ガンダムSEED NEOラウの『兄弟』地球連合の変態仮面ネオ少佐は娘を愛でたい   作:トキノ アユム

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えー。書いといてなんですが……


(ラウが)へ、へ、変態でちー!!


ラウ出撃

「……何とか援護が出来たか」

と言っても、アーマーシュナイダー1本を投げる程度の援護だが。

目的であった自分専用のモビルスーツに到着したネオであったが、機体を起動した時には既にストライクとジンの戦闘が始まってしまっていた。

劣勢になれば、加勢する気ではあったがーー

(まさか、俺とステラ以外にあれだけ動かせるナチュラルがいるとはな)

いや……とそこまで考えてネオはふっと笑みを浮かべた。

「ナチュラルとは限らないか」

あの工場区にいたお人好しの少年がいた。

強化人間で、身体機能を人為的に強化されているステラは例外として、あの高さをあんなに簡単に降りられるナチュラルなどいるわけがない。

あの時、あの少年が降りた場所はちょうどストライクのコクピット付近であった。

「となると、色々面倒なことになりそうだな」

まあ、今は撃破は出来たからよしとするかと、ストライクにアーマーシュナイダーを突き立てられたジンを見て思う。

「それにしても、やはり悪くないな……ブリッツパックは」

現在自らが乗るジンの装備の性能を発揮された事に、ネオは満足そうに笑った。

「パイロットである俺と同じ失敗作同士、相性が――」

そこまで言った時であった。

メインモニターにジンからザフト兵が離脱するのを見たのは。

「あ」

あれはまずいなとネオが思った瞬間、

 

 

ジンはストライクを巻き込み、自爆した。

 

 

 

そして戦闘はコロニーの外でも激化していた。

「オロール機大破。緊急帰投!」

「オロールが大破だと!? こんな戦闘で!?」

オペレーターからの報告に、アデスは思わず眉を上げていた。

アデスが驚きの声を上げるのも無理はない。

彼等の部隊はパイロットの基本レベルが高いザフトの中から選び抜かれた精鋭中の精鋭。

ましてやろくな防衛戦力など存在しない中立コロニーの戦闘で後れを取るなどあり得ない事であった。

「まさか『ファントム』がいるのか!?」

「違うな」

思わず出してしまった敵の名前は、後ろのラウ・ル・クルーゼに即座に否定された。

「報告になかっただろう。奴はコロニーの外にはいない」

感情の籠らないラウの言葉に「しかし」とアデスは否定する。

「過去の戦闘では奴は存在しない所から突然現れたという記録があります!」

「ああ、それなら……」

「ミゲル・アイマンよりのレーザービーコンを受信。エマージェンシーです」

ラウの言葉を遮る報告に、アデスは眉をしかめた。

「ミゲルまでもか!? 一体――」

 どうなっているのでしょうかと、ラウに尋ねようとした所でアデスはぎょっとした。

 

 

「……くくく」

 

 

 ラウが笑っていた。

 ただの笑みではない。

 何かを堪えるように、あるいは歓喜するように全身をフルフルと震わせたかと思うと、ニィ!と頬をこれ以上ない程に吊り上げてみせたのだ。

「そこにいるか……ネオ」

 小さく、だが確かに呟いた。

(ああ、だめだ……)

 それを見たアデスはこの後の展開を悟った。

「ミゲルが機体を失う程に動いているとなれば、最後の一機そのままにはしておけん」

「ああ、はい……そうですね」

 滑らかな動作で立ち上がり、そう言うラウだが、アデスにはそれが建前にしか聞こえなかった。

「私もシグーで出る」

「……ご武運を」

 ブリッジから出て行く背中に、アデスは何とかそれだけを告げた。

 きりきりと痛む胃のある腹部を手で抑えながら。




アデス艦長の胃に敬礼
(^-^ゞ

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