【改稿中】銀髪幼女にTSしたニートな僕が過ごした1年間   作:あずももも

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20話 下条かがり(1) 5/6

 

僕自身は色恋沙汰なんてものには縁がなかったから全然まったくもってこれっぽっちも分からない。

 

だからいろんな本とかで見てきた受け売りしかない。

 

で、それらによると……人を好きになる「現象」っていうのは運命とかいう非科学的で存在しないけどロマンチックなものを置いておけば肉体が恋や愛をしている「状態」であって、恋愛っていうのは生物の本能に備わっている生命として種族を残すための「機能」らしい。

 

だから高尚ななんとかじゃなくって単なる本能。

どんなに頭が空っぽでもそういう状態になってっていうものらしい。

 

悲しいくらいにシステマチックなそれは遺伝的に遠い人を無意識に好きになるレベルって解明されていて、科学的に分析すると最終的にはそういう進化の果てのプログラム的な本能に近い現象らしいね。

 

多少は物を考えられるけどそれでも僕たちは哺乳類の一種に過ぎないんだから、他の動物って言うやつらと頭の中以外そこまで変わっていないんだ。

 

それで、本能に従ってつがいになりそうな相手をどうにかして意識すると……動物は簡単に……その、繋がるんだけども人間は一応理屈をつけたがる生きもの。

 

見た目とか性格とかが好きだって思ったり家同士で決まっているからってことにしたり、そこまで好みじゃなかったとしてもこの異性と子孫を残そうって意識したら、脳みそのどこか忘れたけどどこかでなんかいろんなホルモン物質が出てくる……らしい。

 

そうなると恋愛のスイッチが入って「自分に合う異性はその相手だけしかいない」って思うようになって、その人がいちばんだって心の底から思い込む。

 

その相手がたとえそれほどの人じゃなかったりどうしようもない人だったとしても1回その状態に入ると、もう自分自身ではどうしようもなくなって良いところだけしか考えられなくなる……らしい。

 

「らしい」ばっかりなのはしょうがない。

僕にはそんな経験ないんだから知識で補ったに過ぎないんだ。

 

で、順調にいけば結婚してつがいってのになってから数年くらい。

 

野生ならちょうど子供が何人か生まれるくらいまで続いて、そこからゆっくりと冷えてきて、そこからは次世代をどうにかして育てるのに躍起になるもの。

 

そういうものらしい。

 

だから倦怠期とかがあるし子供を産んでお母さんになったらお父さんになった人を虫けらみたいに冷たく扱うんだとか。

 

ひどいよね。

 

男として同情する。

使い捨てって感じだし。

 

でも生き物の中には男が役目を果たした時点で本当の意味で用済みになるのもいるらしいからそれに比べたら人間はずいぶんと優しいって思うよ。

 

「うーん」

「響ちゃんががんばって考えているわ……静かにしないとっ」

 

だけどなぁ……。

 

目の前のくるんさんと目が合う。

 

……なんとなくじーっと見てたらなんか逸らされた。

 

なんで?

 

普段はうざったいくらいに見てくるのに自分がされるのは嫌なの?

 

わがままにも程があるんじゃない?

 

でもそんなくるんさんであったとしても、自分自身とか誰かのラブっていうエネルギーで生きていると言っても言いすぎじゃない女の子っていう生き物に……ましてや中学生に対してこんな身も蓋もない真実を伝えるのはかわいそうな気がする。

 

僕だってそのくらいは配慮する。

 

僕がこの子に対していろいろ思うのはいつもいろいろストレスフルに構われすぎるからなんだから。

 

というよりも子供に対してこんな理屈を叩きつけるのはただの嫌がらせでしかないから止めておくとして、さてどういう答えにしようか。

 

今考えたみたいなことをこんこんと説き伏せたら泣き出すことまちがいなしだしなぁ。

 

