幻想郷でパン屋、始めました。   作:命麗 命

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なんかこの小説の方向性が訳わからない方に向きはじめているので、修整しなければ……






やったねレヴァちゃん、店員増えたよ!!

前回の事件から暫くの時がたった。

 

どうも文はステラが仕えていた者の一味を知っていたらしく、新聞に取り上げようとしていたらしい。

 

最も、紫に止められたらしいが。

なんでも、人間の妖怪側に対する敵対心が強まり、共存する夢が遠ざかってしまう恐れがあるのだとか。

 

私自身も、こんな暗い話題の中心には立ちたくない。

 

 

ステラは正式に私の式神となり、今を生活している。

 

式に成り立ての頃は、ガッチリ敬語だったのが、最近では自然体に話してくれるようになった。

 

まあやはり若干敬語は残ってしまっているが、それくらいは許容範囲だろう。

 

あと、『ごしゅじんさま』外せないらしい。

理由を聞くと、「この方が需要があるからです」としか言わない。

一体誰の需要なのだろうか……?

 

「ごしゅじんさま、どうかしたの?」

 

「ん、否、何でもない……それよりも、ステラ」

 

「はい、何ですか?」

 

「そのメイド服、何処で仕入れたのだ?」

 

現在、私は、まあ当然店を運営している。

私に支えるとなったらやはり店の定員になって貰わなければいけないもので、ステラにも店の店員をしてもらっている。

 

そして、私の店、『ぱんやさん』には、制服がない。

 

外の世界ではかなり非常識なのだが、コッチでは結構当たり前。

それで、服の無いステラにお金を渡し、(勿論その時には私の服を着せた)好きな服を買わせに行かせたのだ。

行かせたのだのだが……

 

何故か、ステラがメイド服を着ている。

 

皆は知っているだろうが、幻想郷は外の知識や物をできる限り取り入れないようにしている。

だから、基本的に売っている物は和服が多い。

あったとしても、明治前期の服のような物か。

 

総じて、幻想郷にメイド服は売っていない。

 

………いや、まあ、どこで買った(貰った)は予想はつくんだが……

 

「紅い館のお姉さんから貰ったです」

 

「やっぱり咲夜か」

 

あの子の事だ、ステラを昔の自分が重ねて見えたんだろう。

それで、昔使っていたお古を直して上げたんだろうな、道理で違和感が無い筈だな。

 

「何でも、『同じ従者同士、頑張りましょうね』って……良い人だった。知り合いなのですか?」

 

「うむ、あの子……咲夜と言うのだが、咲夜の支えし主、レミリア・スカーレットとは親友同士でな、度々遊びに行っている。今度一緒に行こうか」

 

「はい……あ、いらっしゃいませ」

 

私とステラが話していると店の戸が開く。

ステラと似通ったメイド衣装を着ていて、銀色のおさげをゆらゆらと揺らしていて、手には藁で編んだ篭を持っている。

紅魔の従者、十六夜咲夜だ。

 

「おや、噂をすれば……」

 

「イント様、今日は何が……ってあら?この前の……」

 

咲夜はステラに気が付いた様で、意外そうな顔をしている。

 

「……咲夜お姉さん、この前はありがとうございました」

 

ステラは少し微笑みながら、咲夜に感謝の意を伝えた。

 

対する咲夜の反応はこうだ。

 

「あらあら、しっかり返事ができて偉いわねぇ~、どういたしまして」

 

と言いながらステラの頭を撫でる。

丁度良い身長の差だから、どうにもしっくりくる。

 

……完全に近所のおば……ゲフンゲフン、お姉さんだ。

実年齢的にはステラの方が年上の筈なんだが……満更でも無さそうだ。

 

「にしても貴女、イント様に支えているのね、とっても良い人でしょう?」

 

「うん……ごしゅじんさまに助けられなかったら、本当に辛い人生を送っていたと思う。だから、凄く感謝してるし、尊敬してるんだ」

 

本人の前で話す話題か、と突っ込みたくなるが、結構良い雰囲気なので手を出す気になれない。

 

私が困っていると、なんと咲夜の方から私に話しかけてきてくれたではないか。

もっと早く気付いて欲しかったのだが……

 

「ステラちゃんの事ですっかり御使いの事を忘れていたわ、イント様、今日のお勧めは何でしょうか?」

 

「それで良いのかメイド長……今日は、そうだな、これなんかどうだ?」

 

