【改稿中】銀髪幼女にTSしたニートな僕が過ごした1年間   作:あずももも

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46.X8話  響=ロリorショタ?? その2

「んじゃ行きましょー、私の推しは、もちろん男の子!」

 

僕がロリかショタかって言う究極過ぎる二択について、ゆりかが言い出す。

 

「数年後には華麗な通りすがり的美少年になるこたー間違いなしのショタっ子だね! や、私たち長いこと響が男の子だーって思ってたからってのもあって、今でもそんなに印象変わらないってのもあるんだけどさ」

 

がし、と肩を掴んでくるほどに近づいていたゆりか。

 

いつの間に。

そして顔が近い。

 

「ぬふふ……」

 

しかしあいかわらずのぱっつんスタイル。

 

流行っているんだっけ?

ちょっと前から?

 

あ、いや、ちょっと前って何年前だっけ?

 

……いけない、歳を取るとつい時間感覚が。

 

まだまだ20代……だったのに、この始末。

 

けどまあ女の子のこういうヘアスタイルって良く見かけるし、人気ではあるんだろう。

 

男と女の流行とかかっこいいとかかわいいの感性ってことごとくに違うよね。

男受けとか女受けとかいうやつ。

 

「リアルでも女子の僕っ子はいるけどさ、響みたく話し方までホントにさ! マンガとかアニメみたく演技みたいな話し方ーってやつじゃなくって、なんて言うのかな……そう! クール系男の子って感じですっごく自然だし? なにより食いつきのいい話題って男子と話していて盛り上がる系のものだしねぇ。 つまりは男好みのってやつ。 思考回路のベクトルがちがうのよん、ふつーの女子とは」

 

「ね?」とか首をかしげながら言ってくる。

 

男だった僕の評価は多分「影が薄くて居るか居ないか分からない眼鏡男子B」。

 

口数は少ないし人と目をあまり合わせなくってすれ違うときに初めて声をかけられて気がつくとかザラだからしょうがないよね。

 

だから影が薄いとかなんとか言われてたはずなんだけども不思議なもの。

 

中身は全くおんなじなのに、見た目が変わると一転「クール系」って言う評価らしい。

 

やっぱり人って、見た目なんだね。

 

そう思うと男としての僕がどこかで凹む感じがする。

 

「響がいつもの格好、中性的な服で話しかけてきたらさ? ちょっと話したら男の子、つまりはショタっ子だって思うんじゃない? 超ロン毛の。 なんかミステリアスなフンイキのって。 そでしょ? でしょ? いや、思え!! 思うのだ皆の衆!!!」

 

「ゆりか?」

「はいっ!?」

 

「押しつけは止めなさい」

「あい」

「分かった?」

「はい」

 

「ほんとうに? なんならまた」

「ヤメテクダサイ」

 

「よしっ。 あ、とっても悩ましいけど私はゆりかに一票」

 

なにが「よし」なのかは分からないけども一瞬で会話の流れが戻ったらしい。

女の子の会話ってすごいよね……脈絡が吹っ飛んだり再生したりするもん。

 

「ショタ……っていうのは響さんには失礼だと思うけど、ロリとどっちかって聞かれたらそうなるわね。 ま、ショタって言うよりも背は低いけど同学年の男の子って感じかしら。 なんだか大人びているから小さいけど小さいって印象は……話したらないのよね、不思議と」

 

僕のことを小さい、ちっちゃい、ミジンコみたいと罵ってくるものの、僕にひっついていたゆりかをひっぺがしてくれて、おとなしくしてくれたりさは普通に優しい。

 

やっぱり、りさはいい子だね。

小さいっていわれたけども。

 

「りさりんりさりん、その心は」

 

「心? ……あ、理由ってことね。 んーと……だって仕草とか雰囲気とか……あーもう、なんだか上手く言葉にはできないんだけど、そういうもの。 もちろん見た目だけじゃ女の子にしか見えないけど傍にいれば分かるっていうか? フードで髪の毛とか隠していれば、んでその状態でちょっと話すなら……まず男の子だって思うだろうしさ、私も」

 

少なくとも2人。

ゆりか以外にも、僕のことを男だって思ってくれる人がもう1人は居る。

 

だから……僕のことを真剣に話されて恥ずかしいけれど、今日ここで言ってもらえてちょっとほっとする。

 

けど、仕草ってやつ。

 

僕は「なんか恥ずかしいから……」って、初めのころは「見た目通りの女の子だ」って思ってもらおうとしていたからこそ、いつも脚を閉じているとか、そういった女らしい動き方とか態度とか……仕草っていうもの、ちょっとは試したものの、ついぞ熱心に研究とかはしなかったからなぁ。

 

つまりは女の子としては「がさつ」、だけど男としては「まあ……普通?」な感じになっているんだろうか。

 

……男として見てもらえるっていうのが嬉しいけども、今後女社会に溶け込めないかもっていう不安も出てきた。

 

いやだって、女性って同調圧力っていうものが強いらしいから。

 

僕みたいな、ただでもトンデモな存在はそれに合わせないといけないだろうから。

 

ああもう、体さえ元のものだったなら。

 

「……あの? ええと、響ちゃん?」

 

おや、静かだったかがりじゃないか。

 

「ん? かがり、どうした。 何か追加で食べる? それなら好きに頼めば?」

 

横からかがりが口を挟んできたから反射的に答える僕。

 

「いえ、違うの……その」

「あ、僕は今日は小さい皿の物しか頼まないから残り物はないと思うよ。 残念だったね」

 

「いえ、そうでもなくて」

 

「なぬ!? 響の口をつけた残り物ですと!!! かがりさまかがりさま、ぜひぜひお情けをちょうだいしたく存じますですていうかずるいよかがりんいっつもいっつも響と一緒でそーゆーことふつーにしてて!!!」

 

「え? あ、あの、えっと……」

 

「あの、ゆりか……さん、お、落ち着かれて……」

「はぁ……コイツは……」

 

せっかく僕が感傷に浸っていたのに、まーたいつものように、いつものごとく、当然のように、かがりがくるんっと口を出してきたばっかりに、これだ。

 

なんかいつもと比べると少しだけおとなしい感じだけど、でもやっぱりかがりはただのくるん。

 

だって、たったのひと言でこうなるんだから。

 

……あー、さっきまではお腹が空いていたから静かだったのか、なるほど。

 

…………動物や子供みたいだね。

 

ということはやっぱり普段から餌付けをしていたのは正解だったのか。

だっておかげで少しは僕の言うことに従ってくれるんだから。

 

ゆりかが反応してぎゃあぎゃあ始めて、さよが周りを気にしておろおろしだして、かがりはくるんってしていて……りさはゆっくりと騒ぐゆりかの後ろに回っているけども。

 

僕は知らない。

 

見なかったことにしよう。

うん。

 

とりあえずはメニューをそっと、さりげなくかがりの元へ滑らせておこう。

 

食べものに満足してさえいればこの子は満足な子だから。

良いじゃない、そういう子がひとりくらい居たって。

 

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