性ホルモンに影響された本能のようなものなんて夢見る乙女には悲しすぎる現実。

たとえそれが事実に近いものだったとしても、理想は理想のままでいさせてあげるのが大人のお仕事。

 

小さいころからおんなじようなことをぼんやり考えていたところにそういうのを知って「へー、そういうもんかー」って納得しちゃったような僕にとってはあたりまえのことだとしても、それをメルヘンチックなこの子に押しつけることはない。

 

ふーむ。

 

「………………………………」

「あ。 響ちゃん、枝毛」

 

なんか髪の毛触ってくるんだけどこの子……。

 

……考えるのめんどくさくなってきたから無難でいいや。

適当に掘り起こしたどっかの記憶からそれっぽいことを言ってごまかそう。

 

どうせ君も別にそこまで真剣に聞いたわけじゃないんでしょ?

 

「……僕もしたことがないから分からないけど、たぶん。 たぶんだけど、少なくともしたいと思ってするものじゃないと思うよ、恋というものは」

「………………………………どういうこと?」

 

首をかしげてお口もくるんとしているかがりはかなりレアでおもしろい顔。

いつもこれくらいなら僕も気軽に近づけるのにな。

 

この子には1日中でも適当な妄想をして過ごしてもらって無害で居て欲しいところ。

 

「たぶんだけど。 ……人を好きになるって言うのは、みんなが言っているように出会いを探したり好きな人を見つけたりするものじゃないんだ」

 

僕の中にある言葉をひとつひとつ丁寧に取り出してみる。

 

「近くにいる誰かを見ているうちに……あるいは初対面でか途中からかは知らないけど、『気がついたら好きになっていた』。 『自分がその人のことを好きになっているって気がついた』。 そういうものじゃないのかな、好きって言うのは」

「………………………………」

 

ぽかんと口を開けている下条さん。

 

そのお口から僕の言葉を吸収しているんだろうか。

 

「『好きになろうとして好きになる』とか『良さそうな人と恋をしてみる』とかはよく言うけど……そこの漫画でもあったけど。 でもたぶんそれは『恋に恋している』っていうものなんだ。 それは本当の意味での好きとかじゃないって思う」

 

ちゃんとそのお口から吸収できるように言い含めるように。

 

「その相手じゃなくて恋っていうもの自体を求めているんだったり、恋をしているときの自分が好きっていうのだったり。 それとも恋をして浮かれていて気持ちがいい状態が好きなんだったりするのかもしれない。 でも僕は、それは恋とか愛とかじゃないって思うんだ。 恋とか愛とかはそんなに即物的な物じゃないって思いたいんだよ」

「……………………………………………………………………………………」

 

恋愛に酔うとか恋は盲目とかってよく聞くしな。

恋愛依存症とかあるくらいなんだからそうなんだろう。

 

お酒みたいに一晩で抜けてくれたりしなくって何年も持ってしまうのが余計にたちが悪いもの。

 

吊り橋とか人質のあれも有名だし、人は単純だからとりあえずどきどきするとそういう酔いを起こしやすいんだろうな。

 

つまり人類は総じてみんなちょろいんだ。

そうじゃなければここまで繁殖できていないだろうし。

 

しかも適齢期の男女だとそれに酔ったせいで人生の方向を大きく変えることにもなる。

慎重に越したことはない。

 

肉欲っていうものは本能には逆らえない。

でも僕はやっぱり、そういうのに振り回されて大切なことが決まっちゃうのは違うって思うんだ。

 

この子に残酷な現実を突きつけるのは止そうって思ったけども、でもやっぱり恋したいから適当な男子学生と……って想像するとなんだかもやってするんだ。

 

この先ずっと、この子自身じゃなくってこの子の体……顔とお胸とおしりが好きだからって男たちから告白され続けるのがわかりきっていて、なのにちょっと頭が軽い感じのこの子なんだ。

 

適当にごまかすにしても多少は言い含めておかないとお尻まで軽い都合のいい女ってやつになっちゃいそうで不安。

 