私が勧めたのは『餡パン』

日本で出来た固有のパンであり、パン中に餡子が詰まっている。

餡はこし餡、つぶあんがベースとなり、白餡や、時々桜餡等珍しい物もある。

私が外で見て一番驚いたのはメロン餡だな。

よくあんな発想に至るものだと、逆に感心してしまったよ。

 

「餡子が中に入っているのですか……面白いですね。これなら御嬢様もお喜びになるでしょうね……最も、貴女様の物なら何でも喜びそうですが」

 

「ハハッ、冗談言え、流石にレミィでも嫌な物はあるさ」

 

そんな軽口を叩きながら、餡パンを紙袋に入れる。

流石に手馴れたもので、この程度の作業はパッパと終わらせてしまう。

 

レジ……会計はステラに任せている。

ステラはかなり適応能力が高いらしく、この仕事もほんの数日で完璧に出来るようになった。

外界では貴重な人材だな。

 

「餡パンが五点で御値段420円となります」

 

「はい」

 

「420円丁度お預かり致します。ありがとうございました」

 

ステラの丁寧で規則的な態度に咲夜は少し驚いた表情をする。

まあ、端から見れば5~7才の子供だからな、驚くのは当たり前だ。

 

そして、買い物を終えた咲夜はステラに「頑張ってね」と声を掛け、店を後にしようとする。

 

だが待て。

 

「咲夜」

 

「?はい、何でしょう?」

 

私は少しの間だけ厨房に戻り、ある物を持ってきた。

 

「これは…?」

 

「『肉饅』だ。中国の……パン?のような物で、中には味付けした挽き肉が入っているんだ、あげるよ……どうせ、レミィにこき使われて何も食べていないんだろう?出来立てのうちに食べると良いさ」

 

そう説明すると、咲夜のお腹当たりから「キュルル……」と小さな音がする。

 

「イント様……有難う御座います」

 

咲夜は照れ臭そうにそういった。

 

「では、有り難く頂きます」

 

咲夜は近くにあった客用の椅子に腰掛け、両手で肉饅を持ちながらぱくりと可愛らしく口に運んだ。

しかし、

 

「……?」

 

味がしなかった。

 

「……ん?ああ、それはまだ中の具に辿り着いていないんだよ、あと一口くらい食べれば出てくると思うぞ」

 

言われた通りに、もう一口。

今度は大きく口を開けてがぶりと食らいついた。

 

するとどうだろうか、まるで濁流のように肉汁が押し寄せてきたではないか。

出来立て、と言うのは間違いではないらしい。

いや何、その肉汁が熱くてたまらないのだ。

だがしかし、ここで諦めてしまえば色んな意味で試合終了だ。

何とか我慢して食べ進むと、段々と口が熱さに慣れてきた。

 

ふんわりとした生地に、肉汁がこれでもかと染み込み、

豚と牛の合挽きの比率が絶妙だ。

小間切れ白菜が少しシナシナになっているのが意外とイケるし、椎茸のクニクニとした食感が面白い、いや美味しい。

 

あっと言う間に、平らげてしまった。

ステラとイント様が居る前で何ともみっともない格好を……と思っていた咲夜だが、レヴァやステラの顔は嫌がるよくな素振りは全くなく、むしろ非常に嬉しそうな顔だ。

 

自分が作った物を嬉しそうに食べてくれれと言うのは本当に嬉しい限りなのだ。

 

「御馳走様でした……凄く美味しかったです」

 

「お粗末様」

 

「……うん、良かった」

 

「……そうだ、咲夜」

 

「……はふぅ……」

 

レヴァが話しかけても咲夜は反応しない。

どうやら先程の余韻がまだ残っているようだ。

あと、口の中が痛いらしい。

 

「おーい、咲夜!」

 

「はッ!!はひッ!なんれひょうは!?」

 

「……(呂律が回って無いのな)美鈴にもこれを渡してやってくれ。多分アイツならコレの正体知ってるだろうし」

 

「ああ、ひゅうほくへすもんへ(ああ、中国ですもんね)」

 

「……中国?」

 

咲夜は今更口の異変に気づいたようで、何故か喉の調子を元に戻そうとしている。

若干天然なのが可愛いんだよな、咲夜は。

 

「……あー、あー、良し、直りました。では、今日は本当に有難う御座いました」

 

あれ直った?

まあ、良いか。

 

 

 

「「御来店、有難う御座いました」」




今回から最後の決めゼリフが
「御来店、有難う御座いました」
になりました。

出来立ての肉まんは本当に美味しいですよー。
自宅でもせいろがあれば作れるので、是非挑戦してみてください。
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