幻想郷でパン屋、始めました。   作:命麗 命

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パンウマー。


イースト菌って偉大だよね

次の日……

 

「旨い……」

 

私は今、パンを口に入れていた。

皮のサクッとした食感、フワッとしていて、尚且つモチモチとした生地。

そして何より……

 

「嗚呼……そうだ、この匂いだ。私はこの匂いに飢えていたのだ……」

 

パン特有の芳醇でふくよかな薫り。

それはイースト菌が作り出した『奇跡』と言っても過言ではないだろう。

 

「っと、イカンイカン、こんな旨い物を独り占めするなど外道のする事じゃあないか、おばさんに分けて上げよう。近所の人達も欲しがっているだろうし」

 

そう、このパンは石窯で焼いている。

と、言うことは、石窯の煙突からあのパンの最高に良い薫りが外にも広がっていると言うことだ。

 

「パンは世界を救う程旨いと、カチューシャの少年も言っていたからな」

 

さて、皆にこの美味しいパンを振る舞おうではないか!!

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして……

 

 

 

「おっばさーん!!パン出来たよ!!」

 

ドゴン!!

扉が外れる音と共に、おばさんの家に私の声が響きわたる。

しばらくして、おばさんが眠たそうにこちらへやってきた。どうやらまだ起きたばかりだったようだ。大変失礼致した。

 

「そう思うなら、まず、扉を直してくれないかねぇ……」

 

了解。

 

 

 

数分後

 

 

 

 

「で、本当に作ったのかい、アンタ?」

 

「ああ、勿論!!ほら、これがパンという食品だ!どうだ?美味しそうだろう?」

 

そう言って私は手に持っている篭の中にあるパンを渡す。

おばさんに手渡したのは胡桃とレーズンのパン。胡桃の香ばしさとレーズンの甘酸っぱさが絶妙に合うパンだ。

ちなみに形は丸型。

 

「ふぅん……これが『ぱん』……じゃあ、頂くとするかね。頂きます」

 

そう言っておばさんはパンを一口台に千切り、口に入れる。

初めて食べると言うのにその上品さ、流石私が見込んだおばさん!!礼儀がなっております!!

 

「どうですか?味は?」

 

実際、これが聞きたかっただけの為におばさんのところに持ってきたんだ。

今のところ、みんな『美味しい』と言ってくれているが……

やはり、今のところ一番信頼出来るおばさんに美味しいといって貰わないと信用出来ない現状がある。

 

「……美味しい」

 

「本当に?」

 

「うん、こりゃあ旨いわ、イっちゃんがあんな風になる訳だ。この食感が良いねぇ、店を出しても良いんじゃないかい?少なくとも私は毎日買うね」

 

大☆絶☆賛!

ここまで誉めちぎられると逆に恥ずかしい……けど、本当に嬉しい。実は、私は誉められた事なんてほとんど無かったのだ。多分、この数十万年で両手で数えれる位の量しかそんなことは無かった。

だから、素直に嬉しかった。涙が出そうだ。

 

「って、どうしたんだい!?急に泣き出して!?」

 

失礼、もう泣いていた様だ。

 

「すみません……感極まってしまって……大丈夫です、心配ありません」

 

「こんな事でそんなに嬉しかったのかい、変な奴だねぇ……で、どうするんだい?」

 

「?どうするって、何がですか?」

 

私は何かすると言ったかな?

……うーん、特には言ってない筈だが。

そんな感じに首をかしげていると、おばさんがニヤリと笑い、こう言った。

 

 

 

 

 

「店、開くのかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、回想しゅーりょー。

 

「と、まぁ、こんな感じで、この『ぱんやさん』は出来た訳だ」

 

「あやや、そうだったのですか、些かツッコミどころが有りすぎると思うのですが……」

 

私は今、私の愛読している『文々。新聞』の執筆者、射命丸 文(しゃめいまる あや)に取材を受けている。

話を聞くに、「私の新聞に貴方の店を載せるからネタをくれ」と言うことだ。

 

「まあいいです。お陰で良いネタが手に入りました。っと、もうこんな時間ですね」

 

「ん?あぁ、そうか、もう五時間以上喋り続けていたな………腹は減っていないか?」

 

「いえ!!全然大丈夫……」

 

クキュルルル……

 

「なんともまぁ、可愛らしい腹時計だこと」

 

「かっ、からかわないで下さい!!」

 

そんな隠さずとも、前々から分かっていたのだがな。

 

「良かったら夕飯食べていくか?」

 

文は、心底恥ずかしそうに顔をうつ向きながら顔を真っ赤にし、言葉を口に出した

 

「本当は、取材に貢献してくれた方に御迷惑をおかけするのは私のポリシーではないのですが………御願いします

 

「素直で宜しい♪」

 

そのあと、ワインのアルコール度数が高かったのか、でろでろに酔い潰れた文に絡まれ、イチャイチャした雰囲気をかもし出したとさ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日……

 

「んぅ……よく寝た」

 

っと、昨日は文を家に泊めたんだっけか?

大丈夫だ。文ファンの皆さん、別にやましい事はしていない。

まぁ、そんな電波は投げ捨てて置いて……朝食でも作るか。今日は仕事休みだからパンを仕込む必要も無いし。

そんな事を考えながら私はキッチンに着く。

 

「レヴァさんの三分(笑)クッキング~」

 

今日の献立は「ハニートースト」です。

まず、事前に用意して置いた食パンに切り込みを入れます。3×3マスが基準です。をトーストでほんの少し焦げる位まで焼きます。よりサクサクな方が好きな方は焼き時間を長めにすると良いですよ。

焼いている間にミントを摘んで来ましょうか。

はい、摘んできました。

 

チーン

 

おや、どうやらパンが焼けた様です。

では、この上にバニラアイスをのせ、メープルシロップをたっぷりかけて、最後にミントを添えれば完成!!

簡単でしょう?

 

材料(二人分)

 

四つ切り食パン 二枚

メープルシロップ(ハチミツも可) お好み

バニラアイス お好み(砂糖少な目が良い)

ミント 少々

 

 

「実質、あの番組は詐欺だと思うんだ」

 

「何言ってるんですか?イントさん」

 

突然の声に驚き、後ろを振り向くと、私の寝巻きを着た文が立っていた。

余談だが、寝る前に文の寝る部屋から「イントさんの寝巻き………ふぅ」という声が聞こえたが気にしない。ツッコまない。

 

「おや、起きたのか、文」

 

「ええ、良い匂いがしたので飛び降りて来ました、美味しそうですね!早く食べましょう!!」

 

まあ、待て、今紅茶を入れる。

 

 

そのあと、彼の店、『ぱんやさん』には甘い匂いと楽しそうな会話が響いたそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、余談だが文はそのあと少し太ったらしい。

本人曰く「いくらパンを食べても肥らないイントさんが羨ましい」だそうだ




楽しくて2448字も書いてた。
このハニートーストのレシピ、実はリアル友達からのリクエストです。
どうも、私の作ったハニートーストが美味しかったらしい。
子供でも思い付く位簡単なのに……

文については何もいうまい。

話の途中で出てきた『カチューシャの少年』とは「焼きたて!ジャパン!」の主人公です。
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