それでも本人が幸せならいいんだけど……女の子だからそうじゃなくなるのだってありえるしなぁ。

 

どうせ女の子に擬態するためのラーニング目的での繋がりだから用が済めばフェードアウトする予定ではあるんだけど、それでも知り合いになっちゃったんだ。

 

せっかくならまともな同級生を、良い人を見つけて欲しい……というのは年上のおせっかいかもな。

 

でも僕がそう感じちゃうんだからしょうがない。

娘を持った父親の感覚が少し理解できた気がする。

 

肝心の僕が、その娘な年頃に戻っちゃってるけども。

 

「…………………………………………」

 

あれ、まだ僕の言ったこと飲み込めない?

結構経ったんだけどな。

 

そう思って彼女を見てみると……なんでそんなに顔赤くしてるの?

 

この部屋そんなに暑いかな。

 

僕の幼女ボディは結構暑いのも寒いのも平気らしくってなんともなってないけど、かがりはなんか真っ赤だし暑いんだろう。

 

もー、子供だなぁ。

 

ぴっとリモコンを操作してやる。

これも年上の務めだ。

 

「………………………………ふぇ」

 

電子音に変な鳴き声を発して反応するのがおもしろい。

口をおにぎりみたいにしているかがりが普段よりも良い感じ。

 

今伝えたことをどのくらい聞いててどのくらい理解できたのかは分からないけど……ちょっとお花が好きだけどお馬鹿ではないから、ほんのかけらくらいは人生の役に立ってくれるだろうって思っておこう。

 

じゃないと言って損したことになるもん。

 

それはなんか嫌じゃない?

 

「かがり?」

「ひゅいっ」

 

僕もよくびっくりして変な声出るから気がつかないフリをしてあげる優しさを発揮する。

僕のはいつもボリュームが低すぎてほとんど聞かれていないらしいけどこの子のはでかいな。

 

「これも僕が読んだ本や映画や人が言っていたことの受け売りだけど。 わかりやすく言い換えると」

 

今度はちゃんと聞いてね?

 

できるだけ簡単に言ってあげるから。

 

そう思って彼女のベッドの上でちょっとだけ膝立ちになった僕は、くるんを少しだけ上から見下ろす感じに……しようとしてバランスを崩しそうになって両手を着いたらなんか彼女の肩に手が乗ってたらしい。

 

あ、ごめん。

 

でもこれ、さっきと逆パターン?

 

僕、そんなに復讐したかったのかな。

まぁたまには圧迫される身にもなってみたほうがいいって思うよ?

 

相変わらずに真っ赤な顔と三角形に開いたままのお口。

見開いたままのお目々。

 

少し垂れた感じのそのお目々はなんだか潤んでる。

 

花粉症?

 

いや、でも今真夏だしなぁ。

 

……もしや……眠気を我慢してこんな感じになってる……?

 

……もうちょっとがんばってよくるんさん……せめてお勉強の時以外はがんばってよ……?

 

「ふとしたときに顔が浮かんでくる人。 いつでも見ていたいという人。 その人がどれだけ喜んでいたり悲しんでいたり輝いていたり黒ずんでいても、それでも見ていたい人」

 

青春的な衝動だけで告白してくるような輩じゃない人のことだよ?

 

ちゃんと分かってね?

 

お願いだから……本当、心配だから……。

 

「たとえ他のすべてを捨ててでも。 何時間も何日も何週間も考えてみても、それでもその人だけを見ていたいって思えるような人」

「…………………………………………」

 

じーっと僕の目に合い続けているかがりの瞳。

 

……ちゃんと理解してくれてるかな。

こう言っておけば「情熱的な告白だったからオッケーしたの!」とかにらならないはずって思いたいんだけども。

 

「そんな人が見つかれば、その人に対して抱いている感情が『恋』とかその先の『愛』。  そういうものじゃないかな。 そう言いたかったんだ。 だから今すぐに探すものじゃないよ、きっと。 分かったか?」

「ひゅっ」

 

……これくらいの表現でオーバーヒートしないで欲しいんだけど……まぁくるんさんだししょうがないか。

 

「君の人生はまだ始まったばかりなんだ。 今焦らなくたってお気に入りの恋愛もので満足しておけばいい。 大丈夫だ、君は充分に魅力的な女性なんだ。 そのうちに自然と……それこそ気がついたら、すぐそこに恋を『している』相手が見つかるんだから」

「…………………………………………」

 

「…………………………………………」

「…………………………………………………………………………」

 

「……………………………………………………………………………………ふひゅう」

 

お返事を待っていたら、ぽさっと倒れかかってくるかがり。

 

……知恵熱か……憐れな。

 

でもそうなるってことはがんばって理解しようとしてくれたんだろう。

きっとちょっとでも分かってくれたんだって思っておく。

 

「大丈夫か?」

 

なんか息荒いな。

熱中症かもしれない。

 

エアコンをぴっぴって2度ほど下げて置いてあげよう……あ、冷たいから1度上げてっと。

 

僕の顔に張り付いている彼女のくるんくるんからむわって漂ってくる彼女の汗の匂い。

 

それにはさっきので慣れたんだけど、そんなことより……その……ほら、夏場ってことで薄着で?

 

なんか汗かいてるもんだから水分を吸った服が反対側をくっきりさせるから……つまりはシャツが透けているのに気がついたんだ。

 

白いシャツの下の、さっき押し付けられて痛かったブラジャーが浮き出ているんだ。

 

これはまずい。

 

僕たちは他人の男女……じゃなくなってたんだけど僕の気が休まらない。

 

けど水色か。

 

今日の僕のぱんつ(1つ500円の高級品)とおんなじ色だ。

さすがに白ばかりだと色気もないからと手に入れた大切な逸品とおんなじ。

 

なんかおんなじだと気分良いよね。

 

でも風邪も引いちゃいそうだな……とりあえず部屋が冷えるのを待とう。

あんまり治らなそうだったら冷蔵庫へ失礼して氷とか、それでもまずそうなら救急車だ。

 

僕の頭は高速に回転して熱中症に関する情報を引き出す。

 

僕の取り柄は無駄に豊富な知識だ。

 

「かがり」

「へ……平気。 ただ少し……と、とにかく平気なの」

 

受け答えはちゃんとしている様子。

でもしっかり見ておいてあげよう。

 

でもやっぱり中学2年生とは思えない体つきと中学2年生とは思えない頭の中身なこの子にこういう話は早かったみたい。

 

精神年齢そのものは決して幼いわけじゃないんだけどなぁ……なんていうかとにかくふわふわしてるんだよなぁ……この子のお父さん、絶対に心配してるよなぁ……僕でさえこれだけ心配なんだから。

 

同時期の知り合いなゆりかと比べても、心と体の発育が正反対。

個人差って馬鹿にできないな。

 

「済まない。 僕でもよく分からないことを偉そうに」

 

冷静になってみれば僕もけっこうに恥ずかしいことを言った気がしないでもないから今のうちに言っておく。

 

こっぱずかしいというかなんというか……借り物の言葉だからってちょっとクサかったかも。

 

恋愛経験すらゼロの僕が言っていいことじゃなかった。

やはり聞きかじりでは説得力がないんだろう。

 

「…………………………………………」

 

でも、顔を真っ赤にして苦しそうって……もしかしたらこんなに小さい僕がとっても理屈っぽいこと言っているからツボに入っちゃって笑いをこらえてるのかもって思えてきたな。

 

……人は見た目。

 

この、何を言っても説得力のない感じが悲しい。

 

やっぱり男に戻りたいなぁ。

頼むよ魔法さん。

 

「かがり?」

「ひゃいっ、…………うるさくしてごめんなさい」

 

どうやら自分の声量がそのお胸程度に他人より大きいってことに気づいたらしい。

 

「かがり」

「ひゃひっ!?」

 

びくってなってくるんってなるかがりが見ていておもしろい。

 

「冷房なんだけども」

「はいっ! 私もたぶん、…………………………………………え? れい、ぼう……?」

 

む。

 

この反応……もしかして今どきの子は「エアコン」じゃないと通じない?

