倒れている人へ声をかけるが魘されており目を覚まさない。
起きない少年の心配をする虎杖だが、一つ気になっていることがあった。
「……サネミン、この子の顔」
「あァ」
虎杖の言うとおり、倒れている少年の顔は普通のそれとは違っていた。顔を、体の半分以上を黒い何かが浸食していたのだ。
「前に呪力は負の力の塊って言ったよなァ」
「うん…」
「おそらくこいつは学校にある宿儺の指から溢れる呪力に当てられてる。もし近くで呪力を
「呪力ってのは負の力だから……まさか」
「答えは
「な…!じゃあ早く助けてやんねえと!」
「いや、もう手遅れだァ。だからァ──」
実弥はそこまで言い、自身が持つ日輪刀へ手をかける。
「は、ちょ、待てよ!助からないってまだわかんないだろ!それに殺すつもりなのか!?」
「こいつを見ろォ。もう浸食が体の八割以上進んでいるゥ。そもそも俺達人間にはァこういったことに対する治療法がねェ」
「だからって殺すなんて…!」
「呪いになればこいつはァもう人間じゃねェ、人を殺す存在になるゥ。だったらこいつがまだ人間の内に死なせてやるのがこいつ自身のためでもあり人のためでもあるゥ」
「でも…!」
「てめェは人を助けることに拘ってるなァ。だがもしこいつを助けるために外に連れ出してェ、呪いとなったこいつが人を殺したらどうするゥ。自分の助けた奴が人を殺したらどうするゥ」
「じゃあなんで俺は助けたんだよ!!」
「……」
虎杖の言葉に手を止める実弥。確かに虎杖は宿儺の器であるが宿儺に乗っ取られたときのことを考えればすぐに殺すのが最も安全だ。だがそれでも実弥は虎杖を生かし、先ほども鬼に襲われた虎杖を助けた。自分のやっていることの矛盾に気がつくがすぐに思考を止め、自分のすべき事を行う。
「サネミン!」
「こいつは俺が殺すゥ。てめェは見なくていい」
「ヒョヒョッ。こっちは見なくていいのか?」
”風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風”
「ヒョヒョッ」
(っ!速えェ!)
「そいつがこの何チャラ領域の主か!?」
「違えェなァ、なァおい壺野郎」
「ヒョヒョッ。良い勘だのう」
実見が繰り出した型を難なく躱した鬼は壺から顔を出しており、顔も歪な形となっていた。そしてその目には
ついに上弦の鬼と遭遇を果たした実弥。とっさに出した型とはいえ、難なく躱されたこと、そして悪化する状況に苛立ちと焦りを感じる実弥。
「こんなとこで上弦と会えるとはなァ、嬉しい限りだぜェ…!」
「ヒョヒョッ。ついに私も芸術家として有名になったようだな。しかしここにいるのは私だけではないぞ?」
「アハッ♪」
虎杖の目の前に新たな鬼が現れる。
その鬼の存在感に虎杖は体が動かなくなる。
(動けねえ…!)
「こいつが、指を取り込んだ鬼かァ…!」
「ヒョヒョッ。今回はどのような作品にするかのう」
状況はさらに悪化していく。
鬼月:十二鬼月、無惨直属の配下
戴天:天を頂くこと