レスタニアに潜む歴史に登場しなかった錬金術師の話。


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ある錬金術師の計画

「完成だ!」

とある場所の地下に作られた隠れ家で錬金術師は歓喜の叫びを上げた。

「ふふふ、これであの白竜の力を奪えば覚者どもも為す術無く私にひれ伏すだろう、そうすれば錬金術師の世になるのだ!」

「明日神殿の連中の慌てふためく様が楽しみだ」

そう言いつつ錬金術師は粗末なベッドに横たわった。

 

白竜の神殿

「なにテル村の近くに正体不明の巨大な物体が落下しただと」

報告を聞いた神殿の長老ジョゼフはその白く長い髭をしごきながら報告した騎士に言った。

「すぐに調査隊を向かわせよ」

 

アークと呼ばれるようになった落下物の調査に向かった調査隊の一人が落下した場所の近くで何かにつまずいた。

見ると金属の容器の一部が地面に埋まっていた。

何故こんな所にこんなものがと思ったが、先にいる調査隊長に呼ばれたので急いで集合場所に走った。

容器の事はしばらくすると隊員の頭から完全に忘れ去られた。

 

「くそ!なぜあんな事になったのだ!」

錬金術師はけがをした頭をさすりながら毒づいた。

錬金術師の隠れ家は突如なにかに押しつぶされ完成した研究成果もわずかなものを残して全て土に飲み込まれた。

「しかし私は諦めんぞ!予備に作っていたこのバートランドの施設でもう一度完成させてやる!」

錬金術師はその目に妄執ともいえる熱をたたえ部屋に響き渡る声でだれに言うでもなく宣言した。

 

「また、アークが落ちたのか!こんどはどこだ。バートランドか!」

ジョゼフは騎士の報告を聞いて元からある皺をさらに深めた。

「では調査隊を送るのだ」

調査隊の一人が落下したアークの近くで金属の容器の一部が地面に埋まっているのを見つけた。

前にも見たことがあるような気がしたが調査隊長に呼ばれたので急いで向かった。

しばらくすると容器の事は頭から忘れ去られた。

 

「くそ!一度ならず二度までも、何故こんな事になるのだ!」

錬金術師は拳を白くなるまで握りしめ机にたたきつけた。

「しかしまだまだ私は諦めんぞ!もう二度とあんな事にならぬように船でしかこれないこの場所ならあんなものは落ちてこないだろう」

錬金術師は自分を鼓舞するように笑った。いつもの笑い声とは違う高く金切り声が混じった笑い方だった。

その時微かな振動が部屋を震わせ始めたが錬金術師は気づく様子はなかった。

 

「申し上げます、第三のアークが落下しました」

報告を聞いたジョセフは痛くなった頭を和らげるためこめかみを揉んだ。

最近やっかいごとが増えてきている気がしていた。

 

 

 

 


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