 

「エアコンのことだよ」

「え、エアコン……」

 

「うん。 とにかくもう1、2度は下げたほうが良いと思う。 これだけ外が暑いんだ、数字で出ているよりも冷えないんだよ」

「…………………………………………」

 

「熱中症は怖いからね。 気分は悪くなっていないか?」

「え、……ええ……たぶん……?」

 

「そうか、なら良いんだ。 あと今気がついたんだけども、たぶん寝ているときに顔に風が当たっているよ。 風向きは夜だけでも変えたほうが良いと思う」

「…………………………………………えっと…………はい……」

 

意識ははっきりしているようだし、だんだんと赤みも収まってきているから大丈夫だろう。

 

良かった良かった。

 

「それで、どうかな」

「えっ……ど、どうって」

 

「君が聞きたがっていた恋愛について……普段人に話したりしないから分かりにくかっただろうけど、とにかく言ったよ。 今みたいな感じで良かったか?」

「あ……………………ぇ、えぇっ!」

 

ちょっと元気になってきた下条さん。

 

ぶんぶん顔も振ってるし、きっと勉強とおやつのあとで眠気が来ちゃってたんだろう。

ほら、中途半端な眠気で寝ちゃうと体が火照ったりするからきっとそれなんだ。

 

僕も伊達に20を超えていないんだ。

そのくらいは分かる。

 

「……あのね? 今の……恋や愛について語っている響ちゃん」

 

ふぅっと息をついてぱっと上げた彼女の顔は、すっかり元通りだ。

でもまだちょっとだけほっぺたが赤い。

 

「……その…………そう、映画。 映画とかの良い場面で静かに語りかけているワンシーンみたいって思って。 それで……その。 私、とっても…………どきどきしちゃっていたの」

「そうか」

 

この子ってそういうの好きだもんな。

 

「………………………………そうなのね。 ……響ちゃん…………、いつも。 …………そう。 そういうものが、こ。 ……こっ……」

 

ぶつぶつ言いだしたって思ったらふと目があって、ばっと後ろを向いちゃってまーたぶつぶつ言ってる。

もう女の子たちのぼそぼそには慣れたよ。

 

「ぴぴぴぴぴ」

 

「さあ、かがり。 勉強の続きだよ」

「こい、………………………………………………………………え?」

 

「え?」じゃないよ……僕が何のために来たのか、この子もう……忘れちゃってたんだろうなぁ……。

 

「来たときから言っていたように今日中に2科目。 そのうちの今分かっているところまで、つまりは自力でできる分だけをなんとしても片づけるぞ?」

 

それくらいのペースでやらせないと自由研究とか読書感想文とかいう2度と触れたくないトラウマ的な宿題が片付かないだろうしな。

 

でもかがりはそんな僕の気苦労も知らないで、多分だけどせっかくのおセンチな気分を害されたことにぷんすかとし始めたらしい。

 

「…………――もうっ、響ちゃんの鬼! あと鈍感!」

 

「?」

 

僕、すっごく優しくなかった?

 

あと室温と体温の変化に敏感だったよ?

 

「……とにかくひどいわっ! もうちょっと感傷に浸らせてくれてもって…………」

「感傷? なにを分からないことを。 宿題からは逃げられないよ」

 

そうやって隙あらば雑談に持ち込もうってするんだから。

 

「………………………………もうっ…………」

 

きっとメルヘンからリアルに引き戻された怒りだろう。

 

僕はそっと、僕のお皿に載せてあって1口しか食べてないお菓子を譲ることで機嫌を直そうとした